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西洋医学と中医学が結合した不妊治療法
西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 「周期調節法」という言葉を、妊活中の方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。周期調節法というのは、不妊治療法のひとつで、1980年代初期に中医学界で発表された「中西結合医学」です。中西結合医学とは、中医学と西洋医学を結合した医学のこと。つまり周期調節法とは、西洋医学で使われている基礎体温のグラフに中医学の「陰陽理論」を当てはめて女性ホルモンの変化を分析し、それに合わせて漢方薬を周期ごとに変更することで妊娠率を高める不妊治療法なのです。近年、西洋医学の不妊治療の発展は目覚しく、その成果は不妊症で悩んでいた夫婦の悩みに応えています。しかし、その一方で、体外受精、顕微授精、ホルモン治療など、体への負担が少なからずともあることは否めません。しかし、同じ不妊治療でも周期調節法なら、体が本来持っている力を尊重する中医学理論に基づいていますから、体の調子を整えながらホルモンの分泌を無理なく最大限活発にすることができるのです。ここが西洋医学のホルモン療法と大きく違う点だといえるでしょう。春、長夏(梅雨)、夏、秋、冬と季節が違うように、個人の体質にもさまざまな違いがあります。それを分析して、その人にあった治療法を考えるのが周期調節法です。西洋医学の不妊治療は高度医療を駆使して受精・着床させることが目的ですが、中医学は赤ちゃんの育つ母体の環境を整えることで妊娠可能な体になることが目的と考えます。この二つの考え方を融合させた周期調節法によって、自然妊娠の可能性がそれまでよりも高くなりました。また、身体のリズムを整える中医学によって、西洋医学で行われる体外受精の成功率や受精卵の着床率も高められます。まさに中西結合医学である周期調節法は合理的な不妊治療法です。次回は周期調節法を具体的に紹介します。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 「周期調節法」という言葉を、妊活中の方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。周期調節法というのは、不妊治療法のひとつで、1980年代初期に中医学界で発表された「中西結合医学」です。中西結合医学とは、中医学と西洋医学を結合した医学のこと。つまり周期調節法とは、西洋医学で使われている基礎体温のグラフに中医学の「陰陽理論」を当てはめて女性ホルモンの変化を分析し、それに合わせて漢方薬を周期ごとに変更することで妊娠率を高める不妊治療法なのです。近年、西洋医学の不妊治療の発展は目覚しく、その成果は不妊症で悩んでいた夫婦の悩みに応えています。しかし、その一方で、体外受精、顕微授精、ホルモン治療など、体への負担が少なからずともあることは否めません。しかし、同じ不妊治療でも周期調節法なら、体が本来持っている力を尊重する中医学理論に基づいていますから、体の調子を整えながらホルモンの分泌を無理なく最大限活発にすることができるのです。ここが西洋医学のホルモン療法と大きく違う点だといえるでしょう。春、長夏(梅雨)、夏、秋、冬と季節が違うように、個人の体質にもさまざまな違いがあります。それを分析して、その人にあった治療法を考えるのが周期調節法です。西洋医学の不妊治療は高度医療を駆使して受精・着床させることが目的ですが、中医学は赤ちゃんの育つ母体の環境を整えることで妊娠可能な体になることが目的と考えます。この二つの考え方を融合させた周期調節法によって、自然妊娠の可能性がそれまでよりも高くなりました。また、身体のリズムを整える中医学によって、西洋医学で行われる体外受精の成功率や受精卵の着床率も高められます。まさに中西結合医学である周期調節法は合理的な不妊治療法です。次回は周期調節法を具体的に紹介します。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.8.10
コラム 不妊治療
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さまざまなことから生じる不妊の原因
さまざまなことから生じる不妊の原因 さて、妊娠の条件とはなんでしょうか?最終目的は健康な赤ちゃんを産むことですから、妊娠をすればそれでいいわけではないですよね。となれば、受精、着床、発育・出産という一連の流れが妊娠であって、どこかがうまくいかなければ不妊になります。高度医療が発達した現代において、卵管が詰まっているような受精障害なら、体外受精を行うことで、受精だけであれば、ほぼうまくいくようになりました。しかし、不妊の原因はもっと複雑でさまざまな原因があるから、どんなに医療が進歩したといっても出産にこぎつけられるのは20~30%くらいだということを、皆さん分かってきているのが現状です。では、そのさまざまな原因にそった治療が必要なのですが、それが西洋医学だけでは補えないこともあるのです。たとえば高度医療で受精がうまくいっても、もともとの精子や卵子が元気でなければ、受精卵が胚盤胞にならないこともあります。また着床がうまくいくためには、子宮の質も問われます。さらに12週までは胚の質、それ以降は母体の体質、体調が影響します。つまり、妊娠するかしないかは、受精前の卵子、精子の状態から始まり、着床に置いては子宮の質が関わり、12週までは受精卵の質が重要となります。さらに出産に至るまでは、母体の健康状態が重要になります。結婚が決まって、いずれ子どもが欲しいと考えているなら、子づくりをする前から体調管理をするにこしたことはないのです。子どもが欲しいと思えば、すぐに妊娠するとは必ずしもならないのですから。次回は妊娠のはじめにかかわる、精子、卵子の質についてお話ししますね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ さまざまなことから生じる不妊の原因 さて、妊娠の条件とはなんでしょうか?最終目的は健康な赤ちゃんを産むことですから、妊娠をすればそれでいいわけではないですよね。となれば、受精、着床、発育・出産という一連の流れが妊娠であって、どこかがうまくいかなければ不妊になります。高度医療が発達した現代において、卵管が詰まっているような受精障害なら、体外受精を行うことで、受精だけであれば、ほぼうまくいくようになりました。しかし、不妊の原因はもっと複雑でさまざまな原因があるから、どんなに医療が進歩したといっても出産にこぎつけられるのは20~30%くらいだということを、皆さん分かってきているのが現状です。では、そのさまざまな原因にそった治療が必要なのですが、それが西洋医学だけでは補えないこともあるのです。たとえば高度医療で受精がうまくいっても、もともとの精子や卵子が元気でなければ、受精卵が胚盤胞にならないこともあります。また着床がうまくいくためには、子宮の質も問われます。さらに12週までは胚の質、それ以降は母体の体質、体調が影響します。つまり、妊娠するかしないかは、受精前の卵子、精子の状態から始まり、着床に置いては子宮の質が関わり、12週までは受精卵の質が重要となります。さらに出産に至るまでは、母体の健康状態が重要になります。結婚が決まって、いずれ子どもが欲しいと考えているなら、子づくりをする前から体調管理をするにこしたことはないのです。子どもが欲しいと思えば、すぐに妊娠するとは必ずしもならないのですから。次回は妊娠のはじめにかかわる、精子、卵子の質についてお話ししますね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.7.22
コラム 不妊治療
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血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を
血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を 妊活で相談にきた方に腎の働きはもちろんですが、肝の働きも重要なことは前回お話ししたとおりです。体の血液量は決まっていますから、不足している部位があるからといって血液を増やすことはできません。だからこそ血液が偏ることなく体全体に分布させることが大切なんです。そこで私たちがやるのが「誠心堂式 三焦調整法」です。「三焦」とは、頭からみぞおちまでの「上焦(じょうしょう)」、みぞおちからへそまでの「中焦(ちゅうしょう)」、へそから足先の「下焦(げしょう)」、の3つのことです。どの部位も血液が不足してはならないのですが、不妊の方は子宮のある「下焦」に血液が不足しているケースが多いのです。また、第二の心臓といわれるふくらはぎの動きが悪くなることで、子宮に戻る血液の循環が滞りがちです。「誠心堂式 三焦調整法」とは、上焦、中焦、下焦にある経穴(ツボ)を調整することで、血液の偏りや滞りをなくし、体全体に血液を分布させる方法です。よく用いる経穴には、「四神聡(ししんそう)」、「内関(ないかん)」、「関元(かんげん)」、「三陰交(さんいんこう)」、「太衝(たいしょう)」などがあります。現代では無意識にストレス、夜更かし、PCやスマートフォンなどでブルーライトを長時間浴びているといった、交感神経を緊張させる刺激が多く、血液が頭部に集中している方が多いのです。全身の血液量は一定ですから、血液が頭部に集まると、子宮・卵巣・精巣への血流が相対的に減ってしまいます。これでは機能が充分に力を発揮できなくなる恐れがありますので、妊活をしているなら、少しでも持っている機能を回復させる必要があるのです。この治療法の導入することで、今まで卵が育たなかった40代の女性でも効果がでるようになってきました。妊活で治療を受ける前に、自分の体は血液の偏りがないか、一度相談してみてはどうですか?とくに冷えを自覚している方は三焦のどこかに血液の偏りがあるのかもしれませんよ。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を 妊活で相談にきた方に腎の働きはもちろんですが、肝の働きも重要なことは前回お話ししたとおりです。体の血液量は決まっていますから、不足している部位があるからといって血液を増やすことはできません。だからこそ血液が偏ることなく体全体に分布させることが大切なんです。そこで私たちがやるのが「誠心堂式 三焦調整法」です。「三焦」とは、頭からみぞおちまでの「上焦(じょうしょう)」、みぞおちからへそまでの「中焦(ちゅうしょう)」、へそから足先の「下焦(げしょう)」、の3つのことです。どの部位も血液が不足してはならないのですが、不妊の方は子宮のある「下焦」に血液が不足しているケースが多いのです。また、第二の心臓といわれるふくらはぎの動きが悪くなることで、子宮に戻る血液の循環が滞りがちです。「誠心堂式 三焦調整法」とは、上焦、中焦、下焦にある経穴(ツボ)を調整することで、血液の偏りや滞りをなくし、体全体に血液を分布させる方法です。よく用いる経穴には、「四神聡(ししんそう)」、「内関(ないかん)」、「関元(かんげん)」、「三陰交(さんいんこう)」、「太衝(たいしょう)」などがあります。現代では無意識にストレス、夜更かし、PCやスマートフォンなどでブルーライトを長時間浴びているといった、交感神経を緊張させる刺激が多く、血液が頭部に集中している方が多いのです。全身の血液量は一定ですから、血液が頭部に集まると、子宮・卵巣・精巣への血流が相対的に減ってしまいます。これでは機能が充分に力を発揮できなくなる恐れがありますので、妊活をしているなら、少しでも持っている機能を回復させる必要があるのです。この治療法の導入することで、今まで卵が育たなかった40代の女性でも効果がでるようになってきました。妊活で治療を受ける前に、自分の体は血液の偏りがないか、一度相談してみてはどうですか?とくに冷えを自覚している方は三焦のどこかに血液の偏りがあるのかもしれませんよ。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.7.14
コラム 不妊治療
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妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは
妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは 腎が元気だと子宮も元気ということですが、元気な子宮であるためには、もう一つ大切なポイントがあります。それは何かと言うと「血流」です。「血流って、血液がサラサラかドロドロで違うということ?」血液をサラサラにするのが身体にいいというのはよく話題になりましたね。もちろん、それも重要ですが、ここでお話しするのは、もともと血液は身体じゅうを巡っているのですが、あなたの血液の分布が偏っていないかどうかということです。血流のリズム、基礎体温に関わるホルモンのリズムをコントロールしているのは自律神経なんですが、中医学でいうところの「肝」と深く関わっています。体重が50キロの人なら、約5リットルの血液が全身をくまなく回っているのですが、「肝」がうまく機能していないと、血液の分布が偏ってしまうのです。血液は食事をすると胃腸に集まるように、活動している器官に多く分布します。現代人は深夜まで起きていたり、パソコンやスマートフォンなどを長時間使用していたりすることなどから、脳や目を酷使している傾向にあります。このことから自律神経失調になる人が増えている、これは「肝」が失調している人が増えていることにもつながるのです。脳や目を多く使えば、血液はつねに頭部周辺に多く分布しているため、腹部を含めた内臓は血液不足となっている状態が続いているのです。もうお分かりですよね。腹部に血液が不足しているということは、子宮にも充分な血液が分布されていないということです。これでは子宮は元気を保てないし、ホルモンのリズムも不安定なので排卵などもうまくいかなくなります。不妊の原因に「冷え」がありますが、ただ温めるだけでは解決しないのは、血流の問題、血液の分布に偏りがあるからなのです。現代の不妊に関わっているのは「腎の虚」と「肝の失調」と言われるように、妊活に欠かせないのは「腎」と「肝」の働きを良くすることです。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 中医学から診た、妊娠しにくい体質とは ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは 腎が元気だと子宮も元気ということですが、元気な子宮であるためには、もう一つ大切なポイントがあります。それは何かと言うと「血流」です。「血流って、血液がサラサラかドロドロで違うということ?」血液をサラサラにするのが身体にいいというのはよく話題になりましたね。もちろん、それも重要ですが、ここでお話しするのは、もともと血液は身体じゅうを巡っているのですが、あなたの血液の分布が偏っていないかどうかということです。血流のリズム、基礎体温に関わるホルモンのリズムをコントロールしているのは自律神経なんですが、中医学でいうところの「肝」と深く関わっています。体重が50キロの人なら、約5リットルの血液が全身をくまなく回っているのですが、「肝」がうまく機能していないと、血液の分布が偏ってしまうのです。血液は食事をすると胃腸に集まるように、活動している器官に多く分布します。現代人は深夜まで起きていたり、パソコンやスマートフォンなどを長時間使用していたりすることなどから、脳や目を酷使している傾向にあります。このことから自律神経失調になる人が増えている、これは「肝」が失調している人が増えていることにもつながるのです。脳や目を多く使えば、血液はつねに頭部周辺に多く分布しているため、腹部を含めた内臓は血液不足となっている状態が続いているのです。もうお分かりですよね。腹部に血液が不足しているということは、子宮にも充分な血液が分布されていないということです。これでは子宮は元気を保てないし、ホルモンのリズムも不安定なので排卵などもうまくいかなくなります。不妊の原因に「冷え」がありますが、ただ温めるだけでは解決しないのは、血流の問題、血液の分布に偏りがあるからなのです。現代の不妊に関わっているのは「腎の虚」と「肝の失調」と言われるように、妊活に欠かせないのは「腎」と「肝」の働きを良くすることです。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 中医学から診た、妊娠しにくい体質とは ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.7.8
コラム 不妊治療
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「補腎」で弱った卵巣を元気にする
「補腎」で弱った卵巣を元気にする 前回とりあげた「補腎」は中医学における妊活で重要なポイントなので、もう少し話を続けましょう。西洋医学の妊活において「採卵」は不可欠なことです。これを否定するわけではないのですが、採卵は卵巣に対してダメージを与えることも確かなんです。ですから採卵をする人ほど「補腎」をしっかりおこなってほしいのです。採卵は普通の排卵と違って卵巣に大きな負担をかけてしまいます。それは中医学的に言うと「精」に負担をかけることとなります。精が弱れば当然腎も弱くなってしまいます。よく体力を回復するために「安静」にすると言いますが、採卵のような大きなダメージを受けた場合は、ただ寝ているだけの「安静」では、心許ないです。もちろん、採卵をネガティブに捉えるわけではありません。しかし、弱った卵巣のままでは次の採卵でも元気な卵を期待することはできないのです。採卵が1回で終わればいいのですが、不妊症の人は腎も弱い人がほとんど。つまり、もともと元気な卵がなく、そのため何度も採卵するケースが多くなります。このようなことから、妊活中の方は採卵をしたあと、卵巣を早く回復させる必要があります。採卵のあと、基礎体温が乱れる人は多いですが、それは中医学でいう「腎精」が傷んでしまったことが原因です。この状態で採卵を続けても、いい卵をとることは期待できません。それどころか、せっかく卵があるのに採卵しても卵が取れなくなる人もいます。そうならないために、採卵をした人は、現状を回復させる「安静」ではなく、より積極的に「精」を養う「養生」で、より卵巣の生命力を養い高めていく必要があるのです。「養生」とは、現状よりパワーアップをすること。つまり、妊活の「養生」において「補腎」は欠かせないことなのです。≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする 前回とりあげた「補腎」は中医学における妊活で重要なポイントなので、もう少し話を続けましょう。西洋医学の妊活において「採卵」は不可欠なことです。これを否定するわけではないのですが、採卵は卵巣に対してダメージを与えることも確かなんです。ですから採卵をする人ほど「補腎」をしっかりおこなってほしいのです。採卵は普通の排卵と違って卵巣に大きな負担をかけてしまいます。それは中医学的に言うと「精」に負担をかけることとなります。精が弱れば当然腎も弱くなってしまいます。よく体力を回復するために「安静」にすると言いますが、採卵のような大きなダメージを受けた場合は、ただ寝ているだけの「安静」では、心許ないです。もちろん、採卵をネガティブに捉えるわけではありません。しかし、弱った卵巣のままでは次の採卵でも元気な卵を期待することはできないのです。採卵が1回で終わればいいのですが、不妊症の人は腎も弱い人がほとんど。つまり、もともと元気な卵がなく、そのため何度も採卵するケースが多くなります。このようなことから、妊活中の方は採卵をしたあと、卵巣を早く回復させる必要があります。採卵のあと、基礎体温が乱れる人は多いですが、それは中医学でいう「腎精」が傷んでしまったことが原因です。この状態で採卵を続けても、いい卵をとることは期待できません。それどころか、せっかく卵があるのに採卵しても卵が取れなくなる人もいます。そうならないために、採卵をした人は、現状を回復させる「安静」ではなく、より積極的に「精」を養う「養生」で、より卵巣の生命力を養い高めていく必要があるのです。「養生」とは、現状よりパワーアップをすること。つまり、妊活の「養生」において「補腎」は欠かせないことなのです。≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.6.20
コラム 不妊治療
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妊活に欠かせない「補腎」という考え方
妊活に欠かせない「補腎」という考え方 「補腎」という言葉を聞いたことはありますか?「腎」は腎臓の腎。「補」はおぎなうことですよね。そのため、「腎臓をフォローすること」と思いがちですが、実はちょっと違うんですよ。中医学で言う「腎」とは、西洋医学の腎臓だけを指すのではなく、成長・発育・生殖・老化など生命の根本をつかさどっている臓器と考えます。腎に蓄えられた生命エネルギーの源となる栄養「腎精」が尽きる時に生命も尽きると考えられていますから、いわゆる「老化」は腎の状態次第ということになるのです。もちろん、生殖能力と最も深い関わりがあるのも腎です。子宮・卵巣といった生殖器の働き、ホルモンバランスなど、妊活に欠かせない機能は、すべて腎によってコントロールされています。もともと遺伝で腎のエネルギーが不足している先天的なことや、不摂生や加齢などの後天的なことによって腎の機能が低下してくると、不妊傾向になります。また、腎の中にも腎陰と腎陽という2つの働きがあり、陰は物質的なもの、つまり卵胞の発育に必要な栄養や潤い、子宮内の血液や粘液、女性ホルモンなどにあたります。一方で陽は子宮・卵巣の機能や、黄体ホルモンなど温かさを保つ力、妊娠力と考えます。妊活では腎陰・腎陽のバランスをとりながら、腎の力を補っていくことが重要になってきます。腎の力を充実させるには植物性の漢方薬だけでは足りないこともあるので、動物性の漢方薬も使います。中医学には「補腎薬」が数多くありますから、高齢の方でも卵巣年齢(腎年齢)を実年齢よりも若く維持することができるため、より良い卵子の排卵も期待できますよ。卵子の数は生まれた時点ですでに決まっています。それが初経の頃から女性ホルモンが活発になり、その刺激を受けて原始卵胞が順次育っていき、約190日かかって卵子を排卵するのです。ですから質の良い卵子が育つ体内環境を作るのも、最低6ヶ月はかかると考えてくださいね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 「補腎」という言葉を聞いたことはありますか?「腎」は腎臓の腎。「補」はおぎなうことですよね。そのため、「腎臓をフォローすること」と思いがちですが、実はちょっと違うんですよ。中医学で言う「腎」とは、西洋医学の腎臓だけを指すのではなく、成長・発育・生殖・老化など生命の根本をつかさどっている臓器と考えます。腎に蓄えられた生命エネルギーの源となる栄養「腎精」が尽きる時に生命も尽きると考えられていますから、いわゆる「老化」は腎の状態次第ということになるのです。もちろん、生殖能力と最も深い関わりがあるのも腎です。子宮・卵巣といった生殖器の働き、ホルモンバランスなど、妊活に欠かせない機能は、すべて腎によってコントロールされています。もともと遺伝で腎のエネルギーが不足している先天的なことや、不摂生や加齢などの後天的なことによって腎の機能が低下してくると、不妊傾向になります。また、腎の中にも腎陰と腎陽という2つの働きがあり、陰は物質的なもの、つまり卵胞の発育に必要な栄養や潤い、子宮内の血液や粘液、女性ホルモンなどにあたります。一方で陽は子宮・卵巣の機能や、黄体ホルモンなど温かさを保つ力、妊娠力と考えます。妊活では腎陰・腎陽のバランスをとりながら、腎の力を補っていくことが重要になってきます。腎の力を充実させるには植物性の漢方薬だけでは足りないこともあるので、動物性の漢方薬も使います。中医学には「補腎薬」が数多くありますから、高齢の方でも卵巣年齢(腎年齢)を実年齢よりも若く維持することができるため、より良い卵子の排卵も期待できますよ。卵子の数は生まれた時点ですでに決まっています。それが初経の頃から女性ホルモンが活発になり、その刺激を受けて原始卵胞が順次育っていき、約190日かかって卵子を排卵するのです。ですから質の良い卵子が育つ体内環境を作るのも、最低6ヶ月はかかると考えてくださいね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.6.2
コラム 不妊治療
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冷え症のタイプ別改善策
冷え症のタイプ別改善策 前回お話しした冷えのタイプ。あなたはどのタイプでしたか?自分のタイプがわかったなら、さっそくそれに合った改善策を試してみましょう。漢方薬は続けることで徐々に体質改善が進むため、気がついたら冷えが良くなっているはずです。結果がでるまであきらめずに続けてみてくださいね。「千里の道も一歩から」ですよ。 お血タイプ 食生活の不摂生や運動不足による血行不良が原因の冷えなので、ただ体を温めるのではなく、血流を良くすることが大切。以下の養生のポイントを実践して血流をよくしていきましょう。【おすすめの食材】血液をサラサラにする食材。にんにく、玉ねぎ、ねぎ、にら、らっきょう、桃、さんま、いわしなどの青魚、黒きくらげなど。【避けたい食べもの】冷たい飲みものや食べもの。バター、ラード、肉の脂身などの動物性脂肪、生クリーム、チョコレートなどの甘いもの、味の濃いものなど。【おすすめのお茶】ほうじ茶、紅花茶、バラ茶など。【心掛けたい生活】適度な運動を行いましょう。シャワーではなく湯船に浸かって。足首をよく動かすために、ヒールのある靴よりもかかとの低い靴を履き、足のストレッチをしましょう。 陽虚タイプ 疲れやすくて体を温めるエネルギーが不足していることが原因の冷えなので、体の温める力を高めることが必要です。体を元気にする養生で新陳代謝を良くしましょう。【おすすめの食材】体を元気にして温める食材。長いも、大和いもなどの山いも類、牛肉、羊肉、うなぎ、ねぎ、にら、生姜、大豆や枝豆などの豆類、栗など。【避けたい食べもの】冷たい飲みものや食べもの。刺身などの生もの。天ぷらなどの脂っこいもの。チョコレートなどの甘いもの。唐辛子、にんにくなど刺激の強いもの(唐辛子やにんにくは体を温めるが汗をかかせ、その後一気に冷えるのでNG)。【おすすめのお茶】紅茶(シナモンや生姜を加えるといい)、ほうじ茶、杜仲茶など。【心掛けたい生活】湿気が多く、日光の入らない部屋は避けましょう。体質に合った漢方ハーブを入れた湯船に浸かって体を温めるようにします。休息や睡眠は十分にとって。 気滞タイプ 常に緊張が抜けにくい、まじめな性格が原因の冷えですから、ストレスから解放してあげるためにも、心身ともにリラックスして気が巡るようにしましょう。【おすすめの食材】気を巡らせる食材。ミント、セロリ、春菊、パクチー、パセリ、あさり、しじみ、ゆず、ジャスミンなど。【避けたい食べもの】冷刺激や辛味の強い食べもの。さつまいもや炒豆など、ガスの発生しやすいもの。お酒の飲み過ぎ。【おすすめのお茶】ジャスミン茶、ミントティー、カモミールティーなど。【心掛けたい生活】ストレス発散のために、映画鑑賞、音楽鑑賞、親しい友人との会話など、リラックスした時間を設けて気分転換を。軽いウォーキングやお散歩の適度な運動もいいですね。タバコもあまりいい解決策ではないので控えましょう。 痰湿タイプ 新陳代謝が悪く水分が停滞してむくんでいることが原因の冷えです。体の余分な水分を排出させることが改善のポイントです。【おすすめの食材】水分や老廃物を取り除く食材。玄米、ごぼう、昆布やわかめ、海苔などの海藻類、緑豆もやし、緑豆はるさめなど。【避けたい食べもの】バター、ラード、肉の脂身などの動物性脂肪。チョコレートや生クリームなどの甘いもの。