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妊活中は特に徹底的に予防を! 冬に流行する7つの感染症に注意
妊活中は特に徹底的に予防を! 冬に流行する7つの感染症に注意 佐藤 雄一 先生(佐藤病院) 冬に感染症が増えるのは、空気の乾燥が原因 そもそも冬になぜ感染症が増えるのでしょうか。原因の一つは空気の乾燥です。加えて他の季節に比べて水分摂取も減るため、体内の水分量はさらに少なくなりがち。つまり乾燥によって喉や気管支の粘膜が弱くなり、ウイルスの侵入を防ぐはずの喉や鼻の粘液も傷み、感染しやすくなるというわけです。 また冬は体温が下がるため代謝機能が低下し、免疫力が全体的にダウンするのも大きな原因です。一方、冬になると断然元気になるのがウイルス。低い気温と乾燥はウイルスにとっては非常に好環境で、感染力がよりいっそう強くなるのです。 感染経路としては飛沫感染、空気感染、接触感染、経口感染があります。飛沫感染の代表格はくしゃみと咳。風邪をひいている人が室内でくしゃみをすると約100万個のウイルスが飛散し、咳で出るウイルスは約10万個と言われています。空気感染も実は怖くて、湿度40%以下の乾燥した部屋ではウイルスは30分間漂い続けると言われています。また、接触感染で気をつけたいのは電車のつり革や不特定多数の人が使う道具や容器の使用。病原体が付着しているものを触り、手についた細菌やウイルスが口から入ると感染します。経口感染としては食べ物や水に注意が必要です。病原体の混入したものを食べたり汚染の可能性がある水を飲むと感染します。 ウイルス系の感染症に効く薬はありません 冬に流行する感染症で特に気をつけていただきたいのは、ウイルスが病原体の風邪、インフルエンザ、ノロウイルス、ロタウイルス、RSウイルス、細菌が病原体のA群溶血性連鎖球菌咽頭炎(A群溶連菌)、そのどちらにもあてはまらない性質をもつ菌が原因となるマイコプラズマ肺炎の7つです。各感染症の症状は左ページの表を参考にしてください。 皆さんに一つ覚えておいてほしいのは、風邪やその他のウイルス性の感染症には、基本的に治療薬がないということです。対処薬として解熱剤、咳止め、鼻水止めなどがありますが、これらはあくまで症状を緩和するための薬であって、治すための薬ではありません。鼻水や痰、咳、発熱などの症状は、実は感染症を治すうえで必要なことだからです。体に備わっている免疫機能が自動的に働くことでそうした症状が出るのであり、ウイルスを退治している証しなのです。対処薬を飲んで症状を抑えてしまうとかえって病気の回復を遅らせてしまうことがあります。以前は風邪で抗生剤を処方する病院も多かったのですが、最近は風邪に効く治療薬はないことが認知されたこともあり、処方しなくなっています。 いずれにしてもウイルス疾患にかかってしまったら暖かくして寝ることで体を休め、症状が治まるのを待つのが最善の方法です。 インフルエンザやA群溶血性連鎖球菌咽頭炎とマイコプラズマ肺炎に関しては治療薬があります。早めに診断を受け、必要に応じて薬を処方してもらいましょう。 インフルエンザは要注意。風疹は冬だけでなく1年中警戒 冬の感染症で一番、かからないように気をつけたいのはインフルエンザです。妊活中に高熱を出すと、その月は排卵しないこともあり妊活の治療をストップさせることになってしまいます。 また、妊娠判定が出る時にインフルエンザにかかっていると、それによって流産したり、着床しなかったりといったことの可能性もゼロではありません。ですから妊活中でもインフルエンザの予防接種を受けておきましょう。少なくとも高熱、肺炎などの重症化を防げます。 それと冬に限ったものではないのですが絶対にかかってほしくない感染症があります。風疹です。特に妊娠初期の女性が風疹にかかると胎児が風疹ウイルスに感染してしまい、難聴、心疾患、白内障、精神や体の発達の遅れ等の障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性が高くなるからです。流行するのは春先から初夏にかけてですが、冬の間も気をつけましょう。 感染症にかからないよう日常生活から気をつけよう 一番良いのは、感染症にかからないこと。そのためにも普段からの予防が大切です。外出先から帰宅した際には必ず手を洗い、うがいをしましょう。市販のマスクは病原体の防御にはなりませんが、喉を乾燥から守ることができます。感染防御のためにマスクをしたい場合は医療用マスクを使ってください。人混みを避けることも大事です。人が多いところほど、感染症にかかる可能性は高まります。スーパーなども人の少ない時間帯を選んで行くようにしましょう。また、感染症にかからないよう免疫力を高めるためにも正しい食生活と十分な睡眠が大切です。年末は何かと忙しく寝不足になりがち。そうすると体力が落ちやすくなってしまいます。 ノロウイルスによる食中毒にも気をつけてください。意外に冬に多いのです。生牡蠣などを食べる機会があるからでしょうか。冬でも万が一に備え、できるかぎり加熱したものを食べましょう。 積極的に摂取してほしいのはビタミンDです。免疫力をアップさせるだけではなく、不妊治療にも実は効果があり、着床率も卵子の質も良くすると言われています。魚介類やきのこ類をたくさん食べましょう。感染症にかからないための一番の薬、それはご自身の体に備わった免疫力です。だからこそ以上のようなことを心がけ、免疫力を落とさない生活を実践してください。 冬に流行する7つの感染症 ウイルス:治療薬なし。インフルエンザとロタ(乳児)のみ予防ワクチンあり。 ● 風邪 上気道炎を一般的に風邪と総称する。 【症状】 くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻の症状からはじまり、喉の痛み、咳、声枯れ、痰といった症状が出て発熱が起こります。血液中にウイルスが入ると頭痛、関節痛が、腸の粘膜にウイルスが付着すると腹痛、下痢などの症状が出ます。特に喉の痛み、咳がある場合は保湿が大事です。 ● インフルエンザ インフルエンザウイルスに感染することによって起こる急性感染症。 【症状】 38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身に症状が出るのが特徴。風邪よりやや症状が重いです。ワクチンで感染を完全に抑えることはできませんが、重症化を防ぐことができます。事前に予防接種を受けておくことをおすすめします。 ● ノロウイルス ノロウイルスによって発症する感染性胃腸炎や食中毒のこと。特に冬季に流行。 【症状】 手や指、食品を介して口から感染し、腸管でウイルスが増殖します。嘔吐、吐き気、腹痛、下痢、発熱などの症状が出ます。ただ、それらのどれかが1~2日続いた後、治癒します。後遺症の心配もありません。 ● ロタウイルス ロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎。 【症状】 主に子どもがかかりやすい病気ですが、大人が感染する場合もたまにあります。大人の場合、軽いむかつきか倦怠感程度。とはいえ、子どもと接する仕事の人は多少気をつけたほうがいいでしょう。 ● RSウイルス RSウイルス(respiratory syncytial virus)によって発症する呼吸器感染症。 【症状】 2歳までに発症することが多く、大人は鼻風邪程度で済む場合がほとんど。ただ、まれに大人も気管支炎や肺炎を起こすケースもあり、その場合は、38℃以上の発熱が5日程度続いたりします。 細菌:治療薬あり(抗生剤)。予防ワクチンなし。 ● A群溶血性連鎖球菌咽頭炎(A群溶連菌) A群溶血性連鎖菌によって引き起こされる感染症。 【症状】 突然の発熱、喉の痛みなどを発症します。喉が真っ赤になったり、喉の痛みが強くなり、嘔吐や吐き気をもよおすことも。初期の段階では舌が白いコケに覆われ、数日後には苺舌といって赤いぶつぶつができたりしますが、原因が菌なので、抗生剤で治すことができます。 その他:治療薬あり(抗生剤の一種)。予防ワクチンなし。 ● マイコプラズマ肺炎 肺炎マイコプラズマという細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症。 【症状】 発熱、全身倦怠感(だるさ)、頭痛、咳などの症状が出ます。咳は熱が下がった後も3~4週間ほど続くのが特徴です。患者の咳のしぶきを吸い込んだり、身近で接触したりすることで感染するので、かかっている人のそばに近寄らないように気をつけましょう。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 佐藤 雄一 先生(佐藤病院) 医学博士·産婦人科専門医·日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医·日本生殖医学会生殖医療専門医。佐藤病院院長·高崎ARTクリニック理事長を務める。最近、テレビCMでも話題のトレーニングジムに入会したという佐藤先生。目的はダイエットではなく、2カ月で3〜5kgの筋肉増加。マラソン、ヒルクライム、トライアスロンときて次はムキムキ!?周囲から「いったい何を目指しているんだ?」と聞かれるのだとか。 ≫ 佐藤病院 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.36 2017 Winter≫ 掲載記事一覧はこちら 妊活中は特に徹底的に予防を! 冬に流行する7つの感染症に注意 佐藤 雄一 先生(佐藤病院) 冬に感染症が増えるのは、空気の乾燥が原因 そもそも冬になぜ感染症が増えるのでしょうか。原因の一つは空気の乾燥です。加えて他の季節に比べて水分摂取も減るため、体内の水分量はさらに少なくなりがち。つまり乾燥によって喉や気管支の粘膜が弱くなり、ウイルスの侵入を防ぐはずの喉や鼻の粘液も傷み、感染しやすくなるというわけです。 また冬は体温が下がるため代謝機能が低下し、免疫力が全体的にダウンするのも大きな原因です。一方、冬になると断然元気になるのがウイルス。低い気温と乾燥はウイルスにとっては非常に好環境で、感染力がよりいっそう強くなるのです。 感染経路としては飛沫感染、空気感染、接触感染、経口感染があります。飛沫感染の代表格はくしゃみと咳。風邪をひいている人が室内でくしゃみをすると約100万個のウイルスが飛散し、咳で出るウイルスは約10万個と言われています。空気感染も実は怖くて、湿度40%以下の乾燥した部屋ではウイルスは30分間漂い続けると言われています。また、接触感染で気をつけたいのは電車のつり革や不特定多数の人が使う道具や容器の使用。病原体が付着しているものを触り、手についた細菌やウイルスが口から入ると感染します。経口感染としては食べ物や水に注意が必要です。病原体の混入したものを食べたり汚染の可能性がある水を飲むと感染します。 ウイルス系の感染症に効く薬はありません 冬に流行する感染症で特に気をつけていただきたいのは、ウイルスが病原体の風邪、インフルエンザ、ノロウイルス、ロタウイルス、RSウイルス、細菌が病原体のA群溶血性連鎖球菌咽頭炎(A群溶連菌)、そのどちらにもあてはまらない性質をもつ菌が原因となるマイコプラズマ肺炎の7つです。各感染症の症状は左ページの表を参考にしてください。 皆さんに一つ覚えておいてほしいのは、風邪やその他のウイルス性の感染症には、基本的に治療薬がないということです。対処薬として解熱剤、咳止め、鼻水止めなどがありますが、これらはあくまで症状を緩和するための薬であって、治すための薬ではありません。鼻水や痰、咳、発熱などの症状は、実は感染症を治すうえで必要なことだからです。体に備わっている免疫機能が自動的に働くことでそうした症状が出るのであり、ウイルスを退治している証しなのです。対処薬を飲んで症状を抑えてしまうとかえって病気の回復を遅らせてしまうことがあります。以前は風邪で抗生剤を処方する病院も多かったのですが、最近は風邪に効く治療薬はないことが認知されたこともあり、処方しなくなっています。 いずれにしてもウイルス疾患にかかってしまったら暖かくして寝ることで体を休め、症状が治まるのを待つのが最善の方法です。 インフルエンザやA群溶血性連鎖球菌咽頭炎とマイコプラズマ肺炎に関しては治療薬があります。早めに診断を受け、必要に応じて薬を処方してもらいましょう。 インフルエンザは要注意。風疹は冬だけでなく1年中警戒 冬の感染症で一番、かからないように気をつけたいのはインフルエンザです。妊活中に高熱を出すと、その月は排卵しないこともあり妊活の治療をストップさせることになってしまいます。 また、妊娠判定が出る時にインフルエンザにかかっていると、それによって流産したり、着床しなかったりといったことの可能性もゼロではありません。ですから妊活中でもインフルエンザの予防接種を受けておきましょう。少なくとも高熱、肺炎などの重症化を防げます。 それと冬に限ったものではないのですが絶対にかかってほしくない感染症があります。風疹です。特に妊娠初期の女性が風疹にかかると胎児が風疹ウイルスに感染してしまい、難聴、心疾患、白内障、精神や体の発達の遅れ等の障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性が高くなるからです。流行するのは春先から初夏にかけてですが、冬の間も気をつけましょう。 感染症にかからないよう日常生活から気をつけよう 一番良いのは、感染症にかからないこと。そのためにも普段からの予防が大切です。外出先から帰宅した際には必ず手を洗い、うがいをしましょう。市販のマスクは病原体の防御にはなりませんが、喉を乾燥から守ることができます。感染防御のためにマスクをしたい場合は医療用マスクを使ってください。人混みを避けることも大事です。人が多いところほど、感染症にかかる可能性は高まります。スーパーなども人の少ない時間帯を選んで行くようにしましょう。また、感染症にかからないよう免疫力を高めるためにも正しい食生活と十分な睡眠が大切です。年末は何かと忙しく寝不足になりがち。そうすると体力が落ちやすくなってしまいます。 ノロウイルスによる食中毒にも気をつけてください。意外に冬に多いのです。生牡蠣などを食べる機会があるからでしょうか。冬でも万が一に備え、できるかぎり加熱したものを食べましょう。 積極的に摂取してほしいのはビタミンDです。