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妊娠中に猫や犬、ペットと一緒に生活するのはやめたほうがよいですか?
妊娠生活が始まりました! もちろんうれしいけれども「これはやってもいいの?」「あれは大丈夫かしら?」など、心配ごともいっぱいでてきますね。どうしても気になること、人に聞けないこと・・・あらこれについて、先生からアドバイスをいただきしました。 Q:妊娠中に猫や犬、ペットと一緒に生活するのはやめたほうがよいですか?(rianさん・20歳) 鳥や猫の糞から感染するトキソプラズマ症は、赤ちゃんの脳などに影響が出る病気です。そのほか動物から感染する病気もいくつかあります。このことを十分理解していただき、糞の始末をする時は直接手で触らない、糞を処理した後にはよく手洗いをする、ペットの生活環境を清潔に保つなどの対策を徹底しましょう。原因不明の発疹や発熱がある場合は、医療機関に相談してください。 トキソプラズマ症の心配をされているのでしょうが、抗体が高い方はすでに予防的に薬が出されていることも。原因菌はペットの糞にあるので、始末した後に念入りに手を洗うなどすれば大丈夫です。ただ、妊娠初期に新たに飼うのは避けた方がいいでしょう。特に鳥類はお勧めできません。 妊娠中の疑問&不安 Q&A 一覧 妊娠生活が始まりました! もちろんうれしいけれども「これはやってもいいの?」「あれは大丈夫かしら?」など、心配ごともいっぱいでてきますね。どうしても気になること、人に聞けないこと・・・あらこれについて、先生からアドバイスをいただきしました。 Q:妊娠中に猫や犬、ペットと一緒に生活するのはやめたほうがよいですか?(rianさん・20歳) 鳥や猫の糞から感染するトキソプラズマ症は、赤ちゃんの脳などに影響が出る病気です。そのほか動物から感染する病気もいくつかあります。このことを十分理解していただき、糞の始末をする時は直接手で触らない、糞を処理した後にはよく手洗いをする、ペットの生活環境を清潔に保つなどの対策を徹底しましょう。原因不明の発疹や発熱がある場合は、医療機関に相談してください。 トキソプラズマ症の心配をされているのでしょうが、抗体が高い方はすでに予防的に薬が出されていることも。原因菌はペットの糞にあるので、始末した後に念入りに手を洗うなどすれば大丈夫です。ただ、妊娠初期に新たに飼うのは避けた方がいいでしょう。特に鳥類はお勧めできません。 妊娠中の疑問&不安 Q&A 一覧
2015.4.17
コラム 妊娠・出産
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妊娠中の運動ですべきことと、気をつけることとは?
つわりが終わると、つい食べ過ぎてしまうことも。妊娠期の体重管理のためにはどのような運動がよいのでしょうか?専門家のみなさんに聞いてみました。 プレママからの相談:「妊娠中にできる運動について教えてください」 4ヶ月が終わり、つわりも消えて食欲もわいてきました。そのせいか医師に体重増加を指摘されました。運動や体操をしたいのですが、どのような運動がよいでしょうか?おすすめの運動方法や、気をつけるべきことを教えてください。(20代・女性) ヨガやスイミング、ストレッチなどがオススメ。無理をしないことが大切。 妊婦向けのマタニティースイミングやヨガ、ウォーキングなどがよいようです。妊娠中の運動は安産にもつながるとの意見もありました。 妊娠中の運動は無理をしないことです。家事に加え、30分ほどの散歩やストレッチ、軽い体操でも十分ですが、それ以上やるならお腹に負担のかからないものを実施しましょう。(産科・婦人科看護師) 妊娠中の運動はとても大切です。筋肉を鍛えたり、ストレス解消、摂り過ぎたカロリーの消費、肩や首のコリを和らげるなど、様々な利点があります。(一般内科看護師) マタニテイースイミングやヨガは妊婦に合わせたものなので、医師からの制限がなければよいと思います。早い段階から股関節を鍛えておくと産道が柔らかくなって子宮口が開きやすくなり、安産になりやすいです。 (産科・婦人科看護師) 妊娠中に推奨される運動はヨガやスイミング、ストレッチ、妊婦体操や近所への散歩・買い物などです。特にオススメするのは有酸素運動です。酸素をエネルギー源として体内の脂肪を燃やす運動で、効果を上げるには20~30分続けてください。(一般内科看護師) お手軽で効果的といわれるのがウォーキングです。下半身の筋肉と関節を強くして、靭帯を柔らかくするため、安産につながる上、妊娠中の足のむくみを血液循環を活発にすることで改善します。(一般内科看護師) 運動は続けられるものがよいですが、毎日、必ずしなければならないわけではありません。お腹が張ったり出血がある時は安静にしましょう。(産科・婦人科看護師) 体重管理には食生活の見直しも効果的。毎日体重を測ってチェックを。 体重管理には食生活の見直しも有効です。毎日の体重チェックを勧める声もありました。 食生活では間食をやめて、食事の量は控えめにして脂っこいものは避け、よく噛んで食べましょう。(産科・婦人科看護師) 野菜をゆでて冷凍しておき、小腹が空いたら食べましょう。海藻やキノコ、低カロリーのクラッカーなどもオススメです。(産科・婦人科看護師) 甘いものがほしくなったら、飴やガムでしのぎ、どうしても食べたい時は洋菓子より和菓子を選ぶようにしましょう。小分けして少しずつ食べるとよいです。(産科・婦人科看護師) 妊娠中期なら1日の摂取カロリーは2200~2500Kcal、体重増加は1週間に0.5kgが目安です。できるだけ毎日体重を測ってチェックすると良いでしょう。(産科・婦人科看護師) 妊娠中は スイミングやウォーキング、有酸素運動などがよいようです。体重管理には食生活の見直しや、毎日の体重チェックも有効です。無理せず、できることから始めましょう。 オススメ記事≪妊娠中の体重増加…どうしたらいい≫≪妊娠中の体重管理。食事や運動について知りたい!≫≪妊娠中の体重増加と、産後のダイエットについて教えて≫ ■ あわせて読みたい ■ 妊娠中のコーヒーはNG?専門家に聞いてみた 妊娠中のアロマはNG?妊婦のラベンダーリスクについて 妊娠中の甘いもの。人工甘味料なら大丈夫? 【60%以上が体験】ショック!妊娠中の尿漏れ…対策はある? 女性のための健康生活マガジン JINEKO つわりが終わると、つい食べ過ぎてしまうことも。妊娠期の体重管理のためにはどのような運動がよいのでしょうか?専門家のみなさんに聞いてみました。 プレママからの相談:「妊娠中にできる運動について教えてください」 4ヶ月が終わり、つわりも消えて食欲もわいてきました。そのせいか医師に体重増加を指摘されました。運動や体操をしたいのですが、どのような運動がよいでしょうか?おすすめの運動方法や、気をつけるべきことを教えてください。(20代・女性) ヨガやスイミング、ストレッチなどがオススメ。無理をしないことが大切。 妊婦向けのマタニティースイミングやヨガ、ウォーキングなどがよいようです。妊娠中の運動は安産にもつながるとの意見もありました。 妊娠中の運動は無理をしないことです。家事に加え、30分ほどの散歩やストレッチ、軽い体操でも十分ですが、それ以上やるならお腹に負担のかからないものを実施しましょう。(産科・婦人科看護師) 妊娠中の運動はとても大切です。筋肉を鍛えたり、ストレス解消、摂り過ぎたカロリーの消費、肩や首のコリを和らげるなど、様々な利点があります。(一般内科看護師) マタニテイースイミングやヨガは妊婦に合わせたものなので、医師からの制限がなければよいと思います。早い段階から股関節を鍛えておくと産道が柔らかくなって子宮口が開きやすくなり、安産になりやすいです。 (産科・婦人科看護師) 妊娠中に推奨される運動はヨガやスイミング、ストレッチ、妊婦体操や近所への散歩・買い物などです。特にオススメするのは有酸素運動です。酸素をエネルギー源として体内の脂肪を燃やす運動で、効果を上げるには20~30分続けてください。(一般内科看護師) お手軽で効果的といわれるのがウォーキングです。下半身の筋肉と関節を強くして、靭帯を柔らかくするため、安産につながる上、妊娠中の足のむくみを血液循環を活発にすることで改善します。(一般内科看護師) 運動は続けられるものがよいですが、毎日、必ずしなければならないわけではありません。お腹が張ったり出血がある時は安静にしましょう。(産科・婦人科看護師) 体重管理には食生活の見直しも効果的。毎日体重を測ってチェックを。 体重管理には食生活の見直しも有効です。毎日の体重チェックを勧める声もありました。 食生活では間食をやめて、食事の量は控えめにして脂っこいものは避け、よく噛んで食べましょう。(産科・婦人科看護師) 野菜をゆでて冷凍しておき、小腹が空いたら食べましょう。海藻やキノコ、低カロリーのクラッカーなどもオススメです。(産科・婦人科看護師) 甘いものがほしくなったら、飴やガムでしのぎ、どうしても食べたい時は洋菓子より和菓子を選ぶようにしましょう。小分けして少しずつ食べるとよいです。(産科・婦人科看護師) 妊娠中期なら1日の摂取カロリーは2200~2500Kcal、体重増加は1週間に0.5kgが目安です。できるだけ毎日体重を測ってチェックすると良いでしょう。(産科・婦人科看護師) 妊娠中は スイミングやウォーキング、有酸素運動などがよいようです。体重管理には食生活の見直しや、毎日の体重チェックも有効です。無理せず、できることから始めましょう。 オススメ記事≪妊娠中の体重増加…どうしたらいい≫≪妊娠中の体重管理。食事や運動について知りたい!≫≪妊娠中の体重増加と、産後のダイエットについて教えて≫ ■ あわせて読みたい ■ 妊娠中のコーヒーはNG?専門家に聞いてみた 妊娠中のアロマはNG?妊婦のラベンダーリスクについて 妊娠中の甘いもの。人工甘味料なら大丈夫? 【60%以上が体験】ショック!妊娠中の尿漏れ…対策はある? 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.17
コラム 妊娠・出産
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つわりが落ち着いたのに、朝起きられません。起きても眠くなって朝ごはんは昼兼用になったり、悪循環。どのように改善したらよいでしょうか?
妊娠生活が始まりました! もちろんうれしいけれども「これはやってもいいの?」「あれは大丈夫かしら?」など、心配ごともいっぱいでてきますね。どうしても気になること、人に聞けないこと・・・あらこれについて、先生からアドバイスをいただきしました。 Q:つわりが落ち着いたのに、朝起きられません。起きても眠くなって朝ごはんは昼兼用になったり、悪循環。どのように改善したらよいでしょうか?(匿名・26歳) 朝食にフルーツを食べてみることをおすすめします。特に柑きつ類の香りは気のめぐりをよくします。コーヒーを飲むという人も、1日に1〜2杯程度であればカフェインの問題はありません。ただ食事中に飲んでしまうと、鉄の吸収を阻害するので、食後か食事と食事の間がいいでしょう。 改善の必要はありません。今後胎児が大きくなってくると胃を圧迫して、少量の食事でお腹がいっぱいになってしまいます。だから、食べたいときに、食べられるだけ食べればいい。眠くなったら、うたた寝もすればいい。神経質にならないことが大事です。 妊娠中の疑問&不安 Q&A 一覧 ■ あわせて読みたい ■ いつも悲しくてイライラ、主人に当たってしまったり、悲しくなったり……。これってマタニティブルーですか? 赤ちゃんエッセイ:バトン マタニティブルーの情緒不安定はいつまで続くの… 女性のための健康生活マガジン JINEKO 妊娠生活が始まりました! もちろんうれしいけれども「これはやってもいいの?」「あれは大丈夫かしら?」など、心配ごともいっぱいでてきますね。どうしても気になること、人に聞けないこと・・・あらこれについて、先生からアドバイスをいただきしました。 Q:つわりが落ち着いたのに、朝起きられません。起きても眠くなって朝ごはんは昼兼用になったり、悪循環。どのように改善したらよいでしょうか?(匿名・26歳) 朝食にフルーツを食べてみることをおすすめします。特に柑きつ類の香りは気のめぐりをよくします。コーヒーを飲むという人も、1日に1〜2杯程度であればカフェインの問題はありません。ただ食事中に飲んでしまうと、鉄の吸収を阻害するので、食後か食事と食事の間がいいでしょう。 改善の必要はありません。今後胎児が大きくなってくると胃を圧迫して、少量の食事でお腹がいっぱいになってしまいます。だから、食べたいときに、食べられるだけ食べればいい。眠くなったら、うたた寝もすればいい。神経質にならないことが大事です。 妊娠中の疑問&不安 Q&A 一覧 ■ あわせて読みたい ■ いつも悲しくてイライラ、主人に当たってしまったり、悲しくなったり……。これってマタニティブルーですか? 赤ちゃんエッセイ:バトン マタニティブルーの情緒不安定はいつまで続くの… 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.17
コラム 妊娠・出産
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「十三才で兄になった長男」
赤ちゃんエッセイ:「十三才で兄になった長男」 はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 私には、十六才の長女、十三才の長男、0才の次男の三人の子供がいる。0才の次男は、今年の六月に生まれたばかりで、私にとって、赤ちゃんを一から育てるのは、まさに十三年ぶりとなった。上の二人の子供達は、赤ちゃんが出来た事を何度言っても、なかなか信じず、「うっそー、絶対うそ!」と言うばかりで、結局信じてくれるまでに、一ヶ月近い日がかかったのだが、本当の事と認めた時は、二人共大喜びだった。 その後、おなかが目立ち始めた頃から、十三才の長男の優しさが、今まで以上のものとなっていった。長女も長男も、優しい子に育ってくれたとは思っていたが、特に今、大反抗期の長女に比べると、口調も優しい長男は、私の体、しいては、おなかの赤ちゃんへのいたわり、思いやりが、想像を超えたものになっていった。育児雑誌を読み、妊婦の色々な事を把握した長男は、棚の上の方の物を取ろうかと考え、見ているだけで、「取ったらあかんで、僕がとるし。」と後ろから声がする。大きなおなかで、下の物がとりにくくなった頃、私が家事をしていて、何か落とすと、素早く拾いに来てくれる。お風呂で、毎日おなかに向かって、どんぐりコロコロを歌う事にしていた私が歌っていると、風呂場へ来て、一緒に歌うだけでなく、手で劇をするように、どんぐりコロコロを演じてくれるのだ。「楽しみ?」と聞くと、長男は、「うん!」とうなづいていた。その笑顔が、私も微笑ましかった。もちろん、中学生らしい反抗をする事も、しばしあるのだが。 そして、次男が誕生した。それから私は、この十三才の長男の次男に対する接し方、愛情に驚かされる事になる。生まれた日、所属している野球のボーイズリーグの練習のため、家族の中で、最後に誕生を知った長男は、「しんどかった?よく頑張りました。」と言ってくれ、学校に、部活に、ボーイズリーグにと、忙しい毎日の中、少しでも時間があれば、病院へ赤ちゃんを見に寄る日々。退院して、毎日が過ぎていくうちに、母である私と同様程、すっかり扱いに慣れ、いつの間にか家族の誰よりも、だっこが上手くなっていた。 次男の誕生から一ヶ月少しで、学校は、夏休みに入った。それから長男は、弟の世話をどんどんこなせるようになっていった。子守歌を歌いながら、だっこして寝かしつけるようになった。部活やボーイズ以外で家に居る時は、夏休み中本当に長男に助けられた。長男が次男の世話をしてくれている間、私はいつも家の中を走り回って家事をしていた。その合い間に二人をのぞくと、長男が次男のほっぺに何度もチュッとしているのだ。私は思わず目を細め、長男に見つからないように、二人を一時見つめていた。とても暖かく、幸せな気持ちになった。 ある日の事、次男のお風呂は長女か長男が次男を裸にしてつれてきて、私が入れたあと、又上げてくれるのだが、私が入れない日、長男に入れてほしいと頼んだら、心よく引き受けてくれた。先に入っている長男に次男を渡し、「いいなあ、お兄ちゃんと一緒で、気持ちいいなあ。」と次男に話しかけ、ふと長男を見ると、顔から肩まで汗の玉だらけだ。しかもその顔は真剣そのもの。お風呂が終ってから、「ありがとう、助かったわ。」とだけ声をかけたのだが、次男を湯舟で落さないように必死の長男の顔と汗の玉を見た時、私は、長男に感謝の気持ちといとおしさで、涙が出そうだった。先日、寝かしつけたばかりの次男を長男にまかせ、洗い物をしていた時、震度四の地震があった。すぐ様子を見に行くと、長男は次男の上で、四つん這いになって、壁になってくれていた。又、兄弟二人の時、そうっとのぞくと、便秘がちの次男のおなかをさすっている姿も見た。世間には、確かにこれだけ年の離れた兄弟もいるだろうが、今まで下の子として育ってきた長男が、こんなに頼りある、たのもしいお兄ちゃんになるとは想像もしなかった事だ。これからも弟に優しいお兄ちゃんであるだろう長男の話を、次男が大きくなったらしてあげようと思っている。次男の誕生によって、これまで以上の長男の優しさと、兄となった逞しさを、私は誇りに思っている。これからも、兄弟二人の時の様子をのぞき見するのが楽しみだ。 高校生の長女、中学生の長男、赤ちゃんの次男の世話、子育てに忙しい毎日だが、長女と長男が私を助けてくれるから、楽しく元気に過ごしていける。私は、上の子二人に、心から感謝している。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // --> 赤ちゃんエッセイ:「十三才で兄になった長男」 はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 私には、十六才の長女、十三才の長男、0才の次男の三人の子供がいる。0才の次男は、今年の六月に生まれたばかりで、私にとって、赤ちゃんを一から育てるのは、まさに十三年ぶりとなった。上の二人の子供達は、赤ちゃんが出来た事を何度言っても、なかなか信じず、「うっそー、絶対うそ!」と言うばかりで、結局信じてくれるまでに、一ヶ月近い日がかかったのだが、本当の事と認めた時は、二人共大喜びだった。 その後、おなかが目立ち始めた頃から、十三才の長男の優しさが、今まで以上のものとなっていった。長女も長男も、優しい子に育ってくれたとは思っていたが、特に今、大反抗期の長女に比べると、口調も優しい長男は、私の体、しいては、おなかの赤ちゃんへのいたわり、思いやりが、想像を超えたものになっていった。育児雑誌を読み、妊婦の色々な事を把握した長男は、棚の上の方の物を取ろうかと考え、見ているだけで、「取ったらあかんで、僕がとるし。」と後ろから声がする。大きなおなかで、下の物がとりにくくなった頃、私が家事をしていて、何か落とすと、素早く拾いに来てくれる。お風呂で、毎日おなかに向かって、どんぐりコロコロを歌う事にしていた私が歌っていると、風呂場へ来て、一緒に歌うだけでなく、手で劇をするように、どんぐりコロコロを演じてくれるのだ。「楽しみ?」と聞くと、長男は、「うん!」とうなづいていた。その笑顔が、私も微笑ましかった。もちろん、中学生らしい反抗をする事も、しばしあるのだが。 そして、次男が誕生した。それから私は、この十三才の長男の次男に対する接し方、愛情に驚かされる事になる。生まれた日、所属している野球のボーイズリーグの練習のため、家族の中で、最後に誕生を知った長男は、「しんどかった?よく頑張りました。」と言ってくれ、学校に、部活に、ボーイズリーグにと、忙しい毎日の中、少しでも時間があれば、病院へ赤ちゃんを見に寄る日々。退院して、毎日が過ぎていくうちに、母である私と同様程、すっかり扱いに慣れ、いつの間にか家族の誰よりも、だっこが上手くなっていた。 次男の誕生から一ヶ月少しで、学校は、夏休みに入った。それから長男は、弟の世話をどんどんこなせるようになっていった。子守歌を歌いながら、だっこして寝かしつけるようになった。部活やボーイズ以外で家に居る時は、夏休み中本当に長男に助けられた。長男が次男の世話をしてくれている間、私はいつも家の中を走り回って家事をしていた。その合い間に二人をのぞくと、長男が次男のほっぺに何度もチュッとしているのだ。私は思わず目を細め、長男に見つからないように、二人を一時見つめていた。とても暖かく、幸せな気持ちになった。 ある日の事、次男のお風呂は長女か長男が次男を裸にしてつれてきて、私が入れたあと、又上げてくれるのだが、私が入れない日、長男に入れてほしいと頼んだら、心よく引き受けてくれた。先に入っている長男に次男を渡し、「いいなあ、お兄ちゃんと一緒で、気持ちいいなあ。」と次男に話しかけ、ふと長男を見ると、顔から肩まで汗の玉だらけだ。しかもその顔は真剣そのもの。お風呂が終ってから、「ありがとう、助かったわ。」とだけ声をかけたのだが、次男を湯舟で落さないように必死の長男の顔と汗の玉を見た時、私は、長男に感謝の気持ちといとおしさで、涙が出そうだった。先日、寝かしつけたばかりの次男を長男にまかせ、洗い物をしていた時、震度四の地震があった。すぐ様子を見に行くと、長男は次男の上で、四つん這いになって、壁になってくれていた。又、兄弟二人の時、そうっとのぞくと、便秘がちの次男のおなかをさすっている姿も見た。世間には、確かにこれだけ年の離れた兄弟もいるだろうが、今まで下の子として育ってきた長男が、こんなに頼りある、たのもしいお兄ちゃんになるとは想像もしなかった事だ。これからも弟に優しいお兄ちゃんであるだろう長男の話を、次男が大きくなったらしてあげようと思っている。次男の誕生によって、これまで以上の長男の優しさと、兄となった逞しさを、私は誇りに思っている。これからも、兄弟二人の時の様子をのぞき見するのが楽しみだ。 高校生の長女、中学生の長男、赤ちゃんの次男の世話、子育てに忙しい毎日だが、長女と長男が私を助けてくれるから、楽しく元気に過ごしていける。私は、上の子二人に、心から感謝している。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // -->
2015.4.16
コラム 妊娠・出産
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いつも悲しくてイライラ、主人に当たってしまったり、悲しくなったり……。 これってマタニティブルーですか?
