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無痛分娩をもっと知りたい。 メリット・デメリットとは?
お産の選択肢のひとつとして話題の無痛分娩。その特徴やデメリットなどを、あさもとクリニック産婦人科院長の朝元健次先生にお聞きしました。
2018.6.13
インタビュー 妊娠・出産
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「妊婦健診」を受ける理由 妊娠中の健康を守る取組とは?
妊娠すると、産婦人科などで定期的に妊婦健診を受けるようになります。 妊娠前後にぜひ知っておきたい妊婦健診の意味と内容について、庄内通レディースクリニックの三輪美佐先生に詳しいお話を伺いました。
2018.6.6
インタビュー 妊娠・出産
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「つわり」の仕組みを知っておこう!いつから?ピークはいつごろ?どのくらい続く?
妊娠するとたいていの人が経験する「つわり」。寝込むほどつらい人がいる一方で、なにごともなく過ごしたという人もいたり、人によってさまざまなようです。おおしおウィメンズクリニック院長の大塩達弥先生に、つわりについて教えていただきます。
2018.5.26
インタビュー 妊娠・出産
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妊娠中のママの体重管理は、赤ちゃんの未来の成人病予防になる!
妊娠中の体重をコントロールする目的や重要性にはどんな根拠があるのでしょうか。お腹の赤ちゃんとともに心身を快適に過ごす工夫を、ごきそレディスクリニックの小川麻子先生にお話を伺いました。
2018.5.10
コラム 妊娠・出産
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初めての妊婦健診について
妊娠検査薬で陽性になった後にとるべき行動や、妊婦健診の流れについて、ワキタ産婦人科の脇田哲矢先生にお話を伺いました。
2018.5.3
インタビュー 妊娠・出産
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妊婦健診ではどんなことをして、何がわかるの?
妊娠すると定期的に受けることになる妊婦健診。どれくらいのペースでどのような検査を受けるのかについて、森永産婦人科の森永康文先生にお話を伺いました。
2018.4.19
インタビュー 妊娠・出産
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37週で血圧が急上昇、赤ちゃんに高血圧の影響はありますか?
相談者:ちょさん(主婦/35歳) 初産の高齢妊婦です。先週土曜、37週で検診に行ったら血圧が158―92と、急に高くなっていました。足の浮腫は少し前からあったのですが、それもかなりひどくなってしまい……。先生には「中毒症だね。これ以上ひどくなったら入院、帝王切開もあります」と言われました。明日また受診する予定です。現在は家で、醤油や塩を使わない食事をして、足を高くして横になり、安静にしています(家事は軽くやっています)。 あと少しで出産というところでこのような状態になり、赤ちゃんに何かあったらと思うと不安で仕方ありません。今のところ赤ちゃんの発育は順調なのですが、高血圧のせいで急に赤ちゃんの具合が悪くなってしまうこともあるのでしょうか。 血圧が急に上昇したのは? この状態は妊娠高血圧症候群と言えます。以前は妊娠中毒症といわれていたもので、もともと血圧が高くなかった人が妊娠中に「収縮期血圧140mmHg/拡張期90mmHg」以上のとなった場合、妊娠高血圧症候群と診断されます。 なぜ妊娠中に血圧が高くなってしまうのか、免疫が原因であるという説やいろいろな化学物質が出るからなど、諸説いわれていますが、明確な原因はまだ解明されていません。 リスクが高いのはどのような人ですか? 妊娠前に正常な血圧でも急に上昇することがあり、なかなか予測が難しいというのが実情です。妊娠の20週台になることはそれほど多くないのですが、36週を超えると血圧が上がってしまうというケースは珍しくありません。特に初産の方は経産婦よりリスクが高いといわれています。 また、年齢が高い方も注意が必要ですね。最近は高齢妊娠が増えているので、それに伴って妊娠高血圧症候群になる方が増加している印象があります。ちょさんは高齢にさしかかる年齢という条件に加え、初産なので、リスクが高まったのではないでしょうか。 妊娠中の血圧上昇が母子に与える影響は? 急に悪化することがあり、なかには母子の生命に関わる状態となることもあります。妊娠を終了することが一番の治療となるため、重症の場合には早期の分娩が必要に。そのため、帝王切開となることもあります。 妊娠高血圧症候群は胎盤への血流が悪化するため、赤ちゃんに行く血液も減少してしまい、胎盤機能不全という状態となって、赤ちゃんの心拍数が低下する原因となることも。また、赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれてしまう常位胎盤早期剥離のリスクもあり、この場合、大量に出血してしまうので母子ともに非常に危険な状態となります。このような状況になる前に分娩となることが望まれるでしょう。 いつ悪化するかわからないので、ちょさんは入院が必要になるのではないでしょうか。病院で注意深く見守りながら、すぐ分娩にならないようなら帝王切開になることもあるかと思います。 村林先生より まとめ 妊娠高血圧症候群は、基本的に薬でコントロールすることが難しく、妊娠を終了すること、つまり分娩することが一番の治療になります。原因がまだ不明で予防も難しいのですが、妊娠糖尿病と同様に肥満や高血圧がリスク要因となることもあるので、妊娠する前から食事などに気を配り、健康的な生活を心がけることが大切だと思います。 [無料]気軽にご相談ください 村林 奈緒 先生(俵IVFクリニック) 浜松医科大学、三重大学大学院医学系研究科(博士課程)卒業。浜松医科大学「生殖周産期医学講座」特任准教授。俵IVFクリニックでは不妊治療全般に加え、毎週月曜日・木曜日・金曜日の午後、生殖周産期外来(妊娠初期の健康管理)を担当。≫ 俵IVFクリニック
2018.4.13
コラム 妊娠・出産
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妊娠初期です。ネイチャーメイドの葉酸は?