免疫力をアップさせるだけではなく、不妊治療にも実は効果があり、着床率も卵子の質も良くすると言われています。魚介類やきのこ類をたくさん食べましょう。感染症にかからないための一番の薬、それはご自身の体に備わった免疫力です。だからこそ以上のようなことを心がけ、免疫力を落とさない生活を実践してください。 冬に流行する7つの感染症 ウイルス:治療薬なし。インフルエンザとロタ(乳児)のみ予防ワクチンあり。 ● 風邪 上気道炎を一般的に風邪と総称する。 【症状】 くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻の症状からはじまり、喉の痛み、咳、声枯れ、痰といった症状が出て発熱が起こります。血液中にウイルスが入ると頭痛、関節痛が、腸の粘膜にウイルスが付着すると腹痛、下痢などの症状が出ます。特に喉の痛み、咳がある場合は保湿が大事です。 ● インフルエンザ インフルエンザウイルスに感染することによって起こる急性感染症。 【症状】 38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身に症状が出るのが特徴。風邪よりやや症状が重いです。ワクチンで感染を完全に抑えることはできませんが、重症化を防ぐことができます。事前に予防接種を受けておくことをおすすめします。 ● ノロウイルス ノロウイルスによって発症する感染性胃腸炎や食中毒のこと。特に冬季に流行。 【症状】 手や指、食品を介して口から感染し、腸管でウイルスが増殖します。嘔吐、吐き気、腹痛、下痢、発熱などの症状が出ます。ただ、それらのどれかが1~2日続いた後、治癒します。後遺症の心配もありません。 ● ロタウイルス ロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎。 【症状】 主に子どもがかかりやすい病気ですが、大人が感染する場合もたまにあります。大人の場合、軽いむかつきか倦怠感程度。とはいえ、子どもと接する仕事の人は多少気をつけたほうがいいでしょう。 ● RSウイルス RSウイルス(respiratory syncytial virus)によって発症する呼吸器感染症。 【症状】 2歳までに発症することが多く、大人は鼻風邪程度で済む場合がほとんど。ただ、まれに大人も気管支炎や肺炎を起こすケースもあり、その場合は、38℃以上の発熱が5日程度続いたりします。 細菌:治療薬あり(抗生剤)。予防ワクチンなし。 ● A群溶血性連鎖球菌咽頭炎(A群溶連菌) A群溶血性連鎖菌によって引き起こされる感染症。 【症状】 突然の発熱、喉の痛みなどを発症します。喉が真っ赤になったり、喉の痛みが強くなり、嘔吐や吐き気をもよおすことも。初期の段階では舌が白いコケに覆われ、数日後には苺舌といって赤いぶつぶつができたりしますが、原因が菌なので、抗生剤で治すことができます。 その他:治療薬あり(抗生剤の一種)。予防ワクチンなし。 ● マイコプラズマ肺炎 肺炎マイコプラズマという細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症。 【症状】 発熱、全身倦怠感(だるさ)、頭痛、咳などの症状が出ます。咳は熱が下がった後も3~4週間ほど続くのが特徴です。患者の咳のしぶきを吸い込んだり、身近で接触したりすることで感染するので、かかっている人のそばに近寄らないように気をつけましょう。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 佐藤 雄一 先生(佐藤病院) 医学博士·産婦人科専門医·日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医·日本生殖医学会生殖医療専門医。佐藤病院院長·高崎ARTクリニック理事長を務める。最近、テレビCMでも話題のトレーニングジムに入会したという佐藤先生。目的はダイエットではなく、2カ月で3〜5kgの筋肉増加。マラソン、ヒルクライム、トライアスロンときて次はムキムキ!?周囲から「いったい何を目指しているんだ?」と聞かれるのだとか。 ≫ 佐藤病院 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.36 2017 Winter≫ 掲載記事一覧はこちら
2017.11.13
コラム 女性の健康
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胚盤胞のグレードについて
にこさん(34歳)胚盤胞のグレードについて教えてください。 アルファベットがabcの順番に良いのはわかりますが、数字は3よりも4、4よりも5、5よりも6という風に良いと考えられるのでしょうか? 初めての採卵で取れた胚盤胞が6ばかりでアルファベットはあまり良くはなく、心配しています。 渡辺 由美子 先生 (醍醐渡辺クリニック) 兵庫医科大学卒業。同大学附属病院、国立泉北病院、京都大学医学部附属病院、国立京都病院勤務を経て 醍醐渡辺クリニックで産婦人科医として勤務。同じ女性の患者様がリラックスして治療に臨めるような雰囲気作りを日々心がけているという渡辺先生。休日は本を読んだり、映画を観たりとゆったり過ごされることが多いとのことです。 ≫ 醍醐渡辺クリニック胚盤胞になると胚盤胞腔ができはじめ、将来胎児になるところの内細胞塊(ICM)と胎盤などになる部分の栄養外胚葉(TE)が作られていきます。胚盤胞腔が徐々に拡張し透明帯がうすくなります、そして栄養外胚葉が透明帯から脱出し始め、やがて完全に脱出します。 その胚の状態をグレードとして、胚盤胞腔の広がりと孵化の程度を数字の1~6で、内細胞塊や栄養外胚葉の様子はアルファベットのA、B、Cで表します。 孵化の程度は 1:胚盤胞腔ができはじめた状態 2:胚盤胞腔が半分以上できた状態 3:胚盤胞腔が全体にある状態 4:胚盤胞腔が拡張し透明帯が薄くなっている状態 5:栄養外胚葉が透明帯から脱出しはじめている状態 6:胚芽透明帯から完全に脱出した状態 内細胞塊の評価は A:細胞数が多く密になっている B:細胞数が少なく、接着が粗い C:細胞数が少ない 栄養外肺葉の評価は A:細胞数が多く、互いに接着している B:細胞数が少なく、結合が粗い C:細胞数が少ない と表します。 これらを「胚盤胞腔の広がり、内細胞塊・栄養外胚葉」の並びでグレードとして表現します。例えば拡張良好胚盤胞は4AAと表記されますし、完全脱出で内細胞塊の細胞数がやや少なめで栄養外胚葉が少ない胚は6BCとなります。 数字はあくまでもそのときの胚の形を表しているので、どちらかというと重要なのはABCの方です。A>B>Cの順で良好の程度を表します。当院ではBBより良い胚を移植対象としていますが、なかなか胚自体が採れない場合などは、ご希望によってBCやCBも凍結保存します。 胚のグレードは誘発方法によっても変わり、同じ人でもコンディションによって変わると言われています。病院によって誘発方法も違うので、毎回悪いグレードが続くのであれば転院を検討するのもひとつの方法です。
2017.11.7
専門医Q&A 女性の健康
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生理のこと