妊娠生活が始まりました! もちろんうれしいけれども「これはやってもいいの?」「あれは大丈夫かしら?」など、心配ごともいっぱいでてきますね。どうしても気になること、人に聞けないこと・・・あらこれについて、先生からアドバイスをいただきしました。 Q:いつも悲しくてイライラ、主人に当たってしまったり、悲しくなったり……。 これってマタニティブルーですか?(るる☆彡さん/32歳) マタニティブルーというと、通常は出産後の数週間くらいに、理由もなく不安や悲しみに襲われて、意味もなく泣けてきたり、精神的にブルーになってしまうことをいいますが、妊娠初期など妊娠中にマタニティブルーの状態になってしまうことも珍しくありません。妊娠中の身体は、赤ちゃんを養うことが優先されるため、今までにはなかったような症状が出ることがあります。そのひとつに、中医学的に気滞、気鬱という状態があります。赤ちゃんの発育により 気のめぐりが滞り、頭痛や頭重感、胸のつまり、精神状態の変化として現れます。気滞の解消にはストレスをためないことが重要です。出産・育児を明るく前向きなものとして捉えることが大切です。ご主人や母親、友人・知人に相談することはもちろん、産婦人科医などの専門家に相談したり、書籍を読んでみたりと、一つひとつ不安を解消していきましょう。気分転換も大切です。じっと部屋に閉じこもらずに、天気のよい日はのんびりと散歩などしてみてはどうでしょうか。お気に入りの香りを嗅いだりするのもおすすめ。アロマテラピー効果で、気の流れを改善していくことができます。しその葉やしょうがなどが入った「半夏厚朴湯」という処方は、気の流れを改善し、つわりにも効果がある、妊娠中にも服用が可能な漢方薬の一つです(漢方薬は個人の体質によって異なりますので、自己判断で服用せず、必ず専門家にご相談ください)。ご自分に合った解消法を探してみてはいかがでしょうか。 ■ あわせて読みたい ■ つわりが落ち着いたのに、朝起きられません。改善策は? 赤ちゃんエッセイ:バトン マタニティブルーの情緒不安定はいつまで続くの… 女性のための健康生活マガジン JINEKO 妊娠生活が始まりました! もちろんうれしいけれども「これはやってもいいの?」「あれは大丈夫かしら?」など、心配ごともいっぱいでてきますね。どうしても気になること、人に聞けないこと・・・あらこれについて、先生からアドバイスをいただきしました。 Q:いつも悲しくてイライラ、主人に当たってしまったり、悲しくなったり……。 これってマタニティブルーですか?(るる☆彡さん/32歳) マタニティブルーというと、通常は出産後の数週間くらいに、理由もなく不安や悲しみに襲われて、意味もなく泣けてきたり、精神的にブルーになってしまうことをいいますが、妊娠初期など妊娠中にマタニティブルーの状態になってしまうことも珍しくありません。妊娠中の身体は、赤ちゃんを養うことが優先されるため、今までにはなかったような症状が出ることがあります。そのひとつに、中医学的に気滞、気鬱という状態があります。赤ちゃんの発育により 気のめぐりが滞り、頭痛や頭重感、胸のつまり、精神状態の変化として現れます。気滞の解消にはストレスをためないことが重要です。出産・育児を明るく前向きなものとして捉えることが大切です。ご主人や母親、友人・知人に相談することはもちろん、産婦人科医などの専門家に相談したり、書籍を読んでみたりと、一つひとつ不安を解消していきましょう。気分転換も大切です。じっと部屋に閉じこもらずに、天気のよい日はのんびりと散歩などしてみてはどうでしょうか。お気に入りの香りを嗅いだりするのもおすすめ。アロマテラピー効果で、気の流れを改善していくことができます。しその葉やしょうがなどが入った「半夏厚朴湯」という処方は、気の流れを改善し、つわりにも効果がある、妊娠中にも服用が可能な漢方薬の一つです(漢方薬は個人の体質によって異なりますので、自己判断で服用せず、必ず専門家にご相談ください)。ご自分に合った解消法を探してみてはいかがでしょうか。 ■ あわせて読みたい ■ つわりが落ち着いたのに、朝起きられません。改善策は? 赤ちゃんエッセイ:バトン マタニティブルーの情緒不安定はいつまで続くの… 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.16
コラム 妊娠・出産
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妊娠前には喫煙もしていました。お酒もよく飲んでいたのですが、子どもへの影響が心配です
妊娠生活が始まりました! もちろんうれしいけれども「これはやってもいいの?」「あれは大丈夫かしら?」など、心配ごともいっぱいでてきますね。どうしても気になること、人に聞けないこと・・・あらこれについて、先生からアドバイスをいただきしました。 Q:妊娠前には喫煙もしていました。お酒もよく飲んでいたのですが、子どもへの影響が心配です(自己嫌悪さん・29歳) 妊娠前の喫煙の影響については、はっきりわかっていませんが、妊娠中の喫煙は、流産・早産の危険性を高めます。子宮の出口を胎盤が覆う「前置胎盤」、胎盤が子宮から剥がれる「常位胎盤早期剥離」などのリスクも高くなります。無事出産に至っても、赤ちゃんの体重が軽い、乳幼児突然死症候群の危険性、将来的に高血圧・肥満・糖尿病などの生活習慣病にり患する割合が高い、などのリスクも指摘されています。タバコの副流煙はさらに毒性が強く、服などについたタバコの残留有害物質も悪影響を及ぼしますので、妊娠をきっかけにご夫婦で禁煙し、出産後も継続するべきでしょう。お酒に含まれるアルコールはすぐ代謝されるため、連日の過剰摂取でなければ心配しなくてよいでしょう。妊娠中も1日1杯程度の飲酒は母児ともに影響はないとの意見もありますが、アルコールは胎盤通過性がよく、赤ちゃんの体内へ入ることになりますので、妊娠中の飲酒も控えるにこしたことはありません。 妊娠前の喫煙は、ほとんど影響がないと考えられます。妊娠がわかった今、もうすでに禁煙されているのなら神経質になることはありません。ただ、受動喫煙でも胎児に悪影響を及ぼすので、パートナーや同居の家族、職場の方々にもできるだけ協力してもらいましょう。特に妊娠中期は注意が必要です。お酒は、飲まないに越したことはありませんが、夕食を楽しみながらワインをグラス1杯という程度なら、かえってストレス解消になって良いのではないかと個人的には思います。 妊娠中の疑問&不安 Q&A 一覧 ■ あわせて読みたい ■ 妊娠中のリスク(1) ~妊娠が原因で起こる病気~ 薬を飲まずに妊娠中の風邪を治す方法は? つわりを軽くする食べ物はありますか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 妊娠生活が始まりました! もちろんうれしいけれども「これはやってもいいの?」「あれは大丈夫かしら?」など、心配ごともいっぱいでてきますね。どうしても気になること、人に聞けないこと・・・あらこれについて、先生からアドバイスをいただきしました。 Q:妊娠前には喫煙もしていました。お酒もよく飲んでいたのですが、子どもへの影響が心配です(自己嫌悪さん・29歳) 妊娠前の喫煙の影響については、はっきりわかっていませんが、妊娠中の喫煙は、流産・早産の危険性を高めます。子宮の出口を胎盤が覆う「前置胎盤」、胎盤が子宮から剥がれる「常位胎盤早期剥離」などのリスクも高くなります。無事出産に至っても、赤ちゃんの体重が軽い、乳幼児突然死症候群の危険性、将来的に高血圧・肥満・糖尿病などの生活習慣病にり患する割合が高い、などのリスクも指摘されています。タバコの副流煙はさらに毒性が強く、服などについたタバコの残留有害物質も悪影響を及ぼしますので、妊娠をきっかけにご夫婦で禁煙し、出産後も継続するべきでしょう。お酒に含まれるアルコールはすぐ代謝されるため、連日の過剰摂取でなければ心配しなくてよいでしょう。妊娠中も1日1杯程度の飲酒は母児ともに影響はないとの意見もありますが、アルコールは胎盤通過性がよく、赤ちゃんの体内へ入ることになりますので、妊娠中の飲酒も控えるにこしたことはありません。 妊娠前の喫煙は、ほとんど影響がないと考えられます。妊娠がわかった今、もうすでに禁煙されているのなら神経質になることはありません。ただ、受動喫煙でも胎児に悪影響を及ぼすので、パートナーや同居の家族、職場の方々にもできるだけ協力してもらいましょう。特に妊娠中期は注意が必要です。お酒は、飲まないに越したことはありませんが、夕食を楽しみながらワインをグラス1杯という程度なら、かえってストレス解消になって良いのではないかと個人的には思います。 妊娠中の疑問&不安 Q&A 一覧 ■ あわせて読みたい ■ 妊娠中のリスク(1) ~妊娠が原因で起こる病気~ 薬を飲まずに妊娠中の風邪を治す方法は? つわりを軽くする食べ物はありますか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.16
コラム 妊娠・出産
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妊娠中の下痢と便秘対策を教えて。
妊娠中は、さまざまな体調変化が起こります。プレママの中には、便秘や痔など排便についての悩みを抱える人も少なくありません。妊娠中の下痢や便秘対策に悩むプレママからの相談に、看護師さんたちはどのように答えているでしょうか。 プレママからの相談:「お腹が弱く便秘と下痢を繰り返しています。妊娠中にできる対策を教えてください。」 現在、妊娠12週目です。元々お腹が弱く、妊娠前から月に2回は下痢と便秘を繰り返しています。緊張したり冷えたりして下痢をしたと思うと、今度は便秘でお腹にガスが溜まって苦しくなったりします。また、お腹が大きくなると更に便秘になりやすくなり、痔になる場合もあると聞いて不安です。どのようにしたら下痢や便秘にならずに過ごせますか。(20代、女性) 下痢対策には、身体を温めて。 下痢対策のためには、食事やカイロで身体をあたため、心穏やかに過ごしましょう。下痢をしているときに水分などを控えると脱水の原因になるので、水分補給を心がけるよう教えてくれました。 下痢対策として、下半身が冷えないようにし、身体を温める根菜を中心にバランスのとれた食事を心がけてください。下痢をしたからといって、水分や食事を控えるのは脱水になる場合がありますから、下痢をしている時は特に水分補給を心がけてください。(産科・婦人科、消化器科看護師) 冷えやストレス過敏が原因の下痢のようなので、安定期に入るまではなるべくストレスを感じないよう穏やかな生活を中心に心掛け、腹帯やカイロを使用して冷えないに気をつけましょう。(一般内科看護師) 便秘予防には、食事管理が効果的です。 便秘予防のためには、便のかさを増す食物繊維と腸内環境を整える乳製品などの両方を摂ることが大切です。便秘対策をすることで切れ痔を予防できることや、運動や入浴でも痔を改善できることも教えてくれました。 便秘の場合は、海藻類やキノコ類など繊維質を含む食事をし、お腹をマッサージしたり、軽い運動をして、腸の動きを良くしてください。便意があれば我慢しないこと。できれば毎日同じ時間にトイレに行くようにしましょう。脂っこいものや甘いお菓子などは、脂肪分が多く便秘になりやすいので控えるようにしてください。(産科・婦人科、消化器科看護師) 便秘を改善するためには、腸を整える乳酸菌やオリゴ糖などと、便のかさを増し便通を良くする食物繊維が必要です。効果的に便通をコントロールするには、満遍なく様々な食品を摂る事をおすすめします。栄養素が多く鉄分豊富なプルーンや寒天もおすすめですが、食べすぎると下痢を引き起こしますので、少量ずつお腹と相談しながら食べると良いでしょう。野菜は身体を温める根菜がおすすめです。(一般内科看護師) 妊娠後期にお腹の重みで痔になりやすければ、運動や入浴で改善できます。また、頑固な便秘などで硬いい便を排出することでできる切れ痔は、食品の選び方で改善できます。寒天は腸内で脂肪を吸収しつつかさを増し、お腹を痛めることなくスルッと便を排出する優れものです。(一般内科看護師) 下痢対策として、根菜やカイロで身体を温めましょう。便秘対策には、乳製品など腸内環境を整える食品と、便のかさを増す食物繊維を多く含む食品を摂るようにしましょう。 オススメ記事≪妊婦の胃腸炎!薬を避けがちなこの時期、治療中の注意は〇〇不足?!≫≪赤ちゃんが機嫌が悪いときにチェックしたい体の場所≫≪妊娠中のガンコな便秘…どうにかしたい!≫ ■ あわせて読みたい ■ 妊娠中の運動ですべきことと、気をつけることとは? ~妊娠中の体重コントロール~4つのポイントはコレ! 妊娠中のつらい腰痛、ナースがその対策を教えます! 妊娠27週、便秘がひどく痔の症状も…薬の処方が必要? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 妊娠中は、さまざまな体調変化が起こります。プレママの中には、便秘や痔など排便についての悩みを抱える人も少なくありません。妊娠中の下痢や便秘対策に悩むプレママからの相談に、看護師さんたちはどのように答えているでしょうか。 プレママからの相談:「お腹が弱く便秘と下痢を繰り返しています。妊娠中にできる対策を教えてください。」 現在、妊娠12週目です。元々お腹が弱く、妊娠前から月に2回は下痢と便秘を繰り返しています。緊張したり冷えたりして下痢をしたと思うと、今度は便秘でお腹にガスが溜まって苦しくなったりします。また、お腹が大きくなると更に便秘になりやすくなり、痔になる場合もあると聞いて不安です。どのようにしたら下痢や便秘にならずに過ごせますか。(20代、女性) 下痢対策には、身体を温めて。 下痢対策のためには、食事やカイロで身体をあたため、心穏やかに過ごしましょう。下痢をしているときに水分などを控えると脱水の原因になるので、水分補給を心がけるよう教えてくれました。 下痢対策として、下半身が冷えないようにし、身体を温める根菜を中心にバランスのとれた食事を心がけてください。下痢をしたからといって、水分や食事を控えるのは脱水になる場合がありますから、下痢をしている時は特に水分補給を心がけてください。(産科・婦人科、消化器科看護師) 冷えやストレス過敏が原因の下痢のようなので、安定期に入るまではなるべくストレスを感じないよう穏やかな生活を中心に心掛け、腹帯やカイロを使用して冷えないに気をつけましょう。(一般内科看護師) 便秘予防には、食事管理が効果的です。 便秘予防のためには、便のかさを増す食物繊維と腸内環境を整える乳製品などの両方を摂ることが大切です。便秘対策をすることで切れ痔を予防できることや、運動や入浴でも痔を改善できることも教えてくれました。 便秘の場合は、海藻類やキノコ類など繊維質を含む食事をし、お腹をマッサージしたり、軽い運動をして、腸の動きを良くしてください。便意があれば我慢しないこと。できれば毎日同じ時間にトイレに行くようにしましょう。脂っこいものや甘いお菓子などは、脂肪分が多く便秘になりやすいので控えるようにしてください。(産科・婦人科、消化器科看護師) 便秘を改善するためには、腸を整える乳酸菌やオリゴ糖などと、便のかさを増し便通を良くする食物繊維が必要です。効果的に便通をコントロールするには、満遍なく様々な食品を摂る事をおすすめします。栄養素が多く鉄分豊富なプルーンや寒天もおすすめですが、食べすぎると下痢を引き起こしますので、少量ずつお腹と相談しながら食べると良いでしょう。野菜は身体を温める根菜がおすすめです。(一般内科看護師) 妊娠後期にお腹の重みで痔になりやすければ、運動や入浴で改善できます。また、頑固な便秘などで硬いい便を排出することでできる切れ痔は、食品の選び方で改善できます。寒天は腸内で脂肪を吸収しつつかさを増し、お腹を痛めることなくスルッと便を排出する優れものです。(一般内科看護師) 下痢対策として、根菜やカイロで身体を温めましょう。便秘対策には、乳製品など腸内環境を整える食品と、便のかさを増す食物繊維を多く含む食品を摂るようにしましょう。 オススメ記事≪妊婦の胃腸炎!薬を避けがちなこの時期、治療中の注意は〇〇不足?!≫≪赤ちゃんが機嫌が悪いときにチェックしたい体の場所≫≪妊娠中のガンコな便秘…どうにかしたい!≫ ■ あわせて読みたい ■ 妊娠中の運動ですべきことと、気をつけることとは? ~妊娠中の体重コントロール~4つのポイントはコレ! 妊娠中のつらい腰痛、ナースがその対策を教えます! 妊娠27週、便秘がひどく痔の症状も…薬の処方が必要? 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.14
コラム 妊娠・出産
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妊娠中の甘いもの。人工甘味料なら大丈夫?
