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良質な卵子を育てる漢方薬は?
りっちこさん(40歳)晩婚の私は38歳で結婚、先日40代に突入しました。 人工授精に取り組みつつ自身の体質改善を試みたいと思っています。 肉体的な限界により妊娠できる時間が少ないことに焦りを感じているので治療を有効にすることに興味があります。 しかしながら良質な卵子を育てるために必要なことを調べてみると多くの情報があり何から手を付けていいのやら… ずばりこれは卵子に良く効くという漢方薬や自助努力でできることはありますか? また漢方薬局の薬のほうが効果的とは本当ですか? 神薗克也 先生 (鍼灸治療室 翠明館) 当院に来院されている患者のうち9割以上は女性。しかも、その7割以上は不妊治療の方。一般に鍼灸治療は、腰痛や肩こりの治療と思われがちですが、実は、婦人科系や内科系の疾患にとても有効な治療方法なのですね。腰痛や肩こりで悩んでいる方と同じくらいに、婦人科系や内科系の症状で悩んでいる方は大勢います。内臓の不調からきている腰痛や肩こり、頭痛もありますので、そういう方には内臓の機能を整えないと、すっきりと治りません。特に、女性の場合は、ホルモンバランスによって多種多様な症状が現れます。 当院では、全身のアンバランスを整えていく治療をしていますので、体の様々な不調がすっきりとなくなっていきます。生理不順の延長線上に不妊症があり、さらにその延長線上に更年期障害があります。生理を整えることが、すなわち女性の健康を保つポイントなのですね。是非一度、体に優しい自然な治療方法の鍼灸治療をお試しください。 ≫ 鍼灸治療室 翠明館りっちこさん、はじめまして。 翠明館治療室の神薗といいます。 人工授精をされているようですね。体質改善をしていきたいということで漢方薬などを試してみたいということですが、妊活のための漢方薬はたくさんの種類があります。 りっちこさんは、八味地黄丸を服用されているようですが、黄体機能が弱い方などにはとても良い漢方ですね。それから婦人科疾患で最も有名な漢方として当帰芍薬散があります。色白で虚証体質の浮腫みのあるタイプには合うでしょう。 また、ホルモンバランスが乱れている人には温経湯がベストです。熱証タイプにはあまり向きませんが、冷えが強い方にはおすすめです。卵子の質を高めるには定評のある漢方ですので、りっちこさんには合うかもしれません。 漢方薬局の漢方の方が効果があるか、ということですが、おそらく煎じ薬のことだと思いますが、確かにドラッグストアなどで販売しているエキス剤の漢方よりも煎じ薬の方が、直接生薬から抽出する分効果はあるかもしれません。ただ、エキス剤よりも高価がであるということと煎じる手間があるために、経済的な余裕と時間的な余裕がある方でないと継続するのは難しいかもしれません。 決してエキス剤だからと言って効果が低いわけではないので、お財布と時間と相談しながら、自分に合っている方を選択されると良いでしょう。 その他、自助努力で体質を改善したい場合は、お灸がおおすすめです。お臍の下にある関元というツボは、気を補い子宮環境を改善する効果があります。また、関元の横にある水道というツボは、卵巣機能を改善し卵子の質を改善する効果があります。 それから婦人科疾患にとても効果のある三陰交というツボもおすすめです。 最近はお灸女子という言葉があるように、女性の間で流行していますので、是非妊活のアイテムとして使ってみてくださいね。 一日でも早くりっちこさんに新しい命が授かることをお祈りしています。
2015.5.4
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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過眠は、よくない?