相談者:ルルさん(主婦/24歳) ただいま妊娠初期の2ヵ月です。待ちに待った赤ちゃんでうれしいです。本でわからないことは勉強していて、葉酸が妊婦には良いことがわかりました。そこでドラッグストアへ行き、薬剤師さんに聞いたところ、ネイチャーメイドの葉酸をすすめられました。もちろん妊娠していることは伝えました。 でも念のため婦人科の先生に葉酸のサプリメントについて聞いたら「葉酸が良いのは確実だけど、サプリメントはわからないから何とも言えない」と言われてしまいました……(とっても冷たく感じました)。葉酸を飲んでいた方、どこの葉酸がいいのか教えてください。よろしくお願いいたします。 なぜ葉酸が必要になるのですか? 葉酸はビタミンB群の一種で、細胞分裂時の核になるDNAをつくり出す時に必要な栄養素です。赤ちゃんの二分脊椎症や無脳症といった神経管閉鎖障害といわれる先天異常を予防する効果が知られているので、妊娠したら不足しないよう、しっかり摂取することがすすめられています。 いつから、どのくらい摂ればいい? 神経管の閉鎖は妊娠7週までに終了してしまうので、妊娠してから摂り始めるのでは遅く、妊娠の1ヵ月以上前から飲むことが重要です。 葉酸はほうれん草などの野菜やくだもののほか、レバーなど動物性食品にも多く含まれていますが、水に溶けやすく熱によって壊されやすいので、食事だけで必要量を効率的に摂取するのは難しいかもしれません。サプリメントでも摂ることができるので、市販のものを活用しても構わないでしょう。 妊娠を望んでいる人が推奨されている葉酸の摂取量は1日400µg。市販のサプリメントだと1日0.4mgになります。 どのメーカーのものでも構わない? 「○○のメーカーのサプリメントが望ましい」と決まったものはありません。1日0.4mgという摂取量さえ守っていただければ良いかと思います。 ルルさんが薬剤師さんからすすめられたネイチャーメイドの葉酸は1錠0.2mgで、1日2錠摂ると0.4mgとなり、推奨量を満たしているので飲んでいただいて問題ないでしょう。 薬と違ってサプリメントは自分で管理して摂ることになりますが、赤ちゃんに良いからといって摂りすぎには注意が必要です。1日1mgを超える量を飲み続けると、赤ちゃんにアレルギーや喘息のような呼吸器への悪影響があるという風にいわれているので、必要がなければ多くの量を飲むことはすすめられていません。 村林先生より まとめ 赤ちゃんの先天性障害や神経障害を予防するために葉酸は大切な栄養素。当院では不妊治療の初診時に葉酸を摂っているかどうか伺って、摂っていない方にはその頃からおすすめして、妊娠した時にはまた確認しています。普段の食生活で積極的に摂取することはもちろん、サプリメントも上手に活用して葉酸欠乏を防ぎましょう。 [無料]気軽にご相談ください 村林 奈緒 先生(俵IVFクリニック) 浜松医科大学、三重大学大学院医学系研究科(博士課程)卒業。浜松医科大学「生殖周産期医学講座」特任准教授。俵IVFクリニックでは不妊治療全般に加え、毎週月曜日・木曜日・金曜日の午後、生殖周産期外来(妊娠初期の健康管理)を担当。≫ 俵IVFクリニック
2018.4.12
コラム 妊娠・出産
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お産の流れがしっかり予習できる!母親教室体験レポート
出産を控えた女性が受ける母親教室では、どのようなことが学べるのでしょう。2018年2月に福岡市「ガーデンヒルズウィメンズクリニック」で行われた母親学級の様子を見学させていただきました。
2018.3.23
コラム 妊娠・出産
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陣痛、出産の時の 呼吸法について
出産をひかえ、陣痛から始まる痛みについて不安に思う人は多いのではないでしょうか? ラマーズ法やソフロロジーといった呼吸法がその痛みや恐怖を和らげるといわれています。実際に呼吸法にはどんな役割があるのか、北原産婦人科の北原慶幸先生にお話を伺いました。
2018.3.22
コラム 妊娠・出産
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知っているようで間違っている? 改めて知りたい妊娠中の過ごしかた
