-
過敏性腸の漢方薬は不妊治療中でも服用できるのでしょうか?
相談者 Kinaさん(44歳)■ 高齢不妊治療中です。過敏性腸の持病があって、漢方薬の小建中湯と平胃散を1年近く服用しています。体に合っていたらしく、効果があるのでこのまま服用を続けたいと思っています。不妊治療または結果を出せて妊娠した場合、そのまま服用を続けても良いのでしょうか。 妊娠したら体調、体質を専門家にもう一度相談して、漢方薬の点検をしましょう 小建中湯や平胃散といった漢方を飲まれて、調子が良いということは、脾虚、食滞(胃腸が弱く、食べた物がなかなか消化できないため、お腹に残りやすい)の体質ではないかと考えられます。 妊娠前に服用していた漢方は、妊娠してもそのまま継続できる場合が多い 小建中湯は、胃腸が弱い、疲れやすい、風邪ひきやすい、さらに子どもの体質改善にも使われる漢方です。私自身子どものころ、ずっと飲んでいた馴染み深い漢方薬です。小建中湯には、体の中を温めながら元気にする「温中補虚」や、ひきつるような腹痛を緩和する「和裏緩急」の働きがあります。一方、平胃散には、胃腸の働きや水はけを良くする「燥湿運脾」や「行気和胃」の働きがあります。妊娠前に服用して調子の良い漢方は、そのまま継続できる場合が多いのですが、漢方に詳しい先生に、妊娠後の状態を報告し、続けて服用できるか相談しましょう。漢方薬は病名ではなく、体質で選びます。とくに妊娠中は普段と違い体も過敏になっています。妊娠されたら、体調、体質を漢方に詳しい先生にもう一度相談して、漢方薬を点検しましょう。 卵巣や子宮も体の一部。漢方で体の調子が整えば、妊娠しやすい状態のよい卵ができる Kinaさんが、毎日の生活で気をつけたいことをあげておきます。 ①チョコレート、ケーキなど甘いものは避けて ②刺身や生野菜などの生ものを食べ過ぎないように ③冷たい食べもの、飲みものは避けて ④脂っぽい食事はほどほどに ⑤よくかんでゆっくり食べることも大切 ⑥食べものが停滞しやすいので、食べ過ぎには注意を ⑦ストレスは簡単に避けられるものではありませんが、受け流す、割り切る、発散するなどの工夫や、好きな香り、スポーツ、お風呂など、自分の心地良い時間をつくる心がけを 卵巣や卵、子宮も、自分の体の一部分です。体調が良いことは、卵の状態が良いことにつながります。この調子で、体を整えて、素敵なお母さんになれますように。 深谷 幹子 先生 国立湖北民族大学客員教授、広西中医学大学講師、妊娠授乳サポート薬剤師。周期調節法の第一人者である南京中医薬大学の夏教授、男性不妊専門病院の叢先生のもとで外来研修受ける。妊娠に向け、母体の健康維持も考えながら行う、体にあったアドバイスと漢方処方は定評がある。 相談者 Kinaさん(44歳)■ 高齢不妊治療中です。過敏性腸の持病があって、漢方薬の小建中湯と平胃散を1年近く服用しています。体に合っていたらしく、効果があるのでこのまま服用を続けたいと思っています。不妊治療または結果を出せて妊娠した場合、そのまま服用を続けても良いのでしょうか。 妊娠したら体調、体質を専門家にもう一度相談して、漢方薬の点検をしましょう 小建中湯や平胃散といった漢方を飲まれて、調子が良いということは、脾虚、食滞(胃腸が弱く、食べた物がなかなか消化できないため、お腹に残りやすい)の体質ではないかと考えられます。 妊娠前に服用していた漢方は、妊娠してもそのまま継続できる場合が多い 小建中湯は、胃腸が弱い、疲れやすい、風邪ひきやすい、さらに子どもの体質改善にも使われる漢方です。私自身子どものころ、ずっと飲んでいた馴染み深い漢方薬です。小建中湯には、体の中を温めながら元気にする「温中補虚」や、ひきつるような腹痛を緩和する「和裏緩急」の働きがあります。一方、平胃散には、胃腸の働きや水はけを良くする「燥湿運脾」や「行気和胃」の働きがあります。妊娠前に服用して調子の良い漢方は、そのまま継続できる場合が多いのですが、漢方に詳しい先生に、妊娠後の状態を報告し、続けて服用できるか相談しましょう。漢方薬は病名ではなく、体質で選びます。とくに妊娠中は普段と違い体も過敏になっています。妊娠されたら、体調、体質を漢方に詳しい先生にもう一度相談して、漢方薬を点検しましょう。 