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2度の顕微授精で妊娠に至らず。次の治療の再開時期や採卵の方法が気になります【藤野祐司先生】

初回は自然周期、次は刺激周期で採卵。医師に「次は自然周期で」と言われたけれど、時間がもったいないような気がして……。藤野婦人科クリニックの藤野先生にお聞きしました。

■送信者:きあちさん(31歳)からの投稿
■件 名:排卵誘発方法について
前回は自然周期、今回は刺激周期で顕微授精を行いました。先生は「次は自然周期でやったほうがいいかもしれない」とおっしゃるのですが、また採卵数が少なくて、凍結保存できなかったら、お金と時間の無駄のような気がします。次回の誘発方法はどうするべきでしょうか。着床が維持できなかった理由も気になります。また、先生には次の月経から始めようと言われていますが、次回の顕微授精までどれくらい期間をおけばいいでしょうか。

先生からアドバイス!
採卵方法よりも移植方法を見直してみてはいかがでしょうか。次回は胚盤胞での移植をおすすめします
ジネコ : きあちさんは顕微授精による体外受精を行っていますが、次の排卵誘発法をどうするかでとても迷っているようです。


藤野先生 : いくつか問題点があると思うのですが、まず、自然周期で採卵して、その後、刺激周期で採卵していらっしゃいますよね。そもそも、卵巣の中の卵細胞の、小さい卵胞の排卵準備が整うまでに、どのくらいの期間がかかると思いますか? 排卵誘発剤の刺激を受けた後は、次の排卵の準備まで、だいたい70~90日くらいの時間がかかります。つまり、生殖細胞が発育の準備をするまでには3カ月くらい期間が必要、というのが一般的な考え方なので、刺激周期で大量の注射薬を使った場合は、少なくとも3カ月ほど空けたほうがいいのです。

一方、自然周期の場合ですと、大量に薬を使いませんので、それほど期間を空けなくてもいいのです。いかに妊娠に結びつくいい卵子が採卵できるか、いい受精卵ができるかということを考えると、いずれにせよ卵巣のコンディションをベストに保った時に体外受精をするのがいいので、2~3カ月の期間を空けて治療をしてはいかがでしょうか。


ジネコ :  妊娠には至りませんでしたが、2度目の顕微授精で着床されています。ただ、これは血中のHCGの値から、卵巣刺激の注射の影響ではないかという懸念もあるとか。


藤野先生 : そうですね。移植後、1週間の血液検査で「数値が4」とありましたが、この数値が何を意味するのか?
もしこれが胎児由来の血液中のHCGの値であれば、着床していたといえますが、ひょっとしたら刺激周期の場合は、採卵の2日前に打つ注射の影響が出ていた可能性があるかもしれません。確かにご本人が気にしておられるように、着床していなかったという事実も否定できないとは思います。はっきりと判断はできないのですが……。


ジネコ : 自然周期と刺激周期、採卵の方法についてはいかがですか? きあちさんの担当医は自然周期をすすめています。


藤野先生 : ホルモン剤を使わない自然周期のほうが卵子の質がよかったということですから、やはり担当の先生がおっしゃるように、自然周期でもう一度採卵するほうがいいのではと感じます。

ただ、移植については、やはり方法を見直してみる必要があるでしょうね。初回はグレード1、グレード2の良質な受精卵を移植されたとのことですが、次回はより卵子の質を判断できる胚盤胞移植を選択してみてはいかがでしょうか。

さらに、採卵した周期に戻すのではなく、着床の条件を改善するために、子宮のコンディションを整える目的で、いったんすべての受精卵を凍結し、次の周期に戻すのがいいと思います。採卵、体外受精、胚盤胞培養、胚盤胞凍結で、いったん治療を終了して、別のホルモン補充における周期で、次回はチャレンジされてみてはどうでしょう。そうすれば、卵子の質をよりはっきりと確認できますし、子宮のコンディションの調整も可能だと思います。


ジネコ : きあちさんの質問にはありませんでしたが、精子の検査データで「平均以下」という回答も気になります。


藤野先生 : そうですね。詳しく書かれていないのでわかりませんが、きあちさんは人工授精からすぐに顕微授精に進んでいます。ご主人の精子の状態がよくなかった可能性があるかもしれません。最近は精子の受精能力を調べる方法がいろいろありますからね。同じ顕微授精でも高倍率の顕微鏡を使って精子の頭部を拡大し、より形態良好な精子を確実に選択して受精させるIMSIという顕微授精の方法もありますし。

いずれにせよ、きあちさんのような原因不明の不妊症の方にとって、顕微授精という選択は悪くないと思います。一般的な体外受精で卵子に精子を振りかけて混ぜる時にも、自然淘汰という現象が起こっています。そのなかで質のいい、自分で生きていく力を持った精子を確実に受精に結びつけることができる顕微授精は有効です。

ただし、移植方法としては、多胎を防ぐためにも、卵子の質を判断するためにも、受精卵を胚盤胞まで育ててから凍結し、単一胚で移植する方法がいいと思います。焦らずにじっくりと治療を進めていってください。


藤野 祐司 先生

大阪市立大学医学部卒業。米国留学、同大学医学部婦人科学教室講師を経て、1997年にクリニックを開業。現在、同大学で非常勤講師も務める。B型・おとめ座。プライベートでは料理に夢中!パスタやスイートポテトを作ってご家族に喜ばれているそう。



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