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安心・妊婦生活ガイド(2)
元気&快適に過ごしたい !安心・妊婦生活ガイド(2) 日々の生活のなかで、今まで何の疑問も抱かずにやってきたこと。それが妊娠を機に「やっていいの?」「これは危険?」など疑問を持つことも多いはず。ここでは普段の生活、食事、運動の面から先生にアドバイスをしていただきました。 妊娠中期以降は自分自身の食生活や運動をチェック 最近の妊婦さんの傾向として、30代にめいいっぱい仕事をして、それから妊婦になる方が多くいらっしゃいます。おそらく食事や運動に気を使う時間も少なかったのではないでしょうか。 妊婦だからといって「こうでなければいけない」という決まりは特にありません。ただ、妊娠は栄養面や生活面を見直すいいチャンスともいえます。出産後は忙しくてゆっくり考えられませんから、時間のある妊娠中に一度食生活を見つめ直したり、今までできなかったマタニティ用の運動を始めてみるのもおすすめです。 つわりの時期は無理をせず食べられるものを口にして 妊娠すると、たいていの人にやってくる「つわり」。ピークは8~12週といわれています。英語ではモーニング シックネスといわれ、朝気分が悪かったり、嘔吐する人もいますが、仕事が終わって夕方からダウンしてしまう、という方も増えています。 この時期は「一日三食は気にせず、食べたいときに食べられるものを」が基本です。しょっぱいものばかり食べたい人、さっぱりしたものしか食べられない人、はたまた何も受け付けない人……など人によって好みは大きく違ってきます。一気に食べると胃が張り、さらに気持ちが悪くなることも多いので、食べたい時には小分けにして食べましょう。ただ、食べたいからといって、合成着色料などの添加物が多いものをたくさん食べるのは考えもの。ベビーはまだ2~4㎝くらい。栄養やカロリーはそれほど必要ありませんが、明らかに身体に悪そうなものは控えたいものです。 また脱水症には注意しましょう。吐きづわりの人はもちろんですが、冬は暖房、夏は暑さで、妊婦さんは脱水症を起こしやすくなっています。脱水症により血液が濃くなるだけでなく、血液中のナトリウムやカリウムのバランスが崩れて身体への負担が大きくなってしまいます。水分はこまめに摂ることが第一。水が飲めない場合は、氷や冷たい飲料など口に含めるものでOKです。 ひとつの目安として、つわりの時期に1~2週間で体重が5%も落ちてしまう場合は要注意です。入院管理が必要な場合もありますから、すぐに主治医に相談してください。16週くらいまでにはほぼ落ち着いていきます。 妊婦さんとベビーのアレルギーの関係 もともとアレルギー体質の妊婦さんが、生まれてくる赤ちゃんの食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を心配されていることがよくあります。しかし、妊娠中の食生活と赤ちゃんのアレルギーの因果関係は、まだ分かっていないのが現状です。卵や牛乳を極端に摂取している場合を除いては、通常の食生活で問題ないでしょう。 妊娠中期~後期の食事は栄養のバランスを意識して 妊娠初期に落ちていた食欲が、つわりの落ち着きとともに回復してくる妊娠中期~1後期。体重制限が気になる方も多いのでは? 実はつい5~6年前までは体重を制限することが多かったのですが、厳しい体重制限により赤ちゃんの出生時の体重が低くなることが問題になり、ここ最近ではさほど厳しくなくなってきました。目安としては出産前のBMI(BodyMass Index)が18~22と一般的なものであれば9~12㎏増やしてもよいとされています(※指数の計算は右コラムを参照)。BMIが30を超える場合は、体重制限が必要になりますので、注意してください。また、母体自体がやせていると切迫早産のリスクが高まり、赤ちゃんの低体重も予想されますので、この場合も主治医との相談が必要になります。 妊婦さんの身体は、血液中のコレステロールや中性脂肪が高くなりやすいのが特徴です。まずはスナック系の油の成分や塩分はなるべく控え、バランスのいい食事をできる限り摂りたいですね。貧血にもなりやすいので、鉄分やビタミンB12が豊富なレバー、海藻類、豚肉などを積極的に摂るとよいでしょう。 また、便秘にもなりがち。朝起きたらすぐに水を飲み、排便する習慣をつけたいものです。ただ、あまりに苦しい場合は、下剤を処方してもらいましょう。 特に年齢の高い妊婦さんの場合は、動脈硬化を防ぐビタミンCや葉酸を、サプリメントでもかまわないので積極的に取り入れてほしいです。また、20代とは骨密度も異なりますから、ヨーグルトや小魚などのカルシウムも意識的に摂取するとよいと思います。 BMIの出し方 BM(I Body Mass Index)とは身長からみた体重の割合を示す体格指数のことです。計算方法は体重÷[身長(m)2]。たとえば160㎝、50㎏の人なら50÷(1.6×1.6)=19.53215となります。数値が18~22の範囲であれば問題ありませんのでこの妊婦さんの場合、体重を標準的な9~12kg増に収めればよいという計算になります。 BMI=体重÷[身長(m)×身長(m)] 妊娠中の運動は専門の教室で受けるのが安心 妊婦さんが運動をしてOKなのは16~20週以降とされています。実際に、妊娠中に運動をしていた人のほうが動脈硬化を抑えられた、不眠を解消できた、またお産が楽だったというデータもあります。切迫早産や前置胎盤の危険がなく、健康な状態で生活を送れている方は積極的にやってほしいですね。ただし、ジャンプをしたりして身体に負担のかかる運動や格闘技系のものはおすすめできません。 自分で運動するならウォーキング、また家のなかでスクワットをして下半身を鍛えたり、あぐらの姿勢をして身体を柔軟にしておくのもおすすめです。 教室であればマタニティビクス、マタニティスイミングなどが、最近さまざまあります。妊婦さん専門のクラスなので、運動の強度を考慮し、メディカルチェックされたプログラムのはずなので安心でしょう。また、こういった教室に行くことで妊婦さんの友達ができる、という大きなメリットもあります。同じ状況の友達が見つかることで、妊婦ならではの悩みや不安を分かち合うこともできますので、ぜひトライしてみてはいかがでしょう。 赤ちゃんの退院時の服装&家で準備しておくべきものは 退院時の赤ちゃんの服装は、肌着にツーウェイオールなどのベビードレスを着ることが多いようです。季節に応じて靴下や上着を準備してはいかがでしょうか。おくるみやひざ掛けなどで温度を調節するのもよいでしょう。自家用車で帰る場合、チャイルドシートは必須アイテムです。家で準備すべきものについては、準備品のリストがインターネットやマタニティー雑誌などで紹介されているので参考にしながら揃えていきましょう。ただ、最初からあまりたくさんのものは必要ありません。 川端 伊久乃先生 【日本医科大学多摩永山病院女性診療科・産科医局長】 医学博士。女性スポーツ医学研究会幹事、日本周産期新生児学会 周産期(母体・胎児) 専門医として活躍。プライベートでは小学校2年の女の子をもつワーキングママでもあります。 元気&快適に過ごしたい !安心・妊婦生活ガイド(2) 日々の生活のなかで、今まで何の疑問も抱かずにやってきたこと。それが妊娠を機に「やっていいの?」「これは危険?」など疑問を持つことも多いはず。ここでは普段の生活、食事、運動の面から先生にアドバイスをしていただきました。 妊娠中期以降は自分自身の食生活や運動をチェック 最近の妊婦さんの傾向として、30代にめいいっぱい仕事をして、それから妊婦になる方が多くいらっしゃいます。おそらく食事や運動に気を使う時間も少なかったのではないでしょうか。 妊婦だからといって「こうでなければいけない」という決まりは特にありません。ただ、妊娠は栄養面や生活面を見直すいいチャンスともいえます。出産後は忙しくてゆっくり考えられませんから、時間のある妊娠中に一度食生活を見つめ直したり、今までできなかったマタニティ用の運動を始めてみるのもおすすめです。 つわりの時期は無理をせず食べられるものを口にして 妊娠すると、たいていの人にやってくる「つわり」。ピークは8~12週といわれています。英語ではモーニング シックネスといわれ、朝気分が悪かったり、嘔吐する人もいますが、仕事が終わって夕方からダウンしてしまう、という方も増えています。 この時期は「一日三食は気にせず、食べたいときに食べられるものを」が基本です。しょっぱいものばかり食べたい人、さっぱりしたものしか食べられない人、はたまた何も受け付けない人……など人によって好みは大きく違ってきます。一気に食べると胃が張り、さらに気持ちが悪くなることも多いので、食べたい時には小分けにして食べましょう。ただ、食べたいからといって、合成着色料などの添加物が多いものをたくさん食べるのは考えもの。ベビーはまだ2~4㎝くらい。栄養やカロリーはそれほど必要ありませんが、明らかに身体に悪そうなものは控えたいものです。 また脱水症には注意しましょう。吐きづわりの人はもちろんですが、冬は暖房、夏は暑さで、妊婦さんは脱水症を起こしやすくなっています。脱水症により血液が濃くなるだけでなく、血液中のナトリウムやカリウムのバランスが崩れて身体への負担が大きくなってしまいます。水分はこまめに摂ることが第一。水が飲めない場合は、氷や冷たい飲料など口に含めるものでOKです。 ひとつの目安として、つわりの時期に1~2週間で体重が5%も落ちてしまう場合は要注意です。入院管理が必要な場合もありますから、すぐに主治医に相談してください。16週くらいまでにはほぼ落ち着いていきます。 妊婦さんとベビーのアレルギーの関係 もともとアレルギー体質の妊婦さんが、生まれてくる赤ちゃんの食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を心配されていることがよくあります。しかし、妊娠中の食生活と赤ちゃんのアレルギーの因果関係は、まだ分かっていないのが現状です。卵や牛乳を極端に摂取している場合を除いては、通常の食生活で問題ないでしょう。 妊娠中期~後期の食事は栄養のバランスを意識して 妊娠初期に落ちていた食欲が、つわりの落ち着きとともに回復してくる妊娠中期~1後期。体重制限が気になる方も多いのでは? 実はつい5~6年前までは体重を制限することが多かったのですが、厳しい体重制限により赤ちゃんの出生時の体重が低くなることが問題になり、ここ最近ではさほど厳しくなくなってきました。目安としては出産前のBMI(BodyMass Index)が18~22と一般的なものであれば9~12㎏増やしてもよいとされています(※指数の計算は右コラムを参照)。BMIが30を超える場合は、体重制限が必要になりますので、注意してください。また、母体自体がやせていると切迫早産のリスクが高まり、赤ちゃんの低体重も予想されますので、この場合も主治医との相談が必要になります。 妊婦さんの身体は、血液中のコレステロールや中性脂肪が高くなりやすいのが特徴です。まずはスナック系の油の成分や塩分はなるべく控え、バランスのいい食事をできる限り摂りたいですね。貧血にもなりやすいので、鉄分やビタミンB12が豊富なレバー、海藻類、豚肉などを積極的に摂るとよいでしょう。 また、便秘にもなりがち。朝起きたらすぐに水を飲み、排便する習慣をつけたいものです。ただ、あまりに苦しい場合は、下剤を処方してもらいましょう。 特に年齢の高い妊婦さんの場合は、動脈硬化を防ぐビタミンCや葉酸を、サプリメントでもかまわないので積極的に取り入れてほしいです。また、20代とは骨密度も異なりますから、ヨーグルトや小魚などのカルシウムも意識的に摂取するとよいと思います。 BMIの出し方 BM(I Body Mass Index)とは身長からみた体重の割合を示す体格指数のことです。計算方法は体重÷[身長(m)2]。たとえば160㎝、50㎏の人なら50÷(1.6×1.6)=19.53215となります。数値が18~22の範囲であれば問題ありませんのでこの妊婦さんの場合、体重を標準的な9~12kg増に収めればよいという計算になります。 BMI=体重÷[身長(m)×身長(m)] 妊娠中の運動は専門の教室で受けるのが安心 妊婦さんが運動をしてOKなのは16~20週以降とされています。実際に、妊娠中に運動をしていた人のほうが動脈硬化を抑えられた、不眠を解消できた、またお産が楽だったというデータもあります。切迫早産や前置胎盤の危険がなく、健康な状態で生活を送れている方は積極的にやってほしいですね。ただし、ジャンプをしたりして身体に負担のかかる運動や格闘技系のものはおすすめできません。 自分で運動するならウォーキング、また家のなかでスクワットをして下半身を鍛えたり、あぐらの姿勢をして身体を柔軟にしておくのもおすすめです。 教室であればマタニティビクス、マタニティスイミングなどが、最近さまざまあります。妊婦さん専門のクラスなので、運動の強度を考慮し、メディカルチェックされたプログラムのはずなので安心でしょう。また、こういった教室に行くことで妊婦さんの友達ができる、という大きなメリットもあります。同じ状況の友達が見つかることで、妊婦ならではの悩みや不安を分かち合うこともできますので、ぜひトライしてみてはいかがでしょう。 赤ちゃんの退院時の服装&家で準備しておくべきものは 退院時の赤ちゃんの服装は、肌着にツーウェイオールなどのベビードレスを着ることが多いようです。季節に応じて靴下や上着を準備してはいかがでしょうか。おくるみやひざ掛けなどで温度を調節するのもよいでしょう。自家用車で帰る場合、チャイルドシートは必須アイテムです。家で準備すべきものについては、準備品のリストがインターネットやマタニティー雑誌などで紹介されているので参考にしながら揃えていきましょう。ただ、最初からあまりたくさんのものは必要ありません。 川端 伊久乃先生 【日本医科大学多摩永山病院女性診療科・産科医局長】 医学博士。女性スポーツ医学研究会幹事、日本周産期新生児学会 周産期(母体・胎児) 専門医として活躍。プライベートでは小学校2年の女の子をもつワーキングママでもあります。
2015.3.31
コラム 妊娠・出産
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安心・妊婦生活ガイド
元気&快適に過ごしたい !安心・妊婦生活ガイド 日々の生活のなかで、今まで何の疑問も抱かずにやってきたこと。それが妊娠を機に「やっていいの?」「これは危険?」など疑問を持つことも多いはず。ここでは普段の生活、食事、運動の面から先生にアドバイスをしていただきました。 妊娠中期以降は自分自身の食生活や運動をチェック 最近の妊婦さんの傾向として、30代にめいいっぱい仕事をして、それから妊婦になる方が多くいらっしゃいます。おそらく食事や運動に気を使う時間も少なかったのではないでしょうか。 妊婦だからといって「こうでなければいけない」という決まりは特にありません。ただ、妊娠は栄養面や生活面を見直すいいチャンスともいえます。出産後は忙しくてゆっくり考えられませんから、時間のある妊娠中に一度食生活を見つめ直したり、今までできなかったマタニティ用の運動を始めてみるのもおすすめです。 つわりの時期は無理をせず食べられるものを口にして 妊娠すると、たいていの人にやってくる「つわり」。ピークは8~12週といわれています。英語ではモーニング シックネスといわれ、朝気分が悪かったり、嘔吐する人もいますが、仕事が終わって夕方からダウンしてしまう、という方も増えています。 この時期は「一日三食は気にせず、食べたいときに食べられるものを」が基本です。しょっぱいものばかり食べたい人、さっぱりしたものしか食べられない人、はたまた何も受け付けない人……など人によって好みは大きく違ってきます。一気に食べると胃が張り、さらに気持ちが悪くなることも多いので、食べたい時には小分けにして食べましょう。ただ、食べたいからといって、合成着色料などの添加物が多いものをたくさん食べるのは考えもの。ベビーはまだ2~4㎝くらい。栄養やカロリーはそれほど必要ありませんが、明らかに身体に悪そうなものは控えたいものです。 また脱水症には注意しましょう。吐きづわりの人はもちろんですが、冬は暖房、夏は暑さで、妊婦さんは脱水症を起こしやすくなっています。脱水症により血液が濃くなるだけでなく、血液中のナトリウムやカリウムのバランスが崩れて身体への負担が大きくなってしまいます。水分はこまめに摂ることが第一。水が飲めない場合は、氷や冷たい飲料など口に含めるものでOKです。 ひとつの目安として、つわりの時期に1~2週間で体重が5%も落ちてしまう場合は要注意です。入院管理が必要な場合もありますから、すぐに主治医に相談してください。16週くらいまでにはほぼ落ち着いていきます。 妊婦さんとベビーのアレルギーの関係 もともとアレルギー体質の妊婦さんが、生まれてくる赤ちゃんの食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を心配されていることがよくあります。しかし、妊娠中の食生活と赤ちゃんのアレルギーの因果関係は、まだ分かっていないのが現状です。卵や牛乳を極端に摂取している場合を除いては、通常の食生活で問題ないでしょう。 妊娠中期~後期の食事は栄養のバランスを意識して 妊娠初期に落ちていた食欲が、つわりの落ち着きとともに回復してくる妊娠中期~1後期。体重制限が気になる方も多いのでは?実はつい5~6年前までは体重を制限することが多かったのですが、厳しい体重制限により赤ちゃんの出生時の体重が低くなることが問題になり、ここ最近ではさほど厳しくなくなってきました。目安としては出産前のBMI(BodyMass Index)が18~22と一般的なものであれば9~12㎏増やしてもよいとされています。BMIが30を超える場合は、体重制限が必要になりますので、注意してください。また、母体自体がやせていると切迫早産のリスクが高まり、赤ちゃんの低体重も予想されますので、この場合も主治医との相談が必要になります。 妊婦さんの身体は、血液中のコレステロールや中性脂肪が高くなりやすいのが特徴です。