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体外授精移植後の鍼灸治療の進め方は?

コラム 不妊治療

体外授精移植後の鍼灸治療の進め方は?

2013漢方

2015.7.29

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相談者

チキチキ さん(41歳)


胃が弱いのと当帰芍薬散で逆流性食道炎を発症したので、なるべく漢方の服用は避けて鍼灸のみ行っていますが、イマイチ効果を感じられません。通っている鍼灸院は体外受精の移植後の鍼灸はやらない方針です。はたしてそれでいいのかも不安です。
○ 低温期と高温期の差が小さい(0.3 度未満)
○ 高温期の上昇が遅い
○ 月経血の量が少なく、月経期間が短い
○ PMS(月経前症候群)がひどい
○ 高プロラクチン血症である
○ 足腰のだるさや冷えを感じる
○ 稽留流産したことがある




鍼灸治療は妊娠の手助けになるので不妊治療に詳しい鍼灸院選びが重要になる


鍼灸院によって治療方針はさまざまです。体外受精の移植後に鍼灸をしない理由として最も考えられるのは、着床して妊娠したのに、鍼灸によって流産する恐れがあるためだと思います。移植後または妊娠初期には、鍼を打ってはいけないツボがあるので、それは気をつけなければいけません。そのことからも、不妊治療に詳しい専門の鍼灸院選びがとても重要になります。逆に言えば、症状に合っている鍼灸治療を受けることはむしろ、妊娠の手助けになるのです。


鍼灸で着床可能な期間内に子宮内膜を良好な状態に整えた方が着床率は高まる


体外受精の移植後、胚盤胞の場合は3日間に受精卵が子宮内膜に着床するか否かが勝負になります。また、初期分割胚の場合は、治療が少し長くなることもあります。着床可能な期間内には、なるべく子宮内膜を良好な状態に整えた方が、着床率が高まると考えます。胚盤胞の移植をする場合には、着床率、妊娠率を高めるために、移植当日から3日間連続で行う着床治療があります。鍼灸治療によって、これまで分泌されたホルモンのうち、5割しか卵巣に届かなかったのが7~8割届くようになれば、卵巣の働きが以前より活発になります。また、着床を後押ししてくれる黄体ホルモンの分泌も旺盛になり、結果として着床率や妊娠率が高まると考えられます。着床するためにもうひとつ大切なことは、子宮内膜の状態です。鍼灸によって子宮内膜表面の血行が良くなると、内膜がフカフカの厚みを持ち、着床環境が良くなることで着床率が高まるのです。


時間を有効に使うために鍼灸治療で体の状態を整えることが妊娠への近道


チキチキさんの基礎体温は、低温期と高温期の二相差が小さく(0.3度未満)、高温期の上昇が遅いので、まずは体質を改善してから、採卵や移植することをおすすめします。また、月経血量が少なく月経期間が短い、月経前症候群がひどく、足腰のだるさや冷えなどの症状は、鍼灸治療を続けることでかなり改善されると思います。41
歳という年齢だからとあせる必要はないのですが、時間を有効に使うために、まずは体の状態をしっかり整えることが妊娠への近道だと思います。




和田 滉美先生


長春中医薬大学中医学部卒業。中国中医研究院講師。北京骨傷学院附属病院内科医師。日本獨協医科大学附属越谷病院小児科研究員を経て、2006年に桃仁堂中医鍼灸院を開院。一人ひとりの体質や症状に合わせたきめ細かい治療、病院選びをはじめとする丁寧なアドバイス、妊娠後の安胎・安産治療もサポート。多くの女性から信頼を寄せられている。





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