妊活、妊娠中の女性の方へ、正しい知識に従って体調管理ができるよう、信じてしまいがちな妊娠中の健康にまつわるお話を、くさなぎマタニティクリニック副院長の齋藤 緑先生に伺います。
2018.3.5
インタビュー 妊娠・出産
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無痛分娩にしたいのに、家族が反対しているのですが…
欧米ではすでにお産の主流となっている無痛分娩。しかし、全国的にはまだ取り扱う産科医院が限られています。無痛分娩はどのようなお産なのでしょう。 なかには家族の反対で断念してしまうケースも…。中林病院副院長の中林靖先生にお話を伺いました。
2018.3.1
インタビュー 妊娠・出産
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無痛分娩ってどんな人でも可能なの?
以前は海外の出産法というイメージだった無痛分娩ですが、最近は身近で「無痛で産んだ」いう声を耳にするようになりました。「心配はないの? 」「希望すれば誰でもできるの? 」そんな疑問に、産婦人科 吉田クリニックの天野 完 先生に伺いました。
2018.2.27
インタビュー 妊娠・出産
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妊娠中の「安定期」なら海外旅行も平気? 妊婦にとってOKな行動の範囲とは
一般的に、妊娠5カ月(妊娠16週)に入ると「安定期」という言い方をします。「赤ちゃんが生まれる前に旅行しておきたい」と思っている妊婦さんもいるのではないでしょうか。そこでスポーツや旅行などのアクティブな生活は「安定期」にはどこまでが適切なのか、また、妊娠期間の上手な過ごし方について堀産婦人科の堀量博(かずひろ)先生にお聞きしました。
2018.2.26
コラム 妊娠・出産
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無痛分娩の メリット・デメリットは?
最近、出産時の痛みを軽減できる「無痛分娩」に興味を持つ人が増えてきているようです。無痛で産むとどんな良いことがあるのか、また、注意する点はあるのか、実際に無痛分娩を導入しているWクリニックフォーマザーズ幕張の渡邉剛也先生にお話を伺いました。
2018.2.22
コラム 妊娠・出産
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妊娠前から食生活で予防しておきたい! 妊娠糖尿病という病気を知っていますか?
妊娠糖尿病をご存じでしょうか。一般的な糖尿病ほど重い病ではないものの、油断は禁物。放っておくと母体や胎児にさまざまな合併症を起こすリスクがあります。自身の妊娠糖尿病の経験を通して、「ロカロジ」という独自のメソッドを開発した一般社団法人ロカロジ協会 代表理事 金子洋子さんにお話を伺いました。 ロカロジとは? 低糖質(Low-Carb)×低GI(Low-GI)+運動から成る考え方が「ロカロジ」。血糖値が急上昇しないライフスタイルの実現のため、金子さんが独自に開発したメソッドです。 【問い合わせ】一般社団法人 ロカロジ協会 大阪府大阪市城東区古市2-6-63-216 ☎050-5309-3220 妊娠前から知っておきたい妊娠糖尿病妊娠前は糖尿病や肥満とはまったく無縁だった人でも、妊娠後、妊娠糖尿病にかかる可能性があります。妊娠糖尿病とは妊娠によって一時的に血糖値が高くなる病気です。 妊娠すると、胎盤から分泌されるホルモンが、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の効き目を弱めてしまいます。健康な妊婦さんなら、インスリンの量が自然に通常の3倍に増えて血糖値を上げないよう調整できているのですが、高齢や肥満の方、家族に糖尿病の方がいる方、また、体質的にインスリンが増えない妊婦さんは高血糖を引き起こしてしまいます。最近は、約10人に1人が妊娠糖尿病になっているそうです。いきなり襲いかかった妊娠糖尿病という現実私が妊娠糖尿病を発症したのは33歳の時。初めての妊娠で、妊娠後期にさしかかった頃でした。