まずはスナック系の油の成分や塩分はなるべく控え、バランスのいい食事をできる限り摂りたいですね。貧血にもなりやすいので、鉄分やビタミンB12が豊富なレバー、海藻類、豚肉などを積極的に摂るとよいでしょう。 また、便秘にもなりがち。朝起きたらすぐに水を飲み、排便する習慣をつけたいものです。ただ、あまりに苦しい場合は、下剤を処方してもらいましょう。 特に年齢の高い妊婦さんの場合は、動脈硬化を防ぐビタミンCや葉酸を、サプリメントでもかまわないので積極的に取り入れてほしいです。また、20代とは骨密度も異なりますから、ヨーグルトや小魚などのカルシウムも意識的に摂取するとよいと思います。 BMIの出し方 BMI(Body Mass Index)とは身長からみた体重の割合を示す体格指数のことです。計算方法は体重÷[身長(m)2]。たとえば160㎝、50㎏の人なら50÷(1.6×1.6)=19.53215となります。数値が18~22の範囲であれば問題ありませんのでこの妊婦さんの場合、体重を標準的な9~12kg増に収めればよいという計算になります。 BMI=体重÷[身長(m)×身長(m)] 妊娠中の運動は専門の教室で受けるのが安心 妊婦さんが運動をしてOKなのは16~20週以降とされています。実際に、妊娠中に運動をしていた人のほうが動脈硬化を抑えられた、不眠を解消できた、またお産が楽だったというデータもあります。切迫早産や前置胎盤の危険がなく、健康な状態で生活を送れている方は積極的にやってほしいですね。ただし、ジャンプをしたりして身体に負担のかかる運動や格闘技系のものはおすすめできません。 自分で運動するならウォーキング、また家のなかでスクワットをして下半身を鍛えたり、あぐらの姿勢をして身体を柔軟にしておくのもおすすめです。 教室であればマタニティビクス、マタニティスイミングなどが、最近さまざまあります。妊婦さん専門のクラスなので、運動の強度を考慮し、メディカルチェックされたプログラムのはずなので安心でしょう。また、こういった教室に行くことで妊婦さんの友達ができる、という大きなメリットもあります。同じ状況の友達が見つかることで、妊婦ならではの悩みや不安を分かち合うこともできますので、ぜひトライしてみてはいかがでしょう。 赤ちゃんの退院時の服装&家で準備しておくべきものは 退院時の赤ちゃんの服装は、肌着にツーウェイオールなどのベビードレスを着ることが多いようです。季節に応じて靴下や上着を準備してはいかがでしょうか。おくるみやひざ掛けなどで温度を調節するのもよいでしょう。自家用車で帰る場合、チャイルドシートは必須アイテムです。家で準備すべきものについては、準備品のリストがインターネットやマタニティー雑誌などで紹介されているので参考にしながら揃えていきましょう。ただ、最初からあまりたくさんのものは必要ありません。 川端 伊久乃先生 【日本医科大学多摩永山病院女性診療科・産科医局長】 医学博士。女性スポーツ医学研究会幹事、日本周産期新生児学会 周産期(母体・胎児) 専門医として活躍。プライベートでは小学校2年の女の子をもつワーキングママでもあります。 ■ あわせて読みたい ■ 大切な命を守ろう。妊娠中に避けたい4つのこと。 《妊婦さん要注意》妊娠中は普段の○倍鉄分が必要! 妊娠したらまず準備!自分にぴったりのマタニティ下着選び 出産の基礎知識!気になる【会陰切開】ってどういうもの? 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2015.3.30
コラム 妊娠・出産
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漢方を取り入れながら体外受精、人工授精で出産
漢方を取り入れながら体外受精、人工授精で出産/海野由紀子さん(36歳) 体外受精を繰り返すもなかなか妊娠せず 赤ちゃんが欲しいと思ってからもなかなか授からなかった由紀子さんは、もともと生理不順で通っていた病院からの紹介で専門のクリニックにて、体外受精を続けていました。「約2年間、回数にして5回の体外受精を行っても妊娠はしませんでした。しかも最初は、卵胞が空で採卵ができないということが何回も続きました。それでも病院では、とりあえず薬で次の生理を起こしてまた次の周期に採卵を試みる、という方法を繰り返していました」 由紀子さんは以前から実家のお母さまに「漢方を試してみたら」とすすめられていたこともあり、違うことをやってみようと、誠心堂を訪れました。ここでは一人ひとりに中医学のアドバイザーが担当としてつきます。楊先生が由紀子さんの担当となりました。 「先生のお話では、体外受精のための注射を何度もやってきたことによって、卵巣機能が低下して排卵しない状態になっているとのことでした。いい卵ができるよう、卵巣を整える処方をしていただきました」 漢方と不妊治療は一緒に続けたほうがいいと思い、漢方を始めたことをクリニックの医師に伝えたところ、「今飲んでいる薬が終わったらやめてください」と言われてしまいます。しかし飲み始めて体調がよくなりつつあることを実感していた由紀子さんは、病院には黙って続けることにしました。 体質改善で採卵に成功。妊娠中も漢方を服用 クリニックの先生には内緒のまま、漢方を飲み続けて5カ月たった頃、検査でもホルモン値がよくなってきたことが確認されました。そしてまもなくよい卵子を採ることができ、漢方を始めて8カ月後の体外受精で待望の妊娠を果たします。 楊先生のすすめで、妊娠中も8カ月まで胎児を安定させる漢方を服用。そのおかげか、体調もずっとよかったといいます。「私は冷え性なのですが、妊娠中はいつも体が温かい感じがしていました。つわりもほとんどなかったです。7カ月の頃、一度楊先生に『これで終わりにしましょう』と言われ、漢方をやめてみたのですが、そうしたら急に具合が悪くなって……。ひどい胸やけがしたんです。それですぐに『続けたいです』とお願いしに行きました。やめた瞬間に“漢方ってすごいな”と実感しましたね。漢方で胃の調子も整えていたのだそうです」 そのほかにも風邪をひくこともなく、妊娠9カ月まで仕事を続けていても疲れ知らずだったり、いろいろな効果があったそうです。妊娠中は“体外受精で生まれてくる子は正常なのだろうか”と心配することもありましたが、おなかの中で赤ちゃんが大きくなるにつれ、その不安は消えていきました。そして無事に元気な男の子が生まれました。 2人目は人工授精から始め2回目で妊娠! 1人目のゆうきちゃんが生まれて9カ月たった頃、由紀子さんは2人目の妊娠に向けて、再び子宮と卵巣の働きを整える漢方を始めます。 「出産後は妊娠しやすくなっているという噂を聞いてまして。今だったら、もしかするとすぐできるかもしれないけれど、間があいたらまた長い治療をやらなければいけないかもしれない。それなら早めに治療を開始しようと思ったんです。子どもは2人欲しかったというのもありましたし」 2人目に向けて準備は始めたものの、今すぐに、というつもりではなかった由紀子さん。漢方のおかげか、産後不順だった生理も来るようになり、子宮がん検診を受けに行った時、不妊治療の先生に「次どうする?」と聞かれ、それがきっかけでまた不妊治療を始めることになりました。「先生に『今は状態もいいし、とりあえず1人いるから、少しゆっくり目でやってみる?』と提案され、人工授精をやることになりました。何回かやってみてダメだったら体外受精をする予定でした。それが2回目で妊娠! もっとかかると思っていたので驚きました」 2人のかわいい男の子に囲まれて… 由紀子さんは今、2人の息子さんに囲まれて、幸せいっぱいの日々を送っています。ここにくるまでの長い治療の間、くじけそうになったことはなかったのでしょうか? 「親戚からのプレッシャーが強かったので、つらい時期もありました。正直離婚を考えたこともありました。でも主人が『子どもが欲しいから君と結婚したんじゃない。できなければ二人でもいいじゃないか』と言ってくれたんです。それでかなり気持ちが楽になり、また頑張ろうと思えました」 2人の兄弟は今、やんちゃ盛り。時々、妊娠まで様々な苦労があったことも忘れるくらい2人を怒ってしまうことがあるといいます。 「育児は大変だけど、2人生まれてくれてよかった。喧嘩もいっぱいするけど、お互いを思いやる姿を見ると、兄弟ができてよかったなと思います」 担当:楊 琰先生【誠心堂】 海野さんが最初にいらした時は、採卵で頑張らせすぎたため卵巣が疲れてしまった“卵巣早発機能不全"と思われる状態でした。おなかの痛みもあり、体調もよくないようでしたので、全体をみながら卵巣機能を高めるようにアドバイスしました。1人目は8カ月、2人目は妊娠力が上がっていたので5カ月で妊娠されました。妊娠中は安胎、養胎の処方をしましたが、体全体が整い、胃腸の調子もよくなったので、つわりにもならなかったのだと思います。漢方治療は信頼関係が大切。海野さんが私を信頼してくださったことに感謝しています。 ■ あわせて読みたい ■ どこの鍼灸院も不妊のツボは同じで同じ治療をするのでしょうか? 周期療法を始めて5か月経って排卵がなくなったけど続けていていいの? 漢方の病院と温灸に通って治療中だけど温灸と鍼灸ではどちらがいいの? ファティリティクリニック東京 女性のための健康生活マガジン JINEKO 漢方を取り入れながら体外受精、人工授精で出産/海野由紀子さん(36歳) 体外受精を繰り返すもなかなか妊娠せず 赤ちゃんが欲しいと思ってからもなかなか授からなかった由紀子さんは、もともと生理不順で通っていた病院からの紹介で専門のクリニックにて、体外受精を続けていました。「約2年間、回数にして5回の体外受精を行っても妊娠はしませんでした。しかも最初は、卵胞が空で採卵ができないということが何回も続きました。それでも病院では、とりあえず薬で次の生理を起こしてまた次の周期に採卵を試みる、という方法を繰り返していました」 由紀子さんは以前から実家のお母さまに「漢方を試してみたら」とすすめられていたこともあり、違うことをやってみようと、誠心堂を訪れました。ここでは一人ひとりに中医学のアドバイザーが担当としてつきます。楊先生が由紀子さんの担当となりました。 「先生のお話では、体外受精のための注射を何度もやってきたことによって、卵巣機能が低下して排卵しない状態になっているとのことでした。いい卵ができるよう、卵巣を整える処方をしていただきました」 漢方と不妊治療は一緒に続けたほうがいいと思い、漢方を始めたことをクリニックの医師に伝えたところ、「今飲んでいる薬が終わったらやめてください」と言われてしまいます。しかし飲み始めて体調がよくなりつつあることを実感していた由紀子さんは、病院には黙って続けることにしました。 体質改善で採卵に成功。妊娠中も漢方を服用 クリニックの先生には内緒のまま、漢方を飲み続けて5カ月たった頃、検査でもホルモン値がよくなってきたことが確認されました。そしてまもなくよい卵子を採ることができ、漢方を始めて8カ月後の体外受精で待望の妊娠を果たします。 楊先生のすすめで、妊娠中も8カ月まで胎児を安定させる漢方を服用。そのおかげか、体調もずっとよかったといいます。「私は冷え性なのですが、妊娠中はいつも体が温かい感じがしていました。つわりもほとんどなかったです。7カ月の頃、一度楊先生に『これで終わりにしましょう』と言われ、漢方をやめてみたのですが、そうしたら急に具合が悪くなって……。ひどい胸やけがしたんです。それですぐに『続けたいです』とお願いしに行きました。やめた瞬間に“漢方ってすごいな”と実感しましたね。漢方で胃の調子も整えていたのだそうです」 そのほかにも風邪をひくこともなく、妊娠9カ月まで仕事を続けていても疲れ知らずだったり、いろいろな効果があったそうです。妊娠中は“体外受精で生まれてくる子は正常なのだろうか”と心配することもありましたが、おなかの中で赤ちゃんが大きくなるにつれ、その不安は消えていきました。そして無事に元気な男の子が生まれました。 2人目は人工授精から始め2回目で妊娠! 1人目のゆうきちゃんが生まれて9カ月たった頃、由紀子さんは2人目の妊娠に向けて、再び子宮と卵巣の働きを整える漢方を始めます。 「出産後は妊娠しやすくなっているという噂を聞いてまして。今だったら、もしかするとすぐできるかもしれないけれど、間があいたらまた長い治療をやらなければいけないかもしれない。それなら早めに治療を開始しようと思ったんです。子どもは2人欲しかったというのもありましたし」 2人目に向けて準備は始めたものの、今すぐに、というつもりではなかった由紀子さん。漢方のおかげか、産後不順だった生理も来るようになり、子宮がん検診を受けに行った時、不妊治療の先生に「次どうする?」と聞かれ、それがきっかけでまた不妊治療を始めることになりました。「先生に『今は状態もいいし、とりあえず1人いるから、少しゆっくり目でやってみる?』と提案され、人工授精をやることになりました。何回かやってみてダメだったら体外受精をする予定でした。それが2回目で妊娠! もっとかかると思っていたので驚きました」 2人のかわいい男の子に囲まれて… 由紀子さんは今、2人の息子さんに囲まれて、幸せいっぱいの日々を送っています。ここにくるまでの長い治療の間、くじけそうになったことはなかったのでしょうか? 「親戚からのプレッシャーが強かったので、つらい時期もありました。正直離婚を考えたこともありました。でも主人が『子どもが欲しいから君と結婚したんじゃない。できなければ二人でもいいじゃないか』と言ってくれたんです。それでかなり気持ちが楽になり、また頑張ろうと思えました」 2人の兄弟は今、やんちゃ盛り。時々、妊娠まで様々な苦労があったことも忘れるくらい2人を怒ってしまうことがあるといいます。 「育児は大変だけど、2人生まれてくれてよかった。喧嘩もいっぱいするけど、お互いを思いやる姿を見ると、兄弟ができてよかったなと思います」 担当:楊 琰先生【誠心堂】 海野さんが最初にいらした時は、採卵で頑張らせすぎたため卵巣が疲れてしまった“卵巣早発機能不全"と思われる状態でした。おなかの痛みもあり、体調もよくないようでしたので、全体をみながら卵巣機能を高めるようにアドバイスしました。1人目は8カ月、2人目は妊娠力が上がっていたので5カ月で妊娠されました。妊娠中は安胎、養胎の処方をしましたが、体全体が整い、胃腸の調子もよくなったので、つわりにもならなかったのだと思います。漢方治療は信頼関係が大切。海野さんが私を信頼してくださったことに感謝しています。 ■ あわせて読みたい ■ どこの鍼灸院も不妊のツボは同じで同じ治療をするのでしょうか? 周期療法を始めて5か月経って排卵がなくなったけど続けていていいの? 漢方の病院と温灸に通って治療中だけど温灸と鍼灸ではどちらがいいの? ファティリティクリニック東京 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.3.23
コラム 妊娠・出産
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ママのぽんぽん
赤ちゃんエッセイ:ママのぽんぽん 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「ママのぽんぽん、赤ちゃんいる?」 2年前の秋、思いもよらない双子娘達からの問いかけだった。 不妊治療の末、ようやく授かった双子娘達。主治医から「自然妊娠は厳しい」と断言されていた。そんな時、持病の胃痛が現れた。 痛みを感じながらも何とか乗り切った最初の1週間。主人に相談すると「また胃カメラ飲んだ方がいいよ」との言葉。胃カメラの恐怖に怯えながらまた1週間が過ぎた。「まだ痛いんよ」と言いつつ、ふと遅れてることに気づいた。主人に報告して、顔を見合わせて・・・「ありえないよね~」ということでまたまた1週間が過ぎた。元々周期が安定しない私、夫婦揃ってただの胃潰瘍の再発だと思っていた。 その翌日、お腹をさすりながら放った双子娘達の言葉である。帰宅した主人に話すと「子供は分かるって言うから!」と荷物だけ放り投げてドラッグストアへ飛び出して行った。 帰宅後、さっそくトイレに入れられ検査してみた。半信半疑、ううん3分の2は疑ってた。ところが説明書の判定時間を待つまでもなく、くっきりとしたラインが現れた。 抱き合って泣いて喜んだ双子の妊娠から3年が経っていた。あの時とは違う、驚きが先行した妊娠発覚。それでも「これから家族5人になるよ」パパが嬉しそうに双子達に伝えてくれた。 妊娠中、お姉ちゃん達はだんだん大きくなる“ママのぽんぽん”を不思議そうに、大事そうにさすってくれた。恥ずかしがって言葉には出さないけど、2人とも赤ちゃんに会えるのを楽しみにしてくれていた。帝王切開が決まっていたものの2週間も早く陣痛が来てしまい、誰も心の準備が出来ていない状態での入院となった。オペの前、陣痛の合間にそばに寄ってきて、もうすぐぺちゃんこになる“ママのぽんぽん”を優しく触ってくれた2人。帝王切開で生まれてきた赤ちゃんを見て、「かわいいね~」と笑ってくれた2人、お姉ちゃんになった瞬間だった。 子供を持てないかもしれないと泣いた夫婦が気づけば3人の親になった。“ママのぽんぽん”も思いがけず2度も役をなしてくれた。下腹にくっきりと残る傷跡は誇りであり、幸せの証である。時々双子姉は優しく傷を触りながら、「ここから出てきた?」「痛かった?」と聞く。そして「ママ、嬉しかった?」と尋ねてくる。モチロン!! 子供が欲しくてたまらなかったパパとママの元へゆっくりやってきてくれた双子のお姉ちゃん達。そしてお姉ちゃん達が迎えてくれた妹。ママのぽんぽんを選んで来てくれて本当にありがとう。 最近双子達が言う。 「ママのぽんぽんに、みんな入りたかったんよ」 だから私も答えた。 「ママもみんなに入って欲しかったんよ」 最近は年齢と重力に負けそうな“ママのぽんぽん”。若くない私も若く見えるママを目指して、運動に励んでいる。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // --> 赤ちゃんエッセイ:ママのぽんぽん 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「ママのぽんぽん、赤ちゃんいる?」 2年前の秋、思いもよらない双子娘達からの問いかけだった。 不妊治療の末、ようやく授かった双子娘達。主治医から「自然妊娠は厳しい」と断言されていた。そんな時、持病の胃痛が現れた。 痛みを感じながらも何とか乗り切った最初の1週間。主人に相談すると「また胃カメラ飲んだ方がいいよ」との言葉。胃カメラの恐怖に怯えながらまた1週間が過ぎた。「まだ痛いんよ」と言いつつ、ふと遅れてることに気づいた。主人に報告して、顔を見合わせて・・・「ありえないよね~」ということでまたまた1週間が過ぎた。元々周期が安定しない私、夫婦揃ってただの胃潰瘍の再発だと思っていた。 その翌日、お腹をさすりながら放った双子娘達の言葉である。帰宅した主人に話すと「子供は分かるって言うから!」と荷物だけ放り投げてドラッグストアへ飛び出して行った。 帰宅後、さっそくトイレに入れられ検査してみた。半信半疑、ううん3分の2は疑ってた。ところが説明書の判定時間を待つまでもなく、くっきりとしたラインが現れた。 抱き合って泣いて喜んだ双子の妊娠から3年が経っていた。あの時とは違う、驚きが先行した妊娠発覚。それでも「これから家族5人になるよ」パパが嬉しそうに双子達に伝えてくれた。 妊娠中、お姉ちゃん達はだんだん大きくなる“ママのぽんぽん”を不思議そうに、大事そうにさすってくれた。恥ずかしがって言葉には出さないけど、2人とも赤ちゃんに会えるのを楽しみにしてくれていた。帝王切開が決まっていたものの2週間も早く陣痛が来てしまい、誰も心の準備が出来ていない状態での入院となった。オペの前、陣痛の合間にそばに寄ってきて、もうすぐぺちゃんこになる“ママのぽんぽん”を優しく触ってくれた2人。帝王切開で生まれてきた赤ちゃんを見て、「かわいいね~」と笑ってくれた2人、お姉ちゃんになった瞬間だった。 子供を持てないかもしれないと泣いた夫婦が気づけば3人の親になった。“ママのぽんぽん”も思いがけず2度も役をなしてくれた。下腹にくっきりと残る傷跡は誇りであり、幸せの証である。時々双子姉は優しく傷を触りながら、「ここから出てきた?」「痛かった?」と聞く。そして「ママ、嬉しかった?」と尋ねてくる。モチロン!! 子供が欲しくてたまらなかったパパとママの元へゆっくりやってきてくれた双子のお姉ちゃん達。そしてお姉ちゃん達が迎えてくれた妹。ママのぽんぽんを選んで来てくれて本当にありがとう。 最近双子達が言う。 「ママのぽんぽんに、みんな入りたかったんよ」 だから私も答えた。 「ママもみんなに入って欲しかったんよ」 最近は年齢と重力に負けそうな“ママのぽんぽん”。若くない私も若く見えるママを目指して、運動に励んでいる。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // -->