卑弥呼さん(42歳)結婚して2年7ヶ月たちますが、子どもはできません。睡眠は、だいたい11時には、就寝するようにしていて、朝は5時半に起きています。主人を送り出したあと、どうしても眠くて特に冬はそうで、7時半前後から、二度寝をお昼近くまでしてしまうことが、多いです。 そんなに寝てるのに夜になると不思議とまたちゃんと眠れて、2週間に1回ぐらい、夜全く眠れない時があるというパターンが続いてます。 この、パターンは、妊娠しにくさにつながってますでしょうか? 神薗克也 先生 (鍼灸治療室 翠明館) 当院に来院されている患者のうち9割以上は女性。しかも、その7割以上は不妊治療の方。一般に鍼灸治療は、腰痛や肩こりの治療と思われがちですが、実は、婦人科系や内科系の疾患にとても有効な治療方法なのですね。腰痛や肩こりで悩んでいる方と同じくらいに、婦人科系や内科系の症状で悩んでいる方は大勢います。内臓の不調からきている腰痛や肩こり、頭痛もありますので、そういう方には内臓の機能を整えないと、すっきりと治りません。特に、女性の場合は、ホルモンバランスによって多種多様な症状が現れます。 当院では、全身のアンバランスを整えていく治療をしていますので、体の様々な不調がすっきりとなくなっていきます。生理不順の延長線上に不妊症があり、さらにその延長線上に更年期障害があります。生理を整えることが、すなわち女性の健康を保つポイントなのですね。是非一度、体に優しい自然な治療方法の鍼灸治療をお試しください。 ≫ 鍼灸治療室 翠明館卑弥呼さん、はじめまして。 翠明館治療室の神薗といいます。 過眠は妊娠に悪影響を与えるかとのことですが、季節的には冬が多いようですね。 ある種の睡眠障害かと思いますが、特に日が短くなる冬に多いとのことですので、どうしても日中の太陽を十分に浴びることが出来ないと、睡眠リズムが崩れてしまうことが起こりますので、それが原因の可能性もあります。 東洋医学では、寝過ぎると肺を傷つけると言われています。肺は、空気を取り入れる臓器ですが、天の気を十分に取り入れることが出来なければ、慢性的な気の不足になってしまいます。 現在の症状を見ますと全体的に気が不足による症状が多いようです。また、気が不足しているために、気血の流れを上手く作ることが出来ず、気血の滞りもあるようです。 過眠が直接的に妊娠に影響することはありませんが、結果的に妊孕力が不足したり、気血の滞りによって、ホルモンの循環が悪くなったり、卵巣や子宮にしっかり栄養を与えることが出来ず、しっかり機能することが出来ずに、例えば、良い卵が育たなかったり、あるいは子宮環境が悪くなったりすることで、妊娠しず雷からになってしまう可能性はあると思います。 睡眠が足りないようでしたら、朝の眠気を我慢して、そのまま太陽を浴び、体を動かして交感神経に刺激を与えましょう。昼間眠気が起きたならば、30分程度昼寝をすると良いでしょう。 そうすることで、過眠は予防できるかと思います。それによって、気が充実し、木血の流れが良くなり、妊娠しやすい体に戻っていくと思います。 生活習慣は、その人の体を良くも悪くも作り上げますので、少しずつ、出来るところから生活習慣を改善し、妊娠しやすい体にしていきましょう。 一日も早く妊娠されることを、お祈りしています。
2015.1.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ゆうこりーさん(38歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 高温期に体温が低くなる日が多く不安定 ・高温期の上昇が遅い ・高温期の途中で陥落が見られる ・周期が不安定 ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・肌が乾燥しやすい ・足腰のだるさや冷えを感じる ・月経中に体が冷える ・風邪を引きやすい ・落ち込みやすい ・レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じり、塊がでると月経痛が軽減する 直永せつ子 先生 (ナオエ夢鍼灸院 近江八幡院) 私自身の体の異常を知ったのは、20歳を過ぎた頃でした。 以前からの生理不順に増して、生理前の激しい腹痛と40度近い発熱が続き生理が来なくなり出したため地元の内科さんで熱だけでも下げてもらおうと診察を受けると、これは婦人科さんに行ったほうがいいよと言われました。