果物や炭酸飲料、アルコール、炭水化物や塩分のとりすぎ。【おすすめのお茶】ウーロン茶、プーアル茶、はと麦茶、杜仲茶など。温めたものをとりましょう。【心掛けたい生活】湿度や日当たりといったお部屋の環境を見直しましょう。胃腸の負担を減らすため食物繊維たっぷりの食事をよく噛んで食べる習慣を。毎日運動をして、体にたまった水分や老廃物を積極的に排出しましょう。 ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 冷え症のタイプ別改善策 前回お話しした冷えのタイプ。あなたはどのタイプでしたか?自分のタイプがわかったなら、さっそくそれに合った改善策を試してみましょう。漢方薬は続けることで徐々に体質改善が進むため、気がついたら冷えが良くなっているはずです。結果がでるまであきらめずに続けてみてくださいね。「千里の道も一歩から」ですよ。 お血タイプ 食生活の不摂生や運動不足による血行不良が原因の冷えなので、ただ体を温めるのではなく、血流を良くすることが大切。以下の養生のポイントを実践して血流をよくしていきましょう。【おすすめの食材】血液をサラサラにする食材。にんにく、玉ねぎ、ねぎ、にら、らっきょう、桃、さんま、いわしなどの青魚、黒きくらげなど。【避けたい食べもの】冷たい飲みものや食べもの。バター、ラード、肉の脂身などの動物性脂肪、生クリーム、チョコレートなどの甘いもの、味の濃いものなど。【おすすめのお茶】ほうじ茶、紅花茶、バラ茶など。【心掛けたい生活】適度な運動を行いましょう。シャワーではなく湯船に浸かって。足首をよく動かすために、ヒールのある靴よりもかかとの低い靴を履き、足のストレッチをしましょう。 陽虚タイプ 疲れやすくて体を温めるエネルギーが不足していることが原因の冷えなので、体の温める力を高めることが必要です。体を元気にする養生で新陳代謝を良くしましょう。【おすすめの食材】体を元気にして温める食材。長いも、大和いもなどの山いも類、牛肉、羊肉、うなぎ、ねぎ、にら、生姜、大豆や枝豆などの豆類、栗など。【避けたい食べもの】冷たい飲みものや食べもの。刺身などの生もの。天ぷらなどの脂っこいもの。チョコレートなどの甘いもの。唐辛子、にんにくなど刺激の強いもの(唐辛子やにんにくは体を温めるが汗をかかせ、その後一気に冷えるのでNG)。【おすすめのお茶】紅茶(シナモンや生姜を加えるといい)、ほうじ茶、杜仲茶など。【心掛けたい生活】湿気が多く、日光の入らない部屋は避けましょう。体質に合った漢方ハーブを入れた湯船に浸かって体を温めるようにします。休息や睡眠は十分にとって。 気滞タイプ 常に緊張が抜けにくい、まじめな性格が原因の冷えですから、ストレスから解放してあげるためにも、心身ともにリラックスして気が巡るようにしましょう。【おすすめの食材】気を巡らせる食材。ミント、セロリ、春菊、パクチー、パセリ、あさり、しじみ、ゆず、ジャスミンなど。【避けたい食べもの】冷刺激や辛味の強い食べもの。さつまいもや炒豆など、ガスの発生しやすいもの。お酒の飲み過ぎ。【おすすめのお茶】ジャスミン茶、ミントティー、カモミールティーなど。【心掛けたい生活】ストレス発散のために、映画鑑賞、音楽鑑賞、親しい友人との会話など、リラックスした時間を設けて気分転換を。軽いウォーキングやお散歩の適度な運動もいいですね。タバコもあまりいい解決策ではないので控えましょう。 痰湿タイプ 新陳代謝が悪く水分が停滞してむくんでいることが原因の冷えです。体の余分な水分を排出させることが改善のポイントです。【おすすめの食材】水分や老廃物を取り除く食材。玄米、ごぼう、昆布やわかめ、海苔などの海藻類、緑豆もやし、緑豆はるさめなど。【避けたい食べもの】バター、ラード、肉の脂身などの動物性脂肪。チョコレートや生クリームなどの甘いもの。果物や炭酸飲料、アルコール、炭水化物や塩分のとりすぎ。【おすすめのお茶】ウーロン茶、プーアル茶、はと麦茶、杜仲茶など。温めたものをとりましょう。【心掛けたい生活】湿度や日当たりといったお部屋の環境を見直しましょう。胃腸の負担を減らすため食物繊維たっぷりの食事をよく噛んで食べる習慣を。毎日運動をして、体にたまった水分や老廃物を積極的に排出しましょう。 ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.5.26
コラム 不妊治療
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中医学から診た、冷え性体質とは
中医学から診た、冷え性体質とは 「ひえしょう」とパソコンに入力すると「冷え性」と「冷え症」がでてくることをご存知でしょうか?同じ「ひえしょう」でも違いがあるのです。まず「冷え性」ですが、これは睡眠や食生活、運動不足など、生活習慣の乱れから血行不良になり、体の特定の部位に冷えを感じる症状のこと。それに対して「冷え症」は、自律神経系の乱れからくる血管障害から、特定の部位に極度の冷えを生じる症状を言います。 冷えは西洋医学の世界では、病気とは扱われないので、冷えの為の薬は存在しません。でも、中医学では病気の一つとして捉え、改善するための漢方薬があるのです。単に「冷える」といっても、おなか(へその下)、お尻、手足、腰など、部位の違いや〝冷えるのにのぼせる〟など、体質によって冷えの状態が違います。ここでは代表的な冷えの体質をお話ししますね。 ◯血行不良タイプ:お血(おけつ)冷え体質で最も多いのはこの〝お血(おけつ)〟タイプです。お血は血の流れが滞って、体の血の循環が悪い状態のため、体は冷えて冷たいのに頭はのぼせて熱いという状態に。お血タイプの冷えは単に温めればよくなるものではなく、血流を良くして流れの悪くなった状態を改善することが大切です。◯温める力不足タイプ:陽虚(ようきょ)冷え性で、「お血」の次に多いと言われるのが「陽虚(ようきょ)」タイプです。このタイプはへその下のおなか(丹田)が冷えています。手足の末端だけではなく、手首足首、さらには肘・膝まで冷えるなんていう人は要注意です。「陽虚」は「腎陽虚(じんようきょ)」とも言われ、体を温めてくれるはずの「陽(エネルギー)」が不足している状態。ですから、新陳代謝が悪く、下痢や腰痛になりやすいです。このタイプは体の「陽」を奪われないようにすることと、「陽」を補って高めていく(補陽)ことが大事です。◯ストレス過剰タイプ:気滞(きたい)手足など体の末端が冷たくなりやすいのがこのタイプ。交感神経がつねに優位に働いているため、末梢血管が収縮したままになっていることから冷えを引き起こしています。交感神経が優位とは、頭や体が気を張って緊張している状態ということ。仕事が忙しかったり、心配事や常に何かを考えているような方に多いですね。緊張から気の巡りが悪くなっているのですから、リラックスして気を巡らせるようにすると冷えが改善されます。時には休息をとって、心身をストレスから解放してあげましょう。◯水分ためこみタイプ:痰湿(たんしつ)体に余分な水分が停滞しているのが「痰湿」タイプ。水分の停滞からむくんでしまい、そのむくみが体を冷やします。たとえると、バスタオルが濡れて冷たくなっている状態。ですから、バスタオルの水分を取り除けば、乾いて冷たさがなくなるように、体の余分な水分を排出させることで冷えが改善します。女性に多いと言われている冷え性ですが、ストレスなどから、最近は男性も増えてきているようです。あなたに当てはまる冷えの状態はありましたか?次回は冷えのタイプ別に注意したいことをお伝えしますね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 中医学から診た、冷え性体質とは 「ひえしょう」とパソコンに入力すると「冷え性」と「冷え症」がでてくることをご存知でしょうか?同じ「ひえしょう」でも違いがあるのです。まず「冷え性」ですが、これは睡眠や食生活、運動不足など、生活習慣の乱れから血行不良になり、体の特定の部位に冷えを感じる症状のこと。それに対して「冷え症」は、自律神経系の乱れからくる血管障害から、特定の部位に極度の冷えを生じる症状を言います。 冷えは西洋医学の世界では、病気とは扱われないので、冷えの為の薬は存在しません。でも、中医学では病気の一つとして捉え、改善するための漢方薬があるのです。単に「冷える」といっても、おなか(へその下)、お尻、手足、腰など、部位の違いや〝冷えるのにのぼせる〟など、体質によって冷えの状態が違います。ここでは代表的な冷えの体質をお話ししますね。 ◯血行不良タイプ:お血(おけつ)冷え体質で最も多いのはこの〝お血(おけつ)〟タイプです。お血は血の流れが滞って、体の血の循環が悪い状態のため、体は冷えて冷たいのに頭はのぼせて熱いという状態に。お血タイプの冷えは単に温めればよくなるものではなく、血流を良くして流れの悪くなった状態を改善することが大切です。◯温める力不足タイプ:陽虚(ようきょ)冷え性で、「お血」の次に多いと言われるのが「陽虚(ようきょ)」タイプです。このタイプはへその下のおなか(丹田)が冷えています。手足の末端だけではなく、手首足首、さらには肘・膝まで冷えるなんていう人は要注意です。「陽虚」は「腎陽虚(じんようきょ)」とも言われ、体を温めてくれるはずの「陽(エネルギー)」が不足している状態。ですから、新陳代謝が悪く、下痢や腰痛になりやすいです。このタイプは体の「陽」を奪われないようにすることと、「陽」を補って高めていく(補陽)ことが大事です。◯ストレス過剰タイプ:気滞(きたい)手足など体の末端が冷たくなりやすいのがこのタイプ。交感神経がつねに優位に働いているため、末梢血管が収縮したままになっていることから冷えを引き起こしています。交感神経が優位とは、頭や体が気を張って緊張している状態ということ。仕事が忙しかったり、心配事や常に何かを考えているような方に多いですね。緊張から気の巡りが悪くなっているのですから、リラックスして気を巡らせるようにすると冷えが改善されます。時には休息をとって、心身をストレスから解放してあげましょう。◯水分ためこみタイプ:痰湿(たんしつ)体に余分な水分が停滞しているのが「痰湿」タイプ。水分の停滞からむくんでしまい、そのむくみが体を冷やします。たとえると、バスタオルが濡れて冷たくなっている状態。ですから、バスタオルの水分を取り除けば、乾いて冷たさがなくなるように、体の余分な水分を排出させることで冷えが改善します。女性に多いと言われている冷え性ですが、ストレスなどから、最近は男性も増えてきているようです。あなたに当てはまる冷えの状態はありましたか?次回は冷えのタイプ別に注意したいことをお伝えしますね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.5.9
コラム 不妊治療
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中医学から診た、妊娠しにくい体質とは
中医学から診た、妊娠しにくい体質とは ご存知でしたか?卵子は女性の体で常に作り続けているわけではないのです。胎児の時に、卵巣に一生分の卵子の前身である原始卵胞ができ、生まれた時には約200万個になっています。つまり卵子の数は生まれたときから決まっているのです。思春期・生殖年齢頃には約25万個まで減少し、月経ごとに約1000個の卵子が消滅するといわれ、年齢とともに減っていき、あとから増えることはないのです。ですから妊娠の確率を最大限高める為には「卵巣に残された卵子をいかに若々しく健康な状態にするか」がポイント!「え!卵子を若々しく健康な状態にするってどういうこと?」と思われる人もいるでしょう。中医学では女性の卵巣機能は「腎」にコトントロールされていると考えます。前回、女性の体(生命エネルギーの源である「腎」の元気)は28歳をピークに7の倍数で変化する、とお話しましたが、加齢によりこの「腎」の働きが弱まっていくと、卵子を若々しく保ちにくくなり、どうしても妊娠しづらい傾向になるようです。しかし、年齢を重ねても、「腎」の元気を高めることによって、卵巣年齢(腎年齢)を実年齢よりも若く維持することができ、より質の良い卵子の排卵が期待できます。ところで、「腎」とは何でしょうか。西洋医学で腎臓といえば、体液から不要な物質を膀胱へ運んで、尿として排泄する臓器ですが、中医学の「腎」はその機能だけでなく、生殖や成長、ホルモンの分泌や免疫全般などをつかさどるとされています。だから、ちょっと大げさですが、妊娠に関しても「腎」の働きが左右すると言えるのです。「腎」の働きが弱まっている方は、「腎」を高める一般の漢方だけではなく、鹿茸、紫河車などの動物性生薬を一緒に服用することで、卵巣機能をより早く高めることができます。また、卵子は初潮のころから原始卵胞が活発化し、発育卵胞⇒前胞状卵胞⇒胞状卵胞⇒成熟卵胞と約180日かかって成長し、排卵します。つまり、質の良い卵子を育てるには、最低6か月は必要なのです。「急がば回れ」の卵巣環境づくりということ、覚えておきたいですね。 次回は中医学でいう〝冷え性〟についてお話しします。 ≫ あなたは今何歳?7の倍数で変化する女性の体 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 中医学から診た、妊娠しにくい体質とは ご存知でしたか?卵子は女性の体で常に作り続けているわけではないのです。胎児の時に、卵巣に一生分の卵子の前身である原始卵胞ができ、生まれた時には約200万個になっています。つまり卵子の数は生まれたときから決まっているのです。思春期・生殖年齢頃には約25万個まで減少し、月経ごとに約1000個の卵子が消滅するといわれ、年齢とともに減っていき、あとから増えることはないのです。ですから妊娠の確率を最大限高める為には「卵巣に残された卵子をいかに若々しく健康な状態にするか」がポイント!「え!卵子を若々しく健康な状態にするってどういうこと?」と思われる人もいるでしょう。中医学では女性の卵巣機能は「腎」にコトントロールされていると考えます。前回、女性の体(生命エネルギーの源である「腎」の元気)は28歳をピークに7の倍数で変化する、とお話しましたが、加齢によりこの「腎」の働きが弱まっていくと、卵子を若々しく保ちにくくなり、どうしても妊娠しづらい傾向になるようです。しかし、年齢を重ねても、「腎」の元気を高めることによって、卵巣年齢(腎年齢)を実年齢よりも若く維持することができ、より質の良い卵子の排卵が期待できます。ところで、「腎」とは何でしょうか。西洋医学で腎臓といえば、体液から不要な物質を膀胱へ運んで、尿として排泄する臓器ですが、中医学の「腎」はその機能だけでなく、生殖や成長、ホルモンの分泌や免疫全般などをつかさどるとされています。だから、ちょっと大げさですが、妊娠に関しても「腎」の働きが左右すると言えるのです。「腎」の働きが弱まっている方は、「腎」を高める一般の漢方だけではなく、鹿茸、紫河車などの動物性生薬を一緒に服用することで、卵巣機能をより早く高めることができます。また、卵子は初潮のころから原始卵胞が活発化し、発育卵胞⇒前胞状卵胞⇒胞状卵胞⇒成熟卵胞と約180日かかって成長し、排卵します。つまり、質の良い卵子を育てるには、最低6か月は必要なのです。「急がば回れ」の卵巣環境づくりということ、覚えておきたいですね。 次回は中医学でいう〝冷え性〟についてお話しします。 ≫ あなたは今何歳?7の倍数で変化する女性の体 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.5.6