2015.3.19
コラム 妊娠・出産
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まさかの坂
赤ちゃんエッセイ:まさかの坂 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「あなた、妊娠してますね」 体調不良が続き、てっきり更年期障害と思っての受診で先生にこう言われたとき天と地がひっくり返るほどびっくりした。このとき42歳。高齢出産が増えているなか、年齢的にはさほど驚くこともないがこのとき長男22歳、次男20歳。そして、再婚して6年になる夫がいた。しかもお腹の子は、すでに5カ月。 人生には3つの坂があるらしく、のぼり坂と下り坂、そして最後のひとつは「まさか!」の坂。下り坂と上り坂を経験した私に、この「まさか」の坂がやってきた。自分の呑気さにほとほと呆れるのと同時に、どうしようという気持ちでいっぱいになった。家庭内では特に問題もなく、再婚にしてはうまくいっていた方だと思う。時折、お互いが遠慮しがちな空気は漂うものの、必要以上に干渉しあわない大人同士の気楽な共同生活を送っていた。夕飯作りや帰宅時間を気にすることなく、仕事にもバリバリと励んでいた頃で、そんななかでの妊娠。 私が一番怖れたのは、今の家族関係が崩れないかという心配だった。息子たちは成人しているとはいえ、経済的にも精神的にも自立しきれていない状態で、まだ私の保護が必要とされるだろう。そして何より、再婚した夫の子供を産むことによって、疎外感を味あわせてしまうことは絶対にしたくなかった。いっそ、産むのをやめてしまおうか・・・。一生、自分の子供は持たないと宣言していた夫、息子の子供と言ってもおかしくない私のお腹にいる子の現実、今の仕事は、今後の家族関係はと、マイナス要因ばかりがぐるぐると頭のなかを駆け巡り、とても産む気になれず、気がつけば病院へ電話をして入院の予約を入れてしまっていた。 そして入院前夜、少しの間留守になるため息子たちに話さなければならない。口ごもりまごまごしている私を見て「もしかして子供ができたん?」と、直感的に悟って、すぐに当てられてしまった。「うん」でもなく「ううん」でもないどっちつかずの私の態度を見て、「うれしいーっ!! 絶対に産んでや!」と、満面の笑みで即答されてしまった。 「弟か妹ができるのがそんなに嬉しいの? 自分の子でもおかしくないくらい年が離れているんやで」と聞くと「うれしいに決まってるやん。他に何を考えることがあるねん」と逆に聞かれてしまった。成人した男の子のゆえ、普段は口数もそう多くなく、大人びた態度を見せているのに、このときの満面の笑顔。昔、子供の頃によく見せてくれた笑顔そのもので、昔の遠い記憶が鮮明によみがえって、息子たちの顔と、まだ見ぬお腹の子の笑顔がだぶって見えた。 「そうやんな。そうしたげなあかんやんな。」 私の胸のなかでずっとモヤモヤしていた心の曇りが、このときにパアーッと晴れて眩しい光が差し込んで強い決意に変わった。この後すぐ病院へキャンセルの電話を入れて、両方の両親に報告すると予想外にも大喜びしてもらえて何度も「おめでとう」と言ってもらえた。「ああ、この子は産まれるべくして産まれてくるんだ」と強く確信したのと同時に、私はまだ母親になりきれていないから、神さまがもう一度、育児のチャンスを下さったんだとも思った。 そして2006年4月19日 午前1時23分、女の子が誕生。20年ぶりの出産とあって先生も前例がないらしく、万が一に備えて万全の態勢をとってくださった。予定日は過ぎたものの、破水してからはウソのように陣痛が進み、先生や看護婦さんたちをあたふたさせたほど早くでてきてくれて超安産なお産となりました。このちいさい体からは、毎日家族の心をひとつにしてくれるパワーが放たれているようで、夫婦、親子愛、果ては人間愛に至るまで教えてもらう日々。私にとってのまさかの坂は、上り坂よりももっと上の、開かれた道が用意されていたような気がします。 私をお母さんに選んでくれて、ありがとう。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // --> 赤ちゃんエッセイ:まさかの坂 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「あなた、妊娠してますね」 体調不良が続き、てっきり更年期障害と思っての受診で先生にこう言われたとき天と地がひっくり返るほどびっくりした。このとき42歳。高齢出産が増えているなか、年齢的にはさほど驚くこともないがこのとき長男22歳、次男20歳。そして、再婚して6年になる夫がいた。しかもお腹の子は、すでに5カ月。 人生には3つの坂があるらしく、のぼり坂と下り坂、そして最後のひとつは「まさか!」の坂。下り坂と上り坂を経験した私に、この「まさか」の坂がやってきた。自分の呑気さにほとほと呆れるのと同時に、どうしようという気持ちでいっぱいになった。家庭内では特に問題もなく、再婚にしてはうまくいっていた方だと思う。時折、お互いが遠慮しがちな空気は漂うものの、必要以上に干渉しあわない大人同士の気楽な共同生活を送っていた。夕飯作りや帰宅時間を気にすることなく、仕事にもバリバリと励んでいた頃で、そんななかでの妊娠。 私が一番怖れたのは、今の家族関係が崩れないかという心配だった。息子たちは成人しているとはいえ、経済的にも精神的にも自立しきれていない状態で、まだ私の保護が必要とされるだろう。そして何より、再婚した夫の子供を産むことによって、疎外感を味あわせてしまうことは絶対にしたくなかった。いっそ、産むのをやめてしまおうか・・・。一生、自分の子供は持たないと宣言していた夫、息子の子供と言ってもおかしくない私のお腹にいる子の現実、今の仕事は、今後の家族関係はと、マイナス要因ばかりがぐるぐると頭のなかを駆け巡り、とても産む気になれず、気がつけば病院へ電話をして入院の予約を入れてしまっていた。 そして入院前夜、少しの間留守になるため息子たちに話さなければならない。口ごもりまごまごしている私を見て「もしかして子供ができたん?」と、直感的に悟って、すぐに当てられてしまった。「うん」でもなく「ううん」でもないどっちつかずの私の態度を見て、「うれしいーっ!! 絶対に産んでや!」と、満面の笑みで即答されてしまった。 「弟か妹ができるのがそんなに嬉しいの? 自分の子でもおかしくないくらい年が離れているんやで」と聞くと「うれしいに決まってるやん。他に何を考えることがあるねん」と逆に聞かれてしまった。成人した男の子のゆえ、普段は口数もそう多くなく、大人びた態度を見せているのに、このときの満面の笑顔。昔、子供の頃によく見せてくれた笑顔そのもので、昔の遠い記憶が鮮明によみがえって、息子たちの顔と、まだ見ぬお腹の子の笑顔がだぶって見えた。 「そうやんな。そうしたげなあかんやんな。」 私の胸のなかでずっとモヤモヤしていた心の曇りが、このときにパアーッと晴れて眩しい光が差し込んで強い決意に変わった。この後すぐ病院へキャンセルの電話を入れて、両方の両親に報告すると予想外にも大喜びしてもらえて何度も「おめでとう」と言ってもらえた。「ああ、この子は産まれるべくして産まれてくるんだ」と強く確信したのと同時に、私はまだ母親になりきれていないから、神さまがもう一度、育児のチャンスを下さったんだとも思った。 そして2006年4月19日 午前1時23分、女の子が誕生。20年ぶりの出産とあって先生も前例がないらしく、万が一に備えて万全の態勢をとってくださった。予定日は過ぎたものの、破水してからはウソのように陣痛が進み、先生や看護婦さんたちをあたふたさせたほど早くでてきてくれて超安産なお産となりました。このちいさい体からは、毎日家族の心をひとつにしてくれるパワーが放たれているようで、夫婦、親子愛、果ては人間愛に至るまで教えてもらう日々。私にとってのまさかの坂は、上り坂よりももっと上の、開かれた道が用意されていたような気がします。 私をお母さんに選んでくれて、ありがとう。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // -->
2015.3.4
コラム 妊娠・出産
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赤ちゃんエッセイ:バトン
赤ちゃんエッセイ:バトン 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 平成25年5月、私は初めての出産を経験しました。 結婚して6年目、待ちに待った待望の妊娠でした。産まれたての娘と対面したとき、そのあまりの小ささに驚き、そのしっかりとした呼吸に、命の重さを実感しました。私たち夫婦の出会いは、全てこの子と会うために与えられた、偶然ではなく必然だったのかもしれないとさえ思えました。 退院後、実家から母親に手伝いに来てもらい、4人での生活が始まりました。結婚するまでの間、一度も家を出たことの無かった私と久しぶりに生活を共にする母は、とても嬉しそうでした。一方の私は、初めての子育てで戸惑うことばかり。その上、なかなかおっぱいが出ず、痩せていく娘を見て不安に苛まれていました。オムツを替えてもおっぱいをやっても、泣き止まない娘を見て途方にくれる夜が続きました。母が「大丈夫、大丈夫」と言いながら娘をあやすと、ぴたりと泣き止む事も多く、そんな姿を見ると、自分は母親失格なのではないかと思い余計に悲しくなったものです。 ある日のこと、お昼寝をしている娘を見て「あなたの赤ちゃんのころにそっくり」母がポツリと呟き、「ほら、これ見て」と、実家に戻ったときに持ってきた数枚の写真を取り出しました。色褪せたその写真には、やんちゃそうな三歳になったばかりの兄と、優しく微笑む母、そしてその腕の中で安心しきって眠る娘そっくりの私が居たのです。物心付いたころから「母」は「母」で、そんな母にも若い頃があったという当たり前の事実ですら、私には想像が付きませんでした。写真の中の母は愛おしそうに私を抱きしめ、その顔は母親としての輝きに満ち、菩薩のような美しさを湛えていました。 その時、私は思い出したのです。料理を作る母、内職をして夜遅くまでミシンをかけていた母、パート先でもらった小さなお菓子をわざわざ持ち帰り半分にしてくれた母。流行の服に似た服をせっかく作ってくれたにもかかわらず、心無い言葉で袖を通すことすらしなかった事。自分が努力をしていないのに、全て境遇が悪いと当たった事。そして、その全てを許してくれていた事実を。 泣いている娘をあやす姿、オムツを換える姿、ミルクをあげる姿、添い寝で寝かしつける姿。それは34年前の母と私の姿そのものでした。自分はこんなにも愛され、優しさに包まれながら育ってきた事実。母はいつも自分よりも私のことを優先してくれていたのに、近くにあり過ぎて私には何も見えてはいなかったのです。 母と過ごした6週間はあまりにも早く過ぎていきました。しかし、その中で、これから娘として、母として、そして一人の女性として生きていくうえで、とても重要な事に気付くことが出来ました。「親にならないと分からない事がある」とよく言いますが、若葉マークの私には、まだまだ学ぶことは多そうです。これからの長い子育ての中、不安や迷うことも多いと思いますが「大丈夫、大丈夫」と、母がくれた大きな愛で娘を包み、抱きしめることで伝えていけたら、と思います。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト ■ あわせて読みたい ■ いつも悲しくてイライラ、主人に当たってしまったり、悲しくなったり……。これってマタニティブルーですか? つわりが落ち着いたのに、朝起きられません。改善策は? マタニティブルーの情緒不安定はいつまで続くの… 女性のための健康生活マガジン JINEKO 赤ちゃんエッセイ:バトン 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 平成25年5月、私は初めての出産を経験しました。 結婚して6年目、待ちに待った待望の妊娠でした。産まれたての娘と対面したとき、そのあまりの小ささに驚き、そのしっかりとした呼吸に、命の重さを実感しました。私たち夫婦の出会いは、全てこの子と会うために与えられた、偶然ではなく必然だったのかもしれないとさえ思えました。 退院後、実家から母親に手伝いに来てもらい、4人での生活が始まりました。結婚するまでの間、一度も家を出たことの無かった私と久しぶりに生活を共にする母は、とても嬉しそうでした。一方の私は、初めての子育てで戸惑うことばかり。その上、なかなかおっぱいが出ず、痩せていく娘を見て不安に苛まれていました。オムツを替えてもおっぱいをやっても、泣き止まない娘を見て途方にくれる夜が続きました。母が「大丈夫、大丈夫」と言いながら娘をあやすと、ぴたりと泣き止む事も多く、そんな姿を見ると、自分は母親失格なのではないかと思い余計に悲しくなったものです。 ある日のこと、お昼寝をしている娘を見て「あなたの赤ちゃんのころにそっくり」母がポツリと呟き、「ほら、これ見て」と、実家に戻ったときに持ってきた数枚の写真を取り出しました。色褪せたその写真には、やんちゃそうな三歳になったばかりの兄と、優しく微笑む母、そしてその腕の中で安心しきって眠る娘そっくりの私が居たのです。物心付いたころから「母」は「母」で、そんな母にも若い頃があったという当たり前の事実ですら、私には想像が付きませんでした。写真の中の母は愛おしそうに私を抱きしめ、その顔は母親としての輝きに満ち、菩薩のような美しさを湛えていました。 その時、私は思い出したのです。料理を作る母、内職をして夜遅くまでミシンをかけていた母、パート先でもらった小さなお菓子をわざわざ持ち帰り半分にしてくれた母。流行の服に似た服をせっかく作ってくれたにもかかわらず、心無い言葉で袖を通すことすらしなかった事。自分が努力をしていないのに、全て境遇が悪いと当たった事。そして、その全てを許してくれていた事実を。 泣いている娘をあやす姿、オムツを換える姿、ミルクをあげる姿、添い寝で寝かしつける姿。それは34年前の母と私の姿そのものでした。自分はこんなにも愛され、優しさに包まれながら育ってきた事実。母はいつも自分よりも私のことを優先してくれていたのに、近くにあり過ぎて私には何も見えてはいなかったのです。 母と過ごした6週間はあまりにも早く過ぎていきました。しかし、その中で、これから娘として、母として、そして一人の女性として生きていくうえで、とても重要な事に気付くことが出来ました。「親にならないと分からない事がある」とよく言いますが、若葉マークの私には、まだまだ学ぶことは多そうです。これからの長い子育ての中、不安や迷うことも多いと思いますが「大丈夫、大丈夫」と、母がくれた大きな愛で娘を包み、抱きしめることで伝えていけたら、と思います。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト ■ あわせて読みたい ■ いつも悲しくてイライラ、主人に当たってしまったり、悲しくなったり……。これってマタニティブルーですか? つわりが落ち着いたのに、朝起きられません。改善策は? マタニティブルーの情緒不安定はいつまで続くの… 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.2.26
コラム 妊娠・出産
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もみじの手が掴んだ市民権!