みぃさん(36歳)これなら妊活を始めるものです。 いまだかつて試したことがないのて漠然と悩んでる状態です。 まずは生理のこと。もともと生理自体軽い方でしたが、最近は2日ほど出血し、3日目には終わってしまう月があります。2日間の出血も少なくなったような気がします。基礎体温はおそらく二層、高温期も14日あります。おりものはあります。生理痛は大抵ありませんが、筋腫があると言われています。(1センチと2センチのもの) 年齢的なものなのでしょうか?もしくはホルモンバランスがよくないのでしょうか? 経血量がすくないと妊娠しにくいですか? また、増やすことはできますか? 過少月経なのか、ただ軽いほうなのか見分けれず悩んでいます。 佐藤雄一 先生 (佐藤病院) 順天堂大学医学部大学院を卒業後、順天堂大学付属病院勤務を経て、平成12年より産科婦人科舘出張佐藤病院勤務。大学病院時代には、生殖内分泌特に受精に関する研究に従事し、順天堂大学で初の顕微授精の成功に携わる。また腹腔鏡(内視鏡)手術を専門とし、子宮筋腫や子宮内膜症に対する多くの手術を手がけている。 医学博士。順天堂大学産婦人科非常勤講師。日本産婦人科学会認定医。日本生殖医学会生殖医療指導医。日本産婦人科内視鏡学会技術認定医。 ≫ 佐藤病院30歳代も半ばを過ぎると、経血の量が少なくなるのは一般的です。子宮内膜が剥がれて月経血となり、外に出るので、出血が少ないと「子宮内膜が薄いのではないか」、さらには「だから妊娠しづらいのではないか」と不安に思われるかもしれませんが、子宮と卵巣の働きはまったく別。きちんと排卵さえしていれば、妊娠は可能です。基礎体温の記録で低温期と高温期の二相性が確認され、高温期も14日間あるのなら、おそらく排卵もしていると考えて良いと思います。 もしかしたら本当に子宮内膜が十分な厚さではないこともありますし、生理があっても排卵していないというケースもあります。また、ご年齢が35歳以上であること、生理周期が28~23日周期というのも気になります。周期にバラつきがあるということは、女性ホルモンバランスが崩れかけているとも考えられます。 妊活をスタートさせるなら、まずは婦人科などで詳しく検査されることをおすすめします。早くお子さんを望むのであれば、なおさらです。自己判断では、おっしゃるとおり「漠然と悩む」しかありません。筋腫の経過なども確かめ、問題がないと判れば悩む必要はありません。もし問題があったとしても、早期に見つけ、早期に治療することが大切です。 周期は安定していたほうがいいのですが、経血量を増やす必要はまったくありません。経血量は少ない方が貧血にもなりにくく、生理痛もないに越したことはありません。 ご自身でできることとしては、できるだけ適正体重を維持することぐらいです。痩せ過ぎや肥満気味だと、排卵障害や生理不順といったことが起きやすくなります。とくに肥満は糖尿病などの引き金にもなりかねず、妊娠中にも影響します。妊活中の今から、食事内容や生活習慣を見直し、適正体重に近づけるよう心がけてください。 まずは、婦人科などで検査を受けること。しっかり排卵しているか、過去に見つかった筋腫の経過なども調べてもらうと良いでしょう。排卵さえあれば妊娠は可能で、経血量の少なさなどは影響しません。ただ、生理周期は安定させたいので、生理不順や排卵障害の原因となる、やせ過ぎ・肥満には要注意を。妊活中の今から、食事内容や生活習慣を改善して、適正体重に近づける努力をしましょう。
2017.11.5
専門医Q&A 女性の健康
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多核胚につきまして
「多核胚由来の胚盤胞で妊娠出産の可能性はありますか?また、移植するとしたらどのグレードからがいいと思いますか?」
2017.10.28
専門医Q&A 女性の健康
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胚移植 ホルモン値
「色々調べてるとe2がとても低いような気がします…しかし医師からは移植おっけーとされ移植しました。」
2017.10.17
専門医Q&A 女性の健康
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胚盤胞移植の位置について
「エコー写真を見る限りでは厚みのある奥の方ではなく、入口付近であまり厚くないところに戻されていました。これでちゃんと着床するのか不安になり質問させて頂きました。」
2017.10.14
専門医Q&A 女性の健康
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【医師取材】妊娠高血圧症候群かも?その原因と可能性とは?
高齢、肥満、塩分過多の食生活を送っている人は妊娠性高血圧症候群のリスクが高まりますが、そのような条件に当てはまらなくてもなることがあります。俵IVFクリニック村林奈緒先生にお聞きしました。
2017.10.5
コラム 女性の健康
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クリニックの転院について
モモカワさん(39歳)今年の7月で39歳になりました。 35歳の時に、初めての人工受精で第一子を妊娠、出産しました。 40歳を前に諦めきれないと思い、治療を再開しました。 今月初めての体外受精に挑みました。 クロミッド、プレマリンによる低刺激の排卵誘発で、採卵の日には既に排卵済。 何とか1つ採卵しましたが、未成熟卵で受精しませんでした。 こちらのクリニックは、受精しなかった場合は、あと2回無料で採卵して貰えます。 ただ、卵胞が小さく、排卵を推定するのが難しいと言われました。 歳のこともあり、一周期も無駄にしたくありません。 そこで、無料の採卵は放棄して、刺激法を取り入れたクリニックに転院した方が良いか迷っています。どう思われますか? 生理2日目の血液検査は以下の通りです。 E2 53.6 LH 3.05 FSH 5.99 AMHは計測して貰えない為、分かりません。 山下 能毅 先生 (うめだファティリティークリニック) 趣味・特技:ゴルフ・映画鑑賞・ピアノ 大阪医科大学医学部卒業、北摂総合病院産婦人科部長・大阪医科大学産婦人科学講師・宮崎レディースクリニック副院長を経て、2017年4月うめだファティリティクリニック院長就任 ≫ うめだファティリティークリニック実際、体外受精は、自費診療であるため、一般不妊治療に比較し高額です。「体外受精で受精しなかった場合は2回無料」とありますが、受精障害が起こりうることを事前に説明した上で治療を行っていると思いますので、次の治療を無料にするのではなく、受精しなかった原因と対策を講じて、次の治療を行うことが重要であると思います。 日本では自然周期による治療が多く行われており、そのため採卵周期数は世界一といわれています。しかし、ヨーロッパ生殖医学会「ESHRE(エシュレ)」などでは、刺激周期による治療を基本とし、自然周期を推奨していません。その理由として、自然周期は1採卵あたりの妊娠率が低いことがあります。さらに、その周期の採卵がキャンセルになることも多く、毎月採卵を繰り返す必要があります。一方で、刺激周期は1回の採卵でたくさんの卵子を採って、受精卵を凍結保存することで、移植を繰り返すことができますので、1採卵周期あたりの妊娠率が高くなります。ただ、医原性疾患である、卵巣過剰刺激症候群を予防するためにも、治療前にAMHを測定し、適切な刺激法を選択する必要があります。 当院では、体外受精治療を希望された場合、まずAMHの値を測定し、その数値に応じた刺激周期を検討します。たとえば、AMHが正常であればロング法、やや低い人にはショート法、卵巣機能が低下して刺激周期で採卵できなかった場合や40代以上の方の場合については、レトロゾールを使用したマイルドな刺激周期を行っています。 モモワカさんはエストロゲンの情報しかないのでわかりにくいのですが、まだ39歳と若いですし、お子さんも1人いらっしゃいます。卵巣機能もそれほど低下していないと思いますので、一度、体に合った調節卵巣刺激を受けられて採卵してはいかがでしょうか。