卵巣や子宮も体の一部。漢方で体の調子が整えば、妊娠しやすい状態のよい卵ができる Kinaさんが、毎日の生活で気をつけたいことをあげておきます。 ①チョコレート、ケーキなど甘いものは避けて ②刺身や生野菜などの生ものを食べ過ぎないように ③冷たい食べもの、飲みものは避けて ④脂っぽい食事はほどほどに ⑤よくかんでゆっくり食べることも大切 ⑥食べものが停滞しやすいので、食べ過ぎには注意を ⑦ストレスは簡単に避けられるものではありませんが、受け流す、割り切る、発散するなどの工夫や、好きな香り、スポーツ、お風呂など、自分の心地良い時間をつくる心がけを 卵巣や卵、子宮も、自分の体の一部分です。体調が良いことは、卵の状態が良いことにつながります。この調子で、体を整えて、素敵なお母さんになれますように。 深谷 幹子 先生 国立湖北民族大学客員教授、広西中医学大学講師、妊娠授乳サポート薬剤師。周期調節法の第一人者である南京中医薬大学の夏教授、男性不妊専門病院の叢先生のもとで外来研修受ける。妊娠に向け、母体の健康維持も考えながら行う、体にあったアドバイスと漢方処方は定評がある。
2013.6.25
コラム 不妊治療
-
漢方・鍼灸をもっとよく知って体の調子を整えよう!
漢方・鍼灸をもっとよく知って体の調子を整えよう! 体と心のバランスを整えながら健康になる中医学症状が1つの部位に限られていても、病気だけを診るのではなく体全体を診て治療する中医学。私たちになじみのある西洋医学とは、まったく異なる理論体系に基づく中国の伝統医学です。 こちらの先生方にうかがいました 張 樹英先生中医師中医不妊症アドバイザー上海中医薬大学医学部卒、「中国漢方普及協会」専任講師として活躍中。 山口 昌子先生薬剤師中医不妊症アドバイザー北里大学薬学部卒業。国際中医専門員。婦人科疾患等カウンセリング力を活かし活躍中。 岡田 陽子先生鍼灸師中医不妊症アドバイザー早稲田医療専門学校鍼灸科卒業。不定愁訴の治療のほか鍼灸治療での子宝治療に力を入れている。 中国で行われている伝統医学が中医学伝統医学とは2000年以上の長い歴史の中で得た「経験の蓄積」を根拠とする経験医学です。ただし中医学は、この経験医学に「気血学説」「陰陽学説」「五行学説」という3つの古代哲学が理論の支柱になっています。つまり、私たちになじみのある現代医学とは、まったく異なる理論体系に基づく医学です。病名ではなく「証」に基づいて治療する中医学の特徴の1つは、疾病によって体に表れたさまざまな症状だけでなく、顔色、舌、脈などの状態から総合的に考える「証」を基に治療法を決めます。さらに中医学の特徴としてあげられるのが「未病」を治すという考え方です。未病とは病気の前段階で、何となく調子がすぐれない、体がだるい、イライラするなど、いわゆる不定愁訴などで、予防対策が必要な状態のことです。未病の状態を分析することで個々の体質に合わせた予防法が確立されています。病気に対するアプローチがまったく違うどちらが優れているということではありませんが、西洋医学と中医学では医学の成り立ちが異なるため、病気へのアプローチも違います。西洋医学は病気に対して、臓器や細胞レベルまで細かく診て、検査データを重要視します。また、体質よりも、症状・検査データに対して治療を行います。得意なのは、急性疾患、外傷、救急疾患、検査で分かる疾患、外科手術などで、体に不要なものを取り除くことです。一方、中医学は、病気を体全体、さらに成育環境や季節までもふくめて、体質の形成を重視しながら原因を追求し、中医学の証に合わせて診ます。病名ではなく、主に体質と症状を組み合わせて治療を行います。得意なのは、慢性疾患、不定愁訴、虚弱体質、ホルモンの失調、免疫の異常、老化現象などです。保険適用の漢方薬では充分な治療ができないことも漢方薬が厚生省( 現・厚生労働省)から健康保険の適用認可がおりたのは、1976年のことです。しかし、健康保険の適用は147種類の漢方に限られています。これは漢方薬全体の1、2割程度。ですから体質、症状によっては保険適用の漢方薬だけでは治療できないこともあります。漢方薬は、同じ種類の生薬の組み合わせでも、服用する人の体質や症状により、その配分を変えるなど加減も違ってきます。