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コラム   >   不妊治療の広場   >   黄体ホルモン剤の影響で次の生理周期が延びてしまうのが苦痛です

黄体ホルモン剤の影響で次の生理周期が延びてしまうのが苦痛です

相談者
こうのとりさん
■ 治療歴1年、人工授精2回目に挑戦中です。生理5日目からクロミッド®を飲み、12日目に卵胞チェック。HCGを打って、卵が育っていれば翌日に人工授精。その翌日に排卵チェックをしてHCG、さらに黄体ホルモン補充としてプロゲストン®を処方されています。特に黄体機能不全といわれていませんが、朝晩1錠を2週間。私は量が多め……?黄体ホルモン剤は、人によって処方される量が違うのはなぜなのでしょうか。妊娠していればいいのですが、していなかった場合は生理が遅れ、周期が延びてしまうのが苦痛です。

ジネコ:こうのとりさんは黄体ホルモン剤を服用されているとのことですが、人工授精の後は必ずこの薬が処方されるのでしょうか。

吉田先生:人工授精後に薬で黄体ホルモン補充をするのは一般的なことだと思います。当院でも、黄体機能不全ではなくても、人工授精を受けた方には、原則飲んでいただくようにしています。

ジネコ:なぜ、黄体を補充するのですか?

吉田先生:黄体ホルモンは妊娠を維持するために必要なホルモンです。また、子宮の粘膜に作用して、受精卵の着床を促す働きもあります。子宮内膜を水分で満たし、みずみずしくさせるのです。いい状態の内膜をよく「フカフカのベッド」にたとえますが、まさにそのような状態にして、受精卵が来た時に内膜へもぐり込みやすくしてあげるのです。

ジネコ:こうのとりさんはプロゲストン®を処方されたようですが、黄体ホルモン剤には他にもいろいろ種類があるのでしょうか。

吉田先生:プロゲストン®は黄体ホルモン剤の中でも少し作用が強めの薬で、体温も上げていきます。当院では、もう少し作用が弱いデュファストン®という薬を使っています。プロゲストン®と同様に黄体を補充する目的で使いますが、これを飲んで体温が上がることはありません。他に、もっとしっかり補充をしたいという場合はプロゲストン®の注射を併用することもあります。どの薬を使うかは、その方の黄体機能の状態などによって変わってくるのではないでしょうか。

ジネコ:薬の量や投与する期間も人によって異なるのですか。

吉田先生:量についても1日1錠になったり、2錠になったり。体重や黄体機能不全の程度などによって個人差があると思います。こうのとりさんは身長155cmで体重53kg。朝晩1錠ずつということですが、この量は特別多いとは思いません。服用する期間も、必ず14日間でなければいけないということはありません。こうのとりさんは次の周期が延びてしまってつらいとのこと。本当は、私たち医師は生理が遅れること、つまり妊娠することを期待しているのですが、妊娠が成立しなければ苦痛になってしまうというお気持ちはわかります。人工授精を2回されて、今後もしばらく続けられるようなら、次回から薬を服用する期間を短くしてみてはいかがでしょうか。薬の効果が長引かないように、14日間を12日間にしてみるとか。生理に合わせて服用する日数を加減することはできると思います。黄体機能不全とは診断されていらっしゃらないようなので、少しくらい期間を減らしても、着床などに大きな影響はないと思います。疑問やストレスはよくありませんから、担当医の先生に一度ご相談されてみることをおすすめいたします。

吉田 仁秋 先生
獨協医科大学卒業。東北大学医学部産婦人科学教室入局、不妊・体外受精チーム研究室へ。米国マイアミ大学留学後、竹田総合病院産婦人科部長、東北公済病院医長を経て、吉田レディースクリニック開設。東日本大震災から2年。同クリニックで不妊治療をする患者さんの声を聞いたところ、震災後、「不安を感じる」という人より「頑張って子どもをつくっていきたい!」という前向きな考えを持つ人のほうが圧倒的に多かったそうです。

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