体重は約16㎏増えていましたが、それ以外、自覚症状がなかっただけに、あまりにショックで頭の中が真っ白になりました。 管理入院から始まって分割食(1日6回食)の指導を受けました。それでもいっこうに血糖値が下がる気配がなかったのでインスリンを打つことになり、すぐに自分で注射する方法も教えてもらいました。その頃、すでに妊娠8カ月。太ももに自分で注射を打つのは初めて。血糖値測定のため、毎日指に7回も針を刺しているのに、さらに打たなくてはいけない。しかも目の前に食事を用意しておき、注射を打ってすぐに食べなければならず……。注射の痛さとストレスで泣いてばかりでした。 退院後はさらに大変でした。自宅では病院でのような食事は無理ですし、インスリンを打つ時も一人だし、倒れたらどうしようと本当に不安でした。しかも、いくらインスリンを打っても血糖値は下がりません。 妊娠糖尿病の人は出産時に合併症を起こして死亡するケースもあります。赤ちゃんも母体と一緒にずっと高血糖状態なので、出産後に低血糖を起こして昏睡状態になったり、巨大児として生まれることがあります。最も怖いのが子宮内胎児死亡を引き起こすこと。そんな想像をするだけで怖くなるし、精神的にかなり追い詰められていました。 出産中も、血糖値を測りながらブドウ糖を点滴。途中、危険な状態を繰り返し意識がもうろうとするなかで女児が生まれました。待機していた小児科医、助産師たちから拍手喝采。感謝の気持ちとともに、それほど危ないお産だったんだと改めて実感しました。妊娠糖尿病の経験から生まれた「ロカロジ」その後、血糖値はすぐ正常になったため、ふつうの生活に戻りました。育児に必死だったので、食事に気を使う余裕もなく、体重は16㎏増えたままでした。 娘が2歳になった頃、もう一人子どもが欲しいと思うようになりました。医師に相談したところ、妊娠糖尿病になるのは必至とのこと。そのため、1人目の時の苦しみを二度と味わいたくないと一念発起。妊娠前から糖質のコントロールと毎食後の運動にチャレンジすることにしました。まさに自分を使った人体実験です(笑)。 私が母親として直感したことが、極端な糖質制限は妊婦には大きなリスクだということ。そのため適正な糖質量を摂るために毎日、食べたものと血糖値の数値を記録。そのうち血糖値が上がる食材、上がらない食材がわかってきたので血糖値を120以下に抑えるレシピを数多く作成。赤ちゃんのためには炭水化物もある程度摂取する必要があるため、上がった血糖値を下げるように食後2時間歩くことにしました。 それも続けた甲斐があり、妊娠後期からインスリン注射を打つと予告されていたのですが、インスリンは使わず入院もなく、38週で破水から3時間で息子を無事出産! こうした妊娠糖尿病と向き合う妊娠生活で育んだノウハウをもとに開発したのが「ロカロジ」。血糖値が急上昇しない食事法と運動法から成るメソッドです。ロカロジを広めることで妊娠する女性たちをサポートしたい私は現在、妊娠糖尿病の方へ向けたセミナー、料理教室、食品販売を行っています。妊娠前から知っておいてほしいのは、妊娠糖尿病はふだんの食生活で十分予防できる病気だということ。私自身、お腹の赤ちゃんにとって必要な栄養をバランスよく送ってあげること。そして自分自身が食事を楽しむことをやめたくない! と考え、自分ができる最大限のリスク回避法は何か? を考えて得られたのが「ロカロジ」です。 ぜひ妊娠前から自分に合った適正な糖質量を知り、ほどよい運動をして血糖値を安定させる「ロカロジ」を取り入れて、妊娠を楽しめる体づくりを心がけてほしいと思います。 金子 洋子 さん(一般社団法人ロカロジ協会代表理事) 尿病を発症。つらい闘病生活のなかで血糖値の上昇を穏やかにする独自のメソッドを開発。15年妊娠糖尿病の会を、16年7月には一般社団法人ロカロジ協会を発足。現代表理事。12月に(株)ロカロジラボ設立、代表取締役社長就任。出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.37 2018 Spring≫ 掲載記事一覧はこちら
2018.2.19
コラム 妊娠・出産
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妊娠にまつわる“言い伝え”、信じる?信じない?