もみじの手が掴んだ市民権! 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 私はある決意にいたるまで、輸入食品販売代理店の人事部に勤めていました。50名弱の中堅企業で人事と総務を兼任。在籍年数と『年の功』も手伝い、「産休制度」の作成と窓口役を任されることになりました。 (出産経験のないワタシが…) 最初は自信が持てませんでしたが、部では私以外はみな男性。ワンマン社長の手ほどきを受けながら、大綱を固めていくことになりました。 相談に訪れた一人目はAさんでしたが、産休ではなく「育児休業」に関するものでした。復職の確固たる約束もなく出産休暇を申し入れ、実力で復職したやり手の営業ウーマンです。仕事も順調に、家事・育児を旦那さんと協力しながらだったのですが、赤ちゃんと過ごす時間をもっと増やしたいとの理由から、育児休業を提案。私はもちろんOKでしたが、いい顔をしなかったのが社長でした。Aさんは営業のホープであり、社長は焦ったのかもしれません。結局、申請は通りませんでした。 「もったいないよぉ」 「またバリバリ働けばいいじゃない。これからのほうが、お金かかるのよ」 同僚の声を背に、彼女は「休業」ではなく退社の途を選びました。 しばらく産休制度を利用する社員はいなかったのですが、なんと私にその機会がやってきたのです。ふいに子宝に恵まれたアラフォーの私。 (ワタシ、第一号?) 「そりゃ、そうだよ。キミが作った制度をキミが実践する。絶好のモデルじゃないか」 数ヵ月後。大きな産声が私の胸に響きました。仕事に不満はなく、落ち着いたら職場復帰をと考えていたのですが、待ったをかけたのが三ヶ月ほど経ってから。 娘がアトピー性皮膚炎を発症してしまったのです。小さな体にジクジクした湿疹が侵入し、耳切れや太腿の付け根に生じる黄色い膿が痛々しくてたまりません。私に食物アレルギーなどはなく母乳で育てていたのですが、疾患を持たない人にも潜在的なアレルギー体質の可能性があると聞いて唖然ぼう然。実際に、私が摂取した食物が授乳を介して赤ちゃんの体に影響しているのではと医師から告げられた時は、ショックを受けました。前向きに捉えれば、親子というのは切っても切れない絆で結ばれている証でもありましょう。今後のことを考えるたびに、赤く腫れた手でかゆみから逃れるように、私の指をギュッと握りしめようとする娘。 と言われているようで、私は一年をかけて育児に専念しようと決意したのです。 その後、「育児休業」を申請する旨を社長に話したのですが、けんもほろろ。言外に(復職してもポジションはないぞ)の印象。 (後続のためにも育休を形骸化させてはならない) これは出産が与えた試練であり、逆に力をもらった気がしました。 一心同体となった心の声に励まされるように、実体験を基にした「育児休業制度」の企画書作成をスタート。ブログやSNSから様々な情報を漁り、壁に当たった時になぜか頭に浮かんだAさん。久しぶりに連絡してみると、彼女は別の会社の同じポジションで活躍していたのです。 「女性って、これまで勤めてた会社を退社したからって、なにも 社会から退くわけじゃないじゃないわよ。会社から離れて見え てくる社会っていっぱいあるのよね。出産で色々と経験したわ…」 パワーアップした彼女からさらなる勇気をもらい、企画書をまとめあげました。 題名は「育休に真の市民権を!」 社長もある程度納得してくれたのか、一年後に私は同じ部署に復職しました。ただ、人事・総務兼任ではなく、総務専任。母体と同様に、社会が目指すべき制度や価値観にも産みの苦しみがあるのですね。 帰宅すると、復職を祝ってくれるかのように、娘がもみじのような手でグーパーグーパーしてくれました。「育休」に勝ち負けはありません。私は出産によって母親になり、女としての力もついたように思います。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // --> もみじの手が掴んだ市民権! 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 私はある決意にいたるまで、輸入食品販売代理店の人事部に勤めていました。50名弱の中堅企業で人事と総務を兼任。在籍年数と『年の功』も手伝い、「産休制度」の作成と窓口役を任されることになりました。 (出産経験のないワタシが…) 最初は自信が持てませんでしたが、部では私以外はみな男性。ワンマン社長の手ほどきを受けながら、大綱を固めていくことになりました。 相談に訪れた一人目はAさんでしたが、産休ではなく「育児休業」に関するものでした。復職の確固たる約束もなく出産休暇を申し入れ、実力で復職したやり手の営業ウーマンです。仕事も順調に、家事・育児を旦那さんと協力しながらだったのですが、赤ちゃんと過ごす時間をもっと増やしたいとの理由から、育児休業を提案。私はもちろんOKでしたが、いい顔をしなかったのが社長でした。Aさんは営業のホープであり、社長は焦ったのかもしれません。結局、申請は通りませんでした。 「もったいないよぉ」 「またバリバリ働けばいいじゃない。これからのほうが、お金かかるのよ」 同僚の声を背に、彼女は「休業」ではなく退社の途を選びました。 しばらく産休制度を利用する社員はいなかったのですが、なんと私にその機会がやってきたのです。ふいに子宝に恵まれたアラフォーの私。 (ワタシ、第一号?) 「そりゃ、そうだよ。キミが作った制度をキミが実践する。絶好のモデルじゃないか」 数ヵ月後。大きな産声が私の胸に響きました。仕事に不満はなく、落ち着いたら職場復帰をと考えていたのですが、待ったをかけたのが三ヶ月ほど経ってから。 娘がアトピー性皮膚炎を発症してしまったのです。小さな体にジクジクした湿疹が侵入し、耳切れや太腿の付け根に生じる黄色い膿が痛々しくてたまりません。私に食物アレルギーなどはなく母乳で育てていたのですが、疾患を持たない人にも潜在的なアレルギー体質の可能性があると聞いて唖然ぼう然。実際に、私が摂取した食物が授乳を介して赤ちゃんの体に影響しているのではと医師から告げられた時は、ショックを受けました。前向きに捉えれば、親子というのは切っても切れない絆で結ばれている証でもありましょう。今後のことを考えるたびに、赤く腫れた手でかゆみから逃れるように、私の指をギュッと握りしめようとする娘。 と言われているようで、私は一年をかけて育児に専念しようと決意したのです。 その後、「育児休業」を申請する旨を社長に話したのですが、けんもほろろ。言外に(復職してもポジションはないぞ)の印象。 (後続のためにも育休を形骸化させてはならない) これは出産が与えた試練であり、逆に力をもらった気がしました。 一心同体となった心の声に励まされるように、実体験を基にした「育児休業制度」の企画書作成をスタート。ブログやSNSから様々な情報を漁り、壁に当たった時になぜか頭に浮かんだAさん。久しぶりに連絡してみると、彼女は別の会社の同じポジションで活躍していたのです。 「女性って、これまで勤めてた会社を退社したからって、なにも 社会から退くわけじゃないじゃないわよ。会社から離れて見え てくる社会っていっぱいあるのよね。出産で色々と経験したわ…」 パワーアップした彼女からさらなる勇気をもらい、企画書をまとめあげました。 題名は「育休に真の市民権を!」 社長もある程度納得してくれたのか、一年後に私は同じ部署に復職しました。ただ、人事・総務兼任ではなく、総務専任。母体と同様に、社会が目指すべき制度や価値観にも産みの苦しみがあるのですね。 帰宅すると、復職を祝ってくれるかのように、娘がもみじのような手でグーパーグーパーしてくれました。「育休」に勝ち負けはありません。私は出産によって母親になり、女としての力もついたように思います。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // -->
2015.2.19
コラム 妊娠・出産
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切迫早産・早産とは(2)
切迫早産・早産とは?(2) 妊娠22週から36週までに生まれてしまう早産。体や機能が未成熟な状態で生まれると命の危険や、障害が残る可能性もあります。徴候を逃さず、未然に防ぎましょう。 Q:早産の予防策はありますか?(らんらんさん・28歳) 安静に過ごすことが一番大事。早産の徴候を見逃さないようにしましょう。 早期の発見と適切な処置で防ぐことが可能 子宮口が開きかけている、破水をしているなど、早産になりかかっている状態を切迫早産といいます。徴候に早く気づき、適切な治療を始めれば、防ぐことができます。妊娠後期の赤ちゃんはおなかの中でぐんぐん成熟していきます。1日でも長くおなかの中にいられれば、それだけ障害や合併症の危険を遠ざけることができるのです。 妊婦さんが自分で発見できる切迫早産の主な徴候は左の5つです。見逃さないように注意して過ごしましょう。 妊娠後期の診察では、内診や超音波で子宮口の開き具合や頸管の長さを測ります。子宮口は出産が近づくまで固く閉じているのが普通。それが開きかかっていれば早産が心配な状態です。子宮頸管無力症も内診や超音波検査で発見されることが多くなっています。異常がないと思っても、定期健診は必ず受診しましょう。 切迫早産の治療は安静と張り止めの薬 切迫早産と診断されたら、何よりも重要なのが安静にすること。状態によって自宅安静か入院安静を医師に指示されるので、従いましょう。子宮収縮の程度が軽く子宮口があまり開いていない場合は自宅安静、子宮収縮が強く子宮口が開き始めている状態では入院安静となります。 治療は、おなかの張りが強い場合は、子宮収縮抑制剤を点滴または内服で投与します。さらに切迫早産の原因がはっきりとわかっていれば、それに応じた治療や処置を行います。細菌による腟内感染が原因であれば、細菌を除去するために抗生物質を使用することもあります。 適切な治療を受け、安静をしっかり守り、少しでも長く、赤ちゃんをお母さんのおなかの中にとどめてあげましょう。 おなかの張り、下腹部痛 妊娠中期以降は、誰でもある程度子宮が収縮することがあります。横になっていても痛みや張りが収まらなかったり、周期的に起こるような時は要注意です。 出血 少量の出血でも、原因が子宮収縮である可能性もあります。心配ない場合もありますが、自己判断をせず、すぐに受診しましょう。 胎動が感じられない 胎動は赤ちゃんが元気な証拠。胎動を毎日確認し、動きが鈍い、ないと感じたら受診しましょう。ただし正期産に入り、赤ちゃんの頭が骨盤に下りてくると動きが少なくなります。この場合は心配いりません。 水が流れ出るような感じ 水が流れ出てくるような感じがしたら、破水が考えられます。早産につながる最も心配な症状です。破水すると子宮収縮を促すプロスタグラディンという物質が生成され、陣痛が始まります。横になって、すぐに病院に連絡しましょう。 おりものが増える、においがある 早産を引き起こす絨毛膜羊膜炎につながる腟炎を起こしていると、においのあるおりものが増えてきます。おかしいなと思ったら、診察を受けましょう。 全出産件数のうち、低出生体重児は9.6%。約10人に1人の割合で生まれています。年齢別では、19歳以下と、35歳以降で10%を超え、45歳以上では20%近くに。高齢出産では早産のリスクが高いと考えられます。 関連記事:《 切迫早産・早産とは(1) 》 切迫早産・早産とは?(2) 妊娠22週から36週までに生まれてしまう早産。体や機能が未成熟な状態で生まれると命の危険や、障害が残る可能性もあります。徴候を逃さず、未然に防ぎましょう。 Q:早産の予防策はありますか?(らんらんさん・28歳) 安静に過ごすことが一番大事。早産の徴候を見逃さないようにしましょう。 早期の発見と適切な処置で防ぐことが可能 子宮口が開きかけている、破水をしているなど、早産になりかかっている状態を切迫早産といいます。徴候に早く気づき、適切な治療を始めれば、防ぐことができます。妊娠後期の赤ちゃんはおなかの中でぐんぐん成熟していきます。1日でも長くおなかの中にいられれば、それだけ障害や合併症の危険を遠ざけることができるのです。 妊婦さんが自分で発見できる切迫早産の主な徴候は左の5つです。見逃さないように注意して過ごしましょう。 妊娠後期の診察では、内診や超音波で子宮口の開き具合や頸管の長さを測ります。子宮口は出産が近づくまで固く閉じているのが普通。それが開きかかっていれば早産が心配な状態です。子宮頸管無力症も内診や超音波検査で発見されることが多くなっています。異常がないと思っても、定期健診は必ず受診しましょう。 切迫早産の治療は安静と張り止めの薬 切迫早産と診断されたら、何よりも重要なのが安静にすること。状態によって自宅安静か入院安静を医師に指示されるので、従いましょう。子宮収縮の程度が軽く子宮口があまり開いていない場合は自宅安静、子宮収縮が強く子宮口が開き始めている状態では入院安静となります。 治療は、おなかの張りが強い場合は、子宮収縮抑制剤を点滴または内服で投与します。さらに切迫早産の原因がはっきりとわかっていれば、それに応じた治療や処置を行います。細菌による腟内感染が原因であれば、細菌を除去するために抗生物質を使用することもあります。 適切な治療を受け、安静をしっかり守り、少しでも長く、赤ちゃんをお母さんのおなかの中にとどめてあげましょう。 おなかの張り、下腹部痛 妊娠中期以降は、誰でもある程度子宮が収縮することがあります。横になっていても痛みや張りが収まらなかったり、周期的に起こるような時は要注意です。 出血 少量の出血でも、原因が子宮収縮である可能性もあります。心配ない場合もありますが、自己判断をせず、すぐに受診しましょう。 胎動が感じられない 胎動は赤ちゃんが元気な証拠。胎動を毎日確認し、動きが鈍い、ないと感じたら受診しましょう。ただし正期産に入り、赤ちゃんの頭が骨盤に下りてくると動きが少なくなります。この場合は心配いりません。 水が流れ出るような感じ 水が流れ出てくるような感じがしたら、破水が考えられます。早産につながる最も心配な症状です。破水すると子宮収縮を促すプロスタグラディンという物質が生成され、陣痛が始まります。横になって、すぐに病院に連絡しましょう。 おりものが増える、においがある 早産を引き起こす絨毛膜羊膜炎につながる腟炎を起こしていると、においのあるおりものが増えてきます。おかしいなと思ったら、診察を受けましょう。 全出産件数のうち、低出生体重児は9.6%。約10人に1人の割合で生まれています。年齢別では、19歳以下と、35歳以降で10%を超え、45歳以上では20%近くに。高齢出産では早産のリスクが高いと考えられます。 関連記事:《 切迫早産・早産とは(1) 》
2015.2.6
コラム 妊娠・出産
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切迫早産・早産とは(1)
切迫早産・早産とは?(1) 妊娠22週から36週までに生まれてしまう早産。体や機能が未成熟な状態で生まれると命の危険や、障害が残る可能性もあります。徴候を逃さず、未然に防ぎましょう。 Q:妊娠31週で張り止めの薬を飲んでいます。早産になると赤ちゃんへの影響は?(アリスさん・29歳) 34週になれば体の機能がほぼ成熟します。安静を保ち、少しでも長くおなかの中にいさせてあげて。 早産の原因は子宮内感染や母体の体質 妊娠22週以降、正期産(妊娠37~41週まで)に入る前までの出産を早産といいます。早産は全妊娠の約5%に起こっていて、原因の多くは細菌による子宮内感染です。 腟から入った細菌がまず腟炎を起こし、だんだんと上に移動して子宮頸管に感染し、子宮口を開きやすい状態になります。さらに子宮内に入り、赤ちゃんや羊水を包む卵膜まで達すると、絨毛膜羊膜炎という感染症を引き起こします。そうなると子宮を収縮させ、卵膜を溶かし、破水して早産を引き起こします。 精液のなかには絨毛膜羊膜炎を引き起こす細菌が存在することもあるので、早産の疑いがある場合、性行為を控えたり、コンドームを使用するようにしましょう。また妊娠前から入り込んでいるクラミジアや大腸菌など、さまざまな菌が原因菌となります。絨毛膜羊膜炎を予防するには、子宮内に感染する前の、腟炎や頸管炎の段階で治療するのが効果的です。腟炎の兆候は、においのあるおりものや、微量の出血など。もしこんな症状があったら、早めに受診しましょう。 子宮内感染以外にも早産の原因はさまざまあります。子宮頸管無力症は子宮口が開きやすい体質をいい、状況により頸管を縛る手術をすることがあります。妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、子宮筋腫や子宮奇形も早産の原因になります。そのほか、胎盤が子宮口をふさぐ前置胎盤や、分娩前に胎盤がはがれてしまう常位胎盤早期剥離では、出血を起こし、早産を引き起こします。 早産で生まれると障害や後遺症が残る可能性も 赤ちゃんがおなかの中で十分に育ち、出産後も問題なく生きていけるだろうとされている時期の目安が正期産(妊娠37~41週)。それに満たない時期での出産は、妊娠週数が早いほどリスクが大きくなります。30週未満では脳に障害を起こす危険があり、32週未満では呼吸器障害などの合併症の発生率が高くなっています。34~35週を過ぎれば肺の機能もほぼ完成し、体重は足りなくても、ほぼ成熟した状態になります。 早産で生まれても、新生児集中治療室(NICU)のある施設で迅速に適切な処置が受けられれば、赤ちゃんが命を落とす危険は少なくなりました。それでも、妊娠週数が早ければ、長期の入院が必要になります。専門の医師の管理のもと保育器の中で過ごさなければならず、生まれた赤ちゃんをすぐに抱くこともできません。赤ちゃんと一緒に退院し、親子で新しい生活を始めるためにも、早産を予防しましょう。 赤ちゃんの体重別の呼び方 ○低出生体重児…2500g未満 ○極低出生体重児…1500g未満 ○超低出生体重児…1000g未満 関連記事:《 切迫早産・早産とは(2) 》 切迫早産・早産とは?(1) 妊娠22週から36週までに生まれてしまう早産。体や機能が未成熟な状態で生まれると命の危険や、障害が残る可能性もあります。徴候を逃さず、未然に防ぎましょう。 Q:妊娠31週で張り止めの薬を飲んでいます。早産になると赤ちゃんへの影響は?(アリスさん・29歳) 34週になれば体の機能がほぼ成熟します。安静を保ち、少しでも長くおなかの中にいさせてあげて。 早産の原因は子宮内感染や母体の体質 妊娠22週以降、正期産(妊娠37~41週まで)に入る前までの出産を早産といいます。早産は全妊娠の約5%に起こっていて、原因の多くは細菌による子宮内感染です。 腟から入った細菌がまず腟炎を起こし、だんだんと上に移動して子宮頸管に感染し、子宮口を開きやすい状態になります。さらに子宮内に入り、赤ちゃんや羊水を包む卵膜まで達すると、絨毛膜羊膜炎という感染症を引き起こします。そうなると子宮を収縮させ、卵膜を溶かし、破水して早産を引き起こします。 精液のなかには絨毛膜羊膜炎を引き起こす細菌が存在することもあるので、早産の疑いがある場合、性行為を控えたり、コンドームを使用するようにしましょう。また妊娠前から入り込んでいるクラミジアや大腸菌など、さまざまな菌が原因菌となります。絨毛膜羊膜炎を予防するには、子宮内に感染する前の、腟炎や頸管炎の段階で治療するのが効果的です。腟炎の兆候は、においのあるおりものや、微量の出血など。もしこんな症状があったら、早めに受診しましょう。 子宮内感染以外にも早産の原因はさまざまあります。子宮頸管無力症は子宮口が開きやすい体質をいい、状況により頸管を縛る手術をすることがあります。妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、子宮筋腫や子宮奇形も早産の原因になります。そのほか、胎盤が子宮口をふさぐ前置胎盤や、分娩前に胎盤がはがれてしまう常位胎盤早期剥離では、出血を起こし、早産を引き起こします。 早産で生まれると障害や後遺症が残る可能性も 赤ちゃんがおなかの中で十分に育ち、出産後も問題なく生きていけるだろうとされている時期の目安が正期産(妊娠37~41週)。それに満たない時期での出産は、妊娠週数が早いほどリスクが大きくなります。30週未満では脳に障害を起こす危険があり、32週未満では呼吸器障害などの合併症の発生率が高くなっています。34~35週を過ぎれば肺の機能もほぼ完成し、体重は足りなくても、ほぼ成熟した状態になります。 早産で生まれても、新生児集中治療室(NICU)のある施設で迅速に適切な処置が受けられれば、赤ちゃんが命を落とす危険は少なくなりました。それでも、妊娠週数が早ければ、長期の入院が必要になります。専門の医師の管理のもと保育器の中で過ごさなければならず、生まれた赤ちゃんをすぐに抱くこともできません。赤ちゃんと一緒に退院し、親子で新しい生活を始めるためにも、早産を予防しましょう。 赤ちゃんの体重別の呼び方 ○低出生体重児…2500g未満 ○極低出生体重児…1500g未満 ○超低出生体重児…1000g未満 関連記事:《 切迫早産・早産とは(2) 》
2015.2.6
コラム 妊娠・出産
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変わらない顔