悩みましたが、嫌々ながらも仕方なく婦人科を訪ねることにしました。 初診では解らず、幾度か内診や検査、基礎体温表をつけながら受診をしてしばらくした頃に、子宮奇形に伴う卵巣萎縮、無排卵性月経、経血が卵管へ逆流して起きている事がわかりました。 その時先生から『結婚していない若い女性にこんなこと言うのは言いにくいのですが、おそらく今の医学では結婚してもお子さんは望めないことは覚悟しといて下さい』と言われた時は、まさか自分が子供の出来ない体なんて思ってもいなかった事で、なんで?どうして?と半信半疑信じたくない事実に、どのようにして帰宅したかわからないほどショックを受けました。 女性として結婚や出産の体験は夢であったし、どちらも私には望めないと思うと涙が止まりませんでした。思ってもいなかった結果に日々ストレスが積もり、御夫婦連れや赤ちゃんを見るのも辛くおぞましくなっていきました。 でも少しでも何とかしていただけないかとお願いすると、生理前に起こる高熱を下げる治療と無排卵月経の治療を薬と注射でしていただくことになり、定期的に通院する日々となりした、しかし3年余り過ぎても一向に芳しく無いのと、通院中待合室で、見たくなくても目に入る妊婦さんの姿や会話を聞くことの辛さと、焦り、疲れイライラも極限となり精神状態もおかしくなっていきました。 そんな時今の院長と知り合い『どこまでよくなるか解らないけど、東洋医学の治療で自分に出来る限りの治療をして後は神様・仏様におまかせして』と言ってくれて東洋医学の治療と結婚と同時スタートすることになりました。 楽しいはずの新婚時代も、私の頭の中は毎日毎日子供が出来るだろうか?とばかりで、基礎体温表症候群でした。低温期しかないだの、高温期がないだの、月経が来てしまっただのその都度泣いて落ち込む日々の連続でした。そんな私に対して主人は根気よく付き合ってくれました。おかげさまで約2年半余りが過ぎ一人の娘を授かる事できた時は、奇跡としか言えない夢のような事実に涙しました。長く辛い年月でしたが、主人の協力と優しさで救われ事に感謝しています。 そして、神様が私にくださった奇跡に、少しでもお返しが出来たらよいのにといつも思っていました。 そんなある時、主人から女性の鍼灸師として出来ることは、私が体験した同じ悩みを抱える女性に、お子さんが授かるよう不妊治療をさせて頂くことでないかなとアドバイスを受けました。 この様なことから、私の体験も踏まえながら、少しでもより多くの女性にお子さんが授かる事を日々願いながら治療をさせて頂いております。又、来院して頂いている女性の中には、お子さんが授からない事のストレスやプレッシャーに加え、日常生活の疲労、人間関係や環境で悩みを持っている人も多く、体ばかりか精神的にも負担のかかった方がいらっしゃいます。 個人個人の持つ負担を少しでも軽減、改善し解消していただいて、心身共に健康な状態になるようにと願って毎日治療させていただいてます。 治療の結果お子さんがお出来になるたび、あの頃を思い出し夫婦共々涙が出るほど嬉しい思いをさせていただいております。 日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 直永 せつ子 ≫ ナオエ夢鍼灸院 近江八幡院高温期でも低くなる日が多い、上昇が遅い、途中で陥落するなどは、病院の検査で黄体機能不全と診断されるかもしれませんが、東洋医学ではストレスや冷えが原因であるとも考えます。 また、周期の不安定さも環境の変化、体調やストレスが影響しやすいのです。 なかなか基礎体温が綺麗なグラフにならないと、朝から憂うつになってしまいますよね。 しかし、自分の症状を心配して不安になることがストレス源になってしまうこともあるかもしれません。 体調や精神的なストレス、疲労状態は日によっても違います。 また、寝る時間や入浴の仕方、睡眠の質、さらに冷えによっても、基礎体温は不安定になります。 私の治療所でも同じような悩みで、月経が来てないのに「来てしまう! 」と、悲観する方がいます。 しかし、冷えをとる治療をしながら衣食住の生活改善をして体調を整え、ストレスのもとである基礎体温を計ることを休憩すると、良い方向に向かう方も多くいます。 月経痛や、レバー状の塊があったり、色が赤黒いとのことですが、子宮内膜症や子宮筋腫や子宮の位置異常などの病気でなければ、東洋医学的には「瘀血(おけつ)」と言われる状態で、冷えが原因と考えます。 子宮は冷えていると収縮がきついので月経痛がおきやすくなります。