2017.10.1
専門医Q&A 女性の健康
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不妊治療の病院に関して
「働きながらも、妊娠された方はどのようにして病院を探しているのでしょうか?不妊治療をする際の労働可能時間とかはあるのでしょうか?」
2017.9.25
専門医Q&A 女性の健康
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二度目の流産
なおなおさん(37歳)はじめまして。 質問お願いします。 今年2月に37歳で第2子を妊娠しましたが、心拍確認後9週目で心拍停止し稽留流産となりました。 数日後に掻爬手術を受けました。 それから生理を3回を見送り、幸いにも8月に再度妊娠しました。 しかし8週目でも胎芽も心拍も確認できず、稽留流産となりました。 数日後に掻爬手術の予定です。 医師からは二度連続の流産ということもあり不育症の診断も勧められましたが、第1子(現在4歳)を無事に出産しているので、流産の確率の問題で年齢的なこともありたまたま2回続いてしまったという事かもしれないとも言われました。 第1子の出産時、癒着胎盤で用手剥離の処置を受けましたが全てを取り出せず1ヶ月様子をみました。 2月の掻爬手術の際に麻酔が途中で切れ、暴れたためか子宮内に血の塊が残り様子をみることになりました。 そういう事も流産に影響しているのでしょうか? 今回不育症の検査を受けた方がよいのでしょうか? 今は不安と悲しみでどうして良いか分かりません。 ただ出来ることならもう1人産みたいと思っています。 宜しくお願いします。 田中 紀子 先生 (田村秀子婦人科医院) 京都府立医科大学医学部大学院修了。医学博士、産婦人科認定医。大学院と2年間のアメリカ留学で、子宮内膜症や生殖医療の研究に携わり、扇町ARTレディースクリニック勤務などを経て、2008年3月より「田村秀子婦人科医院」勤務。生殖医療の現場に長年携わった経験から、近年は女性の心と体の健康をサポートする女性医療への関心が高まり、学会、勉強会などに積極的に参加。 ≫ 田村秀子婦人科医院 2度の流産に対する悲しみはもちろんですが、「次も流産したらどうしよう?」「妊娠するのがこわい」といった次の妊娠への不安も大きいでしょうね。まずは、私たち医師や専門のスタッフがゆっくりお話を聞き、必要であれば検査を行い、不安を少しでも取り除いて差し上げることが大切だと思います。妊娠は心理的な要素も大きく、心の状態がホルモンバランスに影響します。不安が解消されると次の妊娠率が改善するという報告もあります。 なおなおさんがご心配されている、1人目の時の癒着胎盤やその後の流産の経過については、今回の流産には特に影響はありません。1人目は問題なく出産された後、このような流産が続く方は残念ながらおられます。一般的には、1人目を妊娠されたときより年齢も進んでいますので、流産のリスクもあがります。担当の先生がおっしゃるように、年齢と確立の問題かもしれません。なおなおさんは1人目を自然に生んでいらっしゃるので、不育症検査が本当に必要なのか困惑されているのでしょう。 ただ、流産が2度続いているので、私も念のために不育症検査を受けてみてもよいのでは、と思います。検査の結果、何も問題がなければよいですし、もし何か原因がみつかれば、それに対してなんらかの対策や治療ができる可能性もあります。結果がわかることで、少し気持ちの整理ができ、次の妊娠に向けて前向きになれるのではないでしょうか。
2017.9.2
専門医Q&A 女性の健康
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西洋医学・東洋医学、両方で アプローチする「妊娠しやすい身体づくり」
西洋医学・東洋医学、両方でアプローチする「妊娠しやすい身体づくり」 2017/8/25 神藤 慧玲 先生(御苑アンジェリカクリニック) 西洋、東洋医学、両面から見た「妊娠しにくい身体」 まず、西洋医学の面から、あらゆるライフスタイル、ファクターをお持ちの女性を調べたデータで、妊娠を妨げる要因と考えられているのは、「喫煙・肥満・痩せ・不十分な運動・アルコール過剰摂取・カフェイン過剰摂取・心理ストレス」です。これらの要因は、タイミング法から体外受精まですべての段階で言えることです。 一方、東洋医学の面からみると、人間の身体は陰、陽、中庸に分類されます。妊娠にふさわしい状態は中庸~陽であり、身体が陰に傾いていると妊娠しにくいと言えます。陰証の特徴には冷えや疲れやすさなどがありますが、時には月経不順や月経困難症、排卵障害などの原因ともなります。また、不妊症の方は精神的なストレスから、漢方で大事にしている「気血」が不調になることもあります。このような方には東洋医学的なアプローチをおすすめしています。 両方の良い面を取り入れて「妊娠しやすい身体」へ 当院の治療は、西洋医学と東洋医学の2本立てで妊娠しやすい身体づくりを目指していきます。まずはひと通りのホルモンチェックなどを受けていただいたうえで、西洋医学の観点から、たとえば排卵を促すなどの必要な治療をしていきます。 東洋医学の観点からは陰証であれば陽気を増やすように、気血が不足していればこれを補うなど、それぞれの体質に合った漢方薬を処方します。また当院では、質のいい卵を育てる、スムーズな排卵を促す、着床を助ける、という目的別の生薬(煎じ薬)も処方しており、これらは月経周期に合わせて使用します。 健康の基本は「食事、睡眠、排便」です。おいしく食事が摂れる、すっきり排便がある、ぐっすり眠ることができる、この3拍子がそろうことが大切です。さらに、疲れやすい、イライラしやすい、肩こり・腰痛といった不快な症状を減らすことは、ホルモンバランスの改善にもつながります。 東洋医学を取り入れるメリットとは 東洋医学を併用することで、身体の土台を調えることができると考えています。例えば、倦怠感や冷え、風邪をひきやすいといった不定愁訴は現代医学的にはあまり問題視されませんが、東洋医学では重要な所見です。これらを改善し、バランスのとれた状態(中庸)へ導くことで、その方本来の力が発揮できるようになります。 