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【Q&A】着床障害で打つ手がなく行き詰まっています。ー浅田先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】着床障害で打つ手がなく行き詰まっています。ー浅田先生

胚のグレードも悪くなく、着床に関する検査等もかなり多く受けたので、途方にくれています。今後の方針について、浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。

2019.8.19

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相談者:まるめっこ。さん(33歳)



着床障害で打つ手がなく行き詰まっています。
体外受精(含む顕微受精)後、胚盤胞移植を3回行いました(グレードは6AA, 4AB, 5BB)。結果は1回目に微量のhcgが出たものの化学流産、その他は陰性でした。
不育症検査では、プロテインS活性がひっかかり、2回目の移植からバイアスピリンを飲みました。ラクトフローラも毎回使用しています。TH検査、ALICE検査も異常なしでした。3回目はブスコパンやステロイド剤も服用しました。全てAHA、SEET法実施です。
クリニックからはCD138検査、夫婦の染色体検査以外にはもう受ける検査はないと言われています。
胚のグレードも悪くなく、着床に関する検査等もかなり多く受けたので、途方にくれています。やみくもに移植を続けるのは避けたい状況です。上記の検査を受ける意義も含め、今後の方針につきアドバイス頂ければ嬉しいです。
(ERA検査はエビデンスが疑問との調査を読みましたので、実施は考えていません。ERA検査以外でアドバイス頂ければ嬉しいです。)




着床障害について




まるめっこ。さんは、33歳で3回胚盤胞移植しても妊娠しなかったため、着床障害ということで悩まれています。しかし私は、そもそも着床障害という説明に違和感を覚えます。
人の受精卵は、子宮内膜が無い所でも、子宮外妊娠として着床します。また、代理出産として、他人の受精卵を子宮に戻した場合、その受精卵の年齢に応じた妊娠率が獲得できることが分かっています。ですから、子宮側が受精卵を選択し、着床するかどうかの決定権を持っていると考えること自体、不合理なことです。


5日目の胚盤胞は、翌日あるいは翌々日くらいが着床の時期になり、着床障害であればその段階で発育が終わっているわけですが、多くの卵子はそれ以降もずっと生きているのが普通だと考えます。つまり、妊娠判定よりも先に発育が止まれば妊娠できず、それ以降に途中で発育が止まるようであれば流産、と考えるのが自然です。
まるめっこ。さんの場合も、着床しなければ化学流産までいかなかったはずなので、着床障害だという発想自体が間違っています。移植→着床→妊娠という段階がそれぞれ同じ重みの過程ではなく、それぞれのタイムコース、時間軸は大きく異なるということに気付いていただきたいと思います。


 


胚盤胞のグレードについては?


胚盤胞のグレードも気にされているようですが、胚盤胞のグレードは見た目の評価に過ぎず、中の遺伝子の構成とは関連していません。胚移植する場合に順番を決めなければいけないため、一応の順番をつけたものであり、妊娠しやすい順番ではありません。一般的に、見た目のいい受精卵は、見た目の悪い受精卵に比べて染色体異常の確率は低いと言えます。しかしこれは一般的な傾向にすぎず、個々の受精卵については確実なことが言えないのが現実です。 


 


今後の治療方針について


33歳であれば、正常に受精卵ができたとしても、少なくとも6~7割が染色体異常であり、胚盤胞になっても染色体異常があることが分かっています。また、現在では、多くの受精卵はモザイクであることも分かっています。つまり、赤ちゃんになることのできる卵子はもともと非常に少ないのです。最近のデータによると、33歳位の人が一人の赤ちゃんを産むためには、平均で12~13個の卵子が必要です。カップルの遺伝子の組み合わせによっては、これよりもっと多くの卵子が必要な人、少なくても妊娠する人もいます。
ですから、着床障害ということにこだわる必要はあまりありません。この先、赤ちゃんまで育つ受精卵に必ず巡り合えるはずなので、それまできちんとした施設で、正しい体外受精を続けていくことが大切なことだと思います。


“ERA検査はエビデンスが疑問との調査を読みました”とありますが、その通りです。数年前から注目を浴びてはいるものの、効果があるというエビデンスのはっきりした論文は未だに出ていません。しかし、まるめっこ。さんが不育症検査で受けたプロテインSやALICE検査、SEET法の方が、ERAよりもエビデンスレベルが低いと思います。 色々な検査をされていますが、効果的ではないものも多いと私は思います。


今年の4月、イギリスのBBCがニュースを流しました。不妊治療で中高年女性がカモにされており、それについてイギリス当局が警告をしたという内容です。HFEA(ヒト受精・胚機構)というイギリスの機関が、まるめっこ。さんの受けたような検査について、妊娠の確率を高める決定的な証拠がないまま提供され、多くの女性が大金を払わされている。クリニックはもっと公明正大であるべき、と報道しました。


まるめっこ。さん自身も、本当に受けるべき検査かどうか、優先すべきことは何かということを考え、信頼できるドクターのもとで、これから治療に臨んでいただきたいと思います。


 



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お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック

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