赤ちゃんエッセイ:変わらない顔 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 顔は段々と変わっていく。産まれ立ては、お猿さんのような顔だし、この世を去る時は、シワクチャになっている。でも、変わらない顔を僕は知っている。 予定日の3週間前から、妻とお腹の赤ちゃんは実家に戻って、出産の日を待っていた。僕は仕事を終えて、クリスマスの日に彼女の実家へ到着した。一緒にお腹の中にいる赤ちゃんに話しかけながら、誕生を心待ちにしていた。 夜中の0時、部屋で寝てると、いつもと違う痛みがきたと妻が言い始めた。それは10分間隔でやってきた。「陣痛か?」僕も妻もよく分からない。救急車を呼んで病院に行こうと行ったが妻はまだ大丈夫だと言った。1時間経過してまだ痛がってるのでこれは陣痛だと思い、病院へ向かった。 病室に入って検査を受けたらやはり陣痛だった。だんだん間隔がせばまってきてくる陣痛。腰をさすり、手を握りながら、励ます自分。もうすぐ赤ちゃんに会える喜びでいっぱいだった。はやく会いたいよ。それから夜の間、妻は陣痛と戦いながら寝て、僕も励ましながら寝た。 朝に検査を受けると、問題が生じた。赤ちゃんの心拍数が突然落ちたりしていた。医者は真剣な顔で「もっと大きい病院に行ったほうが良い」と言った。その顔と言葉から問題の大きさが分かった。看護婦さんが救急車を呼び都市部の大きな病院に行くことになった。 大きな病院に到着した。至急検査が行われた。待機室で指をくわえ、歩いては座り、考えにふけってはまた立ち上がり、いてもたってもいられなかった。大丈夫かなぁ?不安でいっぱいだった。悲鳴が聞こえてくる。唇をかみ締めながら、「がんばれ!」と心の中で叫ぶ。 検査が終わった。赤ちゃんの心臓は異常があるかないか産んでみないと分からないという事だった。もし赤ちゃんに異常があったら手術だったけど、とりあえず自然分娩にする事になった。ちょっぴり胸をなでおろした。帝王切開よりやっぱお母さんが踏ん張って赤ちゃんと協力して産むのが良いなぁと思っていたから。 妻がふんばる。ふんばる。子宮はもう十分開いているのに赤ちゃんが降りてこない。だんだん赤ちゃんの心拍数が弱くなっていく。お医者さんはこのままじゃ赤ちゃんに危険があると言って帝王切開をしたほうが良いと言う。お医者さんは迅速に書類を書き終え、サインを迫る。子供が危険なら選択の余地はなかった。妻が「子供はもっと産めるんですか?」とたずねる。大丈夫だとお医者さんは言う。でも最悪の場合、子宮を取り除く可能性もあるという。妻の目から涙が溢れた。僕の目からも涙が溢れた。 妻は手術室へ、僕は待機室へ。父に電話した。母に電話した。姉から電話が来た。上司から電話が来た。沢山の人が励ましてくれた。一人一人の声を聞いただけで、涙が止まらなかった。待機室での2時間、涙で目がパンパンに腫れた。 手術は成功した。妻は麻酔のせいで眠そうにも痛そうにも見えた。「おめでとう。本当にありがとう」って言ったら、妻は精一杯、微笑んでくれた。赤ちゃんはどうなったんだろう。 はやる気持ちを抑えて、新生児室へ。そこで目に飛び込んできた赤ちゃんが僕の娘だった。できたてホヤホヤでフニャフニャだけど、何故か笑っていて、メチャクチャ可愛かった。心臓にもどこにも異常は見当たらないということだった。じーっと見ていると涙が出てきた。両親に早く見せたいなぁ。妻に早く見せたいなぁ。みんなに早く見せたいなぁ。僕もずっと見ていたい。 今、娘は3歳になり、幼稚園に通っている。娘の顔は、赤ちゃんの頃から少しずつ変わっているけど、笑った顔は不思議と初めて見た時の産まれたばっかの笑顔と変わっていない。時代も世界も変わっていく中で、この笑顔だけは変わらないで欲しい。そして、この笑顔で僕達だけでなく、沢山の人を笑顔に変えていって欲しい。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // --> 赤ちゃんエッセイ:変わらない顔 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 顔は段々と変わっていく。産まれ立ては、お猿さんのような顔だし、この世を去る時は、シワクチャになっている。でも、変わらない顔を僕は知っている。 予定日の3週間前から、妻とお腹の赤ちゃんは実家に戻って、出産の日を待っていた。僕は仕事を終えて、クリスマスの日に彼女の実家へ到着した。一緒にお腹の中にいる赤ちゃんに話しかけながら、誕生を心待ちにしていた。 夜中の0時、部屋で寝てると、いつもと違う痛みがきたと妻が言い始めた。それは10分間隔でやってきた。「陣痛か?」僕も妻もよく分からない。救急車を呼んで病院に行こうと行ったが妻はまだ大丈夫だと言った。1時間経過してまだ痛がってるのでこれは陣痛だと思い、病院へ向かった。 病室に入って検査を受けたらやはり陣痛だった。だんだん間隔がせばまってきてくる陣痛。腰をさすり、手を握りながら、励ます自分。もうすぐ赤ちゃんに会える喜びでいっぱいだった。はやく会いたいよ。それから夜の間、妻は陣痛と戦いながら寝て、僕も励ましながら寝た。 朝に検査を受けると、問題が生じた。赤ちゃんの心拍数が突然落ちたりしていた。医者は真剣な顔で「もっと大きい病院に行ったほうが良い」と言った。その顔と言葉から問題の大きさが分かった。看護婦さんが救急車を呼び都市部の大きな病院に行くことになった。 大きな病院に到着した。至急検査が行われた。待機室で指をくわえ、歩いては座り、考えにふけってはまた立ち上がり、いてもたってもいられなかった。大丈夫かなぁ?不安でいっぱいだった。悲鳴が聞こえてくる。唇をかみ締めながら、「がんばれ!」と心の中で叫ぶ。 検査が終わった。赤ちゃんの心臓は異常があるかないか産んでみないと分からないという事だった。もし赤ちゃんに異常があったら手術だったけど、とりあえず自然分娩にする事になった。ちょっぴり胸をなでおろした。帝王切開よりやっぱお母さんが踏ん張って赤ちゃんと協力して産むのが良いなぁと思っていたから。 妻がふんばる。ふんばる。子宮はもう十分開いているのに赤ちゃんが降りてこない。だんだん赤ちゃんの心拍数が弱くなっていく。お医者さんはこのままじゃ赤ちゃんに危険があると言って帝王切開をしたほうが良いと言う。お医者さんは迅速に書類を書き終え、サインを迫る。子供が危険なら選択の余地はなかった。妻が「子供はもっと産めるんですか?」とたずねる。大丈夫だとお医者さんは言う。でも最悪の場合、子宮を取り除く可能性もあるという。妻の目から涙が溢れた。僕の目からも涙が溢れた。 妻は手術室へ、僕は待機室へ。父に電話した。母に電話した。姉から電話が来た。上司から電話が来た。沢山の人が励ましてくれた。一人一人の声を聞いただけで、涙が止まらなかった。待機室での2時間、涙で目がパンパンに腫れた。 手術は成功した。妻は麻酔のせいで眠そうにも痛そうにも見えた。「おめでとう。本当にありがとう」って言ったら、妻は精一杯、微笑んでくれた。赤ちゃんはどうなったんだろう。 はやる気持ちを抑えて、新生児室へ。そこで目に飛び込んできた赤ちゃんが僕の娘だった。できたてホヤホヤでフニャフニャだけど、何故か笑っていて、メチャクチャ可愛かった。心臓にもどこにも異常は見当たらないということだった。じーっと見ていると涙が出てきた。両親に早く見せたいなぁ。妻に早く見せたいなぁ。みんなに早く見せたいなぁ。僕もずっと見ていたい。 今、娘は3歳になり、幼稚園に通っている。娘の顔は、赤ちゃんの頃から少しずつ変わっているけど、笑った顔は不思議と初めて見た時の産まれたばっかの笑顔と変わっていない。時代も世界も変わっていく中で、この笑顔だけは変わらないで欲しい。そして、この笑顔で僕達だけでなく、沢山の人を笑顔に変えていって欲しい。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // -->
2015.2.6
コラム 妊娠・出産
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切迫流産・流産とは(2)
切迫流産・流産とは(2) 6~7人に1人の割合で起こってしまう流産。そのなかにはお母さんの力では防ぐことができないものと、気をつけていれば防げるものがあります。 Q:妊娠16週の健診で切迫流産と診断され自宅療養中です。どのように過ごせばいいですか?(ななこさん・40歳) 状態により安静の度合いが変わります。やっていいこと、ダメなことを医師に確認しましょう。 切迫流産は流産とは違い安静で妊娠は継続することも 流産と同じような症状で、流産になりかけている状態が切迫流産です。今にも流産しそうな印象を受けますが、必ずしも危険度が高いということではありません。妊娠22週未満で、出血や下腹部痛はあるけれど、超音波検査で胎児の心拍が確認されている場合につく診断名です。 12週未満で、心拍が確認でき、子宮の出口である子宮頸管が閉じていれば、そのまま流産に進行することは少ないとされています。安静に過ごしていれば妊娠を継続することも可能ですが、自己判断は禁物です。必ず医師の指示に従いましょう。 12週以降の切迫流産は、母体側の問題が原因となっている場合が多く、注意が必要な状態です。原因に応じた治療を行い、流産を防ぐ処置を取らなくてはなりません。感染症があれば抗生物質、16週以降で張りがある場合は子宮収縮抑制剤など、原因に合わせた薬が処方されることもあります。 安静の度合いは症状によって異なります 切迫流産と診断されたら、一番の治療は安静にすること。状態によって安静の度合いは異なるので、医師の指示に従いましょう。 自宅安静を指示されたら、基本的に外出は禁止。働いている人は、仕事も休まなくてはなりません。掃除、洗濯、食事の支度などの家事はどの程度していいのか、入浴していいのかなど、日常生活について細かく医師に確認しておきましょう。家事などの許可が出た場合でも、基本は安静。ご主人にサポートしてもらい、長時間立っていることのないようにしましょう。絶対安静と言われた場合は、布団を敷いて、食事やトイレ以外は横になって休みます。 症状が重い場合は、入院安静となります。食事もベッド上でとり、基本的にずっと寝ていなければなりません。それほど重い症状ではないけれど、小さな子どもがいるなどの事情で、自宅でゆっくり休めないという場合は、入院をすすめられることもあります。この場合は売店への買い物やトイレなど、多少の動作は大丈夫でしょう。 ○ 流産を予防する日常生活のポイント 体を冷やさない とくに下半身を冷やさないように注意。冬はもちろん、夏場、エアコンの効いた部屋ではひざ掛けや靴下で冷えから守りましょう。 リラックスして過ごす ゆったりとした気持ちで毎日を過ごしましょう。ストレスをためないよう、音楽や散歩など、自分に合ったストレス解消法をみつけて。 疲れないようにする 仕事や家事を頑張るのも、無理をせず、ほどほどに。睡眠をたっぷりとって、疲れをためないようにしましょう。 流産の徴候を見逃さない 出血と下腹部痛が異変のサイン。おりものに混ざる程度の少量出血でも、心配な時はすぐに受診しましょう。 関連記事:《 切迫流産・流産とは(1) 》 切迫流産・流産とは(2) 6~7人に1人の割合で起こってしまう流産。そのなかにはお母さんの力では防ぐことができないものと、気をつけていれば防げるものがあります。 Q:妊娠16週の健診で切迫流産と診断され自宅療養中です。どのように過ごせばいいですか?(ななこさん・40歳) 状態により安静の度合いが変わります。やっていいこと、ダメなことを医師に確認しましょう。 切迫流産は流産とは違い安静で妊娠は継続することも 流産と同じような症状で、流産になりかけている状態が切迫流産です。今にも流産しそうな印象を受けますが、必ずしも危険度が高いということではありません。妊娠22週未満で、出血や下腹部痛はあるけれど、超音波検査で胎児の心拍が確認されている場合につく診断名です。 12週未満で、心拍が確認でき、子宮の出口である子宮頸管が閉じていれば、そのまま流産に進行することは少ないとされています。安静に過ごしていれば妊娠を継続することも可能ですが、自己判断は禁物です。必ず医師の指示に従いましょう。 12週以降の切迫流産は、母体側の問題が原因となっている場合が多く、注意が必要な状態です。原因に応じた治療を行い、流産を防ぐ処置を取らなくてはなりません。感染症があれば抗生物質、16週以降で張りがある場合は子宮収縮抑制剤など、原因に合わせた薬が処方されることもあります。 安静の度合いは症状によって異なります 切迫流産と診断されたら、一番の治療は安静にすること。状態によって安静の度合いは異なるので、医師の指示に従いましょう。 自宅安静を指示されたら、基本的に外出は禁止。働いている人は、仕事も休まなくてはなりません。掃除、洗濯、食事の支度などの家事はどの程度していいのか、入浴していいのかなど、日常生活について細かく医師に確認しておきましょう。家事などの許可が出た場合でも、基本は安静。ご主人にサポートしてもらい、長時間立っていることのないようにしましょう。絶対安静と言われた場合は、布団を敷いて、食事やトイレ以外は横になって休みます。 症状が重い場合は、入院安静となります。食事もベッド上でとり、基本的にずっと寝ていなければなりません。それほど重い症状ではないけれど、小さな子どもがいるなどの事情で、自宅でゆっくり休めないという場合は、入院をすすめられることもあります。この場合は売店への買い物やトイレなど、多少の動作は大丈夫でしょう。 ○ 流産を予防する日常生活のポイント 体を冷やさない とくに下半身を冷やさないように注意。冬はもちろん、夏場、エアコンの効いた部屋ではひざ掛けや靴下で冷えから守りましょう。 リラックスして過ごす ゆったりとした気持ちで毎日を過ごしましょう。ストレスをためないよう、音楽や散歩など、自分に合ったストレス解消法をみつけて。 疲れないようにする 仕事や家事を頑張るのも、無理をせず、ほどほどに。睡眠をたっぷりとって、疲れをためないようにしましょう。 流産の徴候を見逃さない 出血と下腹部痛が異変のサイン。おりものに混ざる程度の少量出血でも、心配な時はすぐに受診しましょう。 関連記事:《 切迫流産・流産とは(1) 》
2015.2.6
コラム 妊娠・出産
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切迫流産・流産とは(1)
切迫流産・流産とは(1) 6~7人に1人の割合で起こってしまう流産。そのなかにはお母さんの力では防ぐことができないものと、気をつけていれば防げるものがあります。 Q:妊娠6週目。茶色いおりものが出てつわりの症状が消えました。もしかして流産?(にゃんころりさん・41歳) 流産のほとんどが12週までに起こります。おかしいと思ったらすぐ受診を。 初期流産のほとんどは胎児の染色体異常が原因 流産は、妊娠22週までにおなかの中で赤ちゃんが育たなくなり、妊娠を継続することができなくなることをいいます。全妊娠の12~15%、7~8人に1人の割合で起こり、決して珍しいことではありません。さらに高齢になるほど流産率は高くなり、40歳以上では30%以上、3~4人に1人という高い確率で、流産は起こってしまいます。 原因はいろいろありますが、12週までの初期に起こる流産の7~8割が、胎児の染色体異常と考えられています。流産は悲しいことですが、この時期の流産は母体側に原因はほとんどなく、防ぐ方法はありません。偶発的に起こる自然の摂理と考え、気持ちを切り替えるようにしましょう。 これに対し、12週以降に起こる後期流産は、母体側が抱える問題が原因で起こることが多くなります。子宮筋腫や子宮の奇形、子宮内感染や子宮口が自然に開いてしまう子宮頸管無力症などが主な原因です。いずれも原因となる病気に対して、治療や予防策をとっておけば、防げる可能性もあります。 出血、下腹部痛がサイン。流産は段階によって4種類 流産は、胎児が子宮内で死亡してから、体外に出てくるまでの段階により、稽留流産、進行流産、不全流産、完全流産の4種類に分けられます。 稽留流産は自覚症状がなく、妊娠6~8週頃の健診の時に、この頃に通常見ることのできる心拍が確認できないことでわかります。そのほかの流産は、出血やおなかの痛み、張りから始まることがほとんどです。いつもと違う気になる症状があった時は、すぐに受診しましょう。 残念ながら流産と診断された時は、完全流産以外は子宮の中の胎児や胎盤などを取り除く手術が必要になることも多いです。手術は静脈麻酔を使い、15~20分間眠っている間に終わります。術後はしばらく安静にし、その日のうちに帰宅できます。出血がしばらく続きますが、次第に減っていきます。月経が再開するころには、子宮も回復しています。2~3回の月経後、次の妊娠を考えても大丈夫でしょう。 ○ 流産の種類 完全流産 子宮内の胎児や胎盤がすべて出てしまった状態。出血や下腹部痛はしだいにおさまってきます。多くは内容物除去術が必要ありません。 不全流産 子宮内に胎盤の一部が残っている状態。出血や下腹部痛が続きます。残留物を取り除く処置が必要になることが多い。 進行流産 子宮口が開き、子宮収縮で胎児が出始めている状態。下腹部痛とかなりの出血が見られます。子宮内容物を早く取り除くことが必要です。 稽留流産 子宮内で胎児(胎芽)が死亡し、停滞している状態。自覚症状はなく、6~8週頃の健診時に心拍が確認できないことでわかります。子宮内容物を取り除くことが必要です。 関連記事:《 切迫流産・流産とは(2) 》 ■ あわせて読みたい ■ 切迫流産のなりやすさは、体質と関係ありますか? 初期流産の兆候について教えて下さい。 妊娠中に「切迫流産」と診断されたときの対処法とは? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 切迫流産・流産とは(1) 6~7人に1人の割合で起こってしまう流産。そのなかにはお母さんの力では防ぐことができないものと、気をつけていれば防げるものがあります。 Q:妊娠6週目。茶色いおりものが出てつわりの症状が消えました。もしかして流産?(にゃんころりさん・41歳) 流産のほとんどが12週までに起こります。おかしいと思ったらすぐ受診を。 初期流産のほとんどは胎児の染色体異常が原因 流産は、妊娠22週までにおなかの中で赤ちゃんが育たなくなり、妊娠を継続することができなくなることをいいます。全妊娠の12~15%、7~8人に1人の割合で起こり、決して珍しいことではありません。さらに高齢になるほど流産率は高くなり、40歳以上では30%以上、3~4人に1人という高い確率で、流産は起こってしまいます。 原因はいろいろありますが、12週までの初期に起こる流産の7~8割が、胎児の染色体異常と考えられています。流産は悲しいことですが、この時期の流産は母体側に原因はほとんどなく、防ぐ方法はありません。偶発的に起こる自然の摂理と考え、気持ちを切り替えるようにしましょう。 これに対し、12週以降に起こる後期流産は、母体側が抱える問題が原因で起こることが多くなります。子宮筋腫や子宮の奇形、子宮内感染や子宮口が自然に開いてしまう子宮頸管無力症などが主な原因です。いずれも原因となる病気に対して、治療や予防策をとっておけば、防げる可能性もあります。 出血、下腹部痛がサイン。流産は段階によって4種類 流産は、胎児が子宮内で死亡してから、体外に出てくるまでの段階により、稽留流産、進行流産、不全流産、完全流産の4種類に分けられます。 稽留流産は自覚症状がなく、妊娠6~8週頃の健診の時に、この頃に通常見ることのできる心拍が確認できないことでわかります。そのほかの流産は、出血やおなかの痛み、張りから始まることがほとんどです。いつもと違う気になる症状があった時は、すぐに受診しましょう。 残念ながら流産と診断された時は、完全流産以外は子宮の中の胎児や胎盤などを取り除く手術が必要になることも多いです。手術は静脈麻酔を使い、15~20分間眠っている間に終わります。術後はしばらく安静にし、その日のうちに帰宅できます。出血がしばらく続きますが、次第に減っていきます。月経が再開するころには、子宮も回復しています。2~3回の月経後、次の妊娠を考えても大丈夫でしょう。 ○ 流産の種類 完全流産 子宮内の胎児や胎盤がすべて出てしまった状態。出血や下腹部痛はしだいにおさまってきます。多くは内容物除去術が必要ありません。 不全流産 子宮内に胎盤の一部が残っている状態。出血や下腹部痛が続きます。残留物を取り除く処置が必要になることが多い。 進行流産 子宮口が開き、子宮収縮で胎児が出始めている状態。下腹部痛とかなりの出血が見られます。子宮内容物を早く取り除くことが必要です。 稽留流産 子宮内で胎児(胎芽)が死亡し、停滞している状態。自覚症状はなく、6~8週頃の健診時に心拍が確認できないことでわかります。子宮内容物を取り除くことが必要です。 関連記事:《 切迫流産・流産とは(2) 》 ■ あわせて読みたい ■ 切迫流産のなりやすさは、体質と関係ありますか? 初期流産の兆候について教えて下さい。 妊娠中に「切迫流産」と診断されたときの対処法とは? 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.2.5
コラム 妊娠・出産