前身のクリニックでは、体外受精などの高度生殖医療も行っていました。そのなかで、西洋医学的には特に問題がみられないのに、なかなか妊娠に至らない例をたくさん見てきました。東洋医学的な視点を加えることで、そのような患者さんをサポートできるのではとの思いから、クリニックを新設しました。子どもを授かるという目的は同じでも、西洋医学と東洋医学ではアプローチが違うので、併用することで相乗効果が期待できるのです。 当院では、漢方薬の処方だけではなく、鍼灸治療にも力を入れています。妊娠したいと願う方だけではなく、思春期・結婚前から妊娠に適した身体づくりをしたい方や、更年期の悩みをもつ方への治療も行っています。 お話を伺った先生のご紹介 神藤 慧玲(しんとう えり)先生(御苑アンジェリカクリニック) 千葉大学医学部卒業。千葉県内および東京都内大学病院、東京山手メディカルセンター、慶愛クリニック、慶愛大木クリニック、北里研究所東洋医学研究所漢方外来陪席を経て、2017年1月御苑アンジェリカクリニックを開院。クリニックではアンチエイジング治療などにも精力的に取り組み、あらゆる年代の女性をサポートしている。 ≫ 御苑アンジェリカクリニック 西洋医学・東洋医学、両方でアプローチする「妊娠しやすい身体づくり」 2017/8/25 神藤 慧玲 先生(御苑アンジェリカクリニック) 西洋、東洋医学、両面から見た「妊娠しにくい身体」 まず、西洋医学の面から、あらゆるライフスタイル、ファクターをお持ちの女性を調べたデータで、妊娠を妨げる要因と考えられているのは、「喫煙・肥満・痩せ・不十分な運動・アルコール過剰摂取・カフェイン過剰摂取・心理ストレス」です。これらの要因は、タイミング法から体外受精まですべての段階で言えることです。 一方、東洋医学の面からみると、人間の身体は陰、陽、中庸に分類されます。妊娠にふさわしい状態は中庸~陽であり、身体が陰に傾いていると妊娠しにくいと言えます。陰証の特徴には冷えや疲れやすさなどがありますが、時には月経不順や月経困難症、排卵障害などの原因ともなります。また、不妊症の方は精神的なストレスから、漢方で大事にしている「気血」が不調になることもあります。このような方には東洋医学的なアプローチをおすすめしています。 両方の良い面を取り入れて「妊娠しやすい身体」へ 当院の治療は、西洋医学と東洋医学の2本立てで妊娠しやすい身体づくりを目指していきます。まずはひと通りのホルモンチェックなどを受けていただいたうえで、西洋医学の観点から、たとえば排卵を促すなどの必要な治療をしていきます。 東洋医学の観点からは陰証であれば陽気を増やすように、気血が不足していればこれを補うなど、それぞれの体質に合った漢方薬を処方します。また当院では、質のいい卵を育てる、スムーズな排卵を促す、着床を助ける、という目的別の生薬(煎じ薬)も処方しており、これらは月経周期に合わせて使用します。 健康の基本は「食事、睡眠、排便」です。おいしく食事が摂れる、すっきり排便がある、ぐっすり眠ることができる、この3拍子がそろうことが大切です。さらに、疲れやすい、イライラしやすい、肩こり・腰痛といった不快な症状を減らすことは、ホルモンバランスの改善にもつながります。 東洋医学を取り入れるメリットとは 東洋医学を併用することで、身体の土台を調えることができると考えています。例えば、倦怠感や冷え、風邪をひきやすいといった不定愁訴は現代医学的にはあまり問題視されませんが、東洋医学では重要な所見です。これらを改善し、バランスのとれた状態(中庸)へ導くことで、その方本来の力が発揮できるようになります。 前身のクリニックでは、体外受精などの高度生殖医療も行っていました。そのなかで、西洋医学的には特に問題がみられないのに、なかなか妊娠に至らない例をたくさん見てきました。東洋医学的な視点を加えることで、そのような患者さんをサポートできるのではとの思いから、クリニックを新設しました。子どもを授かるという目的は同じでも、西洋医学と東洋医学ではアプローチが違うので、併用することで相乗効果が期待できるのです。 当院では、漢方薬の処方だけではなく、鍼灸治療にも力を入れています。妊娠したいと願う方だけではなく、思春期・結婚前から妊娠に適した身体づくりをしたい方や、更年期の悩みをもつ方への治療も行っています。 お話を伺った先生のご紹介 神藤 慧玲(しんとう えり)先生(御苑アンジェリカクリニック) 千葉大学医学部卒業。千葉県内および東京都内大学病院、東京山手メディカルセンター、慶愛クリニック、慶愛大木クリニック、北里研究所東洋医学研究所漢方外来陪席を経て、2017年1月御苑アンジェリカクリニックを開院。クリニックではアンチエイジング治療などにも精力的に取り組み、あらゆる年代の女性をサポートしている。 ≫ 御苑アンジェリカクリニック
2017.8.25
インタビュー 女性の健康
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染色体異常なし
「夫婦で染色体異常なしと言う検査でもお互いの今持ってる卵子、精子に何か問題があるとかあり得るんですか?」
2017.8.23
専門医Q&A 女性の健康
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人工授精の精液の量について。
「病院では卵胞チェックをして卵胞が育っていたら筋肉注射をして次の日に人工授精という流れです。ほかの治療はしていません。他の病院もこのような感じなのでしょうか?」
2017.7.8
専門医Q&A 女性の健康
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人工授精の精液の量について。
「今回の精液ですが、量がほとんどなく、0.05mlでした。それでも人工授精をしたのですが、意味がないのではないかと思っています。」
2017.7.8
専門医Q&A 女性の健康
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ホルモン周期について
「次の周期はホルモン補充の量を増やす事によって、なにか良くない事とかありますか?多めにとってもいいのか、よくないのかわからなくて質問させていただきました。」
2017.6.29
専門医Q&A 女性の健康
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多房性粘液嚢腫(左)
「先生の言うようにこのままにして妊娠出産するとして、妊娠中や出産時に腫瘍のせいで赤ちゃんに悪影響はないのでしょうか??」
2017.6.26
専門医Q&A 女性の健康
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右乳房から乳汁が出る