妊娠中は体重管理や妊娠高血圧症候群などの予防のため、甘いものを控えるように言われることがあります。そこで、人工甘味料ならカロリーは低いし大丈夫ではという相談ですが、看護師さんたちはどのように回答しているのでしょうか。 画像:http://weheartit.com/ 人工甘味料についての相談:「妊娠中、人工甘味料でも尿糖は出てしまう?」 妊娠16週です。先日の妊婦健診で尿糖が+になってしまい、医師から糖分の摂取を控えるよう言われましたが、元々甘い物が好きなのでイライラしてしまいます。どうしても甘い物が欲しくなった時、人工甘味料の入った飲み物を飲むのは胎児に影響があるのでしょうか。また、人工甘味料でも尿糖は出てしまうものなのでしょうか。(30代・女性) 胎児の発育に悪影響を与えることも 人工甘味料には多くの化学物質が含まれるため、胎児の発育に影響が出たり血糖値のコントロールができなくなることもあるようです。人工甘味料でも尿糖は出ますし、できるだけ摂取は控えた方がよいでしょう。 人工甘味料には化学物質が多く含まれ、摂取し続けると耐糖能異常をおこすことが明らかになっています。耐糖能とは血糖を正常に保つためのグルコースの処置能力のことですが、人工甘味料の摂取によってこの能力に異常をきたし血糖コントロールが不能になると言われています。そして血糖値が上がれば、当然尿にも糖が排泄されます。(産科看護師) 人工甘味料にはアスパルテームという物質が含まれ、腎機能障害や胎児の脳の発育に悪影響を与えると言われています。日本では妊婦が飲んでも有害性は認められていないと言われていますが、妊婦に対する実験結果がないというのも事実で、確実に大丈夫とは言えないでしょう。 (産科看護師) 過剰摂取しなければ妊娠中も安全だと言われていますが、研究機関の多くの論文が「アスパルテーム(日本で売られている人工甘味料)は脳腫瘍などの致命的な健康被害をもたらす危険性がある」と結論付けています。最近のアメリカの研究では、人工甘味料は腸内微生物の構成を大きく変え血糖を上げる可能性があると報告されており、ママにも赤ちゃんにもあまりよい影響はないようです。(内科看護師) 洋菓子より和菓子、散歩や軽い運動を 甘いものも全く食べないのではストレスに。洋菓子は避けて和菓子にする、軽い運動でカロリーを消費するなどするとよいでしょう。 洋菓子より和菓子を食べたり、小分けにして少しずつ食べる、また飴をなめてもよいでしょう。甘味料を使う場合は身体を冷やす白砂糖よりも、自然素材の黒砂糖や三温糖などがよいです。(産科看護師) 羅漢果(らかんか) は自然素材の甘味料でカロリーがほとんどなく、ミネラルも豊富で妊婦さんにお勧めでお茶として市販されています。イライラする方が赤ちゃんにもよくないので、少しなら問題ないでしょう。その分散歩や体操など、軽い運動をするようにしてください。(産科看護師) 運動は出産に必要な筋肉を鍛え、お腹が大きく思うように動けないストレスを解消してカロリーも消費してくれます。妊婦体操や近所への買い物でもよいので、適度な運動を心がけましょう。(内科看護師) カロリーがなく身体によさそうに思える人工甘味料ですが、母子共によい影響はないようです。甘味は自然素材のものを少し摂るようにし、おやつは和菓子にするなどの工夫をするとよいでしょう。 オススメ記事≪妊娠後期。甘いものが我慢できず急激に体重増加!≫≪10kgの荷物を運ぶ重労働!妊娠への影響は?≫≪妊婦は花粉症の薬を飲んでいいの?≫ ■ あわせて読みたい ■ 妊娠中のコーヒーはNG?専門家に聞いてみた 妊娠中のアロマはNG?妊婦のラベンダーリスクについて 妊娠中の運動ですべきことと、気をつけることとは? もしかして妊娠したかも!?妊娠初期の兆候をチェック 女性のための健康生活マガジン JINEKO 妊娠中は体重管理や妊娠高血圧症候群などの予防のため、甘いものを控えるように言われることがあります。そこで、人工甘味料ならカロリーは低いし大丈夫ではという相談ですが、看護師さんたちはどのように回答しているのでしょうか。 画像:http://weheartit.com/ 人工甘味料についての相談:「妊娠中、人工甘味料でも尿糖は出てしまう?」 妊娠16週です。先日の妊婦健診で尿糖が+になってしまい、医師から糖分の摂取を控えるよう言われましたが、元々甘い物が好きなのでイライラしてしまいます。どうしても甘い物が欲しくなった時、人工甘味料の入った飲み物を飲むのは胎児に影響があるのでしょうか。また、人工甘味料でも尿糖は出てしまうものなのでしょうか。(30代・女性) 胎児の発育に悪影響を与えることも 人工甘味料には多くの化学物質が含まれるため、胎児の発育に影響が出たり血糖値のコントロールができなくなることもあるようです。人工甘味料でも尿糖は出ますし、できるだけ摂取は控えた方がよいでしょう。 人工甘味料には化学物質が多く含まれ、摂取し続けると耐糖能異常をおこすことが明らかになっています。耐糖能とは血糖を正常に保つためのグルコースの処置能力のことですが、人工甘味料の摂取によってこの能力に異常をきたし血糖コントロールが不能になると言われています。そして血糖値が上がれば、当然尿にも糖が排泄されます。(産科看護師) 人工甘味料にはアスパルテームという物質が含まれ、腎機能障害や胎児の脳の発育に悪影響を与えると言われています。日本では妊婦が飲んでも有害性は認められていないと言われていますが、妊婦に対する実験結果がないというのも事実で、確実に大丈夫とは言えないでしょう。 (産科看護師) 過剰摂取しなければ妊娠中も安全だと言われていますが、研究機関の多くの論文が「アスパルテーム(日本で売られている人工甘味料)は脳腫瘍などの致命的な健康被害をもたらす危険性がある」と結論付けています。最近のアメリカの研究では、人工甘味料は腸内微生物の構成を大きく変え血糖を上げる可能性があると報告されており、ママにも赤ちゃんにもあまりよい影響はないようです。(内科看護師) 洋菓子より和菓子、散歩や軽い運動を 甘いものも全く食べないのではストレスに。洋菓子は避けて和菓子にする、軽い運動でカロリーを消費するなどするとよいでしょう。 洋菓子より和菓子を食べたり、小分けにして少しずつ食べる、また飴をなめてもよいでしょう。甘味料を使う場合は身体を冷やす白砂糖よりも、自然素材の黒砂糖や三温糖などがよいです。(産科看護師) 羅漢果(らかんか) は自然素材の甘味料でカロリーがほとんどなく、ミネラルも豊富で妊婦さんにお勧めでお茶として市販されています。イライラする方が赤ちゃんにもよくないので、少しなら問題ないでしょう。その分散歩や体操など、軽い運動をするようにしてください。(産科看護師) 運動は出産に必要な筋肉を鍛え、お腹が大きく思うように動けないストレスを解消してカロリーも消費してくれます。妊婦体操や近所への買い物でもよいので、適度な運動を心がけましょう。(内科看護師) カロリーがなく身体によさそうに思える人工甘味料ですが、母子共によい影響はないようです。甘味は自然素材のものを少し摂るようにし、おやつは和菓子にするなどの工夫をするとよいでしょう。 オススメ記事≪妊娠後期。甘いものが我慢できず急激に体重増加!≫≪10kgの荷物を運ぶ重労働!妊娠への影響は?≫≪妊婦は花粉症の薬を飲んでいいの?≫ ■ あわせて読みたい ■ 妊娠中のコーヒーはNG?専門家に聞いてみた 妊娠中のアロマはNG?妊婦のラベンダーリスクについて 妊娠中の運動ですべきことと、気をつけることとは? もしかして妊娠したかも!?妊娠初期の兆候をチェック 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.14
コラム 妊娠・出産
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妊娠中の体のトラブル対応マニュアル(2)
妊娠中の体のトラブル対応マニュアル(2)~体の外側のトラブル~ 妊娠中は薬を服用できない場合もあります。薬を使用しない手当てをご紹介しましょう。ただし、ここでご紹介する方法は応急処置ですので、様子をみて改善しない場合は、早めに病院でみてもらいましょう。 腰痛 ● 風呂や温熱パッドで温める 熱すぎない風呂に、朝晩ゆっくりつかる。あるいは、日に3~4回、各15分程度、タオルに包んだカイロなどを当てる。 ● 湿布するきゅうれい根(粉末)を3倍量の小麦粉と混ぜ、少量の水を加えて耳たぶくらいのやわらかさに練って、厚地の布に湿布薬を塗り、ガーゼをのせ、患部に貼る。 腹部や、そのほかの皮膚のかゆみ ● 湿布する長時間の熱いシャワーや風呂、肌を乾燥させる石けんなどは避ける。シャワー後、肌が潤っているうちに保湿クリームなどを塗る。室内が乾燥している場合は加湿を心掛ける。 目のかゆみや目やに ● 湯でしぼった布を当てる 3時間おきに5~10分ずつくらい、熱くない程度の湯に浸してしぼった布を当てる。 【正しい目の拭き方】 ガーゼか脱脂綿に熱湯をかけて消毒し、人肌程度に冷めたら目頭から目じりに向かって拭く。指や手で拭くと細菌がつくので避ける。 筋肉痛、筋肉の損傷 ● 1~2日目はアイスパックか冷湿布 打撲傷の項目を参照。アイスパックか冷湿布をする、受傷直後は冷水に浸す。 ● 2日目以降は入浴、温湿布 炎症が治まったら、入浴するか、湯で絞った布を当てる。 けがによる打撲傷 ● アイスパックで冷やす 冷凍庫で凍らせた市販のアイスパック、ファスナー付きのビニール袋に氷を詰め、濡れないようにタオルを添えたものを患部に30分ほどあてる。腫れや痛みが引かなければ、必要に応じて30分後に再度当てる。あるいは20分冷やしたら30~40分休憩し、また20分冷やす、を3~4回繰り返す。冷やすことで血管が収縮し、痛みや腫れを抑え、炎症の広がりを止める。 ● 冷湿布 氷水に浸して絞ったやわらかい布を患部にあてる。 手、手首、足の打撲傷 ● 冷水につける 洗面器に水と氷を入れ、患部を30分ほど浸す。必要に応じて30分後に再度冷やす。 ● 患部を心臓より高くする 内出血の拡大と悪化を防ぐ効果がある。 やけど ● 流水で冷やす 素早い応急処置が重要。水道水などを勢いよく出し、患部に当てて20分以上冷やす。服の上からやけどしたときは、服を身につけたまま冷やし、十分冷やしてから優しく服を脱ぐ。流水が近くにない場合は、できるだけ冷たい水に浸す。ウイスキーか焼酎くらいの度数のアルコールがあれば、患部を20~30分漬ける。タオルかガーゼを患部に当ててアルコールをかけてもよい。アルコールは酢でも代用できる。アルコールには殺菌効果と、熱をとり、水ぶくれを防ぐ効果がある。 ● 冷湿布 打撲傷の項目を参照。氷を直接患部に当てないようにする。 参考:『すべてがわかる妊娠と出産の本』H・マーコフ、A・アイゼンバーグ、S・ハザウェイ著 森田由美訳 竹内正人監修 アスペクト刊/ 『病気とけが 手当のきほん おさらい帖』王瑞雲著 小学館刊 関連記事: 《 妊娠中の体のトラブル対応マニュアル(1) 》 ■ あわせて読みたい ■ 妊娠中のつらい腰痛、ナースがその対策を教えます! 妊娠初期に下痢だった方! 足のむくみで眠れない時に試したい7つのこと 女性のための健康生活マガジン JINEKO 妊娠中の体のトラブル対応マニュアル(2)~体の外側のトラブル~ 妊娠中は薬を服用できない場合もあります。薬を使用しない手当てをご紹介しましょう。ただし、ここでご紹介する方法は応急処置ですので、様子をみて改善しない場合は、早めに病院でみてもらいましょう。 腰痛 ● 風呂や温熱パッドで温める 熱すぎない風呂に、朝晩ゆっくりつかる。あるいは、日に3~4回、各15分程度、タオルに包んだカイロなどを当てる。 ● 湿布するきゅうれい根(粉末)を3倍量の小麦粉と混ぜ、少量の水を加えて耳たぶくらいのやわらかさに練って、厚地の布に湿布薬を塗り、ガーゼをのせ、患部に貼る。 腹部や、そのほかの皮膚のかゆみ ● 湿布する長時間の熱いシャワーや風呂、肌を乾燥させる石けんなどは避ける。シャワー後、肌が潤っているうちに保湿クリームなどを塗る。室内が乾燥している場合は加湿を心掛ける。 目のかゆみや目やに ● 湯でしぼった布を当てる 3時間おきに5~10分ずつくらい、熱くない程度の湯に浸してしぼった布を当てる。 【正しい目の拭き方】 ガーゼか脱脂綿に熱湯をかけて消毒し、人肌程度に冷めたら目頭から目じりに向かって拭く。指や手で拭くと細菌がつくので避ける。 筋肉痛、筋肉の損傷 ● 1~2日目はアイスパックか冷湿布 打撲傷の項目を参照。アイスパックか冷湿布をする、受傷直後は冷水に浸す。 ● 2日目以降は入浴、温湿布 炎症が治まったら、入浴するか、湯で絞った布を当てる。 けがによる打撲傷 ● アイスパックで冷やす 冷凍庫で凍らせた市販のアイスパック、ファスナー付きのビニール袋に氷を詰め、濡れないようにタオルを添えたものを患部に30分ほどあてる。腫れや痛みが引かなければ、必要に応じて30分後に再度当てる。あるいは20分冷やしたら30~40分休憩し、また20分冷やす、を3~4回繰り返す。冷やすことで血管が収縮し、痛みや腫れを抑え、炎症の広がりを止める。 ● 冷湿布 氷水に浸して絞ったやわらかい布を患部にあてる。 手、手首、足の打撲傷 ● 冷水につける 洗面器に水と氷を入れ、患部を30分ほど浸す。必要に応じて30分後に再度冷やす。 ● 患部を心臓より高くする 内出血の拡大と悪化を防ぐ効果がある。 やけど ● 流水で冷やす 素早い応急処置が重要。水道水などを勢いよく出し、患部に当てて20分以上冷やす。服の上からやけどしたときは、服を身につけたまま冷やし、十分冷やしてから優しく服を脱ぐ。流水が近くにない場合は、できるだけ冷たい水に浸す。ウイスキーか焼酎くらいの度数のアルコールがあれば、患部を20~30分漬ける。タオルかガーゼを患部に当ててアルコールをかけてもよい。アルコールは酢でも代用できる。アルコールには殺菌効果と、熱をとり、水ぶくれを防ぐ効果がある。 ● 冷湿布 打撲傷の項目を参照。氷を直接患部に当てないようにする。 参考:『すべてがわかる妊娠と出産の本』H・マーコフ、A・アイゼンバーグ、S・ハザウェイ著 森田由美訳 竹内正人監修 アスペクト刊/ 『病気とけが 手当のきほん おさらい帖』王瑞雲著 小学館刊 関連記事: 《 妊娠中の体のトラブル対応マニュアル(1) 》 ■ あわせて読みたい ■ 妊娠中のつらい腰痛、ナースがその対策を教えます! 妊娠初期に下痢だった方! 足のむくみで眠れない時に試したい7つのこと 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.3
コラム 妊娠・出産
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妊娠中の体のトラブル対応マニュアル(1)
妊娠中の体のトラブル対応マニュアル(1)~体の内側のトラブル~ 妊娠中は薬を服用できない場合もあります。薬を使用しない手当てをご紹介しましょう。ただし、ここでご紹介する方法は応急処置ですので、様子をみて改善しない場合は、早めに病院でみてもらいましょう。 風邪 ● 休息をとる 眠っても必ずしも治りが早くなるわけではないが、体が休息を求めていると感じたらきちんと休む。体の調子をみながら対応する。頭部を冷やして、足元は暖かく保つ「頭寒足熱」で、たっぷり眠ること。 ● 栄養を摂る 風邪や発熱、赤ちゃんにも、栄養不足は禁物。気分が悪く食欲がない場合は、なるべく栄養価の高い食事を心掛ける。柑橘系の果物かジュース(みかん、オレンジ、グレープフルーツ)や、ビタミンCが豊富な果物や野菜を。ただし、医師の許可なしに、ビタミンCのサプリメントを限定量以上に摂ったり、錠剤やトローチ剤として摂取する亜鉛などを摂ったりしないこと。ハーブのエキナセアは、風邪のひどい症状の予防や軽減に効果があるといわれているが、妊娠中の摂取の安全性は証明されていないため、おすすめできない。 ● 水分補給 1時間おきに250ccずつ水分(水、ジュース、スープなど)を摂る。薄めて温めた熱いグレープジュースやオレンジジュースでもよい。温かい飲み物がよい。牛乳は、医師の指示があった場合のみ制限する。脱水症を予防するために、人肌に温めたほうじ茶、番茶、リンゴジュース、イオン水、しょうが湯などを摂る。熱があるときの冷たい飲み物は、かえって症状を重くすることもあるので注意すること。 ● 生理食塩水を点鼻剤がわりに 市販の生理食塩水か、235ccの水に小さじ4分の1の塩を溶かしたもの(きちんと測ること)を使う。各鼻孔に数滴ずつたらし、5~10分待ってから鼻をかむ。 ● 加湿器を利用する 睡眠などの際、枕元に加湿器を置いて加湿する。 ● 鼻孔拡張テープ 市販で売られているものを利用して、鼻の通りをよくする。 せき(風邪やインフルエンザによるもの) ● 食塩水でうがい のどが痛んだりむずむずする、せきが出る場合には、やけどしない程度の熱さの食塩水(250ccほどの湯に小さじ4分の1の塩を溶かしたもの)でうがいをする。 ● 水分補給 風邪の項目を参照 ● 大根おろしの養生食を食べる 大根のビタミンCが消炎作用を発揮し、せきやたんを鎮める働きをする。大根、レンコンのおろしあえ(同量の大根とレンコンをおろして混ぜ、小さく切ったパイナップルとあえる)や大根、レンコン、もずくのあえもの(同量の大根とレンコンをおろして混ぜ、もずく1カップ、酢、しょうゆ各大1/2を加え、よく混ぜ合わせる)ほかにもマーマレードのお湯割りやキンカンの甘煮も有効。 発熱 (※風邪やインフルエンザの症状がないのに38度を超える熱がある時はその日のうちに、39度を超える熱はただちに、病院に連絡する) ● ぬるめの風呂に入る ● タオルで体を拭く ● 水分補給風邪の項目を参照 ● 休養する頭部を冷やして、足元は暖かく保つ「頭寒足熱」で、たっぷり眠る。水枕をあて、おでこに冷やしたタオルか氷のうを置く。体や足は十分に温める。特に肩を冷やさないように。保冷剤を使った頭や体を冷やす道具は、冷やしすぎになることもあるので注意したい。 下痢 ● 水分補給1~2時間おきに250ccほど水分(水、薄めたフルーツジュース〈※プルーンジュースは不可〉、すまし汁)を摂る。 ● 胃腸の調子を整える食べ物や飲み物で胃腸をいたわる 肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質や脂っこいもの、チョコレート、ケーキ、プリンなどの砂糖の多いもの、アイスクリームやジュースなどの冷たいものは一時ストップする。くず湯などの胃腸の調子を整えるものを食べる。 ● 昔の人の知恵として、下痢のときは、そうめんのゆで汁がよいといわれている。 そうめんのゆで汁の適度な塩気が下痢の体にはおいしく感じ、適度なでんぷん質によってとろみがつくので飲みやすくなる。このでんぷん質は胃壁を守る役目も果たす。 副鼻腔炎 ● 温湿布と冷湿布を交互に 副鼻腔炎による頭痛や頬部痛には、熱い湯に浸してしぼった布を、冷めるまで30秒ほど痛む部位に当てる。次に冷湿布を、ぬるくなるまで当てる。日に4回、10分間ずつ、温湿布と冷湿布をくり返し当てる。 鼻づまり ● 加湿器や生理食塩水を使う 加湿器を使用したり、鼻の内部に生理食塩水の点鼻剤(風邪の項目を参照)をスプレーしたりして、鼻孔を湿らせる。 ● 顔を拭く鼻に適度な湿気を与えるために、清潔でやわらかいタオルをお湯で濡らして絞り、顔全体をやさしく拭く。一日に何度も拭くといい。 のどの痛み、いがらっぽさ ● 食塩水でうがい お茶程度の温度の湯250ccほどに、小さじ4分の1の塩を溶かしたもので、5分間うがいをする。必要に応じて、または2時間ごとにくり返す。 ● にんにくうがい薬でうがい すりおろしたニンニク1片、天然塩少々にお湯250mLを注ぎ入れ、4~5分おき、茶こしでこす。番茶、ほうじ茶、緑茶と塩でうがいするのも効果的。 ● 湿布パスター(軟膏)を貼る イモパスター(生のまますりおろしたサトイモ100g、小麦粉1/2カップ、おろししょうが少々をよく混ぜたもの)をガーゼハンカチに包んでのどに巻く。サトイモのぬめりにかぶれる場合は、ジャガイモで代用できる。長ネギとからしのパスター(あらみじん切りにした長ネギ1/2本に練りがらし大1を混ぜ、しっかり混ぜる)も同様の効果がある。 参考:『すべてがわかる妊娠と出産の本』H・マーコフ、A・アイゼンバーグ、S・ハザウェイ著 森田由美訳 竹内正人監修 アスペクト刊/ 『病気とけが 手当のきほん おさらい帖』王瑞雲著 小学館刊 関連記事: 《 妊娠中の体のトラブル対応マニュアル(2) 》 ■ あわせて読みたい ■ クリニックで妊娠判定をもらいました。すぐに産婦人科に行くべきですか?また、どんな検査をするの? 妊娠から出産までの基礎知識 産婦人科選びの注意点を教えて 赤ちゃんに影響するかも!妊娠中に気をつけたい感染症 女性のための健康生活マガジン JINEKO 妊娠中の体のトラブル対応マニュアル(1)~体の内側のトラブル~ 妊娠中は薬を服用できない場合もあります。薬を使用しない手当てをご紹介しましょう。ただし、ここでご紹介する方法は応急処置ですので、様子をみて改善しない場合は、早めに病院でみてもらいましょう。 風邪 ● 休息をとる 眠っても必ずしも治りが早くなるわけではないが、体が休息を求めていると感じたらきちんと休む。体の調子をみながら対応する。頭部を冷やして、足元は暖かく保つ「頭寒足熱」で、たっぷり眠ること。 ● 栄養を摂る 風邪や発熱、赤ちゃんにも、栄養不足は禁物。気分が悪く食欲がない場合は、なるべく栄養価の高い食事を心掛ける。柑橘系の果物かジュース(みかん、オレンジ、グレープフルーツ)や、ビタミンCが豊富な果物や野菜を。ただし、医師の許可なしに、ビタミンCのサプリメントを限定量以上に摂ったり、錠剤やトローチ剤として摂取する亜鉛などを摂ったりしないこと。ハーブのエキナセアは、風邪のひどい症状の予防や軽減に効果があるといわれているが、妊娠中の摂取の安全性は証明されていないため、おすすめできない。 ● 水分補給 1時間おきに250ccずつ水分(水、ジュース、スープなど)を摂る。薄めて温めた熱いグレープジュースやオレンジジュースでもよい。温かい飲み物がよい。牛乳は、医師の指示があった場合のみ制限する。脱水症を予防するために、人肌に温めたほうじ茶、番茶、リンゴジュース、イオン水、しょうが湯などを摂る。熱があるときの冷たい飲み物は、かえって症状を重くすることもあるので注意すること。 ● 生理食塩水を点鼻剤がわりに 市販の生理食塩水か、235ccの水に小さじ4分の1の塩を溶かしたもの(きちんと測ること)を使う。各鼻孔に数滴ずつたらし、5~10分待ってから鼻をかむ。 ● 加湿器を利用する 睡眠などの際、枕元に加湿器を置いて加湿する。 ● 鼻孔拡張テープ 市販で売られているものを利用して、鼻の通りをよくする。 せき(風邪やインフルエンザによるもの) ● 食塩水でうがい のどが痛んだりむずむずする、せきが出る場合には、やけどしない程度の熱さの食塩水(250ccほどの湯に小さじ4分の1の塩を溶かしたもの)でうがいをする。 ● 水分補給 風邪の項目を参照 ● 大根おろしの養生食を食べる 大根のビタミンCが消炎作用を発揮し、せきやたんを鎮める働きをする。大根、レンコンのおろしあえ(同量の大根とレンコンをおろして混ぜ、小さく切ったパイナップルとあえる)や大根、レンコン、もずくのあえもの(同量の大根とレンコンをおろして混ぜ、もずく1カップ、酢、しょうゆ各大1/2を加え、よく混ぜ合わせる)ほかにもマーマレードのお湯割りやキンカンの甘煮も有効。 発熱 (※風邪やインフルエンザの症状がないのに38度を超える熱がある時はその日のうちに、39度を超える熱はただちに、病院に連絡する) ● ぬるめの風呂に入る ● タオルで体を拭く ● 水分補給風邪の項目を参照 ● 休養する頭部を冷やして、足元は暖かく保つ「頭寒足熱」で、たっぷり眠る。水枕をあて、おでこに冷やしたタオルか氷のうを置く。体や足は十分に温める。特に肩を冷やさないように。保冷剤を使った頭や体を冷やす道具は、冷やしすぎになることもあるので注意したい。 下痢 ● 水分補給1~2時間おきに250ccほど水分(水、薄めたフルーツジュース〈※プルーンジュースは不可〉、すまし汁)を摂る。 ● 胃腸の調子を整える食べ物や飲み物で胃腸をいたわる 肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質や脂っこいもの、チョコレート、ケーキ、プリンなどの砂糖の多いもの、アイスクリームやジュースなどの冷たいものは一時ストップする。くず湯などの胃腸の調子を整えるものを食べる。 ● 昔の人の知恵として、下痢のときは、そうめんのゆで汁がよいといわれている。 そうめんのゆで汁の適度な塩気が下痢の体にはおいしく感じ、適度なでんぷん質によってとろみがつくので飲みやすくなる。このでんぷん質は胃壁を守る役目も果たす。 副鼻腔炎 ● 温湿布と冷湿布を交互に 副鼻腔炎による頭痛や頬部痛には、熱い湯に浸してしぼった布を、冷めるまで30秒ほど痛む部位に当てる。次に冷湿布を、ぬるくなるまで当てる。日に4回、10分間ずつ、温湿布と冷湿布をくり返し当てる。 鼻づまり ● 加湿器や生理食塩水を使う 加湿器を使用したり、鼻の内部に生理食塩水の点鼻剤(風邪の項目を参照)をスプレーしたりして、鼻孔を湿らせる。 ● 顔を拭く鼻に適度な湿気を与えるために、清潔でやわらかいタオルをお湯で濡らして絞り、顔全体をやさしく拭く。一日に何度も拭くといい。 のどの痛み、いがらっぽさ ● 食塩水でうがい お茶程度の温度の湯250ccほどに、小さじ4分の1の塩を溶かしたもので、5分間うがいをする。必要に応じて、または2時間ごとにくり返す。 ● にんにくうがい薬でうがい すりおろしたニンニク1片、天然塩少々にお湯250mLを注ぎ入れ、4~5分おき、茶こしでこす。番茶、ほうじ茶、緑茶と塩でうがいするのも効果的。 ● 湿布パスター(軟膏)を貼る イモパスター(生のまますりおろしたサトイモ100g、小麦粉1/2カップ、おろししょうが少々をよく混ぜたもの)をガーゼハンカチに包んでのどに巻く。サトイモのぬめりにかぶれる場合は、ジャガイモで代用できる。長ネギとからしのパスター(あらみじん切りにした長ネギ1/2本に練りがらし大1を混ぜ、しっかり混ぜる)も同様の効果がある。 参考:『すべてがわかる妊娠と出産の本』H・マーコフ、A・アイゼンバーグ、S・ハザウェイ著 森田由美訳 竹内正人監修 アスペクト刊/ 『病気とけが 手当のきほん おさらい帖』王瑞雲著 小学館刊 関連記事: 《 妊娠中の体のトラブル対応マニュアル(2) 》 ■ あわせて読みたい ■ クリニックで妊娠判定をもらいました。すぐに産婦人科に行くべきですか?また、どんな検査をするの? 妊娠から出産までの基礎知識 産婦人科選びの注意点を教えて 赤ちゃんに影響するかも!妊娠中に気をつけたい感染症 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.3
コラム 妊娠・出産
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男の約束
赤ちゃんエッセイ:男の約束 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「ねえー、パパ。ゆうちゃん、まだ、産まれないの?」 5歳になったばかりの長男(りょういち)が心配そうな声を出した。 「もう少しだよ。ママも頑張っているから、応援してあげて」 長男に心配させないように言ったつもりだったが声が震えているのが自分でも分かった。「手術中」という赤いランプが点灯している以外は照明がほとんど無い薄暗い廊下。ベンチに息子と2人きりである。そう、嫁は手術室で闘っている。出産予定日よりも2か月も早い32週目に急に陣痛が起きた。すぐに救急車で大学病院に運ばれ、緊急の帝王切開となった。息子は5歳になったばかりだったが嫁が苦しみだして救急車で運ばれたことにただならぬことが起きたと感じている風であった。 「ママ、大丈夫?痛くないの?」 「大丈夫だよ、大丈夫。ママは頑張っているから」 「ゆうちゃんも頑張っているんだよね」 結婚した時から女の子には「優花」という名前をつけようと夫婦で決めていた。優しく花のようなかわいい女の子に育って欲しいからだ。だから、「ゆうちゃん」とお腹の中にいる時から呼んでいた。長男はだんだん大きくなる嫁のお腹に「ゆうちゃん、ゆうちゃん」と毎日声をかけていた。妹ができることをとても喜んでいたのだ。 「そうだよ。ママもゆうちゃんも頑張っている。絶対に大丈夫だから」と長男の両手を握り締めて言った。 「僕ね、ゆうちゃんが産まれてきたらお兄ちゃんになる。お世話をたくさんして、一緒にたくさん遊ぶんだ」 私は長男の言葉にびっくりした。まだまだ幼いと思っていたのだがいつのまにか成長し、産まれてくる妹のことをしっかり考えているのだ。 「そうか、えらいぞ」 私は長男の頭をぐりぐりさせながら言った。 「じゃあ、男の約束をするか。」 「約束?」 「ああ、パパとお前と2人だけの約束だ」 私はじっと息子の目を見ながら言った。 「それは絶対にママとゆうちゃんを悲しませないことだ」 「いいかい。パパとりょういちは男だろ。男は女の子を守らなければいけないし、悲しませてはいけないんだ」 「うん。」 「ママとゆうちゃんは今本当に頑張っている。ママは今まで生きてきた中で一番苦しい思いをしているし、ゆうちゃんもママのお腹から出るために必死になっている。それが二人に対する一番のごほうびだよ」 「分かったよ、パパ。ママとゆうちゃんを絶対悲しませない。僕がママとゆうちゃんを守る」 と私の目をみつめながら頼もしげに言った。 「よし、約束だぞ」 それから長男は眠ってしまった。夜も遅いし、疲れたのだろう。たくましく成長している息子を誇らしく思った。手術は無事に成功し、赤ちゃんも無事に産まれた。身長40㎝、体重1876gの未熟児だった。赤ちゃんはとても小さかったが泣き声は大きく元気だった。赤ちゃんはNICUにすぐに運ばれたが長男は元気な赤ちゃんを見て満足げであった。 「パパ、ゆうちゃん、かわいいね。絶対、僕が守るよ」 「ああ、頼むよ。お姫様をしっかり守ってくれよ」 「うん」 息子は自分の胸をどんと叩いた。 嫁が麻酔から覚めると家族みんな(娘も含む)で泣いて喜んだ。私は息子との約束を嫁に伝えた。 「りょうくん、ママを守ってくれるの?ありがとう。とっても嬉しいわ」 「任せといてよ。ママ、がんばってゆうちゃんを産んでくれてありがとう。ゆうちゃん、とてもかわいいよ」 嫁は微笑みなが息子を抱いた。息子は一晩ですっかりたくましくなった。 娘は2か月くらい病院に入院していたが特に健康にも問題なくすくすくと成長している。息子から娘中心の生活となってしまったが息子はあまり駄々をこねたりしなかった。それどころか本当に妹をかわいがっており、いつでも一緒にいる。 赤ちゃんがくれたもの。それは息子の成長と家族の強い絆だった。人は人のために強くなれる。人は誰かを守ることで強くなれる。赤ちゃんから大きなチカラをもらった。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // --> 赤ちゃんエッセイ:男の約束 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「ねえー、パパ。ゆうちゃん、まだ、産まれないの?」 5歳になったばかりの長男(りょういち)が心配そうな声を出した。 「もう少しだよ。ママも頑張っているから、応援してあげて」 長男に心配させないように言ったつもりだったが声が震えているのが自分でも分かった。「手術中」という赤いランプが点灯している以外は照明がほとんど無い薄暗い廊下。ベンチに息子と2人きりである。そう、嫁は手術室で闘っている。出産予定日よりも2か月も早い32週目に急に陣痛が起きた。すぐに救急車で大学病院に運ばれ、緊急の帝王切開となった。息子は5歳になったばかりだったが嫁が苦しみだして救急車で運ばれたことにただならぬことが起きたと感じている風であった。 「ママ、大丈夫?痛くないの?」 「大丈夫だよ、大丈夫。ママは頑張っているから」 「ゆうちゃんも頑張っているんだよね」 結婚した時から女の子には「優花」という名前をつけようと夫婦で決めていた。優しく花のようなかわいい女の子に育って欲しいからだ。だから、「ゆうちゃん」とお腹の中にいる時から呼んでいた。長男はだんだん大きくなる嫁のお腹に「ゆうちゃん、ゆうちゃん」と毎日声をかけていた。妹ができることをとても喜んでいたのだ。 「そうだよ。ママもゆうちゃんも頑張っている。絶対に大丈夫だから」と長男の両手を握り締めて言った。 「僕ね、ゆうちゃんが産まれてきたらお兄ちゃんになる。お世話をたくさんして、一緒にたくさん遊ぶんだ」 私は長男の言葉にびっくりした。まだまだ幼いと思っていたのだがいつのまにか成長し、産まれてくる妹のことをしっかり考えているのだ。 「そうか、えらいぞ」 私は長男の頭をぐりぐりさせながら言った。 「じゃあ、男の約束をするか。」 「約束?」 「ああ、パパとお前と2人だけの約束だ」 私はじっと息子の目を見ながら言った。 「それは絶対にママとゆうちゃんを悲しませないことだ」 「いいかい。パパとりょういちは男だろ。男は女の子を守らなければいけないし、悲しませてはいけないんだ」 「うん。」 「ママとゆうちゃんは今本当に頑張っている。ママは今まで生きてきた中で一番苦しい思いをしているし、ゆうちゃんもママのお腹から出るために必死になっている。それが二人に対する一番のごほうびだよ」 「分かったよ、パパ。ママとゆうちゃんを絶対悲しませない。僕がママとゆうちゃんを守る」 と私の目をみつめながら頼もしげに言った。 「よし、約束だぞ」 それから長男は眠ってしまった。夜も遅いし、疲れたのだろう。たくましく成長している息子を誇らしく思った。手術は無事に成功し、赤ちゃんも無事に産まれた。身長40㎝、体重1876gの未熟児だった。赤ちゃんはとても小さかったが泣き声は大きく元気だった。赤ちゃんはNICUにすぐに運ばれたが長男は元気な赤ちゃんを見て満足げであった。 「パパ、ゆうちゃん、かわいいね。絶対、僕が守るよ」 「ああ、頼むよ。お姫様をしっかり守ってくれよ」 「うん」 息子は自分の胸をどんと叩いた。 嫁が麻酔から覚めると家族みんな(娘も含む)で泣いて喜んだ。私は息子との約束を嫁に伝えた。 「りょうくん、ママを守ってくれるの?ありがとう。とっても嬉しいわ」 「任せといてよ。ママ、がんばってゆうちゃんを産んでくれてありがとう。ゆうちゃん、とてもかわいいよ」 嫁は微笑みなが息子を抱いた。息子は一晩ですっかりたくましくなった。 娘は2か月くらい病院に入院していたが特に健康にも問題なくすくすくと成長している。息子から娘中心の生活となってしまったが息子はあまり駄々をこねたりしなかった。それどころか本当に妹をかわいがっており、いつでも一緒にいる。 赤ちゃんがくれたもの。それは息子の成長と家族の強い絆だった。人は人のために強くなれる。人は誰かを守ることで強くなれる。赤ちゃんから大きなチカラをもらった。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // -->
2015.4.3
コラム 妊娠・出産
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お母さんと赤ちゃん
赤ちゃんエッセイ:お母さんと赤ちゃん 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「私の赤ちゃんがどうしてこんな障害を持って生まれてきちゃったのかしら。身内には誰もこんな病気を持っている人はいないのに。」 私の顔をみるなり、涙を浮かべながら呟いた年若いお母さんがいた。 私は先天性の心臓疾患がありその手術の為に長期入院をしていた。先天性心臓疾患の専門機関であったので、生まれてくる子供、お母さんそのどちらかが心臓に悩みを抱えている人が多く入院していた。病棟の一角にガラス張りの新生児室があり掌にのるくらいの小さな赤ちゃん達がいた。鼻からのチューブ、大人の指よりも細い腕に沢山の点滴をしているのをみると涙が出て仕方がなく足早に通り過ぎていた。 ある時、ふと見ると看護師さんが赤ちゃんの足の裏をくすぐっている。何をしているのかと思い看護婦さんにたずねると、「まだお腹の中にいると思って時々息をするのを忘れちゃうんです。」と言う。びっくりして「忘れちゃうんですか?」と聞くと、「そうなんです。やんちゃな子、おとなしい子、性格がそれぞれで可愛いですよ。」と微笑みながら答えてくれた。 その日から新生児室の前にある椅子に座り、赤ちゃんの様子を眺めることが日課になった。鼻のチューブが気持ち悪いのだろう、一生懸命手で押しのけて取ってしまう子。足の裏をくすぐられると「ハッ」っとして息をしだす子。看護師さんがどんなにシートをかけても足を起用に動かしクチュクチュと押しのけてしまう子、タオルで身体を拭いてもらうと「本当に気持ちいい」と伸びをして目を細めている子、、。どの赤ちゃんも元気で明るく一生懸命に生きていた。日々眺めているだけでその赤ちゃんの性格までわかるようになるから不思議だ。 「またやんちゃしてるな。」「今日はご機嫌かな」と一人ひとりの赤ちゃんの様子を毎日見に行くので、看護師さんからは「赤ちゃんパトロールのお姉さん」と呼ばれだした。 そんなある日だった。悲しそうな顔をして赤ちゃんをのぞきこみ、ふと私の顔を見るとどこにも言えなかった気持ちがあふれたかのように呟いた。 どんな病気なのかと聞くと全く私と同じ疾患だった。「私と一緒だね。」と言うと、目を見開いて顔を見た。心臓が出来上がるまでの仕組み、赤ちゃんの時にわかって良かったこと、今手術して対応しておけばこれから先の生活に問題はないこと、気づかないだけで結構多くの人がその疾患を持っていること、そして誰のせいでもないことをゆっくりと顔を見ながら話した。 「誰のせいでもない?」と何度も聞くので、「そう、誰のせいでもない。それに貴女の赤ちゃんはとてもやんちゃで元気いっぱいだよ。」と毎日見ている様子について話すと、「小さくて怖くてどうしていいかわからなくて悲しくて、ちゃんと見ることができませんでした。」と涙をこぼした。 「お腹の中で大切に育てていたのにって思っちゃうよね。自分が悪いって思ってしまうよね。でも誰も悪くない。貴女は一生懸命頑張ったんだから。可愛いよ。貴女の赤ちゃん。大丈夫。」 お母さんはギュッと私の手を握って声をあげて泣いた。 数日後、お母さんとお義母さんが一緒に私の病室を訪ねてきてくれた。お母さんが先に退院するという。 赤ちゃんパトロールに出向き、お母さんの赤ちゃんに言った。 「あなたのお母さん素敵な人だよ。」と。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト ■ あわせて読みたい ■ 出産後の過ごし方(1) 産後に抜け毛が止まらない!産後抜け毛の2つの原因とは? 《長い?短い?》出産後、初セックスは【産後○○日】! 女性のための健康生活マガジン JINEKO 赤ちゃんエッセイ:お母さんと赤ちゃん 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「私の赤ちゃんがどうしてこんな障害を持って生まれてきちゃったのかしら。身内には誰もこんな病気を持っている人はいないのに。」 私の顔をみるなり、涙を浮かべながら呟いた年若いお母さんがいた。 私は先天性の心臓疾患がありその手術の為に長期入院をしていた。先天性心臓疾患の専門機関であったので、生まれてくる子供、お母さんそのどちらかが心臓に悩みを抱えている人が多く入院していた。病棟の一角にガラス張りの新生児室があり掌にのるくらいの小さな赤ちゃん達がいた。鼻からのチューブ、大人の指よりも細い腕に沢山の点滴をしているのをみると涙が出て仕方がなく足早に通り過ぎていた。 ある時、ふと見ると看護師さんが赤ちゃんの足の裏をくすぐっている。何をしているのかと思い看護婦さんにたずねると、「まだお腹の中にいると思って時々息をするのを忘れちゃうんです。」と言う。びっくりして「忘れちゃうんですか?」と聞くと、「そうなんです。やんちゃな子、おとなしい子、性格がそれぞれで可愛いですよ。」と微笑みながら答えてくれた。 その日から新生児室の前にある椅子に座り、赤ちゃんの様子を眺めることが日課になった。鼻のチューブが気持ち悪いのだろう、一生懸命手で押しのけて取ってしまう子。足の裏をくすぐられると「ハッ」っとして息をしだす子。看護師さんがどんなにシートをかけても足を起用に動かしクチュクチュと押しのけてしまう子、タオルで身体を拭いてもらうと「本当に気持ちいい」と伸びをして目を細めている子、、。どの赤ちゃんも元気で明るく一生懸命に生きていた。日々眺めているだけでその赤ちゃんの性格までわかるようになるから不思議だ。 「またやんちゃしてるな。」「今日はご機嫌かな」と一人ひとりの赤ちゃんの様子を毎日見に行くので、看護師さんからは「赤ちゃんパトロールのお姉さん」と呼ばれだした。 そんなある日だった。悲しそうな顔をして赤ちゃんをのぞきこみ、ふと私の顔を見るとどこにも言えなかった気持ちがあふれたかのように呟いた。 どんな病気なのかと聞くと全く私と同じ疾患だった。「私と一緒だね。」と言うと、目を見開いて顔を見た。心臓が出来上がるまでの仕組み、赤ちゃんの時にわかって良かったこと、今手術して対応しておけばこれから先の生活に問題はないこと、気づかないだけで結構多くの人がその疾患を持っていること、そして誰のせいでもないことをゆっくりと顔を見ながら話した。 「誰のせいでもない?」と何度も聞くので、「そう、誰のせいでもない。それに貴女の赤ちゃんはとてもやんちゃで元気いっぱいだよ。」と毎日見ている様子について話すと、「小さくて怖くてどうしていいかわからなくて悲しくて、ちゃんと見ることができませんでした。」と涙をこぼした。 「お腹の中で大切に育てていたのにって思っちゃうよね。自分が悪いって思ってしまうよね。でも誰も悪くない。貴女は一生懸命頑張ったんだから。可愛いよ。貴女の赤ちゃん。大丈夫。」 お母さんはギュッと私の手を握って声をあげて泣いた。 数日後、お母さんとお義母さんが一緒に私の病室を訪ねてきてくれた。お母さんが先に退院するという。 赤ちゃんパトロールに出向き、お母さんの赤ちゃんに言った。 「あなたのお母さん素敵な人だよ。」と。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト ■ あわせて読みたい ■ 出産後の過ごし方(1) 産後に抜け毛が止まらない!産後抜け毛の2つの原因とは? 《長い?短い?》出産後、初セックスは【産後○○日】! 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.3
コラム 妊娠・出産
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出産後の過ごし方(2)