コラム 不妊治療
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あなたは今何歳?7の倍数で変化する女性の体
あなたは今何歳?7の倍数で変化する女性の体 中国最古の医学書〝黄帝内経(こうていだいけい)〟に、「女性の体(生命エネルギーの源である腎の元気)は7の倍数で変化する」という一文があります。20代、30代という十進法や日本の干支でとらえる十二進法で数える年齢ではなく、中医学では体の変化を7の倍数でとらえます。7歳で人間として身体の基礎ができ、14歳に女性として身体ができ初潮を迎えます。そして21歳から最も妊娠に適した時期に入ります。そして28歳で身体機能、性機能ともにピークを迎え、35歳から少しずつ身体や性機能の衰えが始まります。 7歳 歯が生え変わる / 14歳 初月経を迎える / 21歳 身長が伸びきる。身体機能・性機能が高くなる / 28歳 身体機能・性機能のピーク / 35歳 肌ツヤが衰えはじめ、ほうれい線が出てくる / 42歳 白髪が気になりはじめる / 49歳 閉経 黄帝内経から2000年経った今でも、14歳で初潮、49歳で閉経という、女性の身体のリズムがほとんど変わっていないことに驚きませんか?このことからも、女性の身体は、月経に大きく左右されることがわかります。年々晩婚化が進み、出産の平均年齢が高くなっても、世の中がどんどん進化しても、28歳が生殖力のピークということは変わらないのです。ですから「いつかは赤ちゃんがほしい」と思うのなら、すぐに予定はなくても、バランスのとれた食事や適度な運動をこころがけ、月経は順調にしておきたいものです。そうすれば、いざ妊娠を希望し、中医学の子宝治療を受けたとき、その成功率もより高くなります。また、その後の更年期を穏やかに迎えるための備えにもなるからです。 ≫ 中医学から診た、妊娠しにくい体質とは 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ あなたは今何歳?7の倍数で変化する女性の体 中国最古の医学書〝黄帝内経(こうていだいけい)〟に、「女性の体(生命エネルギーの源である腎の元気)は7の倍数で変化する」という一文があります。20代、30代という十進法や日本の干支でとらえる十二進法で数える年齢ではなく、中医学では体の変化を7の倍数でとらえます。7歳で人間として身体の基礎ができ、14歳に女性として身体ができ初潮を迎えます。そして21歳から最も妊娠に適した時期に入ります。そして28歳で身体機能、性機能ともにピークを迎え、35歳から少しずつ身体や性機能の衰えが始まります。 7歳 歯が生え変わる / 14歳 初月経を迎える / 21歳 身長が伸びきる。身体機能・性機能が高くなる / 28歳 身体機能・性機能のピーク / 35歳 肌ツヤが衰えはじめ、ほうれい線が出てくる / 42歳 白髪が気になりはじめる / 49歳 閉経 黄帝内経から2000年経った今でも、14歳で初潮、49歳で閉経という、女性の身体のリズムがほとんど変わっていないことに驚きませんか?このことからも、女性の身体は、月経に大きく左右されることがわかります。年々晩婚化が進み、出産の平均年齢が高くなっても、世の中がどんどん進化しても、28歳が生殖力のピークということは変わらないのです。ですから「いつかは赤ちゃんがほしい」と思うのなら、すぐに予定はなくても、バランスのとれた食事や適度な運動をこころがけ、月経は順調にしておきたいものです。そうすれば、いざ妊娠を希望し、中医学の子宝治療を受けたとき、その成功率もより高くなります。また、その後の更年期を穏やかに迎えるための備えにもなるからです。 ≫ 中医学から診た、妊娠しにくい体質とは 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.4.25
コラム 不妊治療
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あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半)
あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半) 今回は前回までにお話しした6タイプのうちの、滞り体質の3タイプについて、中医学的体質の簡単な解説と体質改善のために日常生活で気をつけたいことをお話します。 <血行不良タイプ:お血(おけつ)> 「血」がスムーズに循環しないため、栄養が全身に行き渡らず、老廃物も溜まりやすくなっている状態です。放っておくと、月経痛や頭痛、肩こりの原因にもなります。婦人科系では、子宮や卵巣の毛細血管の血流も低下し、卵子の質に影響することも。● 食事「血」の巡りがよくなる、 しょうが、にんにく、タマネギ、らっきょうや、サバ、イワシなどの青魚を温かくして食べましょう。また、色の濃い緑黄色野菜も「血」の働きを助けてくれます。● 日常生活中医学では「元気(気)」「血」「潤い(陰)」はすべてリンクしていると考え、「血」は「元気(気)」のエネルギーが動かしていると考えます。ですから「気」の巡りがストレスなどによって悪くなってしまうと「血」も滞ってしまいます。できるだけストレスはその日の内にリセットできるようにしましょう。睡眠時間を7時間は確保してほしいですね。水が氷になるように、「血」も冷えると動かなくなります。冷えには注意が必要です。座りっぱなしの人は1~2時間に一度は立って伸びなどのストレッチをしましょう。また、適度な運動も血行がよくなるのでオススメです。 <ストレス過剰タイプ:気滞(きたい)> 「元気(気)」は足りているのですが、スムーズに全身に巡っていない状態です。生理前になると胸やお腹が張ったり、甘いものがほしくなったり、イライラしやすくなります。婦人科系では、基礎体温がジグザグになり、いつ排卵しているかわかりにくかったり、自律神経の乱れからホルモンバランスの乱れにつながることも。● 食事ストレスを感じると、ついつい食べ過ぎたり、甘いものに手が伸びてしまうことが多いので注意しましょう。カフェインや香辛料などの刺激物をとりすぎるのも控えましょう。三つ葉、春菊、パクチー、セロリ、しそ、バジルなどの香味野菜は、ストレスで滞った気の巡りをよくして、気持ちをリラックスさせる効果があります。カモミールやローズヒップなどのハーブティーもいいですね。● 日常生活ストレスを上手に解消するために、のんびり過ごすことを心がけましょう。うまくストレスを解消できない人は、ヨガや太極拳など、深い呼吸を取り入れたエクササイズで呼吸法がおススメです。リラックス作用のあるアロマオイルを部屋に香らせるのも効果的です。 <老廃物溜め込みタイプ:痰湿(たんしつ)> 水分の循環がスムーズにいかず、不要な水分や脂肪分が溜まりやすいタイプです。むくみ、重だるさ、吹き出物ができやすくなります。婦人科系では、排卵しにくかったり、ホルモンバランスに影響することも。● 食事この体質にはなんといっても体重管理が大切。まず野菜を食べてからメイン、炭水化物の順番で食べる食習慣を心がけましょう。食事やお酒の量を減らし、油っこいもの、甘いものはひかえるようにしましょう。夜食は厳禁ですが、温かい緑豆春雨スープなどカロリーが控えめな温かいものでしのぎましょう。余分なものを排出しながら、血液をサラサラにしてくれる、海藻類、食物繊維が多い根菜などを多めにとることをおススメします。代謝を高めるスパイス類や排出効果を高める酢も積極的に利用するとよいでしょう。● 日常生活体重管理のほかに水分のとりすぎで体調を崩しやすいので、塩辛いものは控えて、のどの渇きを予防ししょう。発汗は体に溜まった余分な水分や老廃物をリセットしてくれます。適度な運動でじわりと汗をかく、夜はゆっくり半身浴でお風呂に浸かり、たっぷりと汗をかくようにしましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 ≫ あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)はこちら <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半) 今回は前回までにお話しした6タイプのうちの、滞り体質の3タイプについて、中医学的体質の簡単な解説と体質改善のために日常生活で気をつけたいことをお話します。 <血行不良タイプ:お血(おけつ)> 「血」がスムーズに循環しないため、栄養が全身に行き渡らず、老廃物も溜まりやすくなっている状態です。放っておくと、月経痛や頭痛、肩こりの原因にもなります。婦人科系では、子宮や卵巣の毛細血管の血流も低下し、卵子の質に影響することも。● 食事「血」の巡りがよくなる、 しょうが、にんにく、タマネギ、らっきょうや、サバ、イワシなどの青魚を温かくして食べましょう。また、色の濃い緑黄色野菜も「血」の働きを助けてくれます。● 日常生活中医学では「元気(気)」「血」「潤い(陰)」はすべてリンクしていると考え、「血」は「元気(気)」のエネルギーが動かしていると考えます。ですから「気」の巡りがストレスなどによって悪くなってしまうと「血」も滞ってしまいます。できるだけストレスはその日の内にリセットできるようにしましょう。睡眠時間を7時間は確保してほしいですね。水が氷になるように、「血」も冷えると動かなくなります。冷えには注意が必要です。座りっぱなしの人は1~2時間に一度は立って伸びなどのストレッチをしましょう。また、適度な運動も血行がよくなるのでオススメです。 <ストレス過剰タイプ:気滞(きたい)> 「元気(気)」は足りているのですが、スムーズに全身に巡っていない状態です。生理前になると胸やお腹が張ったり、甘いものがほしくなったり、イライラしやすくなります。婦人科系では、基礎体温がジグザグになり、いつ排卵しているかわかりにくかったり、自律神経の乱れからホルモンバランスの乱れにつながることも。● 食事ストレスを感じると、ついつい食べ過ぎたり、甘いものに手が伸びてしまうことが多いので注意しましょう。カフェインや香辛料などの刺激物をとりすぎるのも控えましょう。三つ葉、春菊、パクチー、セロリ、しそ、バジルなどの香味野菜は、ストレスで滞った気の巡りをよくして、気持ちをリラックスさせる効果があります。カモミールやローズヒップなどのハーブティーもいいですね。● 日常生活ストレスを上手に解消するために、のんびり過ごすことを心がけましょう。うまくストレスを解消できない人は、ヨガや太極拳など、深い呼吸を取り入れたエクササイズで呼吸法がおススメです。リラックス作用のあるアロマオイルを部屋に香らせるのも効果的です。 <老廃物溜め込みタイプ:痰湿(たんしつ)> 水分の循環がスムーズにいかず、不要な水分や脂肪分が溜まりやすいタイプです。むくみ、重だるさ、吹き出物ができやすくなります。婦人科系では、排卵しにくかったり、ホルモンバランスに影響することも。● 食事この体質にはなんといっても体重管理が大切。まず野菜を食べてからメイン、炭水化物の順番で食べる食習慣を心がけましょう。食事やお酒の量を減らし、油っこいもの、甘いものはひかえるようにしましょう。夜食は厳禁ですが、温かい緑豆春雨スープなどカロリーが控えめな温かいものでしのぎましょう。余分なものを排出しながら、血液をサラサラにしてくれる、海藻類、食物繊維が多い根菜などを多めにとることをおススメします。代謝を高めるスパイス類や排出効果を高める酢も積極的に利用するとよいでしょう。● 日常生活体重管理のほかに水分のとりすぎで体調を崩しやすいので、塩辛いものは控えて、のどの渇きを予防ししょう。発汗は体に溜まった余分な水分や老廃物をリセットしてくれます。適度な運動でじわりと汗をかく、夜はゆっくり半身浴でお風呂に浸かり、たっぷりと汗をかくようにしましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 ≫ あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)はこちら <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
2016.3.18
コラム 不妊治療