マキさん(41歳)私は、結婚をしたばかりで、41歳ですが、望みがあるのなら、子供が授かればと思っています。しかし、右乳房から母乳のような少量の乳汁が出ます。もちろん妊娠もしていません。この状態では、妊娠は難しいのでしょうか? よろしくお願いいたします。 浅田義正 先生 (浅田レディース名古屋駅前クリニック) 医学博士 日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 日本生殖医学会認定生殖医療専門医 1982年 名古屋大学医学部卒業 1988年 名古屋大学医学部附属病院産婦人科医員として「不妊外来」および、「健康外来(更年期障害・ホルモン補充医療法)」の専門外来を担当 1992年 医学博士 1993年~1994年 米国最初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精(卵細胞質内精子注入法:ICSI)の基礎的研究に従事 The Jones Institute For Reproductive Medicine, Eastern Virginia Medical School, Norfolk, Vairginia 1995年 名古屋大学医学部附属病院分院にてICSIによる治療開始。以後、辞職まで名古屋大学の顕微授精症例の全症例を自ら担当同年5月、精巣精子を用いたICSIによる妊娠例の日本初の報告 1998年 ナカジマクリニック不妊センター開設 2004年 浅田レディースクリニック(現浅田レディース勝川クリニック)開院 2010年 浅田レディース名古屋駅前クリニック開院 2018年 浅田レディース品川クリニック開院 【著作本】 「浅田レディースクリニック パーフェクトガイドブック」 初めての不妊治療クリニック選びに迷っている方や 当院の治療方針に興味をお持ちの方にお読み頂きたい本です。 ≫ 浅田レディース名古屋駅前クリニック乳汁というのはお産の後に出てくるものですが、妊娠中期で流産した後でも出ることでもあります。要は、ある程度女性ホルモンが高くなってそれが急になくなった反動で分泌するメカニズムになっています。 また、妊娠中、授乳中というのは乳汁漏出ホルモンであるプロラクチンが高く、母乳の分泌に一番関係するホルモンですが、それだけで乳汁分泌のすべてが説明できるかというとそうでもありません。プロラクチンを測ると低いのだけど少し出るという人もなかにはいて、プロラクチンだけでは説明できない乳汁分泌はあります。 不妊治療の場合は、プロラクチンが非常に高ければ、妊娠中や授乳中と同じ状態で排卵しにくかったり流産の原因になることもあるため、高プロラクチン血症の治療も必要になります。ただし、プロラクチンが少々高くても、月経周期がきちんとある人であれば、プロラクチンを下げることによって妊娠率を高める効果はないといわれています。つまり、生理不順でなければ少々の高プロラクチン血症は放っておいても大丈夫。ですから、マキさんの場合の乳汁分泌はそんなに気にしなくてもいいのではないかと思います。 ただ、気になるのは月経周期と生理が4日ほどで終わるということです。一般的な若い人の月経周期は28~32日くらいですが、25とか26日という短い周期は、卵巣予備能が少し低くなり、女性ホルモンの基本的なレベルも低くなって、その反動で下垂体ホルモンが増えて卵が育つ期間が短くなっていることが考えられます。 というのも、卵は大体半年くらいかけて育ってくるものですが、その後半期の3ヶ月くらいはホルモン依存で育ちます。その際に下垂体ホルモンのLHやFSHが常に高い状態ですと、卵が少し早めに育ってしまうのです。 つまり、きちんと排卵しなくても、卵が育って黄体化を起こしてホルモンが作られれば生理は来てしまいます。40代になってそういう傾向が強くなっているのかもしれません。これは卵がなくなる前の黄信号です。高齢になると月経周期は一旦、短くなり、それからまた長くなって閉経に向かうものなのです。 以上のことを考えても、さっそく不妊治療を始めてほしいと思います。同じ41歳でも、長い期間治療してきた人よりも、過去に治療歴のない人の方がいい結果は出やすいと実感しています。きちんと受精卵を作れば、年齢相応の妊娠率が望めると思いますよ。
2017.6.26
専門医Q&A 女性の健康
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排卵後の不正出血について
排卵後の不正出血について 2017/6/19 岡田英幹(おかだウィメンズクリニック) 相談者:ゆーこさん(32歳) 妊娠を希望してから2年たちます。 毎周期、排卵から1週間もたたないうちから茶オリが出てきます。薄い茶色から始まり、だんだん濃くなり、最後にはどす黒くなってから、生理が始まります。 病院で検査しても、ポリープなし、黄体ホルモンも十分あるからホルモンの問題ではない、原因不明とのこと。 排卵からすぐに出血していては、着床すらできないのではないかと心配です。なにか治療法、改善法はありますか? 毎周期の排卵後不正出血。本当に原因不明なのでしょうか? 排卵後しばらくしてから出血するというケースは時々ありますが、それが毎周期となると、その原因検索と治療は重要です。 ポリープはないとのことですが、ある種の子宮内感染が起き、子宮内腔に非常に小さなポリープが多発し、それが出血の原因になっていることがあります。例えば、マイコプラズマやウレアプラズマによる子宮内感染などあまり一般的ではない感染症は、不妊症のスクリーミング検査では調べる機会がないため、見逃されていることがあります。 ファイバースコープや超音波検査でごく小さい病変がないかを確認をし、もしポリープや内膜の肥厚があれば、それを除去し、状況に応じ、子宮内感染の検査、治療をする必要があります。また、ごくまれな病気ですが、子宮内膜増殖症や子宮体癌が発生し、出血が出ている可能性もあるため、子宮内膜の細胞診や組織診の検査を行い、これらの病気を除外します。 ホルモンの問題でもないとのことですが? 内膜の器質的な病変が除外された場合、次に考えるのが、内分泌的な異常による子宮内膜からの出血です。具体的には、排卵後にできる黄体の機能が低下して、ホルモン分泌不全状態を起こしている可能性について確認します。 黄体機能というのは、脳の視床下部からGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌されて下垂体を介して調整されているのですが、GnRHはパルス状に出ていて黄体期の後半になるとパルスの間隔が少し開いたりします。その結果として黄体ホルモン値の変動が大きくなった場合、内膜の維持ができなくて出血が生じることがあります。1回だけの黄体ホルモンチェックでは、その変動を確認することは難しく、実際は黄体機能不全になっていることがわからないことがあります。また、夜間にだけプロラクチン値が上昇する潜在性プロラクチン血症でも、同様の機序で黄体機能不全の原因になると考えられており、通常のプロラクチン検査に加え、負荷試験による測定を行うことで診断します。さらにプロラクチンは甲状腺機能の低下があると上昇し、黄体機能不全を引き起すと考えられているため、甲状腺ホルモンの測定も重要です。 治療としてはどんな方法がありますか? 検査上、ホルモン的な異常が確認されないとしても、子宮の内膜が剥がれ落ちて出血していると考えられる場合、まず内膜維持のため黄体で産生されるホルモンを補充する治療を行います。具体的には、黄体ホルモン剤を内服することから始めますが、血中のエストロゲンレベルも下がっている場合は、エストロゲン製剤の薬も併用します。