体の内外から冷えない状態に改善すると、月経前や月経中のいやな症状も改善されるはずです。 また、子宮内膜は冷えや、排卵誘発剤の使用で薄くなったり、たとえ厚みがあってもフカフカでなければ着床しにくくなる場合があります。 さらに足腰の冷え、月経中の冷え、腰がだるい、風邪をひきやすい、肌の乾燥といった自覚症状をお持ちですが、体質や環境で血流が悪くなってしまったり、免疫力が低下したり、東洋医学でいうところの「腎」の機能低下がおきて、冷えやすくなったのではないでしょうか。 流産も子宮への血流不足、冷えが原因する場合もあります。 ゆうこりーさんの症状は鍼灸治療で改善されると思います。 治療や養生法は個人の体質や環境で違いますが、まずは衣食住で冷やさない、睡眠や休養をとることが大切。 妊娠しやすい心身の環境にしましょうね。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【治ってさん(43歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・低温期の体温が高め(36.5 度~) ・月経が始まっても体温がなかなか下がらない ・レバー状の塊や、粘膜のような塊がある ・高プロラクチン血症である ・寝不足の日が多い ・のどが渇きやすく肌が乾燥しやすい ・月経中に体が冷える ・風邪を引きやすい 上野晃 先生 (ゆとり鍼灸治療院) ・明治鍼灸大学卒業、国際東洋医療専門学校卒業 ・明治東洋医学院教員養成学科卒業 ・元国際東洋医療専門学校、学科長補佐 ・元大阪医療学園専門学校、学科長 ・大阪大学歯学部第二解剖学教室研究員に所属 ・漢方アドバイザー資格取得 ・社団法人交通事故治療協会会員 ・運動機能訓練士 ・不妊カウンセリング学会会員 ・現在、森ノ宮医療大学にて東洋医学専攻講師 鍼灸師の道を志し、大学時代から常に臨床や研究に明け暮れていました。 教員になってからは、後進の指導の為に更なる知識と臨床経験が必要だと考え、現在の「ゆとり鍼灸治療院・整骨院」をオープンさせました。 意外な事ですが、開院当初から相談が多かったのが、運動器疾患より婦人科疾患での悩みでした。 私が不妊治療を専門に行おうと思ったのは婦人科疾患で通われていたA様がきっかけでした。 A様は2人目のお子様が欲しいという思いで来院されました。 「妊娠するけれども、すぐに流産してしまう。お医者さんにもさじを投げられた。どうすればいいかわからない。」 憔悴しきったA様に、私は ・『妊娠しない』『育たない』のではなく、何かが原因で『妊娠しにくい』『育ちにくい』だけ。 ・さじを投げられたのなら、むしろ体質改善をした方が効果は高い。 ・胎児を維持する力が弱まっているだけなので、まずそこを改善しましょう! とお話させて頂き、A様の疑問や質問にしっかりとお答えしていき、治療を始めました。 継続して治療を行うと「生理の状態」や「冷えの状態」が改善していきます。 『気持ちも前向きになった』と嬉しいお言葉も頂きました。 治療を初めて1年と半年後、安定期に入ったA様が『ゆとり治療院に来てよかった。この数か月はまたダメになるんじゃないかと心配だったけど、上野先生が不安を取り払ってくれた。』と涙を流しながらおっしゃられました。 不妊治療を継続して行くには身体もこころも金銭的にも大きな負担がかかります。 『私が出来る事はなんだろう』と考えた時、早く妊娠するようなお手伝いをし、金銭的な負担を減らし、不安があればそれを取り除いてこころの負担を減らし、身体(体質)を変える事で健康力を上げ身体の負担を減らす事。これが私に出来る事だと考えました。 ゆとり治療院へ通って頂き、妊娠・出産された方のお顔を見るとこの仕事をしていて良かったと一番実感できる時間でもあります。 『すべての方に妊娠して頂きたい!』これが私達、ゆとり治療院スタッフの思いです。 ≫ ゆとり鍼灸治療院治ってさんは、高プロラクチン血症があるのですね。 高プロラクチン血症は排卵が抑制され、低温期の黄体ホルモン値が高い場合に低温期の体温が高くなり、月経が始まっても体温がなかなか下がらない現象がみられることがあります。 プロラクチンは脳の下垂体前葉から分泌されるホルモン。 高プロラクチン血症であれば、ホルモンバランスが乱れている可能性があると思います。 漢方医学では陰と陽のバランスが乱れると、自律神経のバランスも乱れ、結果としてホルモンバランスも乱れると考えます。 