赤ちゃんもママも元気に!出産後の過ごし方(2) もうすぐ生まれる赤ちゃん!お腹が大きくなってきて、そろそろ出産後の準備も整えたい時期ですね。出産後のママの体はとってもデリケート。ママも赤ちゃんも大切な時期を元気に過ごすポイントを押さえましょう。 心も不安定な状態になりやすい時期。周りにサポートしてもらいながら赤ちゃんとの時間を楽しんで キャリアウーマンの方は「産後うつ」に気をつけて 産後の1カ月間は体だけではなく、心も不安定になりやすい時期です。退院して自宅に戻ると、授乳、沐浴、おむつ替え……と、いろいろなことが一気に押し寄せてきて、頭も体もいっぱいいっぱいになってしまいます。育児は自分の思うようにならないし、自分の自由な時間も奪われてしまいます。特に初産の方だと、気持ちが追いつかなくて、育児ノイローゼや産後うつといわれる状態を引き起こしてしまう方もいます。 もともとうつ傾向の方は、妊娠中はホルモンの関係などで一時的にうつの症状がなくなるのですが、出産するとまた元に戻ってしまう、もしくは以前よりも症状が悪化してしまうことがあります。 また、出産前はうつの症状はなかったのに、出産後にうつ病になってしまうケースは、バリバリ働いていたキャリアウーマンの方に多く見られる傾向が。不安定な精神状態を引き起こす原因は、働いていた時と出産後の生活のギャップの大きさ、自分がいない間に職場のポストや仕事を奪われる不安などから来ているようです。 行政や産院でもサポート体制を整えています このようなことを起こさず、安定した気持ちで産後を乗り切るために、当院では、事情が許せば「1カ月間は実家で過ごしてください」とお伝えしています。ご両親と一緒なら、いろいろなことに煩わされず、リラックスした気持ちで育児のペースをつかんでいけます。 しかし、事情が許さず、ご夫婦で過ごさなければならないご家庭もあります。そのような場合は、ご主人のサポートが大切。お母さんは昼間1人で赤ちゃんの世話をして、不安だったり、不満やストレスもためています。ですから、ご主人になるべく早く帰ってきてもらい、話を聞いてもらったり、赤ちゃんのお世話を手伝ってもらうのがよいでしょう。それによって父性意識が芽ばえ、お母さんの心はだいぶ軽くなります。 また、行政にも育児の相談窓口が設けられています。自分ではどうしようもなくなったら、市役所や区役所、保健所などに駆け込んでご相談を。近所になければ、出産した病院に連絡をすれば助産師さんなどが対応してくれるはずです。心の状態が悪化する前に食い止めることが必要です。 初めての赤ちゃんのお世話をマイペースで楽しんで 初めて出産した人にとって、赤ちゃんはこれまで触れたことのない未知の存在。授乳や沐浴、どうしたらいいのか、赤ちゃんをどう扱えばいいのか、不安や疑問だらけだと思います。 初めてだからといって、本やインターネットなどで知識を詰め込む必要はありません。赤ちゃんの体は機械ではありませんから、本に書いてある通りにはいかないことも。頭でっかちになりすぎると、かえってストレスになってしまうことも。経験していくうちに「これくらいなら大丈夫だろう」と徐々につかめていきますから、マイペースで育児を楽しんでいただきたいですね。 産後1カ月は、このようにして育児のペースをつかむ期間。この時期は母性が芽生える時でもあります。新生児は抱きグセを気にしなくてもいいので、うんと赤ちゃんを抱きしめて、話しかけてあげてください。毎日毎日赤ちゃんの変化を楽しんで、母親の喜びを噛みしめながら過ごしていただきたいですね。 授乳 赤ちゃんを見ていればタイミングがわかります 「家では飲んだお乳の量を計量できないので、ちゃんと飲んでいるのか不安」という方が多いようです。心配だったら、赤ちゃんの表情をよく見ましょう。乳首を離したら泣き出すなど、足りなさそうだったらもっとあげて、満足しているようなら授乳を終えても大丈夫です。また、赤ちゃんは乳首を吸っていると満足するので、3時間授乳、2時間授乳など時間にとらわれず、あげられる時にあげてください。あまり神経質にならなくても、赤ちゃんを見ていれば自然と授乳のタイミングがわかってきます。 おむつ替え 思っているほど赤ちゃんは不快を感じていません 初めて子育てをするお母さんだと、何回も何回もおむつをチェックする方も。今市販されている紙おむつは吸水性がよく、おしっこをした後もサラサラしているので、赤ちゃんはそれほど不快に感じていません。ある程度の間隔を決めてチェックすれば十分だと思います。うんちの後はお尻をちゃんと洗ってあげることが望ましいのですが、排便の度にお風呂に連れて行って洗うのは大変。紙おむつなら水分を吸収してくれるので、おしり拭きをぬるま湯でしめらせて拭けばすっきり。便利な機能を活用して、ストレスのないおむつ替えを。 沐浴 ちょっとお湯がかかっても大丈夫!頭はまめに洗いましょう 怖いとか難しいと考えず、沐浴は「上から下まで洗えればいい」という程度に考えて。赤ちゃんはお腹の中でお水の中にいたので、少しくらいお湯がかかっても平気。まめに拭き取らなくても大丈夫です。体の部位の中でも「頭と顔を洗うのが怖い」という人が多いようですが、赤ちゃんの体は思っている以上に丈夫にできています。頭は新陳代謝が活発な部位で、脂っぽくなるとブツブツができてしまうので、石鹸をよく泡立ててしっかり洗いましょう。 部屋の環境 室温をこまめに変えるよりタオルの掛け物で調整を お部屋の環境は、赤ちゃんにあわせて、ということは特に必要なく、室温や湿度はお父さんやお母さんが不快にならない状態で構いません。冷房も「赤ちゃんが寒がるからかけない」などと思わず、暑くならない程度に調整してあげてください。気になる時は赤ちゃんの手や足を触って、冷たくなっていたら掛け物で調整を。タオルが1枚あれば、掛けたり、外すことで調節ができます。 衣服 季節に合わせた服+肌着で十分です 冬場に風邪を引かないように赤ちゃんをいろいろな物でくるんでいる人を見かけますが、衣服も神経を使い過ぎなくてOK。夏なら肌着+夏服、冬なら肌着+冬服と、季節に合わせた衣服で大丈夫です。ただ、赤ちゃんは汗っかきなので、あせもや冷えを防ぐための、着替えを準備しておきましょう。気候の変化がある時は、この場合も掛け物で調整を。頭でいろいろ考えるのではなく、赤ちゃん自体を情報源に。表情を観察したり、肌に触れれば、快適か不快かを教えてくれるはずです。 Q. 赤ちゃんを迎えるために産前に購入したものは? 赤ちゃんを迎えるために必要なものは出産前に準備したいもの。退院する赤ちゃんを車に乗せるためのチャイルドシート、赤ちゃんを寝かせるねんねスペースをつくるベビー布団とベッド、沐浴にはベビーバスも必要です。成長にあわせて使いましょう。 柏崎 祐士先生 日本産科婦人科学会認定医。日本生殖医学会生殖医療専門医。埼玉県さいたま市大宮区で開院して40年余り、これまで1万人近くの分娩を取り扱ってきた「かしわざき産婦人科」同院では、母と子の安全を最優先と考え、できるだけ自然なお産を心がけている。出産後は母子別室というのも同院の特徴。回復期間でもある入院中は母体をしっかり休め、退院後、元気に子育てができるようにサポートしている。 関連記事: 《 出産後の過ごし方(1) 》 赤ちゃんもママも元気に!出産後の過ごし方(2) もうすぐ生まれる赤ちゃん!お腹が大きくなってきて、そろそろ出産後の準備も整えたい時期ですね。出産後のママの体はとってもデリケート。ママも赤ちゃんも大切な時期を元気に過ごすポイントを押さえましょう。 心も不安定な状態になりやすい時期。周りにサポートしてもらいながら赤ちゃんとの時間を楽しんで キャリアウーマンの方は「産後うつ」に気をつけて 産後の1カ月間は体だけではなく、心も不安定になりやすい時期です。退院して自宅に戻ると、授乳、沐浴、おむつ替え……と、いろいろなことが一気に押し寄せてきて、頭も体もいっぱいいっぱいになってしまいます。育児は自分の思うようにならないし、自分の自由な時間も奪われてしまいます。特に初産の方だと、気持ちが追いつかなくて、育児ノイローゼや産後うつといわれる状態を引き起こしてしまう方もいます。 もともとうつ傾向の方は、妊娠中はホルモンの関係などで一時的にうつの症状がなくなるのですが、出産するとまた元に戻ってしまう、もしくは以前よりも症状が悪化してしまうことがあります。 また、出産前はうつの症状はなかったのに、出産後にうつ病になってしまうケースは、バリバリ働いていたキャリアウーマンの方に多く見られる傾向が。不安定な精神状態を引き起こす原因は、働いていた時と出産後の生活のギャップの大きさ、自分がいない間に職場のポストや仕事を奪われる不安などから来ているようです。 行政や産院でもサポート体制を整えています このようなことを起こさず、安定した気持ちで産後を乗り切るために、当院では、事情が許せば「1カ月間は実家で過ごしてください」とお伝えしています。ご両親と一緒なら、いろいろなことに煩わされず、リラックスした気持ちで育児のペースをつかんでいけます。 しかし、事情が許さず、ご夫婦で過ごさなければならないご家庭もあります。そのような場合は、ご主人のサポートが大切。お母さんは昼間1人で赤ちゃんの世話をして、不安だったり、不満やストレスもためています。ですから、ご主人になるべく早く帰ってきてもらい、話を聞いてもらったり、赤ちゃんのお世話を手伝ってもらうのがよいでしょう。それによって父性意識が芽ばえ、お母さんの心はだいぶ軽くなります。 また、行政にも育児の相談窓口が設けられています。自分ではどうしようもなくなったら、市役所や区役所、保健所などに駆け込んでご相談を。近所になければ、出産した病院に連絡をすれば助産師さんなどが対応してくれるはずです。心の状態が悪化する前に食い止めることが必要です。 初めての赤ちゃんのお世話をマイペースで楽しんで 初めて出産した人にとって、赤ちゃんはこれまで触れたことのない未知の存在。授乳や沐浴、どうしたらいいのか、赤ちゃんをどう扱えばいいのか、不安や疑問だらけだと思います。 初めてだからといって、本やインターネットなどで知識を詰め込む必要はありません。赤ちゃんの体は機械ではありませんから、本に書いてある通りにはいかないことも。頭でっかちになりすぎると、かえってストレスになってしまうことも。経験していくうちに「これくらいなら大丈夫だろう」と徐々につかめていきますから、マイペースで育児を楽しんでいただきたいですね。 産後1カ月は、このようにして育児のペースをつかむ期間。この時期は母性が芽生える時でもあります。新生児は抱きグセを気にしなくてもいいので、うんと赤ちゃんを抱きしめて、話しかけてあげてください。毎日毎日赤ちゃんの変化を楽しんで、母親の喜びを噛みしめながら過ごしていただきたいですね。 授乳 赤ちゃんを見ていればタイミングがわかります 「家では飲んだお乳の量を計量できないので、ちゃんと飲んでいるのか不安」という方が多いようです。心配だったら、赤ちゃんの表情をよく見ましょう。乳首を離したら泣き出すなど、足りなさそうだったらもっとあげて、満足しているようなら授乳を終えても大丈夫です。また、赤ちゃんは乳首を吸っていると満足するので、3時間授乳、2時間授乳など時間にとらわれず、あげられる時にあげてください。あまり神経質にならなくても、赤ちゃんを見ていれば自然と授乳のタイミングがわかってきます。 おむつ替え 思っているほど赤ちゃんは不快を感じていません 初めて子育てをするお母さんだと、何回も何回もおむつをチェックする方も。今市販されている紙おむつは吸水性がよく、おしっこをした後もサラサラしているので、赤ちゃんはそれほど不快に感じていません。ある程度の間隔を決めてチェックすれば十分だと思います。うんちの後はお尻をちゃんと洗ってあげることが望ましいのですが、排便の度にお風呂に連れて行って洗うのは大変。紙おむつなら水分を吸収してくれるので、おしり拭きをぬるま湯でしめらせて拭けばすっきり。便利な機能を活用して、ストレスのないおむつ替えを。 沐浴 ちょっとお湯がかかっても大丈夫!頭はまめに洗いましょう 怖いとか難しいと考えず、沐浴は「上から下まで洗えればいい」という程度に考えて。赤ちゃんはお腹の中でお水の中にいたので、少しくらいお湯がかかっても平気。まめに拭き取らなくても大丈夫です。体の部位の中でも「頭と顔を洗うのが怖い」という人が多いようですが、赤ちゃんの体は思っている以上に丈夫にできています。頭は新陳代謝が活発な部位で、脂っぽくなるとブツブツができてしまうので、石鹸をよく泡立ててしっかり洗いましょう。 部屋の環境 室温をこまめに変えるよりタオルの掛け物で調整を お部屋の環境は、赤ちゃんにあわせて、ということは特に必要なく、室温や湿度はお父さんやお母さんが不快にならない状態で構いません。冷房も「赤ちゃんが寒がるからかけない」などと思わず、暑くならない程度に調整してあげてください。気になる時は赤ちゃんの手や足を触って、冷たくなっていたら掛け物で調整を。タオルが1枚あれば、掛けたり、外すことで調節ができます。 衣服 季節に合わせた服+肌着で十分です 冬場に風邪を引かないように赤ちゃんをいろいろな物でくるんでいる人を見かけますが、衣服も神経を使い過ぎなくてOK。夏なら肌着+夏服、冬なら肌着+冬服と、季節に合わせた衣服で大丈夫です。ただ、赤ちゃんは汗っかきなので、あせもや冷えを防ぐための、着替えを準備しておきましょう。気候の変化がある時は、この場合も掛け物で調整を。頭でいろいろ考えるのではなく、赤ちゃん自体を情報源に。表情を観察したり、肌に触れれば、快適か不快かを教えてくれるはずです。 Q. 赤ちゃんを迎えるために産前に購入したものは? 赤ちゃんを迎えるために必要なものは出産前に準備したいもの。退院する赤ちゃんを車に乗せるためのチャイルドシート、赤ちゃんを寝かせるねんねスペースをつくるベビー布団とベッド、沐浴にはベビーバスも必要です。成長にあわせて使いましょう。 柏崎 祐士先生 日本産科婦人科学会認定医。日本生殖医学会生殖医療専門医。埼玉県さいたま市大宮区で開院して40年余り、これまで1万人近くの分娩を取り扱ってきた「かしわざき産婦人科」同院では、母と子の安全を最優先と考え、できるだけ自然なお産を心がけている。出産後は母子別室というのも同院の特徴。回復期間でもある入院中は母体をしっかり休め、退院後、元気に子育てができるようにサポートしている。 関連記事: 《 出産後の過ごし方(1) 》
2015.4.3
コラム 妊娠・出産
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出産後の過ごし方(1)
赤ちゃんもママも元気に!出産後の過ごし方(1) もうすぐ生まれる赤ちゃん!お腹が大きくなってきて、そろそろ出産後の準備も整えたい時期ですね。出産後のママの体はとってもデリケート。ママも赤ちゃんも大切な時期を元気に過ごすポイントを押さえましょう。 産後1カ月間は子宮が正常に戻る過渡期。まだ体は本調子ではないので注意して生活しましょう Q. 里帰り出産をしますか? 出産後、里帰りしない、またはしなかった人が約半数もいらっしゃいます。家庭や実家の事情などもありますが、自宅でマイペースに子育てをしたい、という方が増えているのは間違いないようです。 Q. 出産後に職場復帰する予定はありますか? 約半数近くの方が出産後も、なにかしら働きたいと思っているよう。3割の方は職場復帰するとのことで、これからの子育てと仕事の両立などを具体的に考える必要もあります。出産後の生活を充実したものにしたいですね。(※ジネコユーザー132人に2012年2月にアンケートを実施) 「出産は病気じゃないし、赤ちゃんを産んだあとは、そのうち普通の体に戻る」と思っていませんか。正常分娩の場合は、出産してからだいたい1週間で退院しますが、自宅に戻れるからといっても体はまだ本調子ではありません。実は、出産してから1カ月検診までの母体は、いろいろな面で不安定なのです。妊婦さんとほとんど変わらない状態だと思ってください。 赤ちゃんのベッドとなる子宮は、妊娠していない時は鶏卵くらいの大きさですが、生まれる直前は直径35㎝くらいまで大きくなり、みぞおちの高さくらいまで膨張します。出産して約1週間後、ちょうど退院する頃にはおへその高さくらいまでに収縮。そこから1カ月ほどかけて、通常の大きさに戻っていきます。 このように、産後の1カ月間は子宮の状態が正常に戻っていく過渡期。完全に戻っていないと、「産褥熱(さんじょくねつ)」といわれる熱が出やすくなったり、免疫力が低下して感染を起こしやすくなります。 分娩が終わると、しばらく「悪露(おろ)」と呼ばれる腟からの出血がありますが、これも1カ月ほど続いた後、なくなっていきます。産後1カ月間は、信号でいえば黄色から青色に変わる時期。危険な状態ではありませんが、まだ本調子ではなく、注意が必要です。 お母さんも赤ちゃんもこの時期、不要な外出は避けること では、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。 まず、外出ですが、日常の買い物などは体調をみながら徐々にやっていけば問題はありません。旅行は体に負担がかかるので、できればこの期間は避けたほうがいいですね。温泉やスーパー銭湯もおすすめできません。自宅のお風呂は入っても問題ありませんが、不特定多数の人が入浴する場所だと、ウイルスなどに感染する心配があります。 赤ちゃんも、産後しばらくはまだ免疫力が高くないので、お母さんと同様に菌やウイルスに感染しやすい状態です。「自宅に帰ったら、お散歩に連れて行きたい」と思われるかもしれませんが、すぐに外気にさらしたり、人混みに連れて行くことは避けましょう。「公園デビューは産後1カ月が過ぎてから」と思っていただくといいですね。 それから、ご主人との性生活ですが、これも産後1カ月を過ぎてから。分娩時に会陰切開をしている場合は、性行為により傷が開いてしまったり、感染しやすくなってしまっています。1カ月を過ぎれば通常の夫婦生活を送っても支障ありませんので、それまではご主人にも理解してもらうようにしましょう。 一番問題なのは、出産を機に夫婦生活を避けるようになり、その後もセックスレスになってしまうというケースです。ご夫婦の愛を確認する手段は挿入行為だけではありません。産後だからといって触れ合いを拒むのではなく、一緒にお風呂に入ったり、手をつなぐなどして、スキンシップは忘れないようにしていただきたいですね。 軽い運動やマッサージでむくみを予防しましょう その他の生活習慣について、よく取りあげられるのが喫煙と飲酒。健康を考えたらどんな場合でもタバコはよくありませんが、授乳中は特に禁忌です。アルコールに関しては、過度な飲酒は避けてください。気分転換で週1回程度、適量を摂るというような飲み方なら問題はないかと思います。 食事については、妊娠中に太ってしまい、体型が気になるという方もいるかもしれませんが、授乳中は赤ちゃんに栄養を与えなければいけないので、ダイエットはおすすめできません。かといって、食べ過ぎるのも健康のためによくないこと。肥満が気になる方は、豆腐や納豆など植物性のタンパク質を中心に、お菓子などの間食は控えるようにしましょう。 また、注意期間ではありますが、横になって安静にしているばかりではなく、適度な運動も必要です。血液の流れが正常に戻るまで少し時間がかかるので、産後は足がむくみやすくなります。妊娠中ほどではありませんが、血流が滞り、血栓症などを引き起こしやすい状態に。ジョギングやエアロビクスなどの激しい運動はよくありませんが、軽いストレッチやマッサージをしたり、むくみ防止の靴下をはくなどして、血流を促すといいでしょう。 柏崎 祐士先生 日本産科婦人科学会認定医。日本生殖医学会生殖医療専門医。埼玉県さいたま市大宮区で開院して40年余り、これまで1万人近くの分娩を取り扱ってきた「かしわざき産婦人科」同院では、母と子の安全を最優先と考え、できるだけ自然なお産を心がけている。出産後は母子別室というのも同院の特徴。回復期間でもある入院中は母体をしっかり休め、退院後、元気に子育てができるようにサポートしている。 関連記事: 《 出産後の過ごし方(2) 》 ■ あわせて読みたい ■ 歳をとるにつれ、産後の子宮の戻りは悪くなる? 出産経験者の8割は、元の体型に戻れない!?原因は骨盤にあった 授乳表 少なくとも"○週間"は休むべき!?産後の休息期間はどのくらい? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 赤ちゃんもママも元気に!出産後の過ごし方(1) もうすぐ生まれる赤ちゃん!お腹が大きくなってきて、そろそろ出産後の準備も整えたい時期ですね。出産後のママの体はとってもデリケート。ママも赤ちゃんも大切な時期を元気に過ごすポイントを押さえましょう。 産後1カ月間は子宮が正常に戻る過渡期。まだ体は本調子ではないので注意して生活しましょう Q. 里帰り出産をしますか? 出産後、里帰りしない、またはしなかった人が約半数もいらっしゃいます。家庭や実家の事情などもありますが、自宅でマイペースに子育てをしたい、という方が増えているのは間違いないようです。 Q. 出産後に職場復帰する予定はありますか? 約半数近くの方が出産後も、なにかしら働きたいと思っているよう。3割の方は職場復帰するとのことで、これからの子育てと仕事の両立などを具体的に考える必要もあります。出産後の生活を充実したものにしたいですね。(※ジネコユーザー132人に2012年2月にアンケートを実施) 「出産は病気じゃないし、赤ちゃんを産んだあとは、そのうち普通の体に戻る」と思っていませんか。正常分娩の場合は、出産してからだいたい1週間で退院しますが、自宅に戻れるからといっても体はまだ本調子ではありません。実は、出産してから1カ月検診までの母体は、いろいろな面で不安定なのです。妊婦さんとほとんど変わらない状態だと思ってください。 赤ちゃんのベッドとなる子宮は、妊娠していない時は鶏卵くらいの大きさですが、生まれる直前は直径35㎝くらいまで大きくなり、みぞおちの高さくらいまで膨張します。出産して約1週間後、ちょうど退院する頃にはおへその高さくらいまでに収縮。そこから1カ月ほどかけて、通常の大きさに戻っていきます。 このように、産後の1カ月間は子宮の状態が正常に戻っていく過渡期。完全に戻っていないと、「産褥熱(さんじょくねつ)」といわれる熱が出やすくなったり、免疫力が低下して感染を起こしやすくなります。 分娩が終わると、しばらく「悪露(おろ)」と呼ばれる腟からの出血がありますが、これも1カ月ほど続いた後、なくなっていきます。産後1カ月間は、信号でいえば黄色から青色に変わる時期。危険な状態ではありませんが、まだ本調子ではなく、注意が必要です。 お母さんも赤ちゃんもこの時期、不要な外出は避けること では、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。 まず、外出ですが、日常の買い物などは体調をみながら徐々にやっていけば問題はありません。旅行は体に負担がかかるので、できればこの期間は避けたほうがいいですね。温泉やスーパー銭湯もおすすめできません。自宅のお風呂は入っても問題ありませんが、不特定多数の人が入浴する場所だと、ウイルスなどに感染する心配があります。 赤ちゃんも、産後しばらくはまだ免疫力が高くないので、お母さんと同様に菌やウイルスに感染しやすい状態です。「自宅に帰ったら、お散歩に連れて行きたい」と思われるかもしれませんが、すぐに外気にさらしたり、人混みに連れて行くことは避けましょう。「公園デビューは産後1カ月が過ぎてから」と思っていただくといいですね。 それから、ご主人との性生活ですが、これも産後1カ月を過ぎてから。分娩時に会陰切開をしている場合は、性行為により傷が開いてしまったり、感染しやすくなってしまっています。1カ月を過ぎれば通常の夫婦生活を送っても支障ありませんので、それまではご主人にも理解してもらうようにしましょう。 一番問題なのは、出産を機に夫婦生活を避けるようになり、その後もセックスレスになってしまうというケースです。ご夫婦の愛を確認する手段は挿入行為だけではありません。産後だからといって触れ合いを拒むのではなく、一緒にお風呂に入ったり、手をつなぐなどして、スキンシップは忘れないようにしていただきたいですね。 軽い運動やマッサージでむくみを予防しましょう その他の生活習慣について、よく取りあげられるのが喫煙と飲酒。健康を考えたらどんな場合でもタバコはよくありませんが、授乳中は特に禁忌です。アルコールに関しては、過度な飲酒は避けてください。気分転換で週1回程度、適量を摂るというような飲み方なら問題はないかと思います。 食事については、妊娠中に太ってしまい、体型が気になるという方もいるかもしれませんが、授乳中は赤ちゃんに栄養を与えなければいけないので、ダイエットはおすすめできません。かといって、食べ過ぎるのも健康のためによくないこと。肥満が気になる方は、豆腐や納豆など植物性のタンパク質を中心に、お菓子などの間食は控えるようにしましょう。 また、注意期間ではありますが、横になって安静にしているばかりではなく、適度な運動も必要です。血液の流れが正常に戻るまで少し時間がかかるので、産後は足がむくみやすくなります。妊娠中ほどではありませんが、血流が滞り、血栓症などを引き起こしやすい状態に。ジョギングやエアロビクスなどの激しい運動はよくありませんが、軽いストレッチやマッサージをしたり、むくみ防止の靴下をはくなどして、血流を促すといいでしょう。 柏崎 祐士先生 日本産科婦人科学会認定医。日本生殖医学会生殖医療専門医。埼玉県さいたま市大宮区で開院して40年余り、これまで1万人近くの分娩を取り扱ってきた「かしわざき産婦人科」同院では、母と子の安全を最優先と考え、できるだけ自然なお産を心がけている。出産後は母子別室というのも同院の特徴。回復期間でもある入院中は母体をしっかり休め、退院後、元気に子育てができるようにサポートしている。 関連記事: 《 出産後の過ごし方(2) 》 ■ あわせて読みたい ■ 歳をとるにつれ、産後の子宮の戻りは悪くなる? 出産経験者の8割は、元の体型に戻れない!?原因は骨盤にあった 授乳表 少なくとも"○週間"は休むべき!?産後の休息期間はどのくらい? 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.3
