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排卵不全、誘発剤への抗体

専門医Q&A 女性の健康

排卵不全、誘発剤への抗体

「エコーで自身の卵巣をみるたびに、大きさや数が少なくなっているのが私から見ても如実です。いつか採卵もできなくなると諦めるしかないのでしょうか?排卵誘発剤が効かない抗体というのは、どうにか治療法はありませんか?」

2014.9.25

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アロハさん(32歳)


はじめまして、体外受精に挑戦して3年になりました。
私は無月経、無排卵で体外受精を受けるために治療を始めましたが、約2年間排卵誘発剤が効きませんでした。
その後、私自身の体に排卵誘発剤が効かない抗体があるということが分かり、体外受精を諦め、未成熟培養の体外受精(IVM)をに挑戦してみましたが、まだ妊娠には至っておりません。
採卵回数は、4回。
(凍結数5個の内、解凍時のNG1個、グレードが低く凍結中1個、移植3個)
採卵回数のたびに、どんどんエコーで見える卵胞の大きさや数が減っており、いつか諦めないといけないのか…という不安でたまりません。
排卵誘発剤が効かない抗体があると分かった時、先生いわく『このタイプの方はとても卵巣機能の低下が早い』と言われました。
エコーで自身の卵巣をみるたびに、大きさや数が少なくなっているのが私から見ても如実です。
いつか採卵もできなくなると諦めるしかないのでしょうか?
排卵誘発剤が効かない抗体というのは、どうにか治療法はありませんか?
また、私と同じように『排卵誘発剤が効かない抗体を持った体質』で治療をして妊娠に至った先生はいらっしゃいませんか?
ご意見交換を伺えれば嬉しいです。




お話を伺った先生のご紹介

田中温 先生 (セントマザー産婦人科医院)


「赤ちゃんがなかなかできない」というつらさは、精神的にも身体的にも、とても苦しいものです。そして、治療を始めるとなると、さらに経済的な負担も大きくなります。
当院では、不妊治療を中心に、長い年月、多くの患者様の診療を行ってまいりました。いつもたくさんの患者様の真摯な思いに胸を打たれます。私たち、スタッフ一同は、これからも、たゆまない研究努力を怠らず、患者様をサポートできる体制を日々充実させ、患者様の苦しみに心をよりそわせながら、おひとり、おひとりの患者様の願いがかなうよう、お手伝いさせていただければと思っております。


≫ セントマザー産婦人科医院




アロハさんは多分PCOSの可能性が高く、月経不順もそこに起因しています。私なら、PCOSの患者さんに体外受精(IVM)を行わず、まずは腹腔鏡下で卵巣の表面を焼くドリリング術をお勧めします。術後、6割の患者さんは自然排卵し、4割は排卵誘発剤で排卵しますから、PCOSの患者さんには特に有用です。
 排卵誘発剤は卵巣への刺激を強めるため、もともと卵胞数が多いPCOSの患者さんは卵巣が腫れ、OHSSになるリスクが高まります。そのため、排卵誘発剤を使うことを嫌い、早い段階で体外受精を提案する医師が多いのは事実です。「排卵誘発剤が効かない」のではなく、「排卵誘発剤をなるべく使いたくない」というのが本当のところではないでしょうか。腹腔鏡には手術室や入院施設が必要ですが、その設備や技術がないために、「排卵誘発剤が効かない抗体」など、何らかの理由付けをして体外受精を勧めているとも考えられます。「卵巣の機能低下が早い」というのも適切な診断ではなさそうですね。
 LH、FSHの値を調べれば分かることですので是非詳しいホルモン検査をされて下さい。そして、AMH値が7.0ng/mlですから胞状卵胞がたくさんあることは明らかで、ゆえにPCOSの可能性が高くなります。いろいろと、疑問を感じる診断をされているように見受けられますので、なるべく早い段階で腹腔鏡ができる施設に転院することをお勧めします。また、PCOSは糖尿病とも深く関わりがありますので、アロハさんが糖尿病ではなくてもご家族に罹患されている方がいるか調べるなど、複数のアプローチから治療を選択することも視野に入れていただきたいですね。





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