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妊娠中のリスク(3)~持病を抱えた妊娠~
妊娠中のリスク(3) ~持病を抱えた妊娠~ 妊娠期間をトラブルなく過ごし安全な出産をするためには、健康な体でいることが大切。気になる症状や病気などは早めに対処して、リスクを管理していくようにしましょう。 Q:妊娠してから病気があることがわかりました。無事に出産できますか? (チョコさん・30歳) 症状を悪化させないよう、かかりつけ医と産婦人科医の指示に従い生活を管理しましょう。 高血圧 生活を改善してリスクを回避 もともと高血圧の人は、妊娠20週以降に診断される妊娠高血圧症候群に移行することが多いので、妊娠初期から注意が必要です。高血圧のまま妊娠が進むと、常位胎盤早期剥離、早産、子宮内胎児発育不全の危険が出てきます。妊娠を継続して無事に出産するために、生活をしっかりと管理していきましょう。 血圧を上げないようにするには、塩分を控えたバランスの良い食事、休養、適度な運動を続けることが大切です。それでも血圧が上がってしまう場合には、降圧剤が処方されることがあります。 心臓病 必ず主治医と相談を 妊娠すると血液量が増えるため、心臓の負担が大きくなります。心疾患のある人は、必ず主治医に妊娠・出産が可能かどうかを確認しなければなりません。妊娠継続の許可が出た後は睡眠や休息を十分に取り、無理のない日常生活を送りましょう。妊娠8カ月頃、循環血液量はピークとなり、非妊娠時の1.5倍になります。 万一に備え、早い時期から入院することもあります。出産は急変にも対応できる高度な医療設備を備えた病院で、専門医と産科医連携のもとで進められます。 糖尿病 食事と運動で血糖値をコントロール 妊娠前から患っている糖尿病、妊娠中に診断された明らかな糖尿病は、妊娠糖尿病と区別して考えられます。 糖尿病合併妊娠の最も重篤な合併症は胎児の奇形です。巨大児、低出生体重児の可能性も高くなります。予防するには血糖値のコントロールが重要。食事と運動で体重を管理します。それでコントロールできない時はインスリン治療を行います。 腎臓病 妊娠高血圧症候群の発症に注意 妊娠は腎臓に大きな負担をかけます。腎臓を流れる血液量も、糸球体におけるろ過率も非妊娠時より30~50%増えます。慢性腎炎やネフローゼ症候群などの腎臓疾患がある人は、状態が安定していれば医師の管理のもと妊娠・出産が可能です。 腎臓病があると妊娠高血圧症候群を発症しやすくなるので、特に注意が必要です。食事をしっかり管理し、安静を保ちましょう。定期健診以外にも、めまい、頭痛、発熱、むくみなどが現れたら、すぐに受診しましょう。無理は絶対にしないことです。 甲状腺機能異常 妊娠中も治療を続けることが不可欠 甲状腺機能異常には、機能が亢進するものと低下するものがあります。甲状腺モルモンが過剰に分泌される亢進症は20~30代の女性に多く、バセドウ病があります。低下症は30~50代の女性に多く、橋本病があります。治療は、バセドウ病は抗甲状腺剤を、橋本病は甲状腺モルモン剤を投与します。いずれも妊娠中も治療を続けなくてはなりません。薬を自己判断でやめてしまうと、バセドウ病では早産や妊娠高血圧症候群、橋本病では早産、妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離の確率が高くなります。 膠原病 産科医、内科医と密接な連携を 膠原病は全身の血管や皮膚、関節などに炎症が見られる病気の総称。その中の全身性エリテマトーデス(SLE)は20~30代の女性に多く発症、関節リウマチは30~50代の女性に多く発症します。 状態が安定していて、重篤な臓器障害がなければ妊娠は可能です。しかし流産や早産となる確率が高いため、産科医、内科医と密接な連携を取り、厳重に管理していくことが重要です。治療を続けたにもかかわらず、症状が悪化した場合は、母体の治療が優先されます。 関連記事: 《 妊娠中のリスク(1)~妊娠が原因で起こる病気~ 》 妊娠中のリスク(3) ~持病を抱えた妊娠~ 妊娠期間をトラブルなく過ごし安全な出産をするためには、健康な体でいることが大切。気になる症状や病気などは早めに対処して、リスクを管理していくようにしましょう。 Q:妊娠してから病気があることがわかりました。無事に出産できますか? (チョコさん・30歳) 症状を悪化させないよう、かかりつけ医と産婦人科医の指示に従い生活を管理しましょう。 高血圧 生活を改善してリスクを回避 もともと高血圧の人は、妊娠20週以降に診断される妊娠高血圧症候群に移行することが多いので、妊娠初期から注意が必要です。高血圧のまま妊娠が進むと、常位胎盤早期剥離、早産、子宮内胎児発育不全の危険が出てきます。妊娠を継続して無事に出産するために、生活をしっかりと管理していきましょう。 血圧を上げないようにするには、塩分を控えたバランスの良い食事、休養、適度な運動を続けることが大切です。それでも血圧が上がってしまう場合には、降圧剤が処方されることがあります。 心臓病 必ず主治医と相談を 妊娠すると血液量が増えるため、心臓の負担が大きくなります。心疾患のある人は、必ず主治医に妊娠・出産が可能かどうかを確認しなければなりません。妊娠継続の許可が出た後は睡眠や休息を十分に取り、無理のない日常生活を送りましょう。妊娠8カ月頃、循環血液量はピークとなり、非妊娠時の1.5倍になります。 万一に備え、早い時期から入院することもあります。出産は急変にも対応できる高度な医療設備を備えた病院で、専門医と産科医連携のもとで進められます。 糖尿病 食事と運動で血糖値をコントロール 妊娠前から患っている糖尿病、妊娠中に診断された明らかな糖尿病は、妊娠糖尿病と区別して考えられます。 糖尿病合併妊娠の最も重篤な合併症は胎児の奇形です。巨大児、低出生体重児の可能性も高くなります。予防するには血糖値のコントロールが重要。食事と運動で体重を管理します。それでコントロールできない時はインスリン治療を行います。 腎臓病 妊娠高血圧症候群の発症に注意 妊娠は腎臓に大きな負担をかけます。腎臓を流れる血液量も、糸球体におけるろ過率も非妊娠時より30~50%増えます。慢性腎炎やネフローゼ症候群などの腎臓疾患がある人は、状態が安定していれば医師の管理のもと妊娠・出産が可能です。 腎臓病があると妊娠高血圧症候群を発症しやすくなるので、特に注意が必要です。食事をしっかり管理し、安静を保ちましょう。定期健診以外にも、めまい、頭痛、発熱、むくみなどが現れたら、すぐに受診しましょう。無理は絶対にしないことです。 甲状腺機能異常 妊娠中も治療を続けることが不可欠 甲状腺機能異常には、機能が亢進するものと低下するものがあります。甲状腺モルモンが過剰に分泌される亢進症は20~30代の女性に多く、バセドウ病があります。低下症は30~50代の女性に多く、橋本病があります。治療は、バセドウ病は抗甲状腺剤を、橋本病は甲状腺モルモン剤を投与します。いずれも妊娠中も治療を続けなくてはなりません。薬を自己判断でやめてしまうと、バセドウ病では早産や妊娠高血圧症候群、橋本病では早産、妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離の確率が高くなります。 膠原病 産科医、内科医と密接な連携を 膠原病は全身の血管や皮膚、関節などに炎症が見られる病気の総称。その中の全身性エリテマトーデス(SLE)は20~30代の女性に多く発症、関節リウマチは30~50代の女性に多く発症します。 状態が安定していて、重篤な臓器障害がなければ妊娠は可能です。しかし流産や早産となる確率が高いため、産科医、内科医と密接な連携を取り、厳重に管理していくことが重要です。治療を続けたにもかかわらず、症状が悪化した場合は、母体の治療が優先されます。 関連記事: 《 妊娠中のリスク(1)~妊娠が原因で起こる病気~ 》
2015.2.2
コラム 妊娠・出産
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妊娠中のリスク(2) ~婦人科系疾患を抱えた妊娠~
妊娠中のリスク(2)~婦人科系疾患を抱えた妊娠~ 妊娠期間をトラブルなく過ごし安全な出産をするためには、健康な体でいることが大切。気になる症状や病気などは早めに対処して、リスクを管理していくようにしましょう。 子宮筋腫 Q:子宮筋腫があります。出産にどんな影響があるのでしょうか?(ポコさん・31歳) 筋腫の場所や大きさによって、治療や分娩の方針を決めていきます。 子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、成人女性の30%に子宮筋腫があるといわれるほど、もっとも多い婦人科系疾患です。30~40代に多く、35歳を過ぎると発症率が高くなります。筋腫が小さいうちは自覚症状がないため、妊娠の検査ではじめて発見されることも多い病気です。 妊娠・出産への影響は、筋腫の場所と大きさによって違います。筋腫が大きくて胎児の発育が阻害されたり、周囲の臓器を圧迫すると腹痛などの原因になります。また筋腫が痛むと子宮収縮を促すことになり、流産や早産の原因になります。現在では妊娠中に手術を行うことは少なく、感染予防に注意しながら経過を観察します。 出産は、筋腫が産道をふさいでいなければ、経腟分娩が可能です。しかし微弱陣痛や分娩が長引くことが多くなり、帝王切開になる場合もあります。 卵巣腫瘍 9割が心配ない良性の卵巣のう腫 卵巣にできる腫瘍のうち、9割が良性の卵巣のう腫です。のう腫とは、液状の成分がたまって、こぶのように大きく腫れたものです。また妊娠初期に腫れが発見された場合、ルテインのう胞の可能性もあります。この場合は12週以降小さくなり、20週頃になくなります。 卵巣のう腫はほとんどの場合、妊娠、出産に影響がないので、経過観察になります。しかし、大きくなると卵巣を子宮や骨盤とつなぐ組織がねじれて茎捻転をおこし、激痛が襲います。そのため直径7cm以上の大きさのものは、手術をすることもあります。 腫瘍が良性か悪性かを判定するのは、妊娠中は困難です。MRI検査で悪性が強く疑われる場合、がんの進行や転移が懸念され、除去手術が検討されることもあります。 子宮内膜症 妊娠により症状が改善する病気 子宮内膜症とは、子宮内膜または子宮内膜に似た組織が子宮内腔以外の卵巣や卵管、腹膜などに発生してしまう病気です。毎月月経期になると、子宮内膜症がある場所でも内膜の剥離・出血があり、それが痛みとなって現れます。また毎月出血を繰り返すことで、その部位に炎症や癒着を起こし、月経時以外でも下腹部痛を感じることになります。 このように月経と関連がある病気なので、月経がない妊娠中は症状が改善します。また内膜が子宮の筋層内に入り込んだものは子宮腺筋症と呼ばれ、子宮筋腫とよく似た症状が現れます。大きくなることも筋腫と共通しているので、治療は筋腫に準じて考えられることが多いようです。 子宮がん 初期の子宮頸がんなら患部を切除 子宮がんには、子宮頸部にできる頸がんと、子宮内にできる体がんがあります。近年子宮体がんが急増し、頸がんと体がんの比率は約半々となっています。 子宮頸がんの原因の多くは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染で、初交経験が早くパートナーの数が多いほど、また出産回数が多いほどかかりやすいとされています。妊娠中に診断される子宮頸がんの多くは上皮内がんです。治療はがんの進行度、妊娠週数によって異なりますが、初期の段階なら患部を切除することになります。 病気が発見された場合は、ご主人とよく話し合い、医師と相談をして、治療方針を決めましょう。ただし母体の命を守ることが最優先となります。 子宮奇形 流産・早産の原因になることも 子宮の内部が2つに分かれていたり、子宮の上部がくびれていたり、子宮が2つあったりと、さまざまな奇形パターンがあります。自覚症状はほとんどなく、日常生活にも支障はありません。しかし変形していることで子宮内の血流に障害が起こり、流産や早産になる心配があります。また子宮の形や胎盤の位置によっては、胎盤がはがれやすくなることもあります。出産時には難産になることもあり、帝王切開も検討されます。 乳がん 早期発見なら、妊娠も継続 乳がんは発見される時期と、進行度で治療方針が変わってきます。以前は妊娠の継続が母体に悪影響を及ぼすという理由で、赤ちゃんをあきらめなくてはなりませんでしたが、現在では腫瘍を切除し、妊娠を継続することが一般的です。 妊娠中は、胎児の発達に影響がない治療を行います。化学療法や放射線治療は行えないので、本格的な治療は出産後まで待つことになります。 関連記事: 《 妊娠中のリスク(3)~持病を抱えた妊娠~ 》 妊娠中のリスク(2)~婦人科系疾患を抱えた妊娠~ 妊娠期間をトラブルなく過ごし安全な出産をするためには、健康な体でいることが大切。気になる症状や病気などは早めに対処して、リスクを管理していくようにしましょう。 子宮筋腫 Q:子宮筋腫があります。出産にどんな影響があるのでしょうか?(ポコさん・31歳) 筋腫の場所や大きさによって、治療や分娩の方針を決めていきます。 子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、成人女性の30%に子宮筋腫があるといわれるほど、もっとも多い婦人科系疾患です。30~40代に多く、35歳を過ぎると発症率が高くなります。筋腫が小さいうちは自覚症状がないため、妊娠の検査ではじめて発見されることも多い病気です。 妊娠・出産への影響は、筋腫の場所と大きさによって違います。筋腫が大きくて胎児の発育が阻害されたり、周囲の臓器を圧迫すると腹痛などの原因になります。また筋腫が痛むと子宮収縮を促すことになり、流産や早産の原因になります。現在では妊娠中に手術を行うことは少なく、感染予防に注意しながら経過を観察します。 出産は、筋腫が産道をふさいでいなければ、経腟分娩が可能です。しかし微弱陣痛や分娩が長引くことが多くなり、帝王切開になる場合もあります。 卵巣腫瘍 9割が心配ない良性の卵巣のう腫 卵巣にできる腫瘍のうち、9割が良性の卵巣のう腫です。のう腫とは、液状の成分がたまって、こぶのように大きく腫れたものです。また妊娠初期に腫れが発見された場合、ルテインのう胞の可能性もあります。この場合は12週以降小さくなり、20週頃になくなります。 卵巣のう腫はほとんどの場合、妊娠、出産に影響がないので、経過観察になります。しかし、大きくなると卵巣を子宮や骨盤とつなぐ組織がねじれて茎捻転をおこし、激痛が襲います。そのため直径7cm以上の大きさのものは、手術をすることもあります。 腫瘍が良性か悪性かを判定するのは、妊娠中は困難です。MRI検査で悪性が強く疑われる場合、がんの進行や転移が懸念され、除去手術が検討されることもあります。 子宮内膜症 妊娠により症状が改善する病気 子宮内膜症とは、子宮内膜または子宮内膜に似た組織が子宮内腔以外の卵巣や卵管、腹膜などに発生してしまう病気です。毎月月経期になると、子宮内膜症がある場所でも内膜の剥離・出血があり、それが痛みとなって現れます。また毎月出血を繰り返すことで、その部位に炎症や癒着を起こし、月経時以外でも下腹部痛を感じることになります。 このように月経と関連がある病気なので、月経がない妊娠中は症状が改善します。また内膜が子宮の筋層内に入り込んだものは子宮腺筋症と呼ばれ、子宮筋腫とよく似た症状が現れます。大きくなることも筋腫と共通しているので、治療は筋腫に準じて考えられることが多いようです。 子宮がん 初期の子宮頸がんなら患部を切除 子宮がんには、子宮頸部にできる頸がんと、子宮内にできる体がんがあります。近年子宮体がんが急増し、頸がんと体がんの比率は約半々となっています。 子宮頸がんの原因の多くは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染で、初交経験が早くパートナーの数が多いほど、また出産回数が多いほどかかりやすいとされています。妊娠中に診断される子宮頸がんの多くは上皮内がんです。治療はがんの進行度、妊娠週数によって異なりますが、初期の段階なら患部を切除することになります。 病気が発見された場合は、ご主人とよく話し合い、医師と相談をして、治療方針を決めましょう。ただし母体の命を守ることが最優先となります。 子宮奇形 流産・早産の原因になることも 子宮の内部が2つに分かれていたり、子宮の上部がくびれていたり、子宮が2つあったりと、さまざまな奇形パターンがあります。自覚症状はほとんどなく、日常生活にも支障はありません。しかし変形していることで子宮内の血流に障害が起こり、流産や早産になる心配があります。また子宮の形や胎盤の位置によっては、胎盤がはがれやすくなることもあります。出産時には難産になることもあり、帝王切開も検討されます。 乳がん 早期発見なら、妊娠も継続 乳がんは発見される時期と、進行度で治療方針が変わってきます。以前は妊娠の継続が母体に悪影響を及ぼすという理由で、赤ちゃんをあきらめなくてはなりませんでしたが、現在では腫瘍を切除し、妊娠を継続することが一般的です。 妊娠中は、胎児の発達に影響がない治療を行います。化学療法や放射線治療は行えないので、本格的な治療は出産後まで待つことになります。 関連記事: 《 妊娠中のリスク(3)~持病を抱えた妊娠~ 》
2015.2.2
コラム 妊娠・出産
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妊娠中のリスク(1)~妊娠が原因で起こる病気~
妊娠中のリスク(1) ~妊娠が原因で起こる病気~ 妊娠期間をトラブルなく過ごし安全な出産をするためには、健康な体でいることが大切。気になる症状や病気などは早めに対処して、リスクを管理していくようにしましょう。 妊娠高血圧症候群 Q:低血圧だったのに、妊娠してから高血圧になってしまい不安です。(ひとみさん・30歳) 妊娠することでかかる病気で最も多いのが、妊娠高血圧症候群です。 妊娠高血圧症候群は、妊娠によって血管に負荷がかかることで起こり、妊娠後期に起こりやすいといわれています。また年齢が高くなるほど、発症率が高くなることが分かっています。血管が異常収縮することで高血圧になり、腎臓への負担が大きくなることで尿たんぱくなどの症状が現れます。妊娠20週以降で高血圧と尿たんぱくの両方、または高血圧だけの場合でも妊娠高血圧症候群と診断されます。 妊娠高血圧症候群を発症すると、血管の異常収縮などで胎盤の血流が悪くなり、胎児に十分な栄養や酸素が届かなくなります。その結果、胎児の発育に遅れが出ることがあります。また母体も脳卒中を起こしたり、出血が止まりにくくなる場合もあります。常位胎盤早期剥離や早産の原因になることもあるので、厳重な管理が必要となります。 治療法は安静にすることと、食事の改善が中心です。重症の場合は降圧剤を服用したり、入院が必要となることもあります。母体と赤ちゃんの状態を管理し、病状によっては帝王切開で早めに赤ちゃんを出してあげる場合もあります。 体重を管理すること、うす味の食事を心がけること、適度に運動することなどが予防法としてあげられます。ストレスのない規則正しい生活を送ることも大切です。高血圧も腎機能の低下も軽度のうちは自覚症状がないため、妊婦健診をきちんと受けることがとても大事です。 妊娠糖尿病 Q:妊娠糖尿病と診断され、注意していても体重が増えてしまいます。(ひとみさん・30歳) 自分でコントロールできない場合は栄養士から指導を受けましょう。 糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンが不足し、血液中のブドウ糖がうまく利用できなくなって、尿中に糖が排出される病気です。この異常が妊娠したことで起こるのが妊娠糖尿病。妊娠中は胎盤から血液を通じて赤ちゃんにブドウ糖が送られます。より多くのブドウ糖を送るために、胎盤から出るホルモンの影響でインスリンの作用が抑制されるので、糖尿病のような状態になってしまうのです。妊娠糖尿病を発見するために、毎回妊婦健診で尿糖を検査します。基準値を超えた場合や、2回続けて陽性だった場合は、より詳しい検査に進みます。 母体が糖尿病にかかっていると、赤ちゃんが4㎏以上の巨大児になることが多く、奇形の原因となることもあります。生まれた赤ちゃんが糖代謝異常になるという心配も。また母体の血管が高血糖でダメージを受け、妊娠高血圧症候群を併発したり、羊水過多症になることもあります。妊娠が原因の病気なので、出産すれば治ることが多いのですが、近年の研究では、妊娠糖尿病にかかった人のうち40%以上の人が5年以内に糖尿病を発症するという報告があります。 塩分や糖分を控えた、薄味で低カロリー・高たんぱくの食事を心がけましょう。治療の場合は症状に応じて摂取カロリーを制限します。自分でできない時は栄養士に相談を。それでも血糖値が正常にならない場合はインスリン治療が行われます。予防も治療も、適度な運動が大事です。毎日の生活の中にウォーキングなどの軽い運動を取り入れましょう。またストレスを感じると血糖値を上げるホルモンが分泌されるので、自分に合った解消法を見つけて、穏やかな気持ちで過ごしましょう。 関連記事: 《 妊娠中のリスク(2)~婦人科系疾患を抱えた妊娠~ 》 ■ あわせて読みたい ■ 妊娠前には喫煙もしていました。