コラム 妊娠・出産
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妊娠中の食事と栄養(2)
妊娠中の食事と栄養(2) ~バランスのよい食事を摂る方法は?~ 妊娠中の食事は、トラブルなく出産する体をつくるために、そしておなかにいる赤ちゃんの体をつくるためにとても大切。食材や栄養、食べ方など、気をつけるポイントを日々、妊産婦さんのための食事を作っている管理栄養士・国際薬膳師の岡本正子さんにお聞きしました。 一汁三菜と五味五色でバランスのいい食事を バランスよく栄養を摂るには、「一汁三菜」の食事を心がけましょう。ご飯が中心にあり、汁物がついて、主菜と副菜が2つ。エネルギーの50%は主食であるご飯から摂ります。肉や魚で作られた主菜からたんぱく質を摂り、野菜や海藻、芋などのおかずである副菜からはビタミン、ミネラルを摂ります。一汁三菜が揃うと、あまり栄養素のことを考えなくても、自然とバランスがとれるのです。いきなり一汁三菜を揃えるのが難しいという人は、ご飯と汁物から始めてみるのもおすすめです。 それから「五味五色」で考えるという方法もあります。「五味」とは、いろいろな味つけをすること。調理方法だったら炒め物ばかりではなく、蒸したり煮たりと変えてみます。そうすると、おのずと油ものに偏らなくなります。味つけも辛いものばかりとか、甘いものばかりにならないようにして、いろいろな味にします。 「五色」は、さまざまな色の食材を取り入れて、彩りをよくするということです。肉や魚など動物性のものに偏ると、茶色っぽくなりますが、緑、黄色、赤い野菜や豆、芋類が入っていると栄養バランスが整います。 食事を作ったり食べたりする時に、あまり難しく考えすぎるのは、体によくありません。自分の感覚を大事にしながら、「一汁三菜」「五味五色」でバランスがとれるようになると、すごく楽になると思います。 外食をする時も単品ではなく定食を 外食をする時も、栄養バランスには気をつけたいですね。女性が好きな、パスタ類にスープがついたくらいのランチ。これは脂肪と炭水化物しか摂れず、バランスにはよくありません。やはり定食ものがおすすめです。ご飯があって、おかずがあって、汁物があって、サラダか煮物がついているもの。ちょっと気をつけてメニューを選ぶだけで、すごくよくなります。 外食をするにしても、家で食べるにしても、「一汁三菜になるとバランスがいい」ということをいつも頭の中においておくといいですね。もしすぐにその通りにできなくても、あまり気にしなくて大丈夫。心がけていれば、だんだんとできるようになっていくと思います。 今お母さんが食べている食事は、子どもへと受け継がれていくのです。自分の食事のあり方が、子どもの健康、将来の健康づくりにまで関わっていくということを常に考えて、食生活を整えていけるといいですね。 妊娠 初期 この時期は栄養を摂ろうと思わないで、「乗り切る」ということを第一に。その時に食べられるものを食べるという気持ちで大丈夫。おなかがすくと気持ち悪くなることが多いので、少量ずつ分けて食べるといいですね。酸味を上手に使うと、さっぱり食べられると思います。あっさりした麺類や果物もおすすめです。 妊娠 中期 つわりが終わって、食欲が戻る中期は食べ過ぎに注意。よく咀嚼するようなものを食事に取り入れましょう。おやつも甘いものはエネルギーだけで、ほとんど栄養がない場合も。干し芋やフルーツチップスは体にいいし、噛みごたえがあるので食べ過ぎを防げます。和菓子もおすすめ。小豆はむくみの改善にも役立ちます。 妊娠 後期 後期は出産時のリスクを減らすために、貧血を改善することが大切。バランスのいい食事を摂りましょう。あとは残りのマタニティライフを楽しんで。歩くのもおすすめ。中国では「気血同行」といって、気と血の流れは一緒にあるとされています。歩いて血行がよくなると、気の巡りもよくなり気持ちがすっきりします。 妊婦におすすめの献立 岡本先生が助産院で妊産婦さんのために作る「一汁三菜」ごはんをご紹介します。彩りがきれいで、食欲をそそりますね。もちろん栄養バランスは完璧!どれも簡単にできるものばかりなので、早速作ってみては? 春のちらし寿司 ● 五目ちらし寿司 ● わかめスープ ● オーブン焼き大根の甘辛煮 さいころ形の大根、にんじんを高温のオーブンで焼いた献立です。煮きりみりんと減塩しょうゆのたれに焼き大根をからめるので、内部まで塩分が浸透せず、減塩できます。 ● 高野豆腐の白和え 鉄分たっぷり! ● 清見オレンジ うどんの御膳 ● とろろうどん だしにすりおろした長芋を加えて、コトコト煮こんだおつゆ。加熱することで一層、体にやさしくなります。温かくしても冷やしても。うどんの御膳 ● 焼きおにぎり おかかふりかけを混ぜ込んだおにぎりにしてフライパンで焼きます。 ● 車麩の治部煮風 車麩をさっと下煮して、汁気を絞って小麦粉をつけて焼きました。 ● 安納芋のサラダ 玉ねぎと小松菜入り。 ● 切り干し、ひじきのごまあえ これも鉄の豊富なメニュー。 ● ぽんかん 彩りごはん 小松菜は、根も捨てずに使いました。だしに使った昆布も圧力鍋でさっとやわらかく煮ました。食べものの全部をいただく献立。 ● ドライトマトにんにくご飯 塩味をつけない炊き込みご飯。ごま塩をふってメリハリをつけて減塩。 ● 豆腐コーンスープ 昆布だしで和風味。脂肪や乳製品を使わない、赤ちゃんにあげられるメニューです。 ● 高野豆腐の信田煮 油揚げに高野豆腐を入れて、コトコト煮ました。小松菜を添えて。 ● 蒸しにんじんの生姜あえ ● 小松菜の根のきんぴら ● だし昆布の梅干し煮 ● ココナッツミルク入りスイートポテト 岡本 正子先生 管理栄養士、国際薬膳師。3人の子どもを育てながら40歳で栄養士の資格を取得。矢島助産院、さかもと助産所にて講習会や食事作りの仕事に携わるかたわら、地域で母と子に向けた講演や講習会活動を行う。著書に『自然なお産献立ブック』『妊娠&授乳中のごはん150』などがある。 関連記事: 《 妊娠中の食事と栄養(1) ~マタニティ期 何をどれだけ食べる?~ 》 妊娠中の食事と栄養(2) ~バランスのよい食事を摂る方法は?~ 妊娠中の食事は、トラブルなく出産する体をつくるために、そしておなかにいる赤ちゃんの体をつくるためにとても大切。食材や栄養、食べ方など、気をつけるポイントを日々、妊産婦さんのための食事を作っている管理栄養士・国際薬膳師の岡本正子さんにお聞きしました。 一汁三菜と五味五色でバランスのいい食事を バランスよく栄養を摂るには、「一汁三菜」の食事を心がけましょう。ご飯が中心にあり、汁物がついて、主菜と副菜が2つ。エネルギーの50%は主食であるご飯から摂ります。肉や魚で作られた主菜からたんぱく質を摂り、野菜や海藻、芋などのおかずである副菜からはビタミン、ミネラルを摂ります。一汁三菜が揃うと、あまり栄養素のことを考えなくても、自然とバランスがとれるのです。いきなり一汁三菜を揃えるのが難しいという人は、ご飯と汁物から始めてみるのもおすすめです。 それから「五味五色」で考えるという方法もあります。「五味」とは、いろいろな味つけをすること。調理方法だったら炒め物ばかりではなく、蒸したり煮たりと変えてみます。そうすると、おのずと油ものに偏らなくなります。味つけも辛いものばかりとか、甘いものばかりにならないようにして、いろいろな味にします。 「五色」は、さまざまな色の食材を取り入れて、彩りをよくするということです。肉や魚など動物性のものに偏ると、茶色っぽくなりますが、緑、黄色、赤い野菜や豆、芋類が入っていると栄養バランスが整います。 食事を作ったり食べたりする時に、あまり難しく考えすぎるのは、体によくありません。自分の感覚を大事にしながら、「一汁三菜」「五味五色」でバランスがとれるようになると、すごく楽になると思います。 外食をする時も単品ではなく定食を 外食をする時も、栄養バランスには気をつけたいですね。女性が好きな、パスタ類にスープがついたくらいのランチ。これは脂肪と炭水化物しか摂れず、バランスにはよくありません。やはり定食ものがおすすめです。ご飯があって、おかずがあって、汁物があって、サラダか煮物がついているもの。ちょっと気をつけてメニューを選ぶだけで、すごくよくなります。 外食をするにしても、家で食べるにしても、「一汁三菜になるとバランスがいい」ということをいつも頭の中においておくといいですね。もしすぐにその通りにできなくても、あまり気にしなくて大丈夫。心がけていれば、だんだんとできるようになっていくと思います。 今お母さんが食べている食事は、子どもへと受け継がれていくのです。自分の食事のあり方が、子どもの健康、将来の健康づくりにまで関わっていくということを常に考えて、食生活を整えていけるといいですね。 妊娠 初期 この時期は栄養を摂ろうと思わないで、「乗り切る」ということを第一に。その時に食べられるものを食べるという気持ちで大丈夫。おなかがすくと気持ち悪くなることが多いので、少量ずつ分けて食べるといいですね。酸味を上手に使うと、さっぱり食べられると思います。あっさりした麺類や果物もおすすめです。 妊娠 中期 つわりが終わって、食欲が戻る中期は食べ過ぎに注意。よく咀嚼するようなものを食事に取り入れましょう。おやつも甘いものはエネルギーだけで、ほとんど栄養がない場合も。干し芋やフルーツチップスは体にいいし、噛みごたえがあるので食べ過ぎを防げます。和菓子もおすすめ。小豆はむくみの改善にも役立ちます。 妊娠 後期 後期は出産時のリスクを減らすために、貧血を改善することが大切。バランスのいい食事を摂りましょう。あとは残りのマタニティライフを楽しんで。歩くのもおすすめ。中国では「気血同行」といって、気と血の流れは一緒にあるとされています。歩いて血行がよくなると、気の巡りもよくなり気持ちがすっきりします。 妊婦におすすめの献立 岡本先生が助産院で妊産婦さんのために作る「一汁三菜」ごはんをご紹介します。彩りがきれいで、食欲をそそりますね。もちろん栄養バランスは完璧!どれも簡単にできるものばかりなので、早速作ってみては? 春のちらし寿司 ● 五目ちらし寿司 ● わかめスープ ● オーブン焼き大根の甘辛煮 さいころ形の大根、にんじんを高温のオーブンで焼いた献立です。煮きりみりんと減塩しょうゆのたれに焼き大根をからめるので、内部まで塩分が浸透せず、減塩できます。 ● 高野豆腐の白和え 鉄分たっぷり! ● 清見オレンジ うどんの御膳 ● とろろうどん だしにすりおろした長芋を加えて、コトコト煮こんだおつゆ。加熱することで一層、体にやさしくなります。温かくしても冷やしても。うどんの御膳 ● 焼きおにぎり おかかふりかけを混ぜ込んだおにぎりにしてフライパンで焼きます。 ● 車麩の治部煮風 車麩をさっと下煮して、汁気を絞って小麦粉をつけて焼きました。 ● 安納芋のサラダ 玉ねぎと小松菜入り。 ● 切り干し、ひじきのごまあえ これも鉄の豊富なメニュー。 ● ぽんかん 彩りごはん 小松菜は、根も捨てずに使いました。だしに使った昆布も圧力鍋でさっとやわらかく煮ました。食べものの全部をいただく献立。 ● ドライトマトにんにくご飯 塩味をつけない炊き込みご飯。ごま塩をふってメリハリをつけて減塩。 ● 豆腐コーンスープ 昆布だしで和風味。脂肪や乳製品を使わない、赤ちゃんにあげられるメニューです。 ● 高野豆腐の信田煮 油揚げに高野豆腐を入れて、コトコト煮ました。小松菜を添えて。 ● 蒸しにんじんの生姜あえ ● 小松菜の根のきんぴら ● だし昆布の梅干し煮 ● ココナッツミルク入りスイートポテト 岡本 正子先生 管理栄養士、国際薬膳師。3人の子どもを育てながら40歳で栄養士の資格を取得。矢島助産院、さかもと助産所にて講習会や食事作りの仕事に携わるかたわら、地域で母と子に向けた講演や講習会活動を行う。著書に『自然なお産献立ブック』『妊娠&授乳中のごはん150』などがある。 関連記事: 《 妊娠中の食事と栄養(1) ~マタニティ期 何をどれだけ食べる?~ 》
2015.4.2
コラム 妊娠・出産
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妊娠中の食事と栄養(1)
妊娠中の食事と栄養(1)~マタニティ期何をどれだけ食べる?~ 妊娠中の食事は、トラブルなく出産する体をつくるために、そしておなかにいる赤ちゃんの体をつくるためにとても大切。食材や栄養、食べ方など、気をつけるポイントを日々、妊産婦さんのための食事を作っている管理栄養士・国際薬膳師の岡本正子さんにお聞きしました。 妊娠をきっかけに食べるものを考える 妊娠すると、誰でも「健康な赤ちゃんを産みたい」「おなかの中の赤ちゃんのためにいい食事をしたい」という気持ちが芽生えると思います。今まで栄養のことはあまり気にせず、好きなものばかり食べていた人も、おなかの赤ちゃんのためには何を食べたらいいのかということを考えるようになります。そうすると、食べものに対して観察する力がついてきます。今まで何気なく食べていたものが、「これは本当にいいのかしら」と考えるようになるのですね。また情報を求めていると、知識もいろいろなところからたくさん入ってくるようになります。 そうやって得た知識と自分の中にある感覚の両方で、「食べるものはこれでいいのかな」と自分自身に問いかけをし、見極めていく。妊娠期は食べるものを見直す、いい機会だと思います。 バランスよく食べて貧血を予防する 今は貧血の女性がとても多いです。ダイエット志向がすごく強くて、厚労省が出している報告では、20代~30代の女性の20%くらいがBMI18.5以下の“痩せ”です。“痩せ”は、単純に言ってしまうと栄養不良の状態。体重が軽いということは、きちんと食べていないということなのです。 また、動物性のものはいけないと極端に考えている人がけっこう多いと思います。しかし、動物性のものを食べないと、ますます鉄分が不足します。鉄分には植物性と動物性がありますが、植物性の鉄分は体への吸収率が非常に低いのです。ひじきばかりを毎日食べても、貧血は改善されないですね。しかもひじきを毎日食べていたら飽きてしまう(笑)。 貧血があったら、動物性のものも取り入れながら、バランスよく食べることが大切です。 乾物やたくさんの野菜から必要な栄養を同時に摂取 カルシウムは妊娠中に積極的に摂りたい栄養素。赤ちゃんの骨や、筋肉をつくるためにも必要です。おすすめなのは高野豆腐や切り干し大根などの乾物類。これはカルシウムと鉄分が同時に摂れる、日本古来のすばらしい食品です。切り干し大根は、もとの大根には鉄分がほとんどないのですが、干すと栄養素がギュッと凝縮されるので、単位当たりの栄養価がとても高くなるのです。切り干し大根は本当に優等生です。また乾物類は水分量がほとんどないので、保存性が高くて便利です。調理してからでも冷凍できるので、出産前に切り干し大根やひじきの煮つけを作って冷凍しておくと、産後にそのまま解凍して食べることができます。 妊娠初期に葉酸を摂ったほうがいいといわれていますが、普通の食事をしていれば、葉酸不足にはなりません。しかしある研究では、葉酸不足の妊婦さんが多いという結果が出ています。葉酸とビタミンB12は赤血球の生成にも関わりがあるので、貧血予防のためにも両方とも摂ることが大事です。1日300gの野菜、そのうち100gを緑黄色野菜で摂れていれば、サプリメントに頼らなくても大丈夫です。300gは、ちょうど両手を広げてのるくらいの量。積極的に野菜を食べるようにしましょう。 同じものばかりを食べるとアレルギーの原因に 好きだから、または体にいいからと同じものばかりを食べ続けると、食物アレルギーが出やすくなります。特に今、日本では小麦アレルギーがものすごく増えていて、3大アレルゲンは卵、牛乳、小麦となっています。若い女性の食事診断をすると、パン、麺、パスタなど、こんなに食べているの、というくらい、小麦から作った食品が多いです。 また輸入された農産物にはポストハーベスト農薬が使われていることも多いので、安全性も心配です。小麦や、最近アレルギーが増えているフルーツは輸入ものがほとんど。やはり住んでいる土地でその季節に採れたものを食べるというのが体に合うし、安全でもあると思います。 摂りたい栄養素(1)カルシウム カルシウムはおなかの赤ちゃんの骨や歯をつくる大事な成分。体内で生成することができないので、食物から摂取する必要があります。妊娠中は胎盤を通して、産後は母乳を通して赤ちゃんにいくので、積極的に摂りましょう。 ★☆★ 枝豆ご飯 ★☆★ 材料 ● 米 2カップ ● 鮭中骨缶 1缶 ● 枝豆 1/3袋 ● 水菜 1株 作り方 1)米は洗って缶詰の汁気の分、水を減らし鮭を加えて炊く。枝豆は塩ゆでし、さやからはずす。水菜はよく洗い、みじん切りにする。 2)炊きあがったご飯に水菜と枝豆をさっくり混ぜる。 摂りたい栄養素(2)鉄 鉄は血液中で酸素を運ぶヘモグロビンをつくるために重要な栄養素。不足すると鉄欠乏性貧血になり、ひどくなると出産の際、微弱陣痛や大量出血を起こす危険も。特に妊娠後期は注意を。 ★☆★ 高野豆腐の冷や奴風 ★☆★ 材料 ●だし 2カップ ●高野豆腐 4枚 ●えのき 1パック ●しょうゆ、みりん 各大さじ2 ●ねぎ 10㎝ ●塩、ごま油 適宜 作り方 1)高野豆腐はさっと水にくぐらせ、だしに浸ける。十分にもどったら、10分ほどだしで煮て、冷ましておく。 2)えのきは石づきをとり、3㎝ほどに切って、みりんとしょうゆで汁気がなくなるまで煮る。 3)ねぎは小口切りにして、塩とごま油に漬け込む。 4)高野豆腐は4つに切って皿に盛り、(2)と(3)をこんもりのせる。 摂りたい栄養素(3)葉酸 葉酸は水溶性のビタミンB群の一つで、神経管閉鎖障害のリスクを低減させたり、貧血予防にも関わる成分。緑黄色野菜や豆類、海藻類に多く含まれています。体内で蓄積できないので毎日の食事に取り入れて。 ★☆★ モロヘイヤとホタテのスープ ★☆★ 材料 ●だし 4カップ ●ホタテ 4個 ●モロヘイヤ 1わ ●塩 小さじ1 ●しょうゆ 大さじ1/2 作り方 1)モロヘイヤは葉をつんでゆでる。細かくたたく。 2)だしは調味料で味をととのえ、薄切りにしたホタテを入れ、ひと煮立ちさせる。(1)のモロヘイヤを入れて、混ぜる。 摂りたい栄養素(4)ビタミンB12 葉酸とともに赤血球の生成に関わり、貧血を予防。また胎児の脳や脊髄の発育にも必要な成分。動物性食品に多く含まれているため、菜食だと不足することも。バランスよく食べることが大切。 ★☆★ さんまの焼き南蛮 ★☆★ 材料 ●さんま一夜干し 2尾 ●だし 1/2カップ ●しょうゆ 小さじ1 ●酢 大さじ3 ●砂糖 大さじ1 ●玉ねぎ 1/4個 ●カラーピーマン 1/2個 ●貝割れ菜 適宜 作り方 1)玉ねぎ、ピーマンはせん切りにする。さんまは頭をとり、4つに切る。グリルで焼く。 2)鍋に、だし、しょうゆ、砂糖、酢を合わせ、煮立たたせる。さんまをたれに漬け込み、玉ねぎ、ピーマンを合わせて混ぜる。 3)皿にさんまと野菜を盛りつけ、貝割れ菜を散らす。 岡本 正子先生 管理栄養士、国際薬膳師。3人の子どもを育てながら40歳で栄養士の資格を取得。矢島助産院、さかもと助産所にて講習会や食事作りの仕事に携わるかたわら、地域で母と子に向けた講演や講習会活動を行う。著書に『自然なお産献立ブック』『妊娠&授乳中のごはん150』などがある。 ■ あわせて読みたい ■ つわりで食事が食べられないけど、赤ちゃんは大丈夫? 妊娠中の貧血を改善する食材や調理法はありますか? 妊娠中のコーヒーはNG?専門家に聞いてみた 女性のための健康生活マガジン JINEKO 妊娠中の食事と栄養(1)~マタニティ期何をどれだけ食べる?~ 妊娠中の食事は、トラブルなく出産する体をつくるために、そしておなかにいる赤ちゃんの体をつくるためにとても大切。食材や栄養、食べ方など、気をつけるポイントを日々、妊産婦さんのための食事を作っている管理栄養士・国際薬膳師の岡本正子さんにお聞きしました。 妊娠をきっかけに食べるものを考える 妊娠すると、誰でも「健康な赤ちゃんを産みたい」「おなかの中の赤ちゃんのためにいい食事をしたい」という気持ちが芽生えると思います。今まで栄養のことはあまり気にせず、好きなものばかり食べていた人も、おなかの赤ちゃんのためには何を食べたらいいのかということを考えるようになります。そうすると、食べものに対して観察する力がついてきます。今まで何気なく食べていたものが、「これは本当にいいのかしら」と考えるようになるのですね。また情報を求めていると、知識もいろいろなところからたくさん入ってくるようになります。 そうやって得た知識と自分の中にある感覚の両方で、「食べるものはこれでいいのかな」と自分自身に問いかけをし、見極めていく。妊娠期は食べるものを見直す、いい機会だと思います。 バランスよく食べて貧血を予防する 今は貧血の女性がとても多いです。ダイエット志向がすごく強くて、厚労省が出している報告では、20代~30代の女性の20%くらいがBMI18.5以下の“痩せ”です。“痩せ”は、単純に言ってしまうと栄養不良の状態。体重が軽いということは、きちんと食べていないということなのです。 