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あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 今回は前回までにお話しした6タイプのうちの、不足体質の3タイプに冷えタイプを加えて、中医学的体質の簡単な解説と体質改善のために日常生活で気をつけたいことをお話します。 <「血」不足タイプ:血虚(けっきょ)> 中医学では「血(けつ)」は単純に血液だけでなく、体に必要な栄養を含めて考えます。血虚体質の人は、これが足りていない状態です。無理なダイエットや睡眠不足、食生活の偏りなどでなりやすく、ひどくなると貧血や精神失調を起こす方もいます。婦人科系でいうと、子宮内膜が厚くなりにくかったり、生理の量が少なくなったり、という影響がでてくることがあります。●食事栄養の吸収力が弱いので一度にたくさん食べず、多種類の食品を何度かに分けて少しずつとりましょう。「血」を補うために色の濃い食品、たとえば、ドライフルーツ、黒豆、黒ゴマ、ひじき、黒キクラゲなどを食事に取り入れてみましょう。「血」を補う作用が強い、レバー、牛肉の赤身、まぐろ、かつおなどの動物性たんぱく質もオススメです。●日常生活「血」は夜の睡眠中に作られます。ですから夜更かしや夜の仕事はできるだけ避けて、夜の22時から2時の間にできるだけたくさん睡眠を取れるようにしましょう。就寝前の1~2時間は、できるだけリラックスした時間を過ごすことも大事です。あまり体力がないので、激しい運動ではなく、全身をほぐすヨガやストレッチ、太極拳など、疲れが残らない程度の運動を取り入れましょう。 <「気(元気)」不足タイプ:気虚(ききょ)> やる気が出ない状態が続き、消化器や免疫機能も弱りやすいため、疲れやすかったり、アレルギー症状がでたり、風邪をひきやすくなることも。婦人科系では、不正出血があったり、生理がダラダラ続いたりする場合があります。●食事「気」が不足しているので、朝食を抜くのはNG。胃腸の消化・吸収力を低下させる冷たいもの、生もの、油っこいもののとりすぎにも注意をしましょう。胃腸の働きを高めながら、血のめぐりもよくする、麦、ひえ、あわなどの雑穀を白米に混ぜて食べてみましょう。よく噛んで食べると内臓が強くなり、元気を作れるようになりますよ。●日常生活忙しい日が続いたり睡眠不足があると「気」を消耗します。睡眠時間はたっぷりとりましょう。スタミナ不足なので、休息時間をこまめにとり、できるなら昼食後に10〜15分の昼寝を取り入れるとよいでしょう。激しい運動は逆に「気」を消耗させるので、ウォーキングやヨガなど、ゆっくりした運動を、疲れない程度から始めてみましょう。 <「陰(潤い)」不足タイプ:陰虚(いんきょ)> 体内の潤いが不足することで、のぼせ、火照りを鎮める消火水が少なくなっている状態です。加齢や睡眠不足などにより起こりやすくなります。婦人科系では、生理周期が短くなったり、低温気が短くなったり、基礎体温が全体的に高めになったりして、卵子の質に影響がでることもあります。●食事唐辛子、こしょう、山椒などの香辛料のとりすぎは、体を火照らせるだけでなく、体のうるおいを奪ってしまいます。また、油っこいものも発汗や火照りを悪化させます。食事は野菜中心のあっさりしたものが理想的。水分補給をこまめに行ってほしいのですが、必要以上に水を飲んでもうまく体に吸収されない体質でもあるので、野菜や果物からおだやかに水分補給をしていきましょう。●日常生活適度に汗をかくのはよいことですが、この体質の人は汗をかきやすいため、激しい運動や炎天下でのスポーツ、サウナ、ホットヨガなど、大量に汗をかくことは避けましょう。水泳やアクアビクスなどの水中運動がおすすめです。もちろん水分補給は忘れずに。 <冷えタイプ:陽虚(ようきょ)> 体を温める力が弱っているタイプです。手足や足腰に冷えを感じます。多尿や軟便が生じることも。婦人科系では、基礎体温が全体的に低めだったり、高温期が短かったりします。●食事生野菜、生ものなどの体を冷やす食べもの、氷の入った飲み物、アイスクリームなどの冷菓はNG。冷え改善には、雑穀を多くしたご飯をよく噛んで食べましょう。小魚やラム肉も体を温めます。調理法も温かいスープや鍋料理がおススメです。味付けにスパイスを上手に取り入れて。唐辛子も胃を荒らさない程度はOK。●日常生活体を冷やさないために、服装にはいつも気を配りましょう。薄着やスカートよりはパンツスタイルがおススメです。とくに冷えが体内に入り込みやすい、おなか、腰、足首、かかとは、いつもしっかりガードして。入浴はシャワーではなく湯船につかってしっかり汗をかく習慣をつけるとよいでしょう。適度な運動で体を温め、熱の源である筋力もアップしましょう。ただし、水泳や水中運動は体の熱を奪うので避けましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 ≫ あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半)はこちら <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 今回は前回までにお話しした6タイプのうちの、不足体質の3タイプに冷えタイプを加えて、中医学的体質の簡単な解説と体質改善のために日常生活で気をつけたいことをお話します。 <「血」不足タイプ:血虚(けっきょ)> 中医学では「血(けつ)」は単純に血液だけでなく、体に必要な栄養を含めて考えます。血虚体質の人は、これが足りていない状態です。無理なダイエットや睡眠不足、食生活の偏りなどでなりやすく、ひどくなると貧血や精神失調を起こす方もいます。婦人科系でいうと、子宮内膜が厚くなりにくかったり、生理の量が少なくなったり、という影響がでてくることがあります。●食事栄養の吸収力が弱いので一度にたくさん食べず、多種類の食品を何度かに分けて少しずつとりましょう。「血」を補うために色の濃い食品、たとえば、ドライフルーツ、黒豆、黒ゴマ、ひじき、黒キクラゲなどを食事に取り入れてみましょう。「血」を補う作用が強い、レバー、牛肉の赤身、まぐろ、かつおなどの動物性たんぱく質もオススメです。●日常生活「血」は夜の睡眠中に作られます。ですから夜更かしや夜の仕事はできるだけ避けて、夜の22時から2時の間にできるだけたくさん睡眠を取れるようにしましょう。就寝前の1~2時間は、できるだけリラックスした時間を過ごすことも大事です。あまり体力がないので、激しい運動ではなく、全身をほぐすヨガやストレッチ、太極拳など、疲れが残らない程度の運動を取り入れましょう。 <「気(元気)」不足タイプ:気虚(ききょ)> やる気が出ない状態が続き、消化器や免疫機能も弱りやすいため、疲れやすかったり、アレルギー症状がでたり、風邪をひきやすくなることも。婦人科系では、不正出血があったり、生理がダラダラ続いたりする場合があります。●食事「気」が不足しているので、朝食を抜くのはNG。胃腸の消化・吸収力を低下させる冷たいもの、生もの、油っこいもののとりすぎにも注意をしましょう。胃腸の働きを高めながら、血のめぐりもよくする、麦、ひえ、あわなどの雑穀を白米に混ぜて食べてみましょう。よく噛んで食べると内臓が強くなり、元気を作れるようになりますよ。●日常生活忙しい日が続いたり睡眠不足があると「気」を消耗します。睡眠時間はたっぷりとりましょう。スタミナ不足なので、休息時間をこまめにとり、できるなら昼食後に10〜15分の昼寝を取り入れるとよいでしょう。激しい運動は逆に「気」を消耗させるので、ウォーキングやヨガなど、ゆっくりした運動を、疲れない程度から始めてみましょう。 <「陰(潤い)」不足タイプ:陰虚(いんきょ)> 体内の潤いが不足することで、のぼせ、火照りを鎮める消火水が少なくなっている状態です。加齢や睡眠不足などにより起こりやすくなります。婦人科系では、生理周期が短くなったり、低温気が短くなったり、基礎体温が全体的に高めになったりして、卵子の質に影響がでることもあります。●食事唐辛子、こしょう、山椒などの香辛料のとりすぎは、体を火照らせるだけでなく、体のうるおいを奪ってしまいます。また、油っこいものも発汗や火照りを悪化させます。食事は野菜中心のあっさりしたものが理想的。水分補給をこまめに行ってほしいのですが、必要以上に水を飲んでもうまく体に吸収されない体質でもあるので、野菜や果物からおだやかに水分補給をしていきましょう。●日常生活適度に汗をかくのはよいことですが、この体質の人は汗をかきやすいため、激しい運動や炎天下でのスポーツ、サウナ、ホットヨガなど、大量に汗をかくことは避けましょう。水泳やアクアビクスなどの水中運動がおすすめです。もちろん水分補給は忘れずに。 <冷えタイプ:陽虚(ようきょ)> 体を温める力が弱っているタイプです。手足や足腰に冷えを感じます。多尿や軟便が生じることも。婦人科系では、基礎体温が全体的に低めだったり、高温期が短かったりします。●食事生野菜、生ものなどの体を冷やす食べもの、氷の入った飲み物、アイスクリームなどの冷菓はNG。冷え改善には、雑穀を多くしたご飯をよく噛んで食べましょう。小魚やラム肉も体を温めます。調理法も温かいスープや鍋料理がおススメです。味付けにスパイスを上手に取り入れて。唐辛子も胃を荒らさない程度はOK。●日常生活体を冷やさないために、服装にはいつも気を配りましょう。薄着やスカートよりはパンツスタイルがおススメです。とくに冷えが体内に入り込みやすい、おなか、腰、足首、かかとは、いつもしっかりガードして。入浴はシャワーではなく湯船につかってしっかり汗をかく習慣をつけるとよいでしょう。適度な運動で体を温め、熱の源である筋力もアップしましょう。ただし、水泳や水中運動は体の熱を奪うので避けましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 ≫ あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半)はこちら <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半)
2016.3.4
コラム 不妊治療
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舌で分かる!?あなたの健康状態(後半)
舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) ≫ 舌で分かる!?あなたの健康状態(前半)はこちら 今回は前回お話しした、舌診の続きです。「血」「気(元気)」「陰(潤い)」が前回とは反対にスムーズに体を巡ることができていない3つのタイプを紹介します。 <お血(おけつ)の舌>舌の色は紫っぽく、黒いシミのような斑点があることも。苔はうっすらあり、舌の裏の2本の静脈が浮き出ている状態。 □肩こりがある□頭痛、腰痛などの痛みがある□生理痛がある□経血に塊が混じる□目の下にクマができやすい□シミ、そばかすが気になる「お血」は、スムーズに流れて全身に酸素や栄養を運び、老廃物を回収しているはずの「血」が様々な原因で滞っている状態です。女性に多い原因は、冷えやストレスによって「お血」」になっているケース。「お血」の状態を放っておくと、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣膿腫などの病気に発展することもあるので、早めに対処することが大切です。 <気滞(きたい)の舌>舌の色は両側が赤い。中央に白または黄色の苔がある状態。 □イライラしやすい□ため息が多い□生理前に胸が張りやすい□お腹にガスがたまりやすい□基礎体温が不安定□目が疲れやすい健康な体では、「気」は滞りなく体中を巡って、エネルギーを全身に運んでいます。しかし、それがストレスや心配事などが続くことによって、自律神経が乱れ、さまざまな症状が現れた状態が「気滞」です。「気滞」を放っておくと、ストレスに弱くなり、ますます気が滞るという悪循環になり、気と一緒に体内を巡っている血まで滞ってしまうこともあるのです。女性の場合、「気」が滞りやすくなるのは月経前と排卵期。この時期に症状が出やすい人は、気滞があると思われます。何と言ってもストレスを発散することが大切。体を動かしたり、大きな声で歌を歌ったり、友達とおしゃべりを楽しむなど、あなたに合ったストレス発散法を見つけましょう。 <痰湿(たんしつ)の舌>舌に厚いベトベトした白色または黄色の苔がある状態。 □むくみやすい□ニキビができやすい□オリモノが黄色い□脂っこいものや甘いものが大好き□お酒をよく飲む□暑がり川の水が清らかに流れている状態が「陰」、池のように流れが留まっている状態が「痰湿」で、体に必要な潤いを補う「陰(きれいな水分)」の巡りが滞ると、体に有害な物質である「痰湿」へと変化してしまいます。痰湿になる原因はさまざまですが、胃腸を酷使するような食生活を続けることで、消化・吸収・排泄がスムーズではなくなり、老廃物が体中に溜まるケースが最も多いです。老廃物は、中性脂肪やコレステロールなどに変化して血中に入り込み、血管にへばりつくと血液がスムーズに流れなくなってしまいます。すると、子宮に栄養が行きにくくなったり多嚢胞性卵巣などになりやすくなることも。体に溜まった老廃物や余分な水分をだすために、じわりと汗が出るようなスポーツを。また、夜はゆっくりお風呂に浸かり、たっぷり汗をかきましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) ≫ 舌で分かる!?あなたの健康状態(前半)はこちら 今回は前回お話しした、舌診の続きです。「血」「気(元気)」「陰(潤い)」が前回とは反対にスムーズに体を巡ることができていない3つのタイプを紹介します。 <お血(おけつ)の舌>舌の色は紫っぽく、黒いシミのような斑点があることも。苔はうっすらあり、舌の裏の2本の静脈が浮き出ている状態。 □肩こりがある□頭痛、腰痛などの痛みがある□生理痛がある□経血に塊が混じる□目の下にクマができやすい□シミ、そばかすが気になる「お血」は、スムーズに流れて全身に酸素や栄養を運び、老廃物を回収しているはずの「血」が様々な原因で滞っている状態です。女性に多い原因は、冷えやストレスによって「お血」」になっているケース。「お血」の状態を放っておくと、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣膿腫などの病気に発展することもあるので、早めに対処することが大切です。 <気滞(きたい)の舌>舌の色は両側が赤い。中央に白または黄色の苔がある状態。 □イライラしやすい□ため息が多い□生理前に胸が張りやすい□お腹にガスがたまりやすい□基礎体温が不安定□目が疲れやすい健康な体では、「気」は滞りなく体中を巡って、エネルギーを全身に運んでいます。しかし、それがストレスや心配事などが続くことによって、自律神経が乱れ、さまざまな症状が現れた状態が「気滞」です。「気滞」を放っておくと、ストレスに弱くなり、ますます気が滞るという悪循環になり、気と一緒に体内を巡っている血まで滞ってしまうこともあるのです。女性の場合、「気」が滞りやすくなるのは月経前と排卵期。この時期に症状が出やすい人は、気滞があると思われます。何と言ってもストレスを発散することが大切。体を動かしたり、大きな声で歌を歌ったり、友達とおしゃべりを楽しむなど、あなたに合ったストレス発散法を見つけましょう。 <痰湿(たんしつ)の舌>舌に厚いベトベトした白色または黄色の苔がある状態。 □むくみやすい□ニキビができやすい□オリモノが黄色い□脂っこいものや甘いものが大好き□お酒をよく飲む□暑がり川の水が清らかに流れている状態が「陰」、池のように流れが留まっている状態が「痰湿」で、体に必要な潤いを補う「陰(きれいな水分)」の巡りが滞ると、体に有害な物質である「痰湿」へと変化してしまいます。痰湿になる原因はさまざまですが、胃腸を酷使するような食生活を続けることで、消化・吸収・排泄がスムーズではなくなり、老廃物が体中に溜まるケースが最も多いです。老廃物は、中性脂肪やコレステロールなどに変化して血中に入り込み、血管にへばりつくと血液がスムーズに流れなくなってしまいます。すると、子宮に栄養が行きにくくなったり多嚢胞性卵巣などになりやすくなることも。体に溜まった老廃物や余分な水分をだすために、じわりと汗が出るようなスポーツを。また、夜はゆっくりお風呂に浸かり、たっぷり汗をかきましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