世の中には妊娠や出産にまつわる噂やジンクスがたくさん存在します。「どうせ迷信に過ぎない」と思ってはいても、妊活・妊娠中はなにかと不安が多いため、こういった“言い伝え”とどのように付き合っていくべきか、宮川医院の宮川智幸先生に伺いました。
2018.2.14
インタビュー 妊娠・出産
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妊娠期の運動、何が正解?
妊娠中の運動(スポーツ)は、好ましいものと危険なものに大別されます。
2018.2.1
インタビュー 妊娠・出産
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妊娠中の「便秘」の悩み どうやって解消すればいい?
妊娠すると女性の体にはさまざまな変化が現れますが、そのなかのひとつに「便秘」があります。悩ましい妊娠中の「便秘」について、その原因と対策をごきそレディスクリニックの小川麻子先生に伺いました。
2018.2.1
インタビュー 妊娠・出産
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無痛分娩の真実「選びたいけれど怖い! 」と思っていませんか?
麻酔技術に長けた医師さえいれば、安心なお産が可能無痛分娩では、背骨から腰のあたりの脊髄の近く、“硬膜外腔”という部分にカテーテルを入れ、加減しながら麻酔薬を直接投与することにより、局所麻酔で出産における痛みをやわらげます。完全に痛みはなくなりますが、息んでもらう行為は通常通り必要です。 赤ちゃんが降りてくる圧迫感、赤ちゃんが産道を通り抜ける感覚などは残っていますし、もちろん意識ははっきりしています。 「あ、もうすぐ産まれる!」と携帯電話を通してご家族に実況中継される産婦さんもいらっしゃいます。 無痛分娩の場合、出産を終えたばかりの産婦さんでも少しも疲弊していなくて、生まれたばかりの赤ちゃんを笑顔で抱っこしてあげられます。 痛みを我慢したり、強すぎるほど力まないので産後の筋肉痛もほとんどありません。 体力回復も良好で退院も早く、すぐに育児に専念できますし、私としては無痛分娩にはメリットしかないと思っています。 “苦痛を伴わず、赤ちゃんを産める方法もある”ことが広まれば、少子化さえ改善できるのではないかと思うほどです。二人目、三人目のお産だからこそする「無痛分娩」という選択当院では、特にはお勧めしているわけではありませんが、6~7割の妊婦さんが無痛分娩を希望します。第二子はもちろん第三子を無痛で産む方もいらっしゃいます。 「二人目はラクよ」という周囲の言葉にはげまされて普通に産んだら、やはり痛かった。だから「第三子は絶対に痛くなく産みたい。負担なく産むぞ!」という気持ちのようです。 日本には、「お腹を痛めて産んだ子」という表現があり、それゆえ母親や姑の年代では“苦労して産むこと”を尊いことと考えがちです。 でも、その痛みにどんな意味があるのでしょうか? 私自身は男性ですが、私が産婦さんの男親だったら娘がむやみに痛みを感じることに耐えられないでしょう。 娘が苦しんでいたら、すぐに痛みを取り去って欲しいと感じると思います。 フランスでは約80%、アメリカでは約60%が無痛分娩による出産であるとするデータもあります。 女性の就業率も高く、体力を温存してできるだけ早く体を回復させ、職場に復帰したいという意図もあるでしょう。無痛分娩は産院選びが重要なポイント麻酔を使ったお産を“和痛”といった表現をする産院もあるのも事実です。 実は、無痛分娩をあつかっている産院でも、きちんと麻酔をあつかえる医師は必ずしも多くないと思います。 麻酔の量と入れる位置や角度には、本当に微妙な調整が必要です。 麻酔薬を大量に投与すれば無痛になりますが、産む感覚がほとんどなくなってしまう場合もありますし、 感覚も意識も薄くなりますし、投与量が少なければ痛みが少し緩和されるだけになります。 不幸にも、日本では無痛分娩にまつわる事故がありました。 それゆえに、選択に二の足を踏む方が増えたのも事実です。 でも、それは非常にまれな事故です。わずかな例です。 無痛分娩を扱った経験の多い産院を選べば心配は少ないでしょう。 むしろ、メリットの方が多いと思うので、ぜひ冷静に検討してください。 新中野女性クリニック 海老原 肇先生 産婦人科学会専門医/母体保護法指定医。1988年聖マリアンナ医科大学卒業。1988年聖マリアンナ医科大学大学院卒業、医学博士号取得。1989年聖マリアンナ医大横浜市西部病院周産期センター医長および産婦人科医長を兼務。2001年10月新中野女性クリニック開院。2004年10月医療法人化(医療法人社団千房会)。≫ 新中野女性クリニック
2018.1.12
インタビュー 妊娠・出産