また、動物性のものはいけないと極端に考えている人がけっこう多いと思います。しかし、動物性のものを食べないと、ますます鉄分が不足します。鉄分には植物性と動物性がありますが、植物性の鉄分は体への吸収率が非常に低いのです。ひじきばかりを毎日食べても、貧血は改善されないですね。しかもひじきを毎日食べていたら飽きてしまう(笑)。 貧血があったら、動物性のものも取り入れながら、バランスよく食べることが大切です。 乾物やたくさんの野菜から必要な栄養を同時に摂取 カルシウムは妊娠中に積極的に摂りたい栄養素。赤ちゃんの骨や、筋肉をつくるためにも必要です。おすすめなのは高野豆腐や切り干し大根などの乾物類。これはカルシウムと鉄分が同時に摂れる、日本古来のすばらしい食品です。切り干し大根は、もとの大根には鉄分がほとんどないのですが、干すと栄養素がギュッと凝縮されるので、単位当たりの栄養価がとても高くなるのです。切り干し大根は本当に優等生です。また乾物類は水分量がほとんどないので、保存性が高くて便利です。調理してからでも冷凍できるので、出産前に切り干し大根やひじきの煮つけを作って冷凍しておくと、産後にそのまま解凍して食べることができます。 妊娠初期に葉酸を摂ったほうがいいといわれていますが、普通の食事をしていれば、葉酸不足にはなりません。しかしある研究では、葉酸不足の妊婦さんが多いという結果が出ています。葉酸とビタミンB12は赤血球の生成にも関わりがあるので、貧血予防のためにも両方とも摂ることが大事です。1日300gの野菜、そのうち100gを緑黄色野菜で摂れていれば、サプリメントに頼らなくても大丈夫です。300gは、ちょうど両手を広げてのるくらいの量。積極的に野菜を食べるようにしましょう。 同じものばかりを食べるとアレルギーの原因に 好きだから、または体にいいからと同じものばかりを食べ続けると、食物アレルギーが出やすくなります。特に今、日本では小麦アレルギーがものすごく増えていて、3大アレルゲンは卵、牛乳、小麦となっています。若い女性の食事診断をすると、パン、麺、パスタなど、こんなに食べているの、というくらい、小麦から作った食品が多いです。 また輸入された農産物にはポストハーベスト農薬が使われていることも多いので、安全性も心配です。小麦や、最近アレルギーが増えているフルーツは輸入ものがほとんど。やはり住んでいる土地でその季節に採れたものを食べるというのが体に合うし、安全でもあると思います。 摂りたい栄養素(1)カルシウム カルシウムはおなかの赤ちゃんの骨や歯をつくる大事な成分。体内で生成することができないので、食物から摂取する必要があります。妊娠中は胎盤を通して、産後は母乳を通して赤ちゃんにいくので、積極的に摂りましょう。 ★☆★ 枝豆ご飯 ★☆★ 材料 ● 米 2カップ ● 鮭中骨缶 1缶 ● 枝豆 1/3袋 ● 水菜 1株 作り方 1)米は洗って缶詰の汁気の分、水を減らし鮭を加えて炊く。枝豆は塩ゆでし、さやからはずす。水菜はよく洗い、みじん切りにする。 2)炊きあがったご飯に水菜と枝豆をさっくり混ぜる。 摂りたい栄養素(2)鉄 鉄は血液中で酸素を運ぶヘモグロビンをつくるために重要な栄養素。不足すると鉄欠乏性貧血になり、ひどくなると出産の際、微弱陣痛や大量出血を起こす危険も。特に妊娠後期は注意を。 ★☆★ 高野豆腐の冷や奴風 ★☆★ 材料 ●だし 2カップ ●高野豆腐 4枚 ●えのき 1パック ●しょうゆ、みりん 各大さじ2 ●ねぎ 10㎝ ●塩、ごま油 適宜 作り方 1)高野豆腐はさっと水にくぐらせ、だしに浸ける。十分にもどったら、10分ほどだしで煮て、冷ましておく。 2)えのきは石づきをとり、3㎝ほどに切って、みりんとしょうゆで汁気がなくなるまで煮る。 3)ねぎは小口切りにして、塩とごま油に漬け込む。 4)高野豆腐は4つに切って皿に盛り、(2)と(3)をこんもりのせる。 摂りたい栄養素(3)葉酸 葉酸は水溶性のビタミンB群の一つで、神経管閉鎖障害のリスクを低減させたり、貧血予防にも関わる成分。緑黄色野菜や豆類、海藻類に多く含まれています。体内で蓄積できないので毎日の食事に取り入れて。 ★☆★ モロヘイヤとホタテのスープ ★☆★ 材料 ●だし 4カップ ●ホタテ 4個 ●モロヘイヤ 1わ ●塩 小さじ1 ●しょうゆ 大さじ1/2 作り方 1)モロヘイヤは葉をつんでゆでる。細かくたたく。 2)だしは調味料で味をととのえ、薄切りにしたホタテを入れ、ひと煮立ちさせる。(1)のモロヘイヤを入れて、混ぜる。 摂りたい栄養素(4)ビタミンB12 葉酸とともに赤血球の生成に関わり、貧血を予防。また胎児の脳や脊髄の発育にも必要な成分。動物性食品に多く含まれているため、菜食だと不足することも。バランスよく食べることが大切。 ★☆★ さんまの焼き南蛮 ★☆★ 材料 ●さんま一夜干し 2尾 ●だし 1/2カップ ●しょうゆ 小さじ1 ●酢 大さじ3 ●砂糖 大さじ1 ●玉ねぎ 1/4個 ●カラーピーマン 1/2個 ●貝割れ菜 適宜 作り方 1)玉ねぎ、ピーマンはせん切りにする。さんまは頭をとり、4つに切る。グリルで焼く。 2)鍋に、だし、しょうゆ、砂糖、酢を合わせ、煮立たたせる。さんまをたれに漬け込み、玉ねぎ、ピーマンを合わせて混ぜる。 3)皿にさんまと野菜を盛りつけ、貝割れ菜を散らす。 岡本 正子先生 管理栄養士、国際薬膳師。3人の子どもを育てながら40歳で栄養士の資格を取得。矢島助産院、さかもと助産所にて講習会や食事作りの仕事に携わるかたわら、地域で母と子に向けた講演や講習会活動を行う。著書に『自然なお産献立ブック』『妊娠&授乳中のごはん150』などがある。 ■ あわせて読みたい ■ つわりで食事が食べられないけど、赤ちゃんは大丈夫? 妊娠中の貧血を改善する食材や調理法はありますか? 妊娠中のコーヒーはNG?専門家に聞いてみた 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.2
コラム 妊娠・出産
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安心・妊婦生活ガイド(2)
元気&快適に過ごしたい !安心・妊婦生活ガイド(2) 日々の生活のなかで、今まで何の疑問も抱かずにやってきたこと。それが妊娠を機に「やっていいの?」「これは危険?」など疑問を持つことも多いはず。ここでは普段の生活、食事、運動の面から先生にアドバイスをしていただきました。 妊娠中期以降は自分自身の食生活や運動をチェック 最近の妊婦さんの傾向として、30代にめいいっぱい仕事をして、それから妊婦になる方が多くいらっしゃいます。おそらく食事や運動に気を使う時間も少なかったのではないでしょうか。 妊婦だからといって「こうでなければいけない」という決まりは特にありません。ただ、妊娠は栄養面や生活面を見直すいいチャンスともいえます。出産後は忙しくてゆっくり考えられませんから、時間のある妊娠中に一度食生活を見つめ直したり、今までできなかったマタニティ用の運動を始めてみるのもおすすめです。 つわりの時期は無理をせず食べられるものを口にして 妊娠すると、たいていの人にやってくる「つわり」。ピークは8~12週といわれています。英語ではモーニング シックネスといわれ、朝気分が悪かったり、嘔吐する人もいますが、仕事が終わって夕方からダウンしてしまう、という方も増えています。 この時期は「一日三食は気にせず、食べたいときに食べられるものを」が基本です。しょっぱいものばかり食べたい人、さっぱりしたものしか食べられない人、はたまた何も受け付けない人……など人によって好みは大きく違ってきます。一気に食べると胃が張り、さらに気持ちが悪くなることも多いので、食べたい時には小分けにして食べましょう。ただ、食べたいからといって、合成着色料などの添加物が多いものをたくさん食べるのは考えもの。ベビーはまだ2~4㎝くらい。栄養やカロリーはそれほど必要ありませんが、明らかに身体に悪そうなものは控えたいものです。 また脱水症には注意しましょう。吐きづわりの人はもちろんですが、冬は暖房、夏は暑さで、妊婦さんは脱水症を起こしやすくなっています。脱水症により血液が濃くなるだけでなく、血液中のナトリウムやカリウムのバランスが崩れて身体への負担が大きくなってしまいます。水分はこまめに摂ることが第一。水が飲めない場合は、氷や冷たい飲料など口に含めるものでOKです。 ひとつの目安として、つわりの時期に1~2週間で体重が5%も落ちてしまう場合は要注意です。入院管理が必要な場合もありますから、すぐに主治医に相談してください。16週くらいまでにはほぼ落ち着いていきます。 妊婦さんとベビーのアレルギーの関係 もともとアレルギー体質の妊婦さんが、生まれてくる赤ちゃんの食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を心配されていることがよくあります。しかし、妊娠中の食生活と赤ちゃんのアレルギーの因果関係は、まだ分かっていないのが現状です。卵や牛乳を極端に摂取している場合を除いては、通常の食生活で問題ないでしょう。 妊娠中期~後期の食事は栄養のバランスを意識して 妊娠初期に落ちていた食欲が、つわりの落ち着きとともに回復してくる妊娠中期~1後期。体重制限が気になる方も多いのでは? 実はつい5~6年前までは体重を制限することが多かったのですが、厳しい体重制限により赤ちゃんの出生時の体重が低くなることが問題になり、ここ最近ではさほど厳しくなくなってきました。目安としては出産前のBMI(BodyMass Index)が18~22と一般的なものであれば9~12㎏増やしてもよいとされています(※指数の計算は右コラムを参照)。BMIが30を超える場合は、体重制限が必要になりますので、注意してください。また、母体自体がやせていると切迫早産のリスクが高まり、赤ちゃんの低体重も予想されますので、この場合も主治医との相談が必要になります。 妊婦さんの身体は、血液中のコレステロールや中性脂肪が高くなりやすいのが特徴です。まずはスナック系の油の成分や塩分はなるべく控え、バランスのいい食事をできる限り摂りたいですね。貧血にもなりやすいので、鉄分やビタミンB12が豊富なレバー、海藻類、豚肉などを積極的に摂るとよいでしょう。 また、便秘にもなりがち。朝起きたらすぐに水を飲み、排便する習慣をつけたいものです。ただ、あまりに苦しい場合は、下剤を処方してもらいましょう。 特に年齢の高い妊婦さんの場合は、動脈硬化を防ぐビタミンCや葉酸を、サプリメントでもかまわないので積極的に取り入れてほしいです。また、20代とは骨密度も異なりますから、ヨーグルトや小魚などのカルシウムも意識的に摂取するとよいと思います。 BMIの出し方 BM(I Body Mass Index)とは身長からみた体重の割合を示す体格指数のことです。計算方法は体重÷[身長(m)2]。たとえば160㎝、50㎏の人なら50÷(1.6×1.6)=19.53215となります。数値が18~22の範囲であれば問題ありませんのでこの妊婦さんの場合、体重を標準的な9~12kg増に収めればよいという計算になります。 BMI=体重÷[身長(m)×身長(m)] 妊娠中の運動は専門の教室で受けるのが安心 妊婦さんが運動をしてOKなのは16~20週以降とされています。実際に、妊娠中に運動をしていた人のほうが動脈硬化を抑えられた、不眠を解消できた、またお産が楽だったというデータもあります。切迫早産や前置胎盤の危険がなく、健康な状態で生活を送れている方は積極的にやってほしいですね。ただし、ジャンプをしたりして身体に負担のかかる運動や格闘技系のものはおすすめできません。 自分で運動するならウォーキング、また家のなかでスクワットをして下半身を鍛えたり、あぐらの姿勢をして身体を柔軟にしておくのもおすすめです。 教室であればマタニティビクス、マタニティスイミングなどが、最近さまざまあります。妊婦さん専門のクラスなので、運動の強度を考慮し、メディカルチェックされたプログラムのはずなので安心でしょう。また、こういった教室に行くことで妊婦さんの友達ができる、という大きなメリットもあります。同じ状況の友達が見つかることで、妊婦ならではの悩みや不安を分かち合うこともできますので、ぜひトライしてみてはいかがでしょう。 赤ちゃんの退院時の服装&家で準備しておくべきものは 退院時の赤ちゃんの服装は、肌着にツーウェイオールなどのベビードレスを着ることが多いようです。季節に応じて靴下や上着を準備してはいかがでしょうか。おくるみやひざ掛けなどで温度を調節するのもよいでしょう。自家用車で帰る場合、チャイルドシートは必須アイテムです。家で準備すべきものについては、準備品のリストがインターネットやマタニティー雑誌などで紹介されているので参考にしながら揃えていきましょう。ただ、最初からあまりたくさんのものは必要ありません。 川端 伊久乃先生 【日本医科大学多摩永山病院女性診療科・産科医局長】 医学博士。女性スポーツ医学研究会幹事、日本周産期新生児学会 周産期(母体・胎児) 専門医として活躍。プライベートでは小学校2年の女の子をもつワーキングママでもあります。 元気&快適に過ごしたい !安心・妊婦生活ガイド(2) 日々の生活のなかで、今まで何の疑問も抱かずにやってきたこと。それが妊娠を機に「やっていいの?」「これは危険?」など疑問を持つことも多いはず。ここでは普段の生活、食事、運動の面から先生にアドバイスをしていただきました。 妊娠中期以降は自分自身の食生活や運動をチェック 最近の妊婦さんの傾向として、30代にめいいっぱい仕事をして、それから妊婦になる方が多くいらっしゃいます。おそらく食事や運動に気を使う時間も少なかったのではないでしょうか。 妊婦だからといって「こうでなければいけない」という決まりは特にありません。ただ、妊娠は栄養面や生活面を見直すいいチャンスともいえます。出産後は忙しくてゆっくり考えられませんから、時間のある妊娠中に一度食生活を見つめ直したり、今までできなかったマタニティ用の運動を始めてみるのもおすすめです。 つわりの時期は無理をせず食べられるものを口にして 妊娠すると、たいていの人にやってくる「つわり」。ピークは8~12週といわれています。英語ではモーニング シックネスといわれ、朝気分が悪かったり、嘔吐する人もいますが、仕事が終わって夕方からダウンしてしまう、という方も増えています。 この時期は「一日三食は気にせず、食べたいときに食べられるものを」が基本です。しょっぱいものばかり食べたい人、さっぱりしたものしか食べられない人、はたまた何も受け付けない人……など人によって好みは大きく違ってきます。一気に食べると胃が張り、さらに気持ちが悪くなることも多いので、食べたい時には小分けにして食べましょう。ただ、食べたいからといって、合成着色料などの添加物が多いものをたくさん食べるのは考えもの。ベビーはまだ2~4㎝くらい。栄養やカロリーはそれほど必要ありませんが、明らかに身体に悪そうなものは控えたいものです。 また脱水症には注意しましょう。吐きづわりの人はもちろんですが、冬は暖房、夏は暑さで、妊婦さんは脱水症を起こしやすくなっています。脱水症により血液が濃くなるだけでなく、血液中のナトリウムやカリウムのバランスが崩れて身体への負担が大きくなってしまいます。水分はこまめに摂ることが第一。水が飲めない場合は、氷や冷たい飲料など口に含めるものでOKです。 ひとつの目安として、つわりの時期に1~2週間で体重が5%も落ちてしまう場合は要注意です。入院管理が必要な場合もありますから、すぐに主治医に相談してください。16週くらいまでにはほぼ落ち着いていきます。 妊婦さんとベビーのアレルギーの関係 もともとアレルギー体質の妊婦さんが、生まれてくる赤ちゃんの食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を心配されていることがよくあります。しかし、妊娠中の食生活と赤ちゃんのアレルギーの因果関係は、まだ分かっていないのが現状です。卵や牛乳を極端に摂取している場合を除いては、通常の食生活で問題ないでしょう。 妊娠中期~後期の食事は栄養のバランスを意識して 妊娠初期に落ちていた食欲が、つわりの落ち着きとともに回復してくる妊娠中期~1後期。体重制限が気になる方も多いのでは? 実はつい5~6年前までは体重を制限することが多かったのですが、厳しい体重制限により赤ちゃんの出生時の体重が低くなることが問題になり、ここ最近ではさほど厳しくなくなってきました。目安としては出産前のBMI(BodyMass Index)が18~22と一般的なものであれば9~12㎏増やしてもよいとされています(※指数の計算は右コラムを参照)。BMIが30を超える場合は、体重制限が必要になりますので、注意してください。また、母体自体がやせていると切迫早産のリスクが高まり、赤ちゃんの低体重も予想されますので、この場合も主治医との相談が必要になります。 妊婦さんの身体は、血液中のコレステロールや中性脂肪が高くなりやすいのが特徴です。まずはスナック系の油の成分や塩分はなるべく控え、バランスのいい食事をできる限り摂りたいですね。貧血にもなりやすいので、鉄分やビタミンB12が豊富なレバー、海藻類、豚肉などを積極的に摂るとよいでしょう。 また、便秘にもなりがち。朝起きたらすぐに水を飲み、排便する習慣をつけたいものです。ただ、あまりに苦しい場合は、下剤を処方してもらいましょう。 特に年齢の高い妊婦さんの場合は、動脈硬化を防ぐビタミンCや葉酸を、サプリメントでもかまわないので積極的に取り入れてほしいです。また、20代とは骨密度も異なりますから、ヨーグルトや小魚などのカルシウムも意識的に摂取するとよいと思います。 BMIの出し方 BM(I Body Mass Index)とは身長からみた体重の割合を示す体格指数のことです。計算方法は体重÷[身長(m)2]。たとえば160㎝、50㎏の人なら50÷(1.6×1.6)=19.53215となります。数値が18~22の範囲であれば問題ありませんのでこの妊婦さんの場合、体重を標準的な9~12kg増に収めればよいという計算になります。 BMI=体重÷[身長(m)×身長(m)] 妊娠中の運動は専門の教室で受けるのが安心 妊婦さんが運動をしてOKなのは16~20週以降とされています。実際に、妊娠中に運動をしていた人のほうが動脈硬化を抑えられた、不眠を解消できた、またお産が楽だったというデータもあります。切迫早産や前置胎盤の危険がなく、健康な状態で生活を送れている方は積極的にやってほしいですね。ただし、ジャンプをしたりして身体に負担のかかる運動や格闘技系のものはおすすめできません。 自分で運動するならウォーキング、また家のなかでスクワットをして下半身を鍛えたり、あぐらの姿勢をして身体を柔軟にしておくのもおすすめです。 教室であればマタニティビクス、マタニティスイミングなどが、最近さまざまあります。妊婦さん専門のクラスなので、運動の強度を考慮し、メディカルチェックされたプログラムのはずなので安心でしょう。また、こういった教室に行くことで妊婦さんの友達ができる、という大きなメリットもあります。同じ状況の友達が見つかることで、妊婦ならではの悩みや不安を分かち合うこともできますので、ぜひトライしてみてはいかがでしょう。 赤ちゃんの退院時の服装&家で準備しておくべきものは 退院時の赤ちゃんの服装は、肌着にツーウェイオールなどのベビードレスを着ることが多いようです。季節に応じて靴下や上着を準備してはいかがでしょうか。おくるみやひざ掛けなどで温度を調節するのもよいでしょう。自家用車で帰る場合、チャイルドシートは必須アイテムです。家で準備すべきものについては、準備品のリストがインターネットやマタニティー雑誌などで紹介されているので参考にしながら揃えていきましょう。ただ、最初からあまりたくさんのものは必要ありません。 川端 伊久乃先生 【日本医科大学多摩永山病院女性診療科・産科医局長】 医学博士。女性スポーツ医学研究会幹事、日本周産期新生児学会 周産期(母体・胎児) 専門医として活躍。プライベートでは小学校2年の女の子をもつワーキングママでもあります。
2015.3.31
コラム 妊娠・出産
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安心・妊婦生活ガイド