前述のプロラクチン値や甲状腺ホルモン値に異常があれば、薬剤投与による治療が必要です。また、黄体は、排卵するまでの卵胞発育の調子が悪いと、機能低下が起こると考えられており、卵胞発育を改善する目的で、排卵誘発剤のクロミフェンを使うこともあります。さらに、妊娠性ホルモンのHCG注射を投与することで、黄体機能の改善を図る場合もあります。 排卵後の出血で着床に問題はないでしょうか? 排卵後に作られる黄体ホルモンにより、子宮内膜は着床にふさわしい状態に変化していき、 排卵して約7日目に着床が成立します。この時期に出血するということは、着床にとって好ましくない状況なので、早期に治療をすることが大切です。 岡田先生より まとめ 検査上、出血の原因がはっきりしないということですが、検査をより詳しく行うことで異常が見つかる場合があります。ごく小さいポリープでも、着床期周辺の出血は、妊娠成立の障害になるため切除する必要があります。内分泌的な問題が考えられる場合は、ホルモン補充などを行うことが重要です。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 岡田英幹先生(おかだウィメンズクリニック院長) 藤田保健衛生大学医学部卒業。名古屋市立大学医学部産科婦人科学教室入局、名古屋市立大学医学部産科婦人科助手、豊川市民病院産婦人科部長、一宮市立市民病院産婦人科部長を経て、2014年に開業。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、母体保護法指定医≫ おかだウィメンズクリニック 排卵後の不正出血について 2017/6/19 岡田英幹(おかだウィメンズクリニック) 相談者:ゆーこさん(32歳) 妊娠を希望してから2年たちます。 毎周期、排卵から1週間もたたないうちから茶オリが出てきます。薄い茶色から始まり、だんだん濃くなり、最後にはどす黒くなってから、生理が始まります。 病院で検査しても、ポリープなし、黄体ホルモンも十分あるからホルモンの問題ではない、原因不明とのこと。 排卵からすぐに出血していては、着床すらできないのではないかと心配です。なにか治療法、改善法はありますか? 毎周期の排卵後不正出血。本当に原因不明なのでしょうか? 排卵後しばらくしてから出血するというケースは時々ありますが、それが毎周期となると、その原因検索と治療は重要です。 ポリープはないとのことですが、ある種の子宮内感染が起き、子宮内腔に非常に小さなポリープが多発し、それが出血の原因になっていることがあります。例えば、マイコプラズマやウレアプラズマによる子宮内感染などあまり一般的ではない感染症は、不妊症のスクリーミング検査では調べる機会がないため、見逃されていることがあります。 ファイバースコープや超音波検査でごく小さい病変がないかを確認をし、もしポリープや内膜の肥厚があれば、それを除去し、状況に応じ、子宮内感染の検査、治療をする必要があります。また、ごくまれな病気ですが、子宮内膜増殖症や子宮体癌が発生し、出血が出ている可能性もあるため、子宮内膜の細胞診や組織診の検査を行い、これらの病気を除外します。 ホルモンの問題でもないとのことですが? 内膜の器質的な病変が除外された場合、次に考えるのが、内分泌的な異常による子宮内膜からの出血です。具体的には、排卵後にできる黄体の機能が低下して、ホルモン分泌不全状態を起こしている可能性について確認します。 黄体機能というのは、脳の視床下部からGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌されて下垂体を介して調整されているのですが、GnRHはパルス状に出ていて黄体期の後半になるとパルスの間隔が少し開いたりします。その結果として黄体ホルモン値の変動が大きくなった場合、内膜の維持ができなくて出血が生じることがあります。1回だけの黄体ホルモンチェックでは、その変動を確認することは難しく、実際は黄体機能不全になっていることがわからないことがあります。また、夜間にだけプロラクチン値が上昇する潜在性プロラクチン血症でも、同様の機序で黄体機能不全の原因になると考えられており、通常のプロラクチン検査に加え、負荷試験による測定を行うことで診断します。さらにプロラクチンは甲状腺機能の低下があると上昇し、黄体機能不全を引き起すと考えられているため、甲状腺ホルモンの測定も重要です。 治療としてはどんな方法がありますか? 検査上、ホルモン的な異常が確認されないとしても、子宮の内膜が剥がれ落ちて出血していると考えられる場合、まず内膜維持のため黄体で産生されるホルモンを補充する治療を行います。具体的には、黄体ホルモン剤を内服することから始めますが、血中のエストロゲンレベルも下がっている場合は、エストロゲン製剤の薬も併用します。前述のプロラクチン値や甲状腺ホルモン値に異常があれば、薬剤投与による治療が必要です。また、黄体は、排卵するまでの卵胞発育の調子が悪いと、機能低下が起こると考えられており、卵胞発育を改善する目的で、排卵誘発剤のクロミフェンを使うこともあります。さらに、妊娠性ホルモンのHCG注射を投与することで、黄体機能の改善を図る場合もあります。 排卵後の出血で着床に問題はないでしょうか? 排卵後に作られる黄体ホルモンにより、子宮内膜は着床にふさわしい状態に変化していき、 排卵して約7日目に着床が成立します。この時期に出血するということは、着床にとって好ましくない状況なので、早期に治療をすることが大切です。 岡田先生より まとめ 検査上、出血の原因がはっきりしないということですが、検査をより詳しく行うことで異常が見つかる場合があります。ごく小さいポリープでも、着床期周辺の出血は、妊娠成立の障害になるため切除する必要があります。内分泌的な問題が考えられる場合は、ホルモン補充などを行うことが重要です。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 岡田英幹先生(おかだウィメンズクリニック院長) 藤田保健衛生大学医学部卒業。名古屋市立大学医学部産科婦人科学教室入局、名古屋市立大学医学部産科婦人科助手、豊川市民病院産婦人科部長、一宮市立市民病院産婦人科部長を経て、2014年に開業。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、母体保護法指定医≫ おかだウィメンズクリニック
2017.6.16
専門医Q&A 女性の健康
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人工授精後の妊娠検査薬
「人工授精から2週間後でこの薄さだと可能性は少ないですか?癒着の疑いがあったのでhcg注射の影響ではなく化学流産なら癒着はないかもと思えるのですが…」
2017.6.15
専門医Q&A 女性の健康
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稽留流産手術について
「術前処置、ラミナリアで体験談とかを調べても破水という単語は出てこず、大丈夫だったのだろうか?失敗とか?と思ってしまいました。」
2017.6.10
専門医Q&A 女性の健康