2016.2.18
コラム 不妊治療
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舌で分かる?!あなたの健康状態(前編)
舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 中医学では「四診」という診察法が診断の元となります。では、「四診」とは、どんな診察なのでしょうか?それは読んで字のごとく、診察法が四つあるということです。その四つの診察法を箇条書きで簡単に説明しますね。1望診(ぼうしん)患者さんの動作や状態を観察。2聞診(ぶんしん)声や呼吸音、話し方、咳の音、口臭や体臭から判断。3問診(もんしん)自覚症状や病歴、生活習慣、家族歴などの質問の答えから判断。4切診(せっしん)患者様の脈やお腹の状態を診る。この中でも望診は「神技」と呼ばれるほど、四診の中でも最も難しい診断法と言われています。でもそれは言い換えると、「西洋医学にはない、中医学の特徴」とも言えますよね。望診には顔の色艶を診る「面診(めんしん)」や、舌の状態から体質や病状の深さ、進行度などを診断する「舌診(ぜっしん)」があります。その中でも、今回は「舌診」の中でよく見られる6つのタイプの内、大切な「血」「気(元気)」「陰(潤い)」が不足している3つのタイプをご紹介します。あなたも鏡で舌の状態を是非チェックしてみてください! <正常な舌>舌の色は淡紅色(鮮やかなピンク色)で、U字のような形で柔らかい舌。苔はうっすらと薄くて白く舌の色が透けてみえる状態。 <血虚(けっきょ)の舌>舌の色は全体的に淡い色。苔がうっすらある状態。 □寝つきがよくない□髪や爪が傷みやすい□月経量が少ない□肌が乾燥しやすい□顔色が白っぽい□めまい、立ちくらみがあるこのような症状がいくつかあれば、血液検査で貧血と診断されていなくても、中医学では血の全体量が不足している「血虚」体質だと考えます。血にはホルモンの働きにも影響するので、「血虚」を放っておくと、子宮内膜が薄くなって月経量が減ったり、生理の期間が短くなることがあり、不妊に発展するおそれもあるのです。血虚の兆候が少しでもあるなら、普段の生活の中で、血を補う工夫をしましょう。 <気虚(ききょ)の舌>舌の色は全体的に淡い色で、厚くて腫れぼったい感じです。舌の縁に歯の痕が波打つように付いています。苔は白っぽい状態。 □冷えやすい□休みの日は家でゆっくりしたい□不正出血がある□風をひきやすい□月経が8日間以上ダラダラ続く□慢性下痢・便秘「気(元気)」はエネルギーの一種。だから、睡眠不足や激しい運動の後は、だれでも一時的に気が不足します。でも、食事や睡眠をしっかりとれば、自然に「気」は回復します。ところが、過労、睡眠不足、過激なダイエットなどが続くと、慢性的に気が不足した状態の「気虚」になります。「病は気から」という言葉があるように、気の不足を放っておくのは万病の元になりかねません。過労や睡眠不足をなくし、食生活を改めるといった、日々の生活から変えていきましょう。 <陰虚(いんきょ)の舌>舌の色は舌全体が赤く、舌表面に裂け目があることも。苔は少ないかほとんどない状態。 □のどが渇きやすい□お肌や目が乾燥しやすい□寝汗をかきやすい□オリモノが少ない□手足が火照る□基礎体温が全体的に高め「陰」とは体に必要な潤いのこと。水分補給不足、スポーツやサウナで大量に汗をかくと、肩こりや頭痛、疲労感などが現れることがありますよね。その状態が慢性化しているのが「陰虚」なんです。「陰」は加齢とともに不足しやすくなり、40歳以降の女性に多く見られます。また、睡眠不足、飲酒などから陰虚になることも。「陰虚」になると、精子と卵子が出会いにくい環境になったり、卵子の質にも影響してきます。いくつか症状があてはまる方は、生活習慣を見直してアンチエイジング(補腎)を心がけましょう。 次回は舌診の後半。さらに3つのタイプをお教えします。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 中医学では「四診」という診察法が診断の元となります。では、「四診」とは、どんな診察なのでしょうか?それは読んで字のごとく、診察法が四つあるということです。その四つの診察法を箇条書きで簡単に説明しますね。1望診(ぼうしん)患者さんの動作や状態を観察。2聞診(ぶんしん)声や呼吸音、話し方、咳の音、口臭や体臭から判断。3問診(もんしん)自覚症状や病歴、生活習慣、家族歴などの質問の答えから判断。4切診(せっしん)患者様の脈やお腹の状態を診る。この中でも望診は「神技」と呼ばれるほど、四診の中でも最も難しい診断法と言われています。でもそれは言い換えると、「西洋医学にはない、中医学の特徴」とも言えますよね。望診には顔の色艶を診る「面診(めんしん)」や、舌の状態から体質や病状の深さ、進行度などを診断する「舌診(ぜっしん)」があります。その中でも、今回は「舌診」の中でよく見られる6つのタイプの内、大切な「血」「気(元気)」「陰(潤い)」が不足している3つのタイプをご紹介します。あなたも鏡で舌の状態を是非チェックしてみてください! <正常な舌>舌の色は淡紅色(鮮やかなピンク色)で、U字のような形で柔らかい舌。苔はうっすらと薄くて白く舌の色が透けてみえる状態。 <血虚(けっきょ)の舌>舌の色は全体的に淡い色。苔がうっすらある状態。 □寝つきがよくない□髪や爪が傷みやすい□月経量が少ない□肌が乾燥しやすい□顔色が白っぽい□めまい、立ちくらみがあるこのような症状がいくつかあれば、血液検査で貧血と診断されていなくても、中医学では血の全体量が不足している「血虚」体質だと考えます。血にはホルモンの働きにも影響するので、「血虚」を放っておくと、子宮内膜が薄くなって月経量が減ったり、生理の期間が短くなることがあり、不妊に発展するおそれもあるのです。血虚の兆候が少しでもあるなら、普段の生活の中で、血を補う工夫をしましょう。 <気虚(ききょ)の舌>舌の色は全体的に淡い色で、厚くて腫れぼったい感じです。舌の縁に歯の痕が波打つように付いています。苔は白っぽい状態。 □冷えやすい□休みの日は家でゆっくりしたい□不正出血がある□風をひきやすい□月経が8日間以上ダラダラ続く□慢性下痢・便秘「気(元気)」はエネルギーの一種。だから、睡眠不足や激しい運動の後は、だれでも一時的に気が不足します。でも、食事や睡眠をしっかりとれば、自然に「気」は回復します。ところが、過労、睡眠不足、過激なダイエットなどが続くと、慢性的に気が不足した状態の「気虚」になります。「病は気から」という言葉があるように、気の不足を放っておくのは万病の元になりかねません。過労や睡眠不足をなくし、食生活を改めるといった、日々の生活から変えていきましょう。 <陰虚(いんきょ)の舌>舌の色は舌全体が赤く、舌表面に裂け目があることも。苔は少ないかほとんどない状態。 □のどが渇きやすい□お肌や目が乾燥しやすい□寝汗をかきやすい□オリモノが少ない□手足が火照る□基礎体温が全体的に高め「陰」とは体に必要な潤いのこと。水分補給不足、スポーツやサウナで大量に汗をかくと、肩こりや頭痛、疲労感などが現れることがありますよね。その状態が慢性化しているのが「陰虚」なんです。「陰」は加齢とともに不足しやすくなり、40歳以降の女性に多く見られます。また、睡眠不足、飲酒などから陰虚になることも。「陰虚」になると、精子と卵子が出会いにくい環境になったり、卵子の質にも影響してきます。いくつか症状があてはまる方は、生活習慣を見直してアンチエイジング(補腎)を心がけましょう。 次回は舌診の後半。さらに3つのタイプをお教えします。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
2016.2.12
コラム 不妊治療
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長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは?
長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 前回は中医学のおおまかなあらましを説明したので、今回は中医学の治療法と治療手段についてお話しします。中医学は長い歴史の中で得た経験から生まれた医学です。そこに「気血津液学説」(きけつしんえきがくせつ)「陰陽学説」(いんようがくせつ)「五行学説」(ごぎょうがくせつ)という3つの中国古代哲学が理論の支えとなっています。なんだか難しい言葉なので、それぞれを簡単に説明しますね。まず、「気血津液学説」とは、身体の機能を動かす源は「気」(き)・「血」(けつ)・「津液」(しんえき)という、3つの物質だという考え方です。その3つの中の「気」は生命活動の根源であるエネルギー源。「血」は全身を巡りながら、全身の臓器や器官に潤いと栄養を与えます。「津液」は、よだれ、涙、鼻水、汗、尿など、血以外の身体の体液全てのことです。これらが十分にあってスムーズに体内を回ることで健康は維持され、不足したり滞ると不調や病気になると考えます。「陰陽学説」とは、全てのものを陰と陽に分け、それらは対立する関係にあるという考え方です。例えば、陽が太陽で陰が月。陽が男で陰が女。もちろん人の身体にも陰と陽があり、健康な時はそのバランスが保たれていますが、それが崩れると病気になると考えます。妊活で重要な女性ホルモンにも陰陽があって、エストロゲン(卵胞ホルモン)は陰、プロゲステロン(黄体ホルモン)は陽です。このバランスが崩れていることが不妊につながることもあるのです。「五行学説」とは、自然界に存在するものを、「木・火・土・金・水(もく・か・ど・こん・すい)の5つに分類し、それぞれに作用したり変化するという考え方。体内にある五臓(肝、心、脾、肺、腎)も自然界とつながっていて、「木は肝」「火は心」「土は脾」「金は肺」「水は腎」と割り当てられ、それぞれがお互いに働きを促したり抑えたりする関係にあるのです。つまりまとめると、中医学でいう健康とは、身体を構成している「気・血・津液」の量が十分あって、それらがスムーズに体中を循環している状態。そして陰陽のバランスが保たれ、五臓が協調的に働いている状態なのですね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 前回は中医学のおおまかなあらましを説明したので、今回は中医学の治療法と治療手段についてお話しします。中医学は長い歴史の中で得た経験から生まれた医学です。そこに「気血津液学説」(きけつしんえきがくせつ)「陰陽学説」(いんようがくせつ)「五行学説」(ごぎょうがくせつ)という3つの中国古代哲学が理論の支えとなっています。なんだか難しい言葉なので、それぞれを簡単に説明しますね。まず、「気血津液学説」とは、身体の機能を動かす源は「気」(き)・「血」(けつ)・「津液」(しんえき)という、3つの物質だという考え方です。その3つの中の「気」は生命活動の根源であるエネルギー源。「血」は全身を巡りながら、全身の臓器や器官に潤いと栄養を与えます。「津液」は、よだれ、涙、鼻水、汗、尿など、血以外の身体の体液全てのことです。これらが十分にあってスムーズに体内を回ることで健康は維持され、不足したり滞ると不調や病気になると考えます。「陰陽学説」とは、全てのものを陰と陽に分け、それらは対立する関係にあるという考え方です。例えば、陽が太陽で陰が月。陽が男で陰が女。もちろん人の身体にも陰と陽があり、健康な時はそのバランスが保たれていますが、それが崩れると病気になると考えます。妊活で重要な女性ホルモンにも陰陽があって、エストロゲン(卵胞ホルモン)は陰、プロゲステロン(黄体ホルモン)は陽です。このバランスが崩れていることが不妊につながることもあるのです。「五行学説」とは、自然界に存在するものを、「木・火・土・金・水(もく・か・ど・こん・すい)の5つに分類し、それぞれに作用したり変化するという考え方。体内にある五臓(肝、心、脾、肺、腎)も自然界とつながっていて、「木は肝」「火は心」「土は脾」「金は肺」「水は腎」と割り当てられ、それぞれがお互いに働きを促したり抑えたりする関係にあるのです。つまりまとめると、中医学でいう健康とは、身体を構成している「気・血・津液」の量が十分あって、それらがスムーズに体中を循環している状態。そして陰陽のバランスが保たれ、五臓が協調的に働いている状態なのですね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
2016.1.29
コラム 不妊治療
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中医学とは、アンチエイジング医学だった!