お体を拝見していませんのではっきりしたことは言えませんが、治ってさんの症状から「寝不足の日が多い」「月経時に血の塊がでる」「のどが渇きやすい」「肌が乾燥しやすい」「風邪をひきやすい」などから、体質としては「肝腎陰虚証」の可能性があります。 睡眠不足が続くと体の陰陽バランスが乱れます。 レバー状の塊がでることを漢方医学では、「瘀血」と言います。 「瘀血」は血の流れが悪くなってできる沈殿物のようなものです。肝の機能が弱くなると「瘀血」になりやすくなります。 また、腎の機能が弱くなると体の潤いがなくなり、「のどが渇きやすい」「肌が乾燥しやすい」などの症状がでてきたり、体を温める作用が弱くなり、「月経中に体が冷える」「お腹が冷たい」「風邪をひきやすい」などの症状がでてきます。 鍼灸治療により「肝」・「腎」の陰陽バランスを整えることがいいと思われます。 陰陽のバランスがとれることで、基礎体温が整い、月経もスムーズになり、妊娠力が上がるものと思われます。 日常生活では、規則正しい生活をし、充分な睡眠をとることが重要です。 漢方医学では「22時から26時」の間が内臓のゴールデンタイムと言われています。 内臓のゴールデンタイムを外さないような就寝時間を心がけるようにしましょう。 この回答で、治ってさんの気持ちが前向きになり、妊娠へとつながるよう心より願っております。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【まひくるさん(39歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・高温期に体温が低くなる日が多く不安定 ・高温期の途中で陥落が見られる、高温期が短い(10日未満) ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・体温が上下に変動が激しい ・いつ排卵したかわかりにくい ・足腰のだるさや冷えを感じる ・着床してもすぐに流れてしまう 岩崎千晶 先生 (太極堂はり灸院) 長年の治療経験から培った確実な知識から、東洋医学的に考えられる不妊の原因を究明し、 鍛練を重ねた技術を駆使することで、一人でも多くの患者様に笑顔をお届けしたいと思っております。 また現在の不妊治療において高度生殖医療などの西洋医学の知識は欠かせません。 日進月歩の生殖医療医学を学ぶことを怠らないとともに、不妊治療、周産期医療と多くの経験を積まれた産婦人科医師の力も借りて、西洋医学との融合を図っています。 また、3時間待ちで3分治療の病院で、聞きそびれたこと、聞き忘れたことなど、不妊治療に関するご質問にもお答えすることができます。 私の知識で及ばないご質問の場合は、医師からフイ-ドバックの後、お答え致します。 院長 岩崎千晶 鍼灸師(国家資格) 日本生殖医療心理カウンセリング学会会員 NPO法人日本健康太極拳協会 健康太極拳指導士 楊名時太極拳 師範 ≫ 太極堂はり灸院基礎体温は舌下で計るうえ、睡眠時間や外気温に左右されやすいので、正確な排卵状況を把握することが難しいのではないかと考えています。 そこで基礎体温の不安定な状態が続く方には、月経3日目に婦人科を受診し、FSH( 卵巣刺激ホルモン)、LH( 黄体形成ホルモン)、E2( エストラジオール)、P4( 黄体ホルモン) などのホルモン値を測定し、毎周期きちんと排卵しているかどうかを調べることをおすすめしています。 スムーズな排卵があるにもかかわらず妊娠に結びつかない方と、排卵が不安定な方では部分的な治療方法は違いますが、初めはどちらの場合も体全体を整える治療を行います。 自然現象や人的なストレス、そして赤ちゃんが授かりにくいという不安は大変なもの。 これらによって乱れた自律神経のバランスを整え、本来働くべき体の機能が正しく働くよう丈夫な体作りを目指します。 その後、それぞれの体質や、現在の状態( 証) に合わせた部分的な治療を行います。多くの方が腎虚と肝虚の状態あるので、それらの経絡の不調と気血水のめぐりを整えていく治療となります。 弊院の治療に加え、治療の効果を継続させるために、腰背部に鍼を貼って帰っていただいたり( 置き鍼)、自宅でのお灸もお願いしています。 また、ご自身の生活の見直しもお願いしています。 食事のバランスは整っているか、運動、散歩などを積極的に取り込んでいるか、お風呂にはゆっくりつかっているか、冷えを誘発するような癖はないかなど、お話しをうかがいながら妊娠に適したしっかりとした体を作るためにアドバイスをしています。 