保険適用になっているものは既製品なので、細かい調整は難しいのです。保険適用外であれば、一人ひとりに合ったオーダーメイドの漢方薬を処方することが可能です。 ・ 漢方で着床しやすい子宮内膜を ・ 自然な月経リズムをサポートする「周期調節法」とは? ・ 鍼灸で本来の治癒力をアップしよう 監修:誠心堂薬局漢方・鍼灸をもっとよく知って体の調子を整えよう! 体と心のバランスを整えながら健康になる中医学症状が1つの部位に限られていても、病気だけを診るのではなく体全体を診て治療する中医学。私たちになじみのある西洋医学とは、まったく異なる理論体系に基づく中国の伝統医学です。 こちらの先生方にうかがいました 張 樹英先生中医師中医不妊症アドバイザー上海中医薬大学医学部卒、「中国漢方普及協会」専任講師として活躍中。 山口 昌子先生薬剤師中医不妊症アドバイザー北里大学薬学部卒業。国際中医専門員。婦人科疾患等カウンセリング力を活かし活躍中。 岡田 陽子先生鍼灸師中医不妊症アドバイザー早稲田医療専門学校鍼灸科卒業。不定愁訴の治療のほか鍼灸治療での子宝治療に力を入れている。 中国で行われている伝統医学が中医学伝統医学とは2000年以上の長い歴史の中で得た「経験の蓄積」を根拠とする経験医学です。ただし中医学は、この経験医学に「気血学説」「陰陽学説」「五行学説」という3つの古代哲学が理論の支柱になっています。つまり、私たちになじみのある現代医学とは、まったく異なる理論体系に基づく医学です。病名ではなく「証」に基づいて治療する中医学の特徴の1つは、疾病によって体に表れたさまざまな症状だけでなく、顔色、舌、脈などの状態から総合的に考える「証」を基に治療法を決めます。さらに中医学の特徴としてあげられるのが「未病」を治すという考え方です。未病とは病気の前段階で、何となく調子がすぐれない、体がだるい、イライラするなど、いわゆる不定愁訴などで、予防対策が必要な状態のことです。未病の状態を分析することで個々の体質に合わせた予防法が確立されています。病気に対するアプローチがまったく違うどちらが優れているということではありませんが、西洋医学と中医学では医学の成り立ちが異なるため、病気へのアプローチも違います。西洋医学は病気に対して、臓器や細胞レベルまで細かく診て、検査データを重要視します。また、体質よりも、症状・検査データに対して治療を行います。得意なのは、急性疾患、外傷、救急疾患、検査で分かる疾患、外科手術などで、体に不要なものを取り除くことです。一方、中医学は、病気を体全体、さらに成育環境や季節までもふくめて、体質の形成を重視しながら原因を追求し、中医学の証に合わせて診ます。病名ではなく、主に体質と症状を組み合わせて治療を行います。得意なのは、慢性疾患、不定愁訴、虚弱体質、ホルモンの失調、免疫の異常、老化現象などです。保険適用の漢方薬では充分な治療ができないことも漢方薬が厚生省( 現・厚生労働省)から健康保険の適用認可がおりたのは、1976年のことです。しかし、健康保険の適用は147種類の漢方に限られています。これは漢方薬全体の1、2割程度。ですから体質、症状によっては保険適用の漢方薬だけでは治療できないこともあります。漢方薬は、同じ種類の生薬の組み合わせでも、服用する人の体質や症状により、その配分を変えるなど加減も違ってきます。保険適用になっているものは既製品なので、細かい調整は難しいのです。保険適用外であれば、一人ひとりに合ったオーダーメイドの漢方薬を処方することが可能です。 ・ 漢方で着床しやすい子宮内膜を ・ 自然な月経リズムをサポートする「周期調節法」とは? ・ 鍼灸で本来の治癒力をアップしよう 監修:誠心堂薬局
2011.5.24
コラム 不妊治療
-
くりかえす12週までの流産の3割は防ぐことができる