元気&快適に過ごしたい !安心・妊婦生活ガイド 日々の生活のなかで、今まで何の疑問も抱かずにやってきたこと。それが妊娠を機に「やっていいの?」「これは危険?」など疑問を持つことも多いはず。ここでは普段の生活、食事、運動の面から先生にアドバイスをしていただきました。 妊娠中期以降は自分自身の食生活や運動をチェック 最近の妊婦さんの傾向として、30代にめいいっぱい仕事をして、それから妊婦になる方が多くいらっしゃいます。おそらく食事や運動に気を使う時間も少なかったのではないでしょうか。 妊婦だからといって「こうでなければいけない」という決まりは特にありません。ただ、妊娠は栄養面や生活面を見直すいいチャンスともいえます。出産後は忙しくてゆっくり考えられませんから、時間のある妊娠中に一度食生活を見つめ直したり、今までできなかったマタニティ用の運動を始めてみるのもおすすめです。 つわりの時期は無理をせず食べられるものを口にして 妊娠すると、たいていの人にやってくる「つわり」。ピークは8~12週といわれています。英語ではモーニング シックネスといわれ、朝気分が悪かったり、嘔吐する人もいますが、仕事が終わって夕方からダウンしてしまう、という方も増えています。 この時期は「一日三食は気にせず、食べたいときに食べられるものを」が基本です。しょっぱいものばかり食べたい人、さっぱりしたものしか食べられない人、はたまた何も受け付けない人……など人によって好みは大きく違ってきます。一気に食べると胃が張り、さらに気持ちが悪くなることも多いので、食べたい時には小分けにして食べましょう。ただ、食べたいからといって、合成着色料などの添加物が多いものをたくさん食べるのは考えもの。ベビーはまだ2~4㎝くらい。栄養やカロリーはそれほど必要ありませんが、明らかに身体に悪そうなものは控えたいものです。 また脱水症には注意しましょう。吐きづわりの人はもちろんですが、冬は暖房、夏は暑さで、妊婦さんは脱水症を起こしやすくなっています。脱水症により血液が濃くなるだけでなく、血液中のナトリウムやカリウムのバランスが崩れて身体への負担が大きくなってしまいます。水分はこまめに摂ることが第一。水が飲めない場合は、氷や冷たい飲料など口に含めるものでOKです。 ひとつの目安として、つわりの時期に1~2週間で体重が5%も落ちてしまう場合は要注意です。入院管理が必要な場合もありますから、すぐに主治医に相談してください。16週くらいまでにはほぼ落ち着いていきます。 妊婦さんとベビーのアレルギーの関係 もともとアレルギー体質の妊婦さんが、生まれてくる赤ちゃんの食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を心配されていることがよくあります。しかし、妊娠中の食生活と赤ちゃんのアレルギーの因果関係は、まだ分かっていないのが現状です。卵や牛乳を極端に摂取している場合を除いては、通常の食生活で問題ないでしょう。 妊娠中期~後期の食事は栄養のバランスを意識して 妊娠初期に落ちていた食欲が、つわりの落ち着きとともに回復してくる妊娠中期~1後期。体重制限が気になる方も多いのでは?実はつい5~6年前までは体重を制限することが多かったのですが、厳しい体重制限により赤ちゃんの出生時の体重が低くなることが問題になり、ここ最近ではさほど厳しくなくなってきました。目安としては出産前のBMI(BodyMass Index)が18~22と一般的なものであれば9~12㎏増やしてもよいとされています。BMIが30を超える場合は、体重制限が必要になりますので、注意してください。また、母体自体がやせていると切迫早産のリスクが高まり、赤ちゃんの低体重も予想されますので、この場合も主治医との相談が必要になります。 妊婦さんの身体は、血液中のコレステロールや中性脂肪が高くなりやすいのが特徴です。まずはスナック系の油の成分や塩分はなるべく控え、バランスのいい食事をできる限り摂りたいですね。貧血にもなりやすいので、鉄分やビタミンB12が豊富なレバー、海藻類、豚肉などを積極的に摂るとよいでしょう。 また、便秘にもなりがち。朝起きたらすぐに水を飲み、排便する習慣をつけたいものです。ただ、あまりに苦しい場合は、下剤を処方してもらいましょう。 特に年齢の高い妊婦さんの場合は、動脈硬化を防ぐビタミンCや葉酸を、サプリメントでもかまわないので積極的に取り入れてほしいです。また、20代とは骨密度も異なりますから、ヨーグルトや小魚などのカルシウムも意識的に摂取するとよいと思います。 BMIの出し方 BMI(Body Mass Index)とは身長からみた体重の割合を示す体格指数のことです。計算方法は体重÷[身長(m)2]。たとえば160㎝、50㎏の人なら50÷(1.6×1.6)=19.53215となります。数値が18~22の範囲であれば問題ありませんのでこの妊婦さんの場合、体重を標準的な9~12kg増に収めればよいという計算になります。 BMI=体重÷[身長(m)×身長(m)] 妊娠中の運動は専門の教室で受けるのが安心 妊婦さんが運動をしてOKなのは16~20週以降とされています。実際に、妊娠中に運動をしていた人のほうが動脈硬化を抑えられた、不眠を解消できた、またお産が楽だったというデータもあります。切迫早産や前置胎盤の危険がなく、健康な状態で生活を送れている方は積極的にやってほしいですね。ただし、ジャンプをしたりして身体に負担のかかる運動や格闘技系のものはおすすめできません。 自分で運動するならウォーキング、また家のなかでスクワットをして下半身を鍛えたり、あぐらの姿勢をして身体を柔軟にしておくのもおすすめです。 教室であればマタニティビクス、マタニティスイミングなどが、最近さまざまあります。妊婦さん専門のクラスなので、運動の強度を考慮し、メディカルチェックされたプログラムのはずなので安心でしょう。また、こういった教室に行くことで妊婦さんの友達ができる、という大きなメリットもあります。同じ状況の友達が見つかることで、妊婦ならではの悩みや不安を分かち合うこともできますので、ぜひトライしてみてはいかがでしょう。 赤ちゃんの退院時の服装&家で準備しておくべきものは 退院時の赤ちゃんの服装は、肌着にツーウェイオールなどのベビードレスを着ることが多いようです。季節に応じて靴下や上着を準備してはいかがでしょうか。おくるみやひざ掛けなどで温度を調節するのもよいでしょう。自家用車で帰る場合、チャイルドシートは必須アイテムです。家で準備すべきものについては、準備品のリストがインターネットやマタニティー雑誌などで紹介されているので参考にしながら揃えていきましょう。ただ、最初からあまりたくさんのものは必要ありません。 川端 伊久乃先生 【日本医科大学多摩永山病院女性診療科・産科医局長】 医学博士。女性スポーツ医学研究会幹事、日本周産期新生児学会 周産期(母体・胎児) 専門医として活躍。プライベートでは小学校2年の女の子をもつワーキングママでもあります。 ■ あわせて読みたい ■ 大切な命を守ろう。妊娠中に避けたい4つのこと。 《妊婦さん要注意》妊娠中は普段の○倍鉄分が必要! 妊娠したらまず準備!自分にぴったりのマタニティ下着選び 出産の基礎知識!気になる【会陰切開】ってどういうもの? 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2015.3.30
コラム 妊娠・出産
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漢方を取り入れながら体外受精、人工授精で出産
漢方を取り入れながら体外受精、人工授精で出産/海野由紀子さん(36歳) 体外受精を繰り返すもなかなか妊娠せず 赤ちゃんが欲しいと思ってからもなかなか授からなかった由紀子さんは、もともと生理不順で通っていた病院からの紹介で専門のクリニックにて、体外受精を続けていました。「約2年間、回数にして5回の体外受精を行っても妊娠はしませんでした。しかも最初は、卵胞が空で採卵ができないということが何回も続きました。それでも病院では、とりあえず薬で次の生理を起こしてまた次の周期に採卵を試みる、という方法を繰り返していました」 由紀子さんは以前から実家のお母さまに「漢方を試してみたら」とすすめられていたこともあり、違うことをやってみようと、誠心堂を訪れました。ここでは一人ひとりに中医学のアドバイザーが担当としてつきます。楊先生が由紀子さんの担当となりました。 「先生のお話では、体外受精のための注射を何度もやってきたことによって、卵巣機能が低下して排卵しない状態になっているとのことでした。いい卵ができるよう、卵巣を整える処方をしていただきました」 漢方と不妊治療は一緒に続けたほうがいいと思い、漢方を始めたことをクリニックの医師に伝えたところ、「今飲んでいる薬が終わったらやめてください」と言われてしまいます。しかし飲み始めて体調がよくなりつつあることを実感していた由紀子さんは、病院には黙って続けることにしました。 体質改善で採卵に成功。妊娠中も漢方を服用 クリニックの先生には内緒のまま、漢方を飲み続けて5カ月たった頃、検査でもホルモン値がよくなってきたことが確認されました。そしてまもなくよい卵子を採ることができ、漢方を始めて8カ月後の体外受精で待望の妊娠を果たします。 楊先生のすすめで、妊娠中も8カ月まで胎児を安定させる漢方を服用。そのおかげか、体調もずっとよかったといいます。「私は冷え性なのですが、妊娠中はいつも体が温かい感じがしていました。つわりもほとんどなかったです。7カ月の頃、一度楊先生に『これで終わりにしましょう』と言われ、漢方をやめてみたのですが、そうしたら急に具合が悪くなって……。ひどい胸やけがしたんです。それですぐに『続けたいです』とお願いしに行きました。やめた瞬間に“漢方ってすごいな”と実感しましたね。漢方で胃の調子も整えていたのだそうです」 そのほかにも風邪をひくこともなく、妊娠9カ月まで仕事を続けていても疲れ知らずだったり、いろいろな効果があったそうです。妊娠中は“体外受精で生まれてくる子は正常なのだろうか”と心配することもありましたが、おなかの中で赤ちゃんが大きくなるにつれ、その不安は消えていきました。そして無事に元気な男の子が生まれました。 2人目は人工授精から始め2回目で妊娠! 1人目のゆうきちゃんが生まれて9カ月たった頃、由紀子さんは2人目の妊娠に向けて、再び子宮と卵巣の働きを整える漢方を始めます。 「出産後は妊娠しやすくなっているという噂を聞いてまして。今だったら、もしかするとすぐできるかもしれないけれど、間があいたらまた長い治療をやらなければいけないかもしれない。それなら早めに治療を開始しようと思ったんです。子どもは2人欲しかったというのもありましたし」 2人目に向けて準備は始めたものの、今すぐに、というつもりではなかった由紀子さん。漢方のおかげか、産後不順だった生理も来るようになり、子宮がん検診を受けに行った時、不妊治療の先生に「次どうする?」と聞かれ、それがきっかけでまた不妊治療を始めることになりました。「先生に『今は状態もいいし、とりあえず1人いるから、少しゆっくり目でやってみる?』と提案され、人工授精をやることになりました。何回かやってみてダメだったら体外受精をする予定でした。それが2回目で妊娠! もっとかかると思っていたので驚きました」 2人のかわいい男の子に囲まれて… 由紀子さんは今、2人の息子さんに囲まれて、幸せいっぱいの日々を送っています。ここにくるまでの長い治療の間、くじけそうになったことはなかったのでしょうか? 「親戚からのプレッシャーが強かったので、つらい時期もありました。正直離婚を考えたこともありました。でも主人が『子どもが欲しいから君と結婚したんじゃない。できなければ二人でもいいじゃないか』と言ってくれたんです。それでかなり気持ちが楽になり、また頑張ろうと思えました」 2人の兄弟は今、やんちゃ盛り。時々、妊娠まで様々な苦労があったことも忘れるくらい2人を怒ってしまうことがあるといいます。 「育児は大変だけど、2人生まれてくれてよかった。喧嘩もいっぱいするけど、お互いを思いやる姿を見ると、兄弟ができてよかったなと思います」 担当:楊 琰先生【誠心堂】 海野さんが最初にいらした時は、採卵で頑張らせすぎたため卵巣が疲れてしまった“卵巣早発機能不全"と思われる状態でした。おなかの痛みもあり、体調もよくないようでしたので、全体をみながら卵巣機能を高めるようにアドバイスしました。1人目は8カ月、2人目は妊娠力が上がっていたので5カ月で妊娠されました。妊娠中は安胎、養胎の処方をしましたが、体全体が整い、胃腸の調子もよくなったので、つわりにもならなかったのだと思います。漢方治療は信頼関係が大切。海野さんが私を信頼してくださったことに感謝しています。 ■ あわせて読みたい ■ どこの鍼灸院も不妊のツボは同じで同じ治療をするのでしょうか? 周期療法を始めて5か月経って排卵がなくなったけど続けていていいの? 漢方の病院と温灸に通って治療中だけど温灸と鍼灸ではどちらがいいの? ファティリティクリニック東京 女性のための健康生活マガジン JINEKO 漢方を取り入れながら体外受精、人工授精で出産/海野由紀子さん(36歳) 体外受精を繰り返すもなかなか妊娠せず 赤ちゃんが欲しいと思ってからもなかなか授からなかった由紀子さんは、もともと生理不順で通っていた病院からの紹介で専門のクリニックにて、体外受精を続けていました。「約2年間、回数にして5回の体外受精を行っても妊娠はしませんでした。しかも最初は、卵胞が空で採卵ができないということが何回も続きました。それでも病院では、とりあえず薬で次の生理を起こしてまた次の周期に採卵を試みる、という方法を繰り返していました」 由紀子さんは以前から実家のお母さまに「漢方を試してみたら」とすすめられていたこともあり、違うことをやってみようと、誠心堂を訪れました。ここでは一人ひとりに中医学のアドバイザーが担当としてつきます。楊先生が由紀子さんの担当となりました。 「先生のお話では、体外受精のための注射を何度もやってきたことによって、卵巣機能が低下して排卵しない状態になっているとのことでした。いい卵ができるよう、卵巣を整える処方をしていただきました」 漢方と不妊治療は一緒に続けたほうがいいと思い、漢方を始めたことをクリニックの医師に伝えたところ、「今飲んでいる薬が終わったらやめてください」と言われてしまいます。しかし飲み始めて体調がよくなりつつあることを実感していた由紀子さんは、病院には黙って続けることにしました。 体質改善で採卵に成功。妊娠中も漢方を服用 クリニックの先生には内緒のまま、漢方を飲み続けて5カ月たった頃、検査でもホルモン値がよくなってきたことが確認されました。そしてまもなくよい卵子を採ることができ、漢方を始めて8カ月後の体外受精で待望の妊娠を果たします。 楊先生のすすめで、妊娠中も8カ月まで胎児を安定させる漢方を服用。そのおかげか、体調もずっとよかったといいます。「私は冷え性なのですが、妊娠中はいつも体が温かい感じがしていました。つわりもほとんどなかったです。7カ月の頃、一度楊先生に『これで終わりにしましょう』と言われ、漢方をやめてみたのですが、そうしたら急に具合が悪くなって……。ひどい胸やけがしたんです。それですぐに『続けたいです』とお願いしに行きました。やめた瞬間に“漢方ってすごいな”と実感しましたね。漢方で胃の調子も整えていたのだそうです」 そのほかにも風邪をひくこともなく、妊娠9カ月まで仕事を続けていても疲れ知らずだったり、いろいろな効果があったそうです。妊娠中は“体外受精で生まれてくる子は正常なのだろうか”と心配することもありましたが、おなかの中で赤ちゃんが大きくなるにつれ、その不安は消えていきました。そして無事に元気な男の子が生まれました。 2人目は人工授精から始め2回目で妊娠! 1人目のゆうきちゃんが生まれて9カ月たった頃、由紀子さんは2人目の妊娠に向けて、再び子宮と卵巣の働きを整える漢方を始めます。 「出産後は妊娠しやすくなっているという噂を聞いてまして。今だったら、もしかするとすぐできるかもしれないけれど、間があいたらまた長い治療をやらなければいけないかもしれない。それなら早めに治療を開始しようと思ったんです。子どもは2人欲しかったというのもありましたし」 2人目に向けて準備は始めたものの、今すぐに、というつもりではなかった由紀子さん。漢方のおかげか、産後不順だった生理も来るようになり、子宮がん検診を受けに行った時、不妊治療の先生に「次どうする?」と聞かれ、それがきっかけでまた不妊治療を始めることになりました。「先生に『今は状態もいいし、とりあえず1人いるから、少しゆっくり目でやってみる?』と提案され、人工授精をやることになりました。何回かやってみてダメだったら体外受精をする予定でした。それが2回目で妊娠! もっとかかると思っていたので驚きました」 2人のかわいい男の子に囲まれて… 由紀子さんは今、2人の息子さんに囲まれて、幸せいっぱいの日々を送っています。ここにくるまでの長い治療の間、くじけそうになったことはなかったのでしょうか? 「親戚からのプレッシャーが強かったので、つらい時期もありました。正直離婚を考えたこともありました。でも主人が『子どもが欲しいから君と結婚したんじゃない。できなければ二人でもいいじゃないか』と言ってくれたんです。それでかなり気持ちが楽になり、また頑張ろうと思えました」 2人の兄弟は今、やんちゃ盛り。時々、妊娠まで様々な苦労があったことも忘れるくらい2人を怒ってしまうことがあるといいます。 「育児は大変だけど、2人生まれてくれてよかった。喧嘩もいっぱいするけど、お互いを思いやる姿を見ると、兄弟ができてよかったなと思います」 担当:楊 琰先生【誠心堂】 海野さんが最初にいらした時は、採卵で頑張らせすぎたため卵巣が疲れてしまった“卵巣早発機能不全"と思われる状態でした。おなかの痛みもあり、体調もよくないようでしたので、全体をみながら卵巣機能を高めるようにアドバイスしました。1人目は8カ月、2人目は妊娠力が上がっていたので5カ月で妊娠されました。妊娠中は安胎、養胎の処方をしましたが、体全体が整い、胃腸の調子もよくなったので、つわりにもならなかったのだと思います。漢方治療は信頼関係が大切。海野さんが私を信頼してくださったことに感謝しています。 ■ あわせて読みたい ■ どこの鍼灸院も不妊のツボは同じで同じ治療をするのでしょうか? 周期療法を始めて5か月経って排卵がなくなったけど続けていていいの? 漢方の病院と温灸に通って治療中だけど温灸と鍼灸ではどちらがいいの? ファティリティクリニック東京 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.3.23
コラム 妊娠・出産
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ママのぽんぽん
赤ちゃんエッセイ:ママのぽんぽん 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「ママのぽんぽん、赤ちゃんいる?」 2年前の秋、思いもよらない双子娘達からの問いかけだった。 不妊治療の末、ようやく授かった双子娘達。主治医から「自然妊娠は厳しい」と断言されていた。そんな時、持病の胃痛が現れた。 痛みを感じながらも何とか乗り切った最初の1週間。主人に相談すると「また胃カメラ飲んだ方がいいよ」との言葉。胃カメラの恐怖に怯えながらまた1週間が過ぎた。「まだ痛いんよ」と言いつつ、ふと遅れてることに気づいた。主人に報告して、顔を見合わせて・・・「ありえないよね~」ということでまたまた1週間が過ぎた。元々周期が安定しない私、夫婦揃ってただの胃潰瘍の再発だと思っていた。 その翌日、お腹をさすりながら放った双子娘達の言葉である。帰宅した主人に話すと「子供は分かるって言うから!」と荷物だけ放り投げてドラッグストアへ飛び出して行った。 帰宅後、さっそくトイレに入れられ検査してみた。半信半疑、ううん3分の2は疑ってた。ところが説明書の判定時間を待つまでもなく、くっきりとしたラインが現れた。 抱き合って泣いて喜んだ双子の妊娠から3年が経っていた。あの時とは違う、驚きが先行した妊娠発覚。それでも「これから家族5人になるよ」パパが嬉しそうに双子達に伝えてくれた。 妊娠中、お姉ちゃん達はだんだん大きくなる“ママのぽんぽん”を不思議そうに、大事そうにさすってくれた。恥ずかしがって言葉には出さないけど、2人とも赤ちゃんに会えるのを楽しみにしてくれていた。帝王切開が決まっていたものの2週間も早く陣痛が来てしまい、誰も心の準備が出来ていない状態での入院となった。オペの前、陣痛の合間にそばに寄ってきて、もうすぐぺちゃんこになる“ママのぽんぽん”を優しく触ってくれた2人。帝王切開で生まれてきた赤ちゃんを見て、「かわいいね~」と笑ってくれた2人、お姉ちゃんになった瞬間だった。 子供を持てないかもしれないと泣いた夫婦が気づけば3人の親になった。“ママのぽんぽん”も思いがけず2度も役をなしてくれた。下腹にくっきりと残る傷跡は誇りであり、幸せの証である。時々双子姉は優しく傷を触りながら、「ここから出てきた?」「痛かった?」と聞く。そして「ママ、嬉しかった?」と尋ねてくる。モチロン!! 子供が欲しくてたまらなかったパパとママの元へゆっくりやってきてくれた双子のお姉ちゃん達。そしてお姉ちゃん達が迎えてくれた妹。ママのぽんぽんを選んで来てくれて本当にありがとう。 最近双子達が言う。 「ママのぽんぽんに、みんな入りたかったんよ」 だから私も答えた。 「ママもみんなに入って欲しかったんよ」 最近は年齢と重力に負けそうな“ママのぽんぽん”。若くない私も若く見えるママを目指して、運動に励んでいる。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // --> 赤ちゃんエッセイ:ママのぽんぽん 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「ママのぽんぽん、赤ちゃんいる?」 2年前の秋、思いもよらない双子娘達からの問いかけだった。 不妊治療の末、ようやく授かった双子娘達。主治医から「自然妊娠は厳しい」と断言されていた。そんな時、持病の胃痛が現れた。 痛みを感じながらも何とか乗り切った最初の1週間。主人に相談すると「また胃カメラ飲んだ方がいいよ」との言葉。胃カメラの恐怖に怯えながらまた1週間が過ぎた。「まだ痛いんよ」と言いつつ、ふと遅れてることに気づいた。主人に報告して、顔を見合わせて・・・「ありえないよね~」ということでまたまた1週間が過ぎた。元々周期が安定しない私、夫婦揃ってただの胃潰瘍の再発だと思っていた。 その翌日、お腹をさすりながら放った双子娘達の言葉である。帰宅した主人に話すと「子供は分かるって言うから!」と荷物だけ放り投げてドラッグストアへ飛び出して行った。 帰宅後、さっそくトイレに入れられ検査してみた。半信半疑、ううん3分の2は疑ってた。ところが説明書の判定時間を待つまでもなく、くっきりとしたラインが現れた。 抱き合って泣いて喜んだ双子の妊娠から3年が経っていた。あの時とは違う、驚きが先行した妊娠発覚。それでも「これから家族5人になるよ」パパが嬉しそうに双子達に伝えてくれた。 妊娠中、お姉ちゃん達はだんだん大きくなる“ママのぽんぽん”を不思議そうに、大事そうにさすってくれた。恥ずかしがって言葉には出さないけど、2人とも赤ちゃんに会えるのを楽しみにしてくれていた。帝王切開が決まっていたものの2週間も早く陣痛が来てしまい、誰も心の準備が出来ていない状態での入院となった。オペの前、陣痛の合間にそばに寄ってきて、もうすぐぺちゃんこになる“ママのぽんぽん”を優しく触ってくれた2人。帝王切開で生まれてきた赤ちゃんを見て、「かわいいね~」と笑ってくれた2人、お姉ちゃんになった瞬間だった。 子供を持てないかもしれないと泣いた夫婦が気づけば3人の親になった。“ママのぽんぽん”も思いがけず2度も役をなしてくれた。下腹にくっきりと残る傷跡は誇りであり、幸せの証である。時々双子姉は優しく傷を触りながら、「ここから出てきた?」「痛かった?」と聞く。そして「ママ、嬉しかった?」と尋ねてくる。モチロン!! 子供が欲しくてたまらなかったパパとママの元へゆっくりやってきてくれた双子のお姉ちゃん達。そしてお姉ちゃん達が迎えてくれた妹。ママのぽんぽんを選んで来てくれて本当にありがとう。 最近双子達が言う。 「ママのぽんぽんに、みんな入りたかったんよ」 だから私も答えた。 「ママもみんなに入って欲しかったんよ」 最近は年齢と重力に負けそうな“ママのぽんぽん”。若くない私も若く見えるママを目指して、運動に励んでいる。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // -->
2015.3.19
コラム 妊娠・出産