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夫婦とも抗うつ剤内服中

専門医Q&A 女性の健康

夫婦とも抗うつ剤内服中

「私達夫婦は抗うつ剤(ジェイゾロフト50mg)を内服中です。現在人工授精を3回行いましたが妊娠せず、3月に体外を行う予定でいます。なかなか授からないのは薬の影響もあるものでしょうか?」

2015.3.14

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きららさん(35歳)


私達夫婦は抗うつ剤(ジェイゾロフト50mg)を内服中です。
現在人工授精を3回行いましたが妊娠せず、3月に体外を行う予定でいます。
なかなか授からないのは薬の影響もあるものでしょうか?
また、もし妊娠できたとしても、奇形の可能性もやはりあるものでしょうか?




お話を伺った先生のご紹介

吉田仁秋 先生 (仙台ARTクリニック)


近年の晩婚化と共に妊娠しにくい方が増えております。
当院では年間約700名程の患者様が訪れるようになり、そのうち半数の方が自然妊娠し、残り半数の方が手術や生殖補助医療を必要とします。
当院では不妊に関する最新の医療を提供できるよう、海外も含めて学会や研究会に積極的に参加し、発表しております。
最近では、アメリカ生殖医学会発表や日本生殖医学会、日本受精着床学会のシンポジウムなどがあります。
また東北大学農学部動物生殖科学講座との共同研究により研究成果を発表し、世界体外受精会議記念賞をも獲得しております。
今後とも基礎的な分野の充実を図り、臨床応用に役立てるようにしたいと思います。
不妊治療はどうしてもストレスが重なり心労と成って参ります。
こうした患者さまのお気持ちを少しでも緩和できるよう専門の資格を取得した不妊カウンセラーやIVFコーディネーターがおります。
お気軽に相談していただき、少しでも患者さまのさまざまな悩みにお答えできるようにしております。
ぜひ解らないことや悩みを相談なさってください。

《略歴》
1981年 獨協医科大学卒業
東北大学産婦人科学教室入局
1988年 医学博士取得
1991年 マイアミ大学生殖内分泌学講座留学 IVFディレクター
1993年 竹田綜合病院産婦人科部長
1996年 東北公済病院産婦人科医長
1998年 吉田レディースクリニック開業 理事長・院長
2007年 ARTセンター設立
2008年 東北大学産婦人科臨床教授
2009年 東北薬科大学(現 東北医科薬科大学)非常勤講師
2016年 仙台ARTクリニック開業 理事長
     現在に至る
《認定医》
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医、指導医
《役職》
日本受精着床学会 理事
日本IVF学会 常務理事
JISART(日本生殖補助医療標準化機関) 副理事長
日本A-PART 副理事長
日本レーザーリプロダクション学会 評議員
日本生殖心理カウンセリング学会 常務理事
生殖バイオロジー東京シンポジウム 世話人
日本不妊予防協会 評議員
アメリカ生殖医学会 会員 等


≫ 仙台ARTクリニック




抗うつ剤はどのくらい服用されておられるのでしょうか。
使用期間はわかりませんが、ジェイゾロフト50㎎の量から判断すると、抗うつ剤の使用はお二人ともまったく構わないと思います。
というのも、この服用量なら最大のマキシマムではないこと、ジェイゾロフトは抗うつ剤の中でも効果がマイルド(うすめ)であることが理由です。また、ジェイゾロフトは抗うつ剤の中では、副作用が少なく比較的安全といわれています。
ちなみに、重症なうつの人のためには別の抗うつ剤が用意されています。
また、きららさんは薬による奇形を心配されておられますが、もし薬をやめることができれば、妊娠初期に薬を半分にするなど減量してみてはいかがでしょう。
毎日のんでいるものをやめると不安になったり、気分が暗くなるのではと心配されるかもしれません。あくまで気持ちの問題であり、奇形になるかどうか心配する必要はありません。
それでも気になるなら、繰り返しになりますが妊娠が分かった時点、胎芽形成期の6週から8週、10週ごろまで、1か月か2か月のあいだは抗うつ剤の使用をちょっと控えます。
実際、妊活中の方ではきららさんがのんでいる薬よりも強い薬を服用されている人がたくさんいらっしゃいます。なので過度に神経質になったり、心配しなくても大丈夫ですよ。
ご主人の精子の運動率が基準の半分ということですが、もし気になるようでしたら、漢方薬の『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』を服用してみてはいかがでしょう。
ジェイゾロフトは、ほかの抗うつ剤(脳内伝達物質セロトニンを増やすことで抗うつ効果を発揮するSSRI)に比べ、インポテンツなど性機能障害を起こす頻度が多いとの報告もあります。
ただ、きららさんは人工授精を3回されておられるので大丈夫かと思いますが、今後、EDなどが見られた場合は、泌尿器科の医師と相談したほうがよいと思います。
人工授精で使う精子の数はたくさん必要なく、このままでも問題はありません。
また睡眠薬のマイスリー、逆流性食道炎のお薬アルサルミンも特に問題ありません。授からないのは薬のせいではないと思います。





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