くりかえす12週までの流産の3割は防ぐことができる せっかく妊娠したのに流産してしまうと、肉体的にも精神的にもダメージが大きいものです。しかもそれが2回、3回と続き、習慣性流産になってしまうと、受精がうまくいっても「今度もだめになるかも」と、つねに不安がつきまといますよね。 流産の原因を医療機関で調べてもらうことも有効ですが、そこからどのように流産しない体づくりをしていくかが重要となります。 どうしても流産がさけられないのは染色体異常によるものです。もちろん染色体異常にも程度がありますが、ほとんど12週までに結論がでます。 ただし、習慣性流産の3割くらいは染色体異常ではなく卵巣機能不全で、12週までに流産していると、山東中医薬大学高度医療生殖センターの蓮方教授がおっしゃっていました。山東中医薬大学高度医療生殖センターは、IVFやICSIに中医学をプラスするという、私たちが理想としている不妊治療を行なっている施設です。日本の場合は高度医療と中医学の治療は単発で別々に行なっているのが現状です。 蓮方教授のお話からいうと、12週までの流産のうち、3割はそれを避けることが可能だということです。このとこからもわかるように、妊娠前から卵巣機能を高めておく、つまり卵巣の状態をよくしておくことで12週までの流産の3割が防げるのです。 卵巣機能低下を中医学では「腎虚」といいます。卵子の質、精子の質、子宮の質、すべてが腎の良し悪しで決まります。腎には「精血」という、人体の生命活動を維持する栄養物質をいかに充足させるかが重要なポイントになります。年齢とともに腎の精血が不足し、痰湿や瘀血などが入り込んだり、逆に痰湿や瘀血から精血の供給が不足し腎虚になるからです。腎虚になれば流産が起こりやすくなります。つまり、精血が不足すると赤ちゃんを育て上げられないため、痰湿や瘀血を取り除いて精血を補うことが流産には有効です。とくに習慣性流産になっている方は、痰湿や瘀血を取り除いて腎に精血をしっかり補う必要があります。 中医学ではこれらを同時に行うことができるのが大きな特徴です。もちろん染色体異常など、ダメージを受けてしまった卵を中医学で救うことはできません。しかし、卵が発育する140〜150日ほどの間に、「虚血再灌流(きょけつさいかんりゅう)」という、血流が悪い状態から発生する活性酸素がDNAのダメージを与えているとしたら、元気な卵を守ることは可能です。実際に50歳で自然妊娠され出産されたお客様がいることからも、十分に試す価値のある方法と言えます。 虚血再灌流は瘀血とも絡んでいます。つまりできるだけ虚血再灌流を起こさせないようにすることで、染色体異常を防げるケースもあるのです。そのためには、鍼と併用しながら血流量をあげて安定させることです。さらに漢方で腎精や腎血を補います。中医学の鍼と漢方を組み合わせることで、着床障害や流産、さらに卵の染色体のダメージをできるだけ軽くしていきます。習慣性流産の方はもちろん、そうでない方もお腹の赤ちゃんの発育を促すために、週に1度は鍼を打つことをおすすめします。 中医学の素晴らしさ 皆さんは中医学をご存知ですか? 漢方薬や鍼灸治療・薬膳・気功など様々なコンテンツがありますね。特に治療に関わる場合、漢方薬と鍼灸のことを指します。日本では別々に治療するケースが多いのですが、本来の治療では組み合わせることがとても重要です。 1+1は2ではありません。中医学では漢方薬と鍼灸治療の組み合わせることで、とても素晴らしい効果を発揮しています。 漢方薬は患部に届いて初めて効果が出ます。だから、弱った臓器の血流を鍼灸で回復させる。 ぜひ、あなたに合った組み合わせ方法を中医学の誠心堂へご相談ください。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 誠心堂での妊活レポート−3 ≫ 誠心堂での妊活レポート−2 ≫ 誠心堂での妊活レポート−1 ≫ 更年期の尿モレは漢方薬と鍼灸で相談を ≫ 尿モレの情報は出産前に収集しておこう ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-2 ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-1 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ くりかえす12週までの流産の3割は防ぐことができる せっかく妊娠したのに流産してしまうと、肉体的にも精神的にもダメージが大きいものです。