中医学とは、アンチエイジング医学だった! 35歳から考える〝妊活〟で、今、漢方が注目されていることから〝中医学(中国伝統医学)〟という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?「でも、中医学って何?西洋医学とはどこが違うの?」と思っている人も多いはず。ということで、今回はその中医学についてお話ししますね。世界には〝伝統医学〟という長い歴史を経た医学がいくつもあります。有名なところでいえば、インドのアーユルヴェーダ、ギリシャのユナニ医学など。その中でも中医学は、2000年以上の長い歴史と経験に基づいた理論的な体系を整えている〝世界三大伝統医学〟のひとつなのです。中医学は漢方薬だけではなく、鍼灸治療、推拿(すいな)や気功など、いろいろな治療法を備えています。つまり、「かゆいところに手が届く」治療法。これは伝統医学の中でも類を見ない特徴なのです。では何故、こんなに中医学が今注目されているのでしょうか。それは中医学が〝アンチエイジング医学〟だからなのです。中国の歴史といえば皇帝の歴史ともいえますが、国の安泰が続くには皇帝が健康で長生きして子孫が繁栄することが重要な課題です。そのために発達したのが中医学です。つまり中医学は皇帝のために、試行錯誤をくりかえしながら発展した〝宮廷医学〟。なんとも贅沢な医学ですから、アンチエイジングや子宝治療は得意分野ともいえます。これで35歳からの妊活に、中医学が重要なポイントを占めている理由がご理解いただけたかと思います。漢方薬や鍼灸治療なんて聞くと、中医学は民間療法のように思われがちですが、WHO(世界保健機構)でも認められているれっきとした医学なのです。すでにアメリカ、ヨーロッパでは積極的に取り入れられている治療法なのですよ。とはいっても、一般の病院が行っている西洋医学と中医学、どちらが優れているということではありません。そもそも医学の成り立ちが異なりますし、病気へのアプローチも違いますからね。西洋医学は解剖学や生理学といった、科学的に人の体を捉えるのが特徴。身体の細胞レベルまで細かく診て、検査データを重要視し、その結果をもとに治療します。だから、「検査に現れない異常は病気ではない」ということになります。急性疾患、検査でわかる疾患、外科手術などで、体に不要なものを取り除くなどが西洋医学の得意なことです。一方、中医学は人の身体は全身が関連していると考えます。その病気がその部分だけの問題なのか、身体全体のバランスの乱れが原因なのか、さらに生まれ育った環境や季節までも含め、さまざまな視点から病気を追求していくのです。病院の検査では異常が現れない〝半健康〟についても、自己治癒力を高めることで改善できるという考えが基本です。つまり病名じゃなくて、体質と症状を総合的に診て治療するのです。得意なのは、慢性疾患、半健康、虚弱体質、ホルモンの乱れ、免疫の異常、老化現象など、どれも西洋医学では原因がわからないようなものです。西洋医学と中医学、両方の良いところ取りができるといいですね。次回は、「長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは?」 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 35歳から考える〝妊活〟で、今、漢方が注目されていることから〝中医学(中国伝統医学)〟という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?「でも、中医学って何?西洋医学とはどこが違うの?」と思っている人も多いはず。ということで、今回はその中医学についてお話ししますね。世界には〝伝統医学〟という長い歴史を経た医学がいくつもあります。有名なところでいえば、インドのアーユルヴェーダ、ギリシャのユナニ医学など。その中でも中医学は、2000年以上の長い歴史と経験に基づいた理論的な体系を整えている〝世界三大伝統医学〟のひとつなのです。中医学は漢方薬だけではなく、鍼灸治療、推拿(すいな)や気功など、いろいろな治療法を備えています。つまり、「かゆいところに手が届く」治療法。これは伝統医学の中でも類を見ない特徴なのです。では何故、こんなに中医学が今注目されているのでしょうか。それは中医学が〝アンチエイジング医学〟だからなのです。中国の歴史といえば皇帝の歴史ともいえますが、国の安泰が続くには皇帝が健康で長生きして子孫が繁栄することが重要な課題です。そのために発達したのが中医学です。つまり中医学は皇帝のために、試行錯誤をくりかえしながら発展した〝宮廷医学〟。なんとも贅沢な医学ですから、アンチエイジングや子宝治療は得意分野ともいえます。これで35歳からの妊活に、中医学が重要なポイントを占めている理由がご理解いただけたかと思います。漢方薬や鍼灸治療なんて聞くと、中医学は民間療法のように思われがちですが、WHO(世界保健機構)でも認められているれっきとした医学なのです。すでにアメリカ、ヨーロッパでは積極的に取り入れられている治療法なのですよ。とはいっても、一般の病院が行っている西洋医学と中医学、どちらが優れているということではありません。そもそも医学の成り立ちが異なりますし、病気へのアプローチも違いますからね。西洋医学は解剖学や生理学といった、科学的に人の体を捉えるのが特徴。身体の細胞レベルまで細かく診て、検査データを重要視し、その結果をもとに治療します。だから、「検査に現れない異常は病気ではない」ということになります。急性疾患、検査でわかる疾患、外科手術などで、体に不要なものを取り除くなどが西洋医学の得意なことです。一方、中医学は人の身体は全身が関連していると考えます。その病気がその部分だけの問題なのか、身体全体のバランスの乱れが原因なのか、さらに生まれ育った環境や季節までも含め、さまざまな視点から病気を追求していくのです。病院の検査では異常が現れない〝半健康〟についても、自己治癒力を高めることで改善できるという考えが基本です。つまり病名じゃなくて、体質と症状を総合的に診て治療するのです。得意なのは、慢性疾患、半健康、虚弱体質、ホルモンの乱れ、免疫の異常、老化現象など、どれも西洋医学では原因がわからないようなものです。西洋医学と中医学、両方の良いところ取りができるといいですね。次回は、「長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは?」 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
2016.1.21
コラム 不妊治療
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知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと
知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと テレビCMの影響でしょうか。最近、女性の体質改善に、“漢方が効果的”と思う人が増えています。その波は「妊活」にも来ているのです。妊活が思うようにいかないと、「私って妊娠しづらい体質なのかな?」と落ち込んだことはありませんか?そんな妊活中の女性が体質改善を考えた時「自然界の動物や植物からできている薬だから身体に優しそう」と、漢方での治療を考えるケースが増えています。もちろんそこには、漢方が妊活でしっかり成果を出しているという実話やデータの話が、マスコミをはじめ、様々なところで話題になっていることも後押ししているようです。さて、こんな話から「漢方ってすごい。試してみたい!」と思っているあなた。ちょっと待ってください。漢方ってすごく奥が深い薬なのです。せっかくですからこの機会に、漢方についてちょっとだけ勉強してみませんか?まず、漢方といっても大きく2つに分かれます。それは日本の漢方(いわゆる和漢)と中医学(中国医学)の漢方。とはいっても、日本の漢方はもともと中国から伝わったものだし、どちらも原料は自然の生薬。でも、大きく違うのが、処方の決め方や証(その人の体質や病状)のとらえ方。これをまず踏まえておきましょう。では、その違いについて詳しく説明しますね。現在の日本の漢方の主流は、江戸時代に発達した古方派(こほうは)と言われるもの。これは難解な理論よりも経験・実践を重視します。つまり「こういう症状には、こういう処方をしなさい」という、その人の体質がどの処方と合致しているかを診るのです。一方、中医学には陰陽五行説を基礎とした中医基礎理論が確立していて、それを元に患者さんの症状を診ます。つまり「症状を分析して、その人の体質を決め、それに合う漢方薬を組み合わせる」という流れなのです。体質を診る時は、「五臓六腑」「気(元気)・血・津液(水分)」などといった、中医学独特の判別法を用います。それに中医学には「未病を治す」という、病気になる前に体調の悪いところを良くすることで、「病気を未然に防ぐ」という概念があります。「半健康」という言葉をご存知ですか?「なんとなく体調がよくないけど検査をしても異常が見つからない」というような状態のことですが、その半健康にも中医学は効果を発揮します。ちょっとわかりやすいところで洋服にたとえると、日本の漢方は既製服で、中医学の漢方はオーダーメイドという感じです。日本でも中医学の漢方は一般化してきていますが、使用が認可されている生薬が約350種類ほど。しかし、中国には700種類以上の生薬があるのです。いかに中国では中医学がその歴史を脈々と受け継がれているかが分かりますよね。次週は、「中医学とは、アンチエイジング医学だった!」です。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと テレビCMの影響でしょうか。最近、女性の体質改善に、“漢方が効果的”と思う人が増えています。その波は「妊活」にも来ているのです。妊活が思うようにいかないと、「私って妊娠しづらい体質なのかな?」と落ち込んだことはありませんか?そんな妊活中の女性が体質改善を考えた時「自然界の動物や植物からできている薬だから身体に優しそう」と、漢方での治療を考えるケースが増えています。もちろんそこには、漢方が妊活でしっかり成果を出しているという実話やデータの話が、マスコミをはじめ、様々なところで話題になっていることも後押ししているようです。さて、こんな話から「漢方ってすごい。試してみたい!」と思っているあなた。ちょっと待ってください。漢方ってすごく奥が深い薬なのです。せっかくですからこの機会に、漢方についてちょっとだけ勉強してみませんか?まず、漢方といっても大きく2つに分かれます。それは日本の漢方(いわゆる和漢)と中医学(中国医学)の漢方。とはいっても、日本の漢方はもともと中国から伝わったものだし、どちらも原料は自然の生薬。でも、大きく違うのが、処方の決め方や証(その人の体質や病状)のとらえ方。これをまず踏まえておきましょう。では、その違いについて詳しく説明しますね。現在の日本の漢方の主流は、江戸時代に発達した古方派(こほうは)と言われるもの。これは難解な理論よりも経験・実践を重視します。つまり「こういう症状には、こういう処方をしなさい」という、その人の体質がどの処方と合致しているかを診るのです。一方、中医学には陰陽五行説を基礎とした中医基礎理論が確立していて、それを元に患者さんの症状を診ます。つまり「症状を分析して、その人の体質を決め、それに合う漢方薬を組み合わせる」という流れなのです。体質を診る時は、「五臓六腑」「気(元気)・血・津液(水分)」などといった、中医学独特の判別法を用います。それに中医学には「未病を治す」という、病気になる前に体調の悪いところを良くすることで、「病気を未然に防ぐ」という概念があります。「半健康」という言葉をご存知ですか?「なんとなく体調がよくないけど検査をしても異常が見つからない」というような状態のことですが、その半健康にも中医学は効果を発揮します。ちょっとわかりやすいところで洋服にたとえると、日本の漢方は既製服で、中医学の漢方はオーダーメイドという感じです。日本でも中医学の漢方は一般化してきていますが、使用が認可されている生薬が約350種類ほど。しかし、中国には700種類以上の生薬があるのです。いかに中国では中医学がその歴史を脈々と受け継がれているかが分かりますよね。次週は、「中医学とは、アンチエイジング医学だった!」です。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
2015.12.21
コラム 不妊治療
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抗精子抗体といわれ夫は精子無力症。以前も試したけどおすすめの漢方薬があれば再び試したい
相談者 リンゴキティ さん(34歳) 【不妊の原因:男性不妊・抗精子抗体】 ○冷え性である ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○イライラをため込みやすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○爪がもろく割れやすい ○めまいや立ちくらみがよくある ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○便が黒ずんでいることがある ○頬が赤っぽい ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○手足がいつも冷たい ○とくにおなかや下半身が冷える ○むくみやすい ○痰が出やすい 漢方薬の効果は6ヶ月くらいから現れる場合が多いのであせらずに続けて 抗精子抗体の存在は自然妊娠するうえで問題になります。ご主人さまの精子無力症では、SMI(SpermMotilite Index)精子自動性指数が低くなりますので自然妊娠しにくくなります。すでに、漢方薬を試されたようですので、その役割については説明を受けていると思います。免疫性不妊(抗精子抗体)に関して、直接改善する漢方薬はありません。 漢方の補腎薬が年齢からくる卵子や精子の老化や機能低下を予防改善し頸管粘液を良くする 漢方薬は妊娠しやすくする条件を高めるためのひとつの方法です。漢方薬の補腎薬は、年齢からくる卵子や精子の老化や機能低下を予防したり改善したりします。また、頸管粘液の質や分泌を高める効果も期待できます。自覚症状では頸管粘液の量が増え質の変化がおこり、その結果、自然妊娠されたケースもありますので、あせらずに自分に合った治療方法を専門家と相談しながら見つけてください。 これらの検査結果はそのときの状況によってかなり大きく変化するとされます。今までプラスだったのにマイナスになったり、数値が急激に下がったりということもあります。また抗精子抗体があっても絶対に赤ちゃんを授からないということもありません。変動しやすい因子であることを覚えておくといいのではないでしょうか。 また、精液検査において前進する精子が32%以下の場合は精子無力症と診断されますが、中医学では「腎虚」または「気虚」と考えられます。治療効果が比較的出やすいケースが多いです。「補中益気湯」などの補気薬と「亀鹿二仙丸」などの補腎薬を組み合わせる方法が一般的です。仕事のストレスや慢性疲労が蓄積していると精子の状態もよくありません。夜は12時までに就寝し、7時間以上の睡眠時間を取るように改善してみてください。 生殖機能にもいい影響を与える天然発酵食品をとり「杞菊地黄丸」などの補腎薬を服用する 食生活ではミネラルの多い魚介類をはじめ、天然発酵食品「味噌」「醤油」などにもこだわりを持ってください。天然発酵食品には中医学でいう「気」が多く含まれています。体の新陳代謝を活発にするだけではなく生殖機能にもいい影響を与えてくれます。 漢方薬の効果に関しては6か月くらいから現れてくる場合が多いです。よく用いられる漢方薬に「亀鹿二仙丸」、「杞菊地黄丸」などの補腎薬があります。一度試してみてはいかがでしょう。 西野 裕一先生 薬剤師。鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓蒙・普及させる活動に尽力。著書多数。 ■ あわせて読みたい ■ 抗精子凝集抗体です。人工授精を行わず、すぐに体外受精をすすめられました 流産を3回経験。抗精子抗体が原因という可能性はゼロですか? 抗精子抗体の検査時期と遺伝について 抗精子抗体検査|不妊検査 誠心堂薬局 女性のための健康生活マガジン JINEKO 相談者 リンゴキティ さん(34歳) 【不妊の原因:男性不妊・抗精子抗体】 ○冷え性である ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○イライラをため込みやすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○爪がもろく割れやすい ○めまいや立ちくらみがよくある ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○便が黒ずんでいることがある ○頬が赤っぽい ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○手足がいつも冷たい ○とくにおなかや下半身が冷える ○むくみやすい ○痰が出やすい 漢方薬の効果は6ヶ月くらいから現れる場合が多いのであせらずに続けて 抗精子抗体の存在は自然妊娠するうえで問題になります。ご主人さまの精子無力症では、SMI(SpermMotilite Index)精子自動性指数が低くなりますので自然妊娠しにくくなります。すでに、漢方薬を試されたようですので、その役割については説明を受けていると思います。免疫性不妊(抗精子抗体)に関して、直接改善する漢方薬はありません。 漢方の補腎薬が年齢からくる卵子や精子の老化や機能低下を予防改善し頸管粘液を良くする 漢方薬は妊娠しやすくする条件を高めるためのひとつの方法です。漢方薬の補腎薬は、年齢からくる卵子や精子の老化や機能低下を予防したり改善したりします。また、頸管粘液の質や分泌を高める効果も期待できます。自覚症状では頸管粘液の量が増え質の変化がおこり、その結果、自然妊娠されたケースもありますので、あせらずに自分に合った治療方法を専門家と相談しながら見つけてください。 これらの検査結果はそのときの状況によってかなり大きく変化するとされます。今までプラスだったのにマイナスになったり、数値が急激に下がったりということもあります。また抗精子抗体があっても絶対に赤ちゃんを授からないということもありません。変動しやすい因子であることを覚えておくといいのではないでしょうか。 また、精液検査において前進する精子が32%以下の場合は精子無力症と診断されますが、中医学では「腎虚」または「気虚」と考えられます。治療効果が比較的出やすいケースが多いです。「補中益気湯」などの補気薬と「亀鹿二仙丸」などの補腎薬を組み合わせる方法が一般的です。仕事のストレスや慢性疲労が蓄積していると精子の状態もよくありません。夜は12時までに就寝し、7時間以上の睡眠時間を取るように改善してみてください。 生殖機能にもいい影響を与える天然発酵食品をとり「杞菊地黄丸」などの補腎薬を服用する 食生活ではミネラルの多い魚介類をはじめ、天然発酵食品「味噌」「醤油」などにもこだわりを持ってください。天然発酵食品には中医学でいう「気」が多く含まれています。体の新陳代謝を活発にするだけではなく生殖機能にもいい影響を与えてくれます。 漢方薬の効果に関しては6か月くらいから現れてくる場合が多いです。よく用いられる漢方薬に「亀鹿二仙丸」、「杞菊地黄丸」などの補腎薬があります。一度試してみてはいかがでしょう。 西野 裕一先生 薬剤師。鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓蒙・普及させる活動に尽力。著書多数。 ■ あわせて読みたい ■ 抗精子凝集抗体です。人工授精を行わず、すぐに体外受精をすすめられました 流産を3回経験。抗精子抗体が原因という可能性はゼロですか? 抗精子抗体の検査時期と遺伝について 抗精子抗体検査|不妊検査 誠心堂薬局 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.1.29
コラム 不妊治療
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卵巣年齢を若々しくするために積極的にとったほうがいい漢方薬や食品は?