お酒もよく飲んでいたのですが、子どもへの影響が心配です 薬を飲まずに妊娠中の風邪を治す方法は? つわりを軽くする食べ物はありますか? もしかして妊娠したかも!?妊娠初期の兆候をチェック 赤ちゃんに影響するかも!妊娠中に気をつけたい感染症 女性のための健康生活マガジン JINEKO 妊娠中のリスク(1) ~妊娠が原因で起こる病気~ 妊娠期間をトラブルなく過ごし安全な出産をするためには、健康な体でいることが大切。気になる症状や病気などは早めに対処して、リスクを管理していくようにしましょう。 妊娠高血圧症候群 Q:低血圧だったのに、妊娠してから高血圧になってしまい不安です。(ひとみさん・30歳) 妊娠することでかかる病気で最も多いのが、妊娠高血圧症候群です。 妊娠高血圧症候群は、妊娠によって血管に負荷がかかることで起こり、妊娠後期に起こりやすいといわれています。また年齢が高くなるほど、発症率が高くなることが分かっています。血管が異常収縮することで高血圧になり、腎臓への負担が大きくなることで尿たんぱくなどの症状が現れます。妊娠20週以降で高血圧と尿たんぱくの両方、または高血圧だけの場合でも妊娠高血圧症候群と診断されます。 妊娠高血圧症候群を発症すると、血管の異常収縮などで胎盤の血流が悪くなり、胎児に十分な栄養や酸素が届かなくなります。その結果、胎児の発育に遅れが出ることがあります。また母体も脳卒中を起こしたり、出血が止まりにくくなる場合もあります。常位胎盤早期剥離や早産の原因になることもあるので、厳重な管理が必要となります。 治療法は安静にすることと、食事の改善が中心です。重症の場合は降圧剤を服用したり、入院が必要となることもあります。母体と赤ちゃんの状態を管理し、病状によっては帝王切開で早めに赤ちゃんを出してあげる場合もあります。 体重を管理すること、うす味の食事を心がけること、適度に運動することなどが予防法としてあげられます。ストレスのない規則正しい生活を送ることも大切です。高血圧も腎機能の低下も軽度のうちは自覚症状がないため、妊婦健診をきちんと受けることがとても大事です。 妊娠糖尿病 Q:妊娠糖尿病と診断され、注意していても体重が増えてしまいます。(ひとみさん・30歳) 自分でコントロールできない場合は栄養士から指導を受けましょう。 糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンが不足し、血液中のブドウ糖がうまく利用できなくなって、尿中に糖が排出される病気です。この異常が妊娠したことで起こるのが妊娠糖尿病。妊娠中は胎盤から血液を通じて赤ちゃんにブドウ糖が送られます。より多くのブドウ糖を送るために、胎盤から出るホルモンの影響でインスリンの作用が抑制されるので、糖尿病のような状態になってしまうのです。妊娠糖尿病を発見するために、毎回妊婦健診で尿糖を検査します。基準値を超えた場合や、2回続けて陽性だった場合は、より詳しい検査に進みます。 母体が糖尿病にかかっていると、赤ちゃんが4㎏以上の巨大児になることが多く、奇形の原因となることもあります。生まれた赤ちゃんが糖代謝異常になるという心配も。また母体の血管が高血糖でダメージを受け、妊娠高血圧症候群を併発したり、羊水過多症になることもあります。妊娠が原因の病気なので、出産すれば治ることが多いのですが、近年の研究では、妊娠糖尿病にかかった人のうち40%以上の人が5年以内に糖尿病を発症するという報告があります。 塩分や糖分を控えた、薄味で低カロリー・高たんぱくの食事を心がけましょう。治療の場合は症状に応じて摂取カロリーを制限します。自分でできない時は栄養士に相談を。それでも血糖値が正常にならない場合はインスリン治療が行われます。予防も治療も、適度な運動が大事です。毎日の生活の中にウォーキングなどの軽い運動を取り入れましょう。またストレスを感じると血糖値を上げるホルモンが分泌されるので、自分に合った解消法を見つけて、穏やかな気持ちで過ごしましょう。 関連記事: 《 妊娠中のリスク(2)~婦人科系疾患を抱えた妊娠~ 》 ■ あわせて読みたい ■ 妊娠前には喫煙もしていました。お酒もよく飲んでいたのですが、子どもへの影響が心配です 薬を飲まずに妊娠中の風邪を治す方法は? つわりを軽くする食べ物はありますか? もしかして妊娠したかも!?妊娠初期の兆候をチェック 赤ちゃんに影響するかも!妊娠中に気をつけたい感染症 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.2.2
コラム 妊娠・出産
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妊娠中のトラブルもなく41歳で待望の赤ちゃんを出産
妊娠中のトラブルもなく41歳で待望の赤ちゃんを出産 バラバラだった基礎体温を漢方で整え、3カ月で不妊を克服。妊娠中は何事もあまり心配しすぎないように自然体で過ごし、41歳で待望のママになった由美さんのストーリーです。 漢方で長年の生理痛が改善すぐに待望の妊娠 由美さんは39歳の時、仕事関係で知り合ったご主人(35歳)と結婚。子どもはすぐにでも欲しい、年齢的に急がないと難しくなると思い、基礎体温を測り始めました。3~4カ月測ってみると、きれいな二相にはならず、バラバラなグラフに……。 「いつも相談にのってもらう、子どもが3人いる友人にそのことを話したら、漢方はどうかとすすめられたんです。不妊治療となると勇気がいるので、初めは気軽にできることからやってみようと、漢方薬局を訪れました。先生に『周期調節法を始めると基礎体温が整って、妊娠しやすい体にもっていってくれる』というお話をお聞きし、始めてみることにしました」 効果はすぐにあらわれました。それまで由美さんはずっと生理痛がひどく、市販の薬では効かないので、毎月婦人科に鎮痛剤をもらいに行っていました。それが漢方を飲み始めて1カ月で、鎮痛剤を飲まなくても日常生活を送れるくらいになったのです。 「漢方はお安いものではないので、初めはちょっと試して効果がなかったらやめようと思っていたんです。ところが最初の月で効果が出たので、びっくりしました。主人も私が毎月痛がっているのを知っていたので、驚いていましたね。それで頑張って続けてみることにしました」 冷え性だった体も、だんだんと温まってきている感じがわかりました。そして始めてから3カ月で、待望の赤ちゃんを授かります。 妊娠中は好きなことをしてストレスや不安がないように 結婚する前に仕事を辞めていた由美さんは、妊娠期間をゆったりと過ごしました。 「つわりがほとんどなかったので、食べられないものもなく、体は楽でした。だから毎日家のことをしたり、出産したあとのことを考えながら、妊婦さん向けの雑誌を読んだりして過ごしました。適度な運動がよいと聞いていたので、自宅近くの川沿いの遊歩道をウォーキング。毎日30~40分は歩いていました。リラックス法としては、お風呂が大好きなので、30分くらいの半身浴をしていました。体も温まりますし、毎日楽しみで(笑)」 そうしてストレスのない生活を心がけていても、初めての出産で不安なことはなかったのでしょうか? 「やはり流産の心配はしていました。でも普通に過ごしていて大丈夫だったので、私の中の不安はすぐになくなったのですが、私より主人のほうが心配していたかも。『やっとできたんだから、体冷やさないでね』と言っていました。あとは、周りの友人はみんなもう子どもが大きいので、わからないことや不安なことがあるとすぐに聞いていました。自分の中でモヤモヤをためることがなかったので、ありがたかったです」 赤ちゃんの名前は夫婦二人の思いをこめて 赤ちゃんの性別は、生まれてくるまであえて聞かないようにしようと、夫婦で決めていました。 「健康に生まれてくれればどちらでもいいと思っていました。誕生した時にわかる感動をとっておきたい気持ちもあり、教えてもらわないようにしていました」 だから名前は、男の子女の子、両方の候補を二人で考えていました。生まれたのが男の子だったので、つけた名前が『真那斗』ちゃん。 「“まな"というのはハワイ語で“奇跡"という意味です。“この子が生まれた奇跡に感謝して……"という意味でつけました。ハワイは新婚旅行で行った思い出の地でもあるんです」 パパも積極的に育児参加。二人で協力して育児中 ご主人は真那斗ちゃんがおなかにいる時から、由美さんと一緒によく話しかけていたそうです。生まれてくる前からパパとして接していたこともあるのか、育児にもとても協力的。 「お風呂は毎日パパが入れてくれます。おむつ替えもミルクもなんでもやってくれます。昨年末は子どもを主人がみていてくれたので、私はクリスマスケーキ作りの講習会に行かせてもらいました。育児で大変なこと? あるかな? 子ども中心の生活にはなりましたが、泣いて私たちを困らせることもないし、夜もよく寝てくれます。おっとりした子みたいですね(笑)」 ご主人の協力や理解もあり、由美さんは自然体で育児ができているようです。夫婦の愛情をいっぱい受けて、真那斗ちゃんはきっと、二人が望む通り元気で優しい子に育ってくれることでしょう。 <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // --> 妊娠中のトラブルもなく41歳で待望の赤ちゃんを出産 バラバラだった基礎体温を漢方で整え、3カ月で不妊を克服。妊娠中は何事もあまり心配しすぎないように自然体で過ごし、41歳で待望のママになった由美さんのストーリーです。 漢方で長年の生理痛が改善すぐに待望の妊娠 由美さんは39歳の時、仕事関係で知り合ったご主人(35歳)と結婚。子どもはすぐにでも欲しい、年齢的に急がないと難しくなると思い、基礎体温を測り始めました。3~4カ月測ってみると、きれいな二相にはならず、バラバラなグラフに……。 「いつも相談にのってもらう、子どもが3人いる友人にそのことを話したら、漢方はどうかとすすめられたんです。不妊治療となると勇気がいるので、初めは気軽にできることからやってみようと、漢方薬局を訪れました。先生に『周期調節法を始めると基礎体温が整って、妊娠しやすい体にもっていってくれる』というお話をお聞きし、始めてみることにしました」 効果はすぐにあらわれました。それまで由美さんはずっと生理痛がひどく、市販の薬では効かないので、毎月婦人科に鎮痛剤をもらいに行っていました。それが漢方を飲み始めて1カ月で、鎮痛剤を飲まなくても日常生活を送れるくらいになったのです。 「漢方はお安いものではないので、初めはちょっと試して効果がなかったらやめようと思っていたんです。ところが最初の月で効果が出たので、びっくりしました。主人も私が毎月痛がっているのを知っていたので、驚いていましたね。それで頑張って続けてみることにしました」 冷え性だった体も、だんだんと温まってきている感じがわかりました。そして始めてから3カ月で、待望の赤ちゃんを授かります。 妊娠中は好きなことをしてストレスや不安がないように 結婚する前に仕事を辞めていた由美さんは、妊娠期間をゆったりと過ごしました。 「つわりがほとんどなかったので、食べられないものもなく、体は楽でした。だから毎日家のことをしたり、出産したあとのことを考えながら、妊婦さん向けの雑誌を読んだりして過ごしました。適度な運動がよいと聞いていたので、自宅近くの川沿いの遊歩道をウォーキング。毎日30~40分は歩いていました。リラックス法としては、お風呂が大好きなので、30分くらいの半身浴をしていました。体も温まりますし、毎日楽しみで(笑)」 そうしてストレスのない生活を心がけていても、初めての出産で不安なことはなかったのでしょうか? 「やはり流産の心配はしていました。でも普通に過ごしていて大丈夫だったので、私の中の不安はすぐになくなったのですが、私より主人のほうが心配していたかも。『やっとできたんだから、体冷やさないでね』と言っていました。あとは、周りの友人はみんなもう子どもが大きいので、わからないことや不安なことがあるとすぐに聞いていました。自分の中でモヤモヤをためることがなかったので、ありがたかったです」 赤ちゃんの名前は夫婦二人の思いをこめて 赤ちゃんの性別は、生まれてくるまであえて聞かないようにしようと、夫婦で決めていました。 「健康に生まれてくれればどちらでもいいと思っていました。誕生した時にわかる感動をとっておきたい気持ちもあり、教えてもらわないようにしていました」 だから名前は、男の子女の子、両方の候補を二人で考えていました。生まれたのが男の子だったので、つけた名前が『真那斗』ちゃん。 「“まな"というのはハワイ語で“奇跡"という意味です。“この子が生まれた奇跡に感謝して……"という意味でつけました。ハワイは新婚旅行で行った思い出の地でもあるんです」 パパも積極的に育児参加。二人で協力して育児中 ご主人は真那斗ちゃんがおなかにいる時から、由美さんと一緒によく話しかけていたそうです。生まれてくる前からパパとして接していたこともあるのか、育児にもとても協力的。 「お風呂は毎日パパが入れてくれます。おむつ替えもミルクもなんでもやってくれます。昨年末は子どもを主人がみていてくれたので、私はクリスマスケーキ作りの講習会に行かせてもらいました。育児で大変なこと? あるかな? 子ども中心の生活にはなりましたが、泣いて私たちを困らせることもないし、夜もよく寝てくれます。おっとりした子みたいですね(笑)」 ご主人の協力や理解もあり、由美さんは自然体で育児ができているようです。夫婦の愛情をいっぱい受けて、真那斗ちゃんはきっと、二人が望む通り元気で優しい子に育ってくれることでしょう。 <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // -->
2015.1.30
コラム 妊娠・出産
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授乳表
赤ちゃんエッセイ:授乳表 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「じゃあ、何かあったら呼んで下さいね」 オムツの代え方と母乳の吸わせ方を簡単に説明すると、看護師さんは行ってしまいました。 仮死状態になり吸引でようやく生まれた息子。二人きりになった瞬間の緊張と不安は、今でも忘れられません。こんなに早く子育てが始まるとは。正直、もう少しゆっくりさせて貰えると思っていました。さっそく泣き出す息子に、おそるおそるおっぱいをくわえさせましたが、痛いばかりで、何か出ているのか、よく分かりませんでした。そう、ここから、幸せな幸せな子育て…ではなく、地獄の時間が始まったのです。後になって知りましたが、ここはおっぱい指導に関して、かなりのスパルタ病院でした。長時間、私を休ませることなく、すぐに授乳をさせたのも、その為です。 しかし、子供が生まれたからと言って、必要な分だけ、母乳がびゅーっとでるわけではありません。という事も、その時知ったのですが、吸わせても吸わせても、乳首がじわりとしめる程度にしか母乳はでませんでした。もちろん、息子はお腹が空いて泣きます。泣き止むのは、乳首を口にふくんでいる時間だけです。たまらずナースコールしました。 「全然、泣き止まないんです。」 するとベテラン婦長さんが言いました。 「大丈夫。赤ちゃんはね、お母さんのお腹から、お弁当持って生まれてくるのよ。母乳が出始めるまでの何日か、おっぱい飲めなくても、大丈夫。」 なぜか、婦長さんが部屋にいてくれるだけで、ほっとしましたが、「じゃ、とにかく吸わせて」と言って行ってしまうと、とたんに不安で悲しくなりました。 言われたとおり、とにかく吸わせ続けますが、息子を支える腕と首がパンパン。途中、乳首の先が切れて出血し始めると、そこを吸われる激痛がさらに私を弱気にさせます。もう、本当に、辛くて、産後3日間は、私も赤ちゃんと一緒に泣き続けました。お見舞いにきた人が驚くほど、目ははれ上がり、やつれていました。この顔を見れば、何か、手を差し伸べてくれるかもしれないと、ナースコールしますが、いつも答えは一緒です。 「水分、1日2リットル。ご飯をしっかり食べて、あとは、頑張って吸わせて!」 言われたとおり、毎日2リットルのお水を飲みました。ひたすら吸わせました。4日目の朝、明らかに昨日までとは違い、おっぱいが固くなっている事に気づきました。 「きた!」 ぎゅっと押してみますが、にじみ出る量は、昨日までと変わりません。その後、看護師さんが来て、中ででき始めた母乳をしっかり出すための、マッサージをしてくれました。これもまた激痛でしたが、ぽたぽたと落ち始める母乳が嬉しくて、痛い痛いと騒ぎながらも、ずっと笑っていました。マッサージが終わり、もう一度、吸わせてみると、息子ののど元が昨日までとは少し違う音をたてています。この日の夜、私ははじめて3時間、寝ることができました。 そして、退院の日。びっしりと書き込まれた授乳表を手渡されました。 「これはお母さんが頑張った証ですよ。よく頑張りましたね。」 私はとても誇らしい気持ちで授乳表を受け取り、息子のおでこにキスをしました。 「一緒に頑張ってくれて、ありがとう。」 あれから8年。未だに、その紙は私の宝物です。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト ■ あわせて読みたい ■ 歳をとるにつれ、産後の子宮の戻りは悪くなる? 出産経験者の8割は、元の体型に戻れない!?原因は骨盤にあった 出産後の過ごし方(1) 女性のための健康生活マガジン JINEKO 赤ちゃんエッセイ:授乳表 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「じゃあ、何かあったら呼んで下さいね」 オムツの代え方と母乳の吸わせ方を簡単に説明すると、看護師さんは行ってしまいました。 仮死状態になり吸引でようやく生まれた息子。二人きりになった瞬間の緊張と不安は、今でも忘れられません。こんなに早く子育てが始まるとは。正直、もう少しゆっくりさせて貰えると思っていました。さっそく泣き出す息子に、おそるおそるおっぱいをくわえさせましたが、痛いばかりで、何か出ているのか、よく分かりませんでした。そう、ここから、幸せな幸せな子育て…ではなく、地獄の時間が始まったのです。後になって知りましたが、ここはおっぱい指導に関して、かなりのスパルタ病院でした。長時間、私を休ませることなく、すぐに授乳をさせたのも、その為です。 しかし、子供が生まれたからと言って、必要な分だけ、母乳がびゅーっとでるわけではありません。という事も、その時知ったのですが、吸わせても吸わせても、乳首がじわりとしめる程度にしか母乳はでませんでした。もちろん、息子はお腹が空いて泣きます。泣き止むのは、乳首を口にふくんでいる時間だけです。たまらずナースコールしました。 「全然、泣き止まないんです。」 するとベテラン婦長さんが言いました。 「大丈夫。赤ちゃんはね、お母さんのお腹から、お弁当持って生まれてくるのよ。母乳が出始めるまでの何日か、おっぱい飲めなくても、大丈夫。」 なぜか、婦長さんが部屋にいてくれるだけで、ほっとしましたが、「じゃ、とにかく吸わせて」と言って行ってしまうと、とたんに不安で悲しくなりました。 言われたとおり、とにかく吸わせ続けますが、息子を支える腕と首がパンパン。途中、乳首の先が切れて出血し始めると、そこを吸われる激痛がさらに私を弱気にさせます。もう、本当に、辛くて、産後3日間は、私も赤ちゃんと一緒に泣き続けました。お見舞いにきた人が驚くほど、目ははれ上がり、やつれていました。この顔を見れば、何か、手を差し伸べてくれるかもしれないと、ナースコールしますが、いつも答えは一緒です。 「水分、1日2リットル。ご飯をしっかり食べて、あとは、頑張って吸わせて!」 言われたとおり、毎日2リットルのお水を飲みました。ひたすら吸わせました。4日目の朝、明らかに昨日までとは違い、おっぱいが固くなっている事に気づきました。 「きた!」 ぎゅっと押してみますが、にじみ出る量は、昨日までと変わりません。その後、看護師さんが来て、中ででき始めた母乳をしっかり出すための、マッサージをしてくれました。これもまた激痛でしたが、ぽたぽたと落ち始める母乳が嬉しくて、痛い痛いと騒ぎながらも、ずっと笑っていました。マッサージが終わり、もう一度、吸わせてみると、息子ののど元が昨日までとは少し違う音をたてています。この日の夜、私ははじめて3時間、寝ることができました。 そして、退院の日。びっしりと書き込まれた授乳表を手渡されました。 「これはお母さんが頑張った証ですよ。よく頑張りましたね。」 私はとても誇らしい気持ちで授乳表を受け取り、息子のおでこにキスをしました。 「一緒に頑張ってくれて、ありがとう。」 あれから8年。未だに、その紙は私の宝物です。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト ■ あわせて読みたい ■ 歳をとるにつれ、産後の子宮の戻りは悪くなる? 出産経験者の8割は、元の体型に戻れない!?原因は骨盤にあった 出産後の過ごし方(1) 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.1.28
コラム 妊娠・出産
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35歳以上の場合、羊水検査を受けたほうがいいのでしょうか?