しかもそれが2回、3回と続き、習慣性流産になってしまうと、受精がうまくいっても「今度もだめになるかも」と、つねに不安がつきまといますよね。 流産の原因を医療機関で調べてもらうことも有効ですが、そこからどのように流産しない体づくりをしていくかが重要となります。 どうしても流産がさけられないのは染色体異常によるものです。もちろん染色体異常にも程度がありますが、ほとんど12週までに結論がでます。 ただし、習慣性流産の3割くらいは染色体異常ではなく卵巣機能不全で、12週までに流産していると、山東中医薬大学高度医療生殖センターの蓮方教授がおっしゃっていました。山東中医薬大学高度医療生殖センターは、IVFやICSIに中医学をプラスするという、私たちが理想としている不妊治療を行なっている施設です。日本の場合は高度医療と中医学の治療は単発で別々に行なっているのが現状です。 蓮方教授のお話からいうと、12週までの流産のうち、3割はそれを避けることが可能だということです。このとこからもわかるように、妊娠前から卵巣機能を高めておく、つまり卵巣の状態をよくしておくことで12週までの流産の3割が防げるのです。 卵巣機能低下を中医学では「腎虚」といいます。卵子の質、精子の質、子宮の質、すべてが腎の良し悪しで決まります。腎には「精血」という、人体の生命活動を維持する栄養物質をいかに充足させるかが重要なポイントになります。年齢とともに腎の精血が不足し、痰湿や瘀血などが入り込んだり、逆に痰湿や瘀血から精血の供給が不足し腎虚になるからです。腎虚になれば流産が起こりやすくなります。つまり、精血が不足すると赤ちゃんを育て上げられないため、痰湿や瘀血を取り除いて精血を補うことが流産には有効です。とくに習慣性流産になっている方は、痰湿や瘀血を取り除いて腎に精血をしっかり補う必要があります。 中医学ではこれらを同時に行うことができるのが大きな特徴です。もちろん染色体異常など、ダメージを受けてしまった卵を中医学で救うことはできません。しかし、卵が発育する140〜150日ほどの間に、「虚血再灌流(きょけつさいかんりゅう)」という、血流が悪い状態から発生する活性酸素がDNAのダメージを与えているとしたら、元気な卵を守ることは可能です。実際に50歳で自然妊娠され出産されたお客様がいることからも、十分に試す価値のある方法と言えます。 虚血再灌流は瘀血とも絡んでいます。つまりできるだけ虚血再灌流を起こさせないようにすることで、染色体異常を防げるケースもあるのです。そのためには、鍼と併用しながら血流量をあげて安定させることです。さらに漢方で腎精や腎血を補います。中医学の鍼と漢方を組み合わせることで、着床障害や流産、さらに卵の染色体のダメージをできるだけ軽くしていきます。習慣性流産の方はもちろん、そうでない方もお腹の赤ちゃんの発育を促すために、週に1度は鍼を打つことをおすすめします。 中医学の素晴らしさ 皆さんは中医学をご存知ですか? 漢方薬や鍼灸治療・薬膳・気功など様々なコンテンツがありますね。特に治療に関わる場合、漢方薬と鍼灸のことを指します。日本では別々に治療するケースが多いのですが、本来の治療では組み合わせることがとても重要です。 1+1は2ではありません。中医学では漢方薬と鍼灸治療の組み合わせることで、とても素晴らしい効果を発揮しています。 漢方薬は患部に届いて初めて効果が出ます。だから、弱った臓器の血流を鍼灸で回復させる。 ぜひ、あなたに合った組み合わせ方法を中医学の誠心堂へご相談ください。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 誠心堂での妊活レポート−3 ≫ 誠心堂での妊活レポート−2 ≫ 誠心堂での妊活レポート−1 ≫ 更年期の尿モレは漢方薬と鍼灸で相談を ≫ 尿モレの情報は出産前に収集しておこう ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-2 ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-1 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
0000.1.1
コラム 不妊治療