相談者 み さん(41歳) 【不妊の原因:卵巣嚢腫】 ○冷え性である ○ゲップやおならが出やすい ○目がかすんだり疲れる ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○のぼせやほてりがある ○寝不足の日が多い ○とくにおなかや下半身が冷える ○太りやすい 良質な栄養摂取や漢方薬、鍼灸などを利用し生活習慣や養生対策で卵巣の質を高める 最近、卵巣年齢に関心を持つ女性が大変増えています。医療機関でもAMHなどの血液検査を行って卵巣予備能をチェックするようになりました。卵巣年齢は、ご自身の卵巣のなかにある卵胞の数と質で決まります。残念ながら、数は生まれたときに決まっていますので増やすことはできません。卵巣の質を高める生活習慣や養生対策を取るしかありません。卵巣の質をつくる過程は約150日程度かかります。その間、卵巣の動脈に流れる血液の栄養をもらいながら1次卵胞から2次卵胞へと成長していきます。ポイントは骨盤内血流改善と良質な栄養摂取です。 コレステロールは卵巣を元気にする栄養素良質の脂質を積極的にとることが大切 卵巣を元気にする栄養素のおすすめは、女性ホルモンの材料となるコレステロールです。脂肪の多い青魚に含まれるEPAやDHAなどの良質の脂質を積極的に摂りましょう。しそ油、えごま油、亜麻仁油などのαリノレン酸は酸化しやすいので、加熱調理はひかえたほうがいいでしょう。 骨盤内血流を改善するためには、定期的な運動がおすすめです。1日1時間、ゆっくり呼吸をしながら少し汗ばむ程度の散歩をしましょう。よく通勤時間を散歩時間と考える方もいますが、浅い呼吸での運動や交感神経を刺激する作用からすると、適していないと思えます。帰宅後に30分ほど、ゆっくり散歩する習慣を身につけましょう。 時間がない方や運動が苦手な方におすすめなのが、「活血薬」を代表とする漢方薬です。漢方薬のメリットはいつでも毎日できることです。食事もそうですが毎日繰り返し行うことが、血流を改善し体質を立て直すために必要です。また、子宮は前方が膀胱、後方が直腸に接しているため、飲食物の温度も重要です。基本的に、自分の体温より冷たい食べ物は避けてください。 骨盤内血流を改善するために定期的な運動を漢方薬を利用すれば運動の補助になる 漢方薬は体質や「瘀血」の蓄積具合によって異なります。冷え性が強い方には、「温経湯」、貧血気味の方には「?帰調血飲」、ストレスの多い方には「血府逐瘀湯」などがあります。自分の体質を専門家にもみてもらってから服用してください。 即効性を期待する場合には鍼灸を利用することをおすすめします。東洋医学全般に時間がかかるイメージがありますが、そのなかにあって鍼灸は即効性が期待できる治療方法です。骨盤に血流を集める治療法に「三焦調整法」があります。この方法は骨盤の血流を改善するために考えられたものです。ストローの口を片方ふさいでしまうとストロー内の水分は閉じ込められたままですね。体も同じで、ストレスや仕事の負担がかかると頭部の充血が起こるため、骨盤への血流が抑えられてしまいます。また、胃腸や肝臓の血流が悪い方も同じです。さらに、冷え性や腰痛を持病で持つ方は、血流が悪くなります。「三焦調整法」は全身の調整を行いながら骨盤全体の血流を改善する方法です。1クールが12回で毎週1回のペースで治療します。詳しくは、「三焦調整法」を実践なさっている鍼灸師の先生にご相談ください。 西野 裕一先生 薬剤師。鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓蒙・普及させる活動に尽力。著書多数。 相談者 み さん(41歳) 【不妊の原因:卵巣嚢腫】 ○冷え性である ○ゲップやおならが出やすい ○目がかすんだり疲れる ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○のぼせやほてりがある ○寝不足の日が多い ○とくにおなかや下半身が冷える ○太りやすい 良質な栄養摂取や漢方薬、鍼灸などを利用し生活習慣や養生対策で卵巣の質を高める 最近、卵巣年齢に関心を持つ女性が大変増えています。医療機関でもAMHなどの血液検査を行って卵巣予備能をチェックするようになりました。卵巣年齢は、ご自身の卵巣のなかにある卵胞の数と質で決まります。残念ながら、数は生まれたときに決まっていますので増やすことはできません。卵巣の質を高める生活習慣や養生対策を取るしかありません。卵巣の質をつくる過程は約150日程度かかります。その間、卵巣の動脈に流れる血液の栄養をもらいながら1次卵胞から2次卵胞へと成長していきます。ポイントは骨盤内血流改善と良質な栄養摂取です。 コレステロールは卵巣を元気にする栄養素良質の脂質を積極的にとることが大切 卵巣を元気にする栄養素のおすすめは、女性ホルモンの材料となるコレステロールです。脂肪の多い青魚に含まれるEPAやDHAなどの良質の脂質を積極的に摂りましょう。しそ油、えごま油、亜麻仁油などのαリノレン酸は酸化しやすいので、加熱調理はひかえたほうがいいでしょう。 骨盤内血流を改善するためには、定期的な運動がおすすめです。1日1時間、ゆっくり呼吸をしながら少し汗ばむ程度の散歩をしましょう。よく通勤時間を散歩時間と考える方もいますが、浅い呼吸での運動や交感神経を刺激する作用からすると、適していないと思えます。帰宅後に30分ほど、ゆっくり散歩する習慣を身につけましょう。 時間がない方や運動が苦手な方におすすめなのが、「活血薬」を代表とする漢方薬です。漢方薬のメリットはいつでも毎日できることです。食事もそうですが毎日繰り返し行うことが、血流を改善し体質を立て直すために必要です。また、子宮は前方が膀胱、後方が直腸に接しているため、飲食物の温度も重要です。基本的に、自分の体温より冷たい食べ物は避けてください。 骨盤内血流を改善するために定期的な運動を漢方薬を利用すれば運動の補助になる 漢方薬は体質や「瘀血」の蓄積具合によって異なります。冷え性が強い方には、「温経湯」、貧血気味の方には「?帰調血飲」、ストレスの多い方には「血府逐瘀湯」などがあります。自分の体質を専門家にもみてもらってから服用してください。 即効性を期待する場合には鍼灸を利用することをおすすめします。東洋医学全般に時間がかかるイメージがありますが、そのなかにあって鍼灸は即効性が期待できる治療方法です。骨盤に血流を集める治療法に「三焦調整法」があります。この方法は骨盤の血流を改善するために考えられたものです。ストローの口を片方ふさいでしまうとストロー内の水分は閉じ込められたままですね。体も同じで、ストレスや仕事の負担がかかると頭部の充血が起こるため、骨盤への血流が抑えられてしまいます。また、胃腸や肝臓の血流が悪い方も同じです。さらに、冷え性や腰痛を持病で持つ方は、血流が悪くなります。「三焦調整法」は全身の調整を行いながら骨盤全体の血流を改善する方法です。1クールが12回で毎週1回のペースで治療します。詳しくは、「三焦調整法」を実践なさっている鍼灸師の先生にご相談ください。 西野 裕一先生 薬剤師。鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓蒙・普及させる活動に尽力。著書多数。
2015.1.29
コラム 不妊治療
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卵管が狭くなっているけど自然妊娠を希望しています。鍼灸で改善することはできますか?
相談者こさむさん(39歳)■ 結婚9年にして初めて不妊で卵管通水を受けました。そのとき痛みが結構ありました。「痛みがあるのは通りが悪くなっているから。体外受精をしましょう」と医師からいわれました。しかし翌日看護師さんにたずねると「狭くなっているけど通っているから自然妊娠の可能性がないわけではない」とのこと。体外受精はやりたくないのです。鍼灸は効果ありますか? 月経血の逆流を防ぐのはもちろん、ピックアップ障害を改善するためにも鍼灸治療を 卵管通水検査で痛みがあったのは、卵管内が月経血で汚れているか、クラミジアによる卵管の癒着や子宮内膜症の可能性も考えられます。クラミジアや子宮内膜症の検査は済んでいますか?まだなら不妊症の相談に行ったとき、一緒に検査をしましょう 卵管を逆流した血液が卵管内部にこびりき、汚れが落ちなくなるから狭くなる 月経血は本来、子宮から膣側に排出されるのですが、卵管を逆流し、お腹のなかに落ちる方も多いのです。調査によると3割の方にそのような傾向があるそうです。毎周期、逆流した血液が卵管内部にこびりつき、汚れが落ちなくなり詰まっていくのです。卵管が完全に詰まる前に逆流を治さないと、体外受精をするしか妊娠の可能性がなくなります。逆流の原因は自律神経失調が考えられます。不妊治療や仕事などのストレスで自律神経が上手く機能しなくなり、卵管本来の役目を果たさなくなるのです。卵管は卵巣とつながっていません。卵巣から飛び出る卵子を卵管が受け取るのですが、つながっていないので取りこぼしがあります。いつも取りこぼしている状態をピックアップ障害と呼びます。取りこぼしがあれば精子と出会えないので、妊娠もしないのです。 卵管が完全に詰まってしまう前に、鍼灸治療を早めにはじめましょう 妊娠の可能性はあるけれど妊娠が難しいのは、西洋医学ではピックアップ障害に対するすべがないからです。卵管がピックアップできる機能を持っていれば、受精は可能でしょう。また、卵管内の液体が卵子に栄養をあたえながら分割できる状態ならば妊娠も可能でしょう。しかし、現状の汚れた卵管内部では、どうなのでしょうという疑問もあります。ですから自律神経失調を調整することと、通水もしくは子宮卵管造影検査を卵管内部の掃除を目的として行なうのがいいのではないでしょうか。鍼灸治療は自律神経の機能調整にすぐれています。月経血の逆流を防ぐのはもちろん、ピックアップ障害の改善にも、鍼灸治療をおすすめします。卵管が完全に詰まってしまう前に、早めの鍼灸治療を。 関村 順一 先生 鍼灸教員養成科の婦人科治療専任講師。治療院のスタッフとともに女性を健康にし、明るい将来像が持てるために奮闘中。頭痛、腹痛、月経痛など、おきているものにはすべて何らかの原因がある。その原因を東洋医学で分析し、患者さんに合うマクロビオティックに基づく指導と鍼灸治療で生活の向上を数多く手伝い、現在も活躍中。 ■ あわせて読みたい ■ 原因不明の不妊はピックアップ障害かも。体外受精しか治療法はない? 腹腔鏡手術の体外法によりピックアップ障害を引き起こすことはある? 2人目での不妊原因不明なのですが体外受精は有効ですか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる 相談者こさむさん(39歳)■ 結婚9年にして初めて不妊で卵管通水を受けました。そのとき痛みが結構ありました。「痛みがあるのは通りが悪くなっているから。体外受精をしましょう」と医師からいわれました。しかし翌日看護師さんにたずねると「狭くなっているけど通っているから自然妊娠の可能性がないわけではない」とのこと。体外受精はやりたくないのです。鍼灸は効果ありますか? 月経血の逆流を防ぐのはもちろん、ピックアップ障害を改善するためにも鍼灸治療を 卵管通水検査で痛みがあったのは、卵管内が月経血で汚れているか、クラミジアによる卵管の癒着や子宮内膜症の可能性も考えられます。クラミジアや子宮内膜症の検査は済んでいますか?まだなら不妊症の相談に行ったとき、一緒に検査をしましょう 卵管を逆流した血液が卵管内部にこびりき、汚れが落ちなくなるから狭くなる 月経血は本来、子宮から膣側に排出されるのですが、卵管を逆流し、お腹のなかに落ちる方も多いのです。調査によると3割の方にそのような傾向があるそうです。毎周期、逆流した血液が卵管内部にこびりつき、汚れが落ちなくなり詰まっていくのです。卵管が完全に詰まる前に逆流を治さないと、体外受精をするしか妊娠の可能性がなくなります。逆流の原因は自律神経失調が考えられます。不妊治療や仕事などのストレスで自律神経が上手く機能しなくなり、卵管本来の役目を果たさなくなるのです。卵管は卵巣とつながっていません。卵巣から飛び出る卵子を卵管が受け取るのですが、つながっていないので取りこぼしがあります。いつも取りこぼしている状態をピックアップ障害と呼びます。取りこぼしがあれば精子と出会えないので、妊娠もしないのです。 卵管が完全に詰まってしまう前に、鍼灸治療を早めにはじめましょう 妊娠の可能性はあるけれど妊娠が難しいのは、西洋医学ではピックアップ障害に対するすべがないからです。卵管がピックアップできる機能を持っていれば、受精は可能でしょう。また、卵管内の液体が卵子に栄養をあたえながら分割できる状態ならば妊娠も可能でしょう。しかし、現状の汚れた卵管内部では、どうなのでしょうという疑問もあります。ですから自律神経失調を調整することと、通水もしくは子宮卵管造影検査を卵管内部の掃除を目的として行なうのがいいのではないでしょうか。鍼灸治療は自律神経の機能調整にすぐれています。月経血の逆流を防ぐのはもちろん、ピックアップ障害の改善にも、鍼灸治療をおすすめします。卵管が完全に詰まってしまう前に、早めの鍼灸治療を。 関村 順一 先生 鍼灸教員養成科の婦人科治療専任講師。治療院のスタッフとともに女性を健康にし、明るい将来像が持てるために奮闘中。頭痛、腹痛、月経痛など、おきているものにはすべて何らかの原因がある。その原因を東洋医学で分析し、患者さんに合うマクロビオティックに基づく指導と鍼灸治療で生活の向上を数多く手伝い、現在も活躍中。 ■ あわせて読みたい ■ 原因不明の不妊はピックアップ障害かも。体外受精しか治療法はない? 腹腔鏡手術の体外法によりピックアップ障害を引き起こすことはある? 2人目での不妊原因不明なのですが体外受精は有効ですか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる
2013.6.26
コラム 不妊治療