35歳以上の場合、羊水検査を受けたほうがいいのでしょうか?(みわさん・35歳) 画像:Shutterstock.com 結果をどう受け止めるかを夫婦で話し合って決めましょう。 高齢出産の場合、染色体異常を持った赤ちゃんが生まれる確率は高くなります。なかでもダウン症候群は20代で0.1%なのに対し、35歳では0.3%、40歳では1%と年齢が上がるごとに確率が高くなります。そのため、35歳以上の妊婦さんでは、血清マーカー検査や羊水検査などの出生前診断をすることがあります。 出生前診断を受けることを考えている場合は、夫婦で説明を受け、もしも検査結果が異常を示すものであった場合、どう受け止め、どう対処するのかを事前によく話し合っておきましょう。検査によっては確率が示されるだけのものもあり、その確率をどうとらえるかは、夫婦の判断にゆだねられます。 また羊水検査は流産のリスクを伴いますので、そのリスクをかけてまで調べるべきなのかという判断も難しいでしょう。夫婦で慎重に考えて決めることが重要です。 羊水検査 検査が可能なのは妊娠15~18週頃です。おなかから子宮に針を刺し、少量の羊水を採取して検査します。染色体異常のほか、代謝異常や遺伝子異常を調べることができます。この検査により、流産の可能性が0.3~0.5%程度あります。 超音波NT値測定 妊娠初期に、超音波検査で胎児の首の後ろのむくみを測定し、値が大きいとダウン症などの染色体異常がみられることがあります。また心臓や腎臓、骨などの先天的な病気が見つかることもあります。自然になくなることが多く、確定診断とはなりません。羊水検査を受けるかどうかの判断材料にできます。 絨毛検査 妊娠9~11週頃に行います。胎盤を形成する組織の一つである絨毛部分を採取して、羊水検査と同じく染色体異常や遺伝子異常などを調べます。必ずしもすべての異常がわかるわけではありません。妊娠初期に確定検査ができるというメリットはありますが、不安定な時期に行うため検査による流産のリスクがあります。 血清マーカー検査 妊娠15~18週頃に行います。検査はトリプルマーカーテストとクワトロテストの2種類。母親の血液中の物質のバランスから、ダウン症などの染色体異常、神経管閉鎖障害の確率を調べます。結果は1/500という確率で示されます。基準値と比べて高い低いがわかるだけで、確定はできません。確定には羊水検査が必要です。 ダウン症候群とは? 23対の染色体のうち、21番目が1本多いことで起こります。遺伝的な要因はなく、偶発的に発生します。妊婦の年齢が高くなる程、確率は高くなります。ダウン症候群の子どもは特有の顔つきをしていて、発達障害があったり、運動能力に遅れがみられます。障害の程度により短命なこともありますが、現在では平均寿命も延びています。 関連記事: 《 クリニックで妊娠判定をもらいました。すぐに産婦人科に行くべきですか?また、どんな検査をするの? 》 35歳以上の場合、羊水検査を受けたほうがいいのでしょうか?(みわさん・35歳) 画像:Shutterstock.com 結果をどう受け止めるかを夫婦で話し合って決めましょう。 高齢出産の場合、染色体異常を持った赤ちゃんが生まれる確率は高くなります。なかでもダウン症候群は20代で0.1%なのに対し、35歳では0.3%、40歳では1%と年齢が上がるごとに確率が高くなります。そのため、35歳以上の妊婦さんでは、血清マーカー検査や羊水検査などの出生前診断をすることがあります。 出生前診断を受けることを考えている場合は、夫婦で説明を受け、もしも検査結果が異常を示すものであった場合、どう受け止め、どう対処するのかを事前によく話し合っておきましょう。検査によっては確率が示されるだけのものもあり、その確率をどうとらえるかは、夫婦の判断にゆだねられます。 また羊水検査は流産のリスクを伴いますので、そのリスクをかけてまで調べるべきなのかという判断も難しいでしょう。夫婦で慎重に考えて決めることが重要です。 羊水検査 検査が可能なのは妊娠15~18週頃です。おなかから子宮に針を刺し、少量の羊水を採取して検査します。染色体異常のほか、代謝異常や遺伝子異常を調べることができます。この検査により、流産の可能性が0.3~0.5%程度あります。 超音波NT値測定 妊娠初期に、超音波検査で胎児の首の後ろのむくみを測定し、値が大きいとダウン症などの染色体異常がみられることがあります。また心臓や腎臓、骨などの先天的な病気が見つかることもあります。自然になくなることが多く、確定診断とはなりません。羊水検査を受けるかどうかの判断材料にできます。 絨毛検査 妊娠9~11週頃に行います。胎盤を形成する組織の一つである絨毛部分を採取して、羊水検査と同じく染色体異常や遺伝子異常などを調べます。必ずしもすべての異常がわかるわけではありません。妊娠初期に確定検査ができるというメリットはありますが、不安定な時期に行うため検査による流産のリスクがあります。 血清マーカー検査 妊娠15~18週頃に行います。検査はトリプルマーカーテストとクワトロテストの2種類。母親の血液中の物質のバランスから、ダウン症などの染色体異常、神経管閉鎖障害の確率を調べます。結果は1/500という確率で示されます。基準値と比べて高い低いがわかるだけで、確定はできません。確定には羊水検査が必要です。 ダウン症候群とは? 23対の染色体のうち、21番目が1本多いことで起こります。遺伝的な要因はなく、偶発的に発生します。妊婦の年齢が高くなる程、確率は高くなります。ダウン症候群の子どもは特有の顔つきをしていて、発達障害があったり、運動能力に遅れがみられます。障害の程度により短命なこともありますが、現在では平均寿命も延びています。 関連記事: 《 クリニックで妊娠判定をもらいました。すぐに産婦人科に行くべきですか?また、どんな検査をするの? 》
2015.1.28
コラム 妊娠・出産
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妊婦健診の基本検査
妊婦健診のこと、詳しく教えて! 画像:Shutterstock.com 母体の健康状態や赤ちゃんの発育状態を知るために、とても重要な妊婦健診。 どんな検査があるのかを知っておけば、安心して受診することができます。 妊婦健診の基本検査は、以下の通りになります。 超音波検査 子宮や胎児の様子をモニターに映して確認。胎児が順調に成長しているか、身体を計測していきます。胎児の病気や奇形が発見できることもあります。中期以降は胎盤の位置や羊水量も確認し ます。 浮腫検査 足のすねのあたりを指で押し、むくみの状態を確認。妊娠中は血液中の水分量が増加するため、むくみやすくなっています。むくみがあると腎臓への負担が大きくなり、特に後期にむくみがひどい時は妊娠高血圧症候群の疑いも出てきます。 尿検査 尿たんぱくや尿糖が出ていないかをチェックします。尿たんぱくが出ていると、妊娠高血圧症候群や腎臓機能にトラブルの可能性が。尿糖が出ていると、妊娠糖尿病の検査が必要となることがあります。 内診 妊娠初期は子宮の大きさや形、外陰部や腟内の感染症の有無などを診察。中期は子宮口が閉じているか、早産の傾向はないかを確認。後期は子宮口の開き具合や子宮頸部のやわらかさなどを確 認します。 腹囲測定 仰向きに寝て、おなかの一番膨らんでいる部分を測定。腹囲は母体の脂肪のつき方で違いが大きいので、子宮底長や超音波検査と合わせて、子宮の大きさや羊水の量、胎児の成長をみていきます。 体重測定 毎回体重を測り、前回との増減をチェックします。極端な体重増加は妊娠高血圧症候群のリスク要因となります。しかし過度に食事制限などをすると胎児に栄養が届かなくなり、低出生体重児の原因になります。 NST(ノンストレステスト) 出産予定日が近づくと行う検査。分娩監視装置をおなかにつけ、胎児の心拍数と子宮収縮を30~40分モニターし、胎児が健康であるかどうかをみます。 子宮底長測定 仰向きに寝て、恥骨の上から子宮の一番上までの長さを測定。子宮が恥骨の上に出て、触れてわかるようになる妊娠4~5カ月頃から計ります。胎児の発育具合や羊水の量を診断する目安にします。 血圧測定 妊娠高血圧症候群を早期に発見するために行います。この病気は胎児の成長に影響したり、早産の原因となることもあります。最高血圧が140㎜Hg以上あるいは最低血圧が90㎜Hg以上で高血 圧とみなされます。 次は、妊娠初期、中期、後期に1度受ける検査です。 血液検査 さまざまな感染症や異常を発見するため、妊娠初期、中期、後期に1回ずつ、血液検査を受けます。それぞれの時期で検査する項目が違います。 初期 ○ 血液型 輸血や血液型不適合妊娠に備えます。 ○ 貧血 妊娠中は鉄欠乏性貧血になる可能性が高いため検査して、管理します。 ○ 梅毒 胎盤を通して胎児に感染するため、初期に発見・治療します。 ○ B型肝炎 血液を介して感染。陽性の場合は出産後すぐ胎児に予防接種をします。 ○ C型肝炎 血液を介して感染。産道感染の恐れもあり、誕生後に胎児を検査します。 ○ HIV(ヒト免疫不全ウイルス) 陽性の場合は帝王切開とし、分娩時の母子感染を防止します。 ○ ATL(成人T細胞白血病) 胎盤や母乳を介し、母子感染する恐れが。産後すぐ予防措置を講じます。 ○ 風疹 妊娠初期に感染すると胎児に影響を与えます。抗体がない場合は注意が必要。 ○ トキソプラズマ ペットから感染します。胎児に先天性の感染症を招く恐れがあります。 ○ 血糖値 妊娠糖尿病を発見するために行います。 中期 ○ 貧血 中期以降貧血になることが多いので検査します。血液中のヘモグロビン濃度が11.0g/dl未満になると、貧血と診断されます ○ 血糖値 妊娠糖尿病を発見するために行います 後期 ○ 貧血 後期はさらに貧血になりやすいので注意が必要です。 ○ 腟内細菌検査 分娩時に赤ちゃんが感染しないように腟の細菌を調べます。 NST(ノンストレステスト) 出産予定日が近づくと行う検査。分娩監視装置をおなかにつけ、胎児の心拍数と子宮収縮を30~40分モニターします。 ■ あわせて読みたい ■ 安心・妊婦生活ガイド(1) 大切な命を守ろう。妊娠中に避けたい4つのこと。 《妊婦さん要注意》妊娠中は普段の○倍鉄分が必要! 妊娠したらまず準備!自分にぴったりのマタニティ下着選び 出産の基礎知識!気になる【会陰切開】ってどういうもの? 初産ママは特に知っておきたい!母子健康手帳のここが大事! 女性のための健康生活マガジン JINEKO 妊婦健診のこと、詳しく教えて! 画像:Shutterstock.com 母体の健康状態や赤ちゃんの発育状態を知るために、とても重要な妊婦健診。 どんな検査があるのかを知っておけば、安心して受診することができます。 妊婦健診の基本検査は、以下の通りになります。 超音波検査 子宮や胎児の様子をモニターに映して確認。胎児が順調に成長しているか、身体を計測していきます。胎児の病気や奇形が発見できることもあります。中期以降は胎盤の位置や羊水量も確認し ます。 浮腫検査 足のすねのあたりを指で押し、むくみの状態を確認。妊娠中は血液中の水分量が増加するため、むくみやすくなっています。むくみがあると腎臓への負担が大きくなり、特に後期にむくみがひどい時は妊娠高血圧症候群の疑いも出てきます。 尿検査 尿たんぱくや尿糖が出ていないかをチェックします。尿たんぱくが出ていると、妊娠高血圧症候群や腎臓機能にトラブルの可能性が。尿糖が出ていると、妊娠糖尿病の検査が必要となることがあります。 内診 妊娠初期は子宮の大きさや形、外陰部や腟内の感染症の有無などを診察。中期は子宮口が閉じているか、早産の傾向はないかを確認。後期は子宮口の開き具合や子宮頸部のやわらかさなどを確 認します。 腹囲測定 仰向きに寝て、おなかの一番膨らんでいる部分を測定。腹囲は母体の脂肪のつき方で違いが大きいので、子宮底長や超音波検査と合わせて、子宮の大きさや羊水の量、胎児の成長をみていきます。 体重測定 毎回体重を測り、前回との増減をチェックします。極端な体重増加は妊娠高血圧症候群のリスク要因となります。しかし過度に食事制限などをすると胎児に栄養が届かなくなり、低出生体重児の原因になります。 NST(ノンストレステスト) 出産予定日が近づくと行う検査。分娩監視装置をおなかにつけ、胎児の心拍数と子宮収縮を30~40分モニターし、胎児が健康であるかどうかをみます。 子宮底長測定 仰向きに寝て、恥骨の上から子宮の一番上までの長さを測定。子宮が恥骨の上に出て、触れてわかるようになる妊娠4~5カ月頃から計ります。胎児の発育具合や羊水の量を診断する目安にします。 血圧測定 妊娠高血圧症候群を早期に発見するために行います。この病気は胎児の成長に影響したり、早産の原因となることもあります。最高血圧が140㎜Hg以上あるいは最低血圧が90㎜Hg以上で高血 圧とみなされます。 次は、妊娠初期、中期、後期に1度受ける検査です。 血液検査 さまざまな感染症や異常を発見するため、妊娠初期、中期、後期に1回ずつ、血液検査を受けます。それぞれの時期で検査する項目が違います。 初期 ○ 血液型 輸血や血液型不適合妊娠に備えます。 ○ 貧血 妊娠中は鉄欠乏性貧血になる可能性が高いため検査して、管理します。 ○ 梅毒 胎盤を通して胎児に感染するため、初期に発見・治療します。 ○ B型肝炎 血液を介して感染。陽性の場合は出産後すぐ胎児に予防接種をします。 ○ C型肝炎 血液を介して感染。産道感染の恐れもあり、誕生後に胎児を検査します。 ○ HIV(ヒト免疫不全ウイルス) 陽性の場合は帝王切開とし、分娩時の母子感染を防止します。 ○ ATL(成人T細胞白血病) 胎盤や母乳を介し、母子感染する恐れが。産後すぐ予防措置を講じます。 ○ 風疹 妊娠初期に感染すると胎児に影響を与えます。抗体がない場合は注意が必要。 ○ トキソプラズマ ペットから感染します。胎児に先天性の感染症を招く恐れがあります。 ○ 血糖値 妊娠糖尿病を発見するために行います。 中期 ○ 貧血 中期以降貧血になることが多いので検査します。血液中のヘモグロビン濃度が11.0g/dl未満になると、貧血と診断されます ○ 血糖値 妊娠糖尿病を発見するために行います 後期 ○ 貧血 後期はさらに貧血になりやすいので注意が必要です。 ○ 腟内細菌検査 分娩時に赤ちゃんが感染しないように腟の細菌を調べます。 NST(ノンストレステスト) 出産予定日が近づくと行う検査。分娩監視装置をおなかにつけ、胎児の心拍数と子宮収縮を30~40分モニターします。 ■ あわせて読みたい ■ 安心・妊婦生活ガイド(1) 大切な命を守ろう。妊娠中に避けたい4つのこと。 《妊婦さん要注意》妊娠中は普段の○倍鉄分が必要! 妊娠したらまず準備!自分にぴったりのマタニティ下着選び 出産の基礎知識!気になる【会陰切開】ってどういうもの? 初産ママは特に知っておきたい!母子健康手帳のここが大事! 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.1.27
コラム 妊娠・出産
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妊婦健診はどのくらいの間隔で受けるの?
妊婦健診はどのくらいの間隔で受けるの?(ポコちゃんさん・34歳) 画像:Shutterstock.com 妊娠の時期により、健診の間隔は決まっています。 初診で妊娠が確定されると、次回からは定期健診を受けることになります。定期健診は妊娠月数により異なります。初期は1~2週に1回、安定期である中期は3~4週に1回、後期は2週に1回、10カ月以降は1週に1回と決まっています。特に具合が悪いところがなくても、必ず受けましょう。どんな年齢の妊婦さんにもリスクはありますが、特に40歳を越えた出産の場合は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのリスクが高くなります。血圧や浮腫の検査をすることによって、徴候を早期に発見することができます。 超音波検査では、妊娠初期には赤ちゃんの頭殿長(頭からおしりまでの長さ)を計ることで妊娠週数を推定し、出産予定日を出すことができます。中期以降は児頭大横径(頭の横幅)、大腿骨の長さ、腹部周囲の長さなどを計測し、赤ちゃんの今現在の推定体重を算出。赤ちゃんの成長の様子が確認できるので、母親になる喜びも大きくなってくるでしょう。エコー画像を写真やビデオにしてくれる病院もあります。ほかに胎盤の位置や羊水の量などが確認でき、これらから異常を見つけ、流産や早産の予防に役立ちます。 検査には毎回行う基本検査と、初期、中期、後期、それぞれの時期に1度行う検査、必要な人だけが受ける任意検査があります。 妊婦健診スケジュール ※画像をクリックすると大きな画像が見られます。 関連記事: 《 妊婦検診のこと、詳しく教えて! 》 妊婦健診はどのくらいの間隔で受けるの?(ポコちゃんさん・34歳) 画像:Shutterstock.com 妊娠の時期により、健診の間隔は決まっています。 初診で妊娠が確定されると、次回からは定期健診を受けることになります。定期健診は妊娠月数により異なります。初期は1~2週に1回、安定期である中期は3~4週に1回、後期は2週に1回、10カ月以降は1週に1回と決まっています。特に具合が悪いところがなくても、必ず受けましょう。どんな年齢の妊婦さんにもリスクはありますが、特に40歳を越えた出産の場合は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのリスクが高くなります。血圧や浮腫の検査をすることによって、徴候を早期に発見することができます。 超音波検査では、妊娠初期には赤ちゃんの頭殿長(頭からおしりまでの長さ)を計ることで妊娠週数を推定し、出産予定日を出すことができます。中期以降は児頭大横径(頭の横幅)、大腿骨の長さ、腹部周囲の長さなどを計測し、赤ちゃんの今現在の推定体重を算出。赤ちゃんの成長の様子が確認できるので、母親になる喜びも大きくなってくるでしょう。エコー画像を写真やビデオにしてくれる病院もあります。ほかに胎盤の位置や羊水の量などが確認でき、これらから異常を見つけ、流産や早産の予防に役立ちます。 検査には毎回行う基本検査と、初期、中期、後期、それぞれの時期に1度行う検査、必要な人だけが受ける任意検査があります。 妊婦健診スケジュール ※画像をクリックすると大きな画像が見られます。 関連記事: 《 妊婦検診のこと、詳しく教えて! 》
2015.1.26
コラム 妊娠・出産