周期的には、排卵前は卵巣の血流を高めて良い卵を作るため、排卵期は着床をうながすフカフカの内膜を作るため、排卵後は妊娠へ導くためなど、それぞれの時期に合わせた部分鍼灸を行います。 残念ながら鍼による効果のエビデンスは、体外受精の際の着床率が高まるという件のみしかありませんが、経験から良い卵を作る効果もあると実感しています。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【糖衣子さん(39歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・周期が短い ・低温期と高温期の差が小さい(0.3 度未満) ・月経血の量が少ない ・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、癒着などがある ・排卵期以外のおりものが多い ・めまいや立ちくらみをおこしやすい ・肌が乾燥しやすい ・下痢しやすく、月経中に体が冷える ・排卵誘発剤を使用してもたくさん卵ができない 青山学史 先生 (がく鍼灸院) 私の両親は8年の不妊期間を経て、赤ちゃんを授かりました。それが私の姉であり、その4年後に授かって生まれたのが私自身です。当時はまだ体外受精という方法もなく、検査の方法も技術も現在には及ばないなか、病院はもちろん、鍼灸院、指圧、漢方などありとあらゆることを頼り、試したそうです。 私自身がこの世に生を授かったことに感謝し、一人でも多くの方が夢を叶えていただけることを願い日々施術にあたっております。 めぐり会った方とのご縁を大切に、心と体が温まる施術と空間を心掛けております。 ≫ がく鍼灸院糖衣子さんの場合、月経周期が短いこと、基礎体温の2層性にメリハリが無いことなどから、排卵していないか、黄体ホルモンが不足している可能性があります。 排卵誘発剤の効きもあまり良くないようですので、卵巣機能が低下していると考えられます。 糖衣子さんのように一度にたくさんの卵胞が育たない方の場合は、薬を増やして卵巣への刺激を強くしても、体に負担がかかって卵巣が腫れたりする割に、卵胞数はあまり増えません。 卵の数が少なくても、しっかりと成熟させる体の状態を目指してはいかがでしょうか? 子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着など婦人科系症状に悩んでいる方は、子宮・卵巣の血液がとどこおりやすい「瘀血」体質と言えます。 排卵期以外のおりものが多い、下痢しやすい、月経中に体が冷えるのは、「痰湿」もしくは「水毒」といって、体に水分をため込んでしまっている状態です。 月経血が少ない、めまいや立ちくらみしやすい、肌が乾燥するのは、「血虚」という、血液が不足していることも考えられます。 糖衣子さんの体は東洋医学的には、複数の体質的症状を併せ持っているようです。 「瘀血」の場合、血のめぐりを良くするために、骨盤周囲と足を中心に温めと鍼をします。 ウォーキングやヨガなど軽い負荷の運動を長く続けることもおすすめです。 「痰湿」・「水毒」には、ストレッチやマッサージなどでむくみを和らげ、水分代謝や消化吸収をうながす鍼灸をします。 水分、とくに冷たい物を摂り過ぎない、脂っこい物や味の濃い物を食べ過ぎないようにしましょう。 「血虚」は疲労やストレスで消耗が激しいか、胃腸の働きが低下して栄養が充分に吸収できていない可能性があるので、それらを改善させる鍼灸をします。 睡眠や休息をしっかりとって、疲れをためないこと。 食事では緑黄色野菜、黒ごま、ひじきなどがおすすめの食べ物です。 気になる体の症状が多いので、鍼灸で子宮と卵巣の働きを高めて心身の健康を目指しながら、病院での西洋医学治療を併用していくことで、お子さまが授かることを願っております。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【こまちさん(34歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・高温期が短い ・「月経がきそう」と思ってもなかなかこない場合が多い ・月経血の量が少なく、期間が短い ・月経血が赤黒い色で粘りがある ・めまいや立ちくらみをおこしやすい ・月経中に体が冷える ・性欲がない 田村光久 先生 (田村はり灸整骨院) (社)全日本鍼灸学会 日本伝統鍼灸学会 日本小児医学会 日本カイロプラクターズ協会 鍼灸学士、柔道整復師、カイロプラクティック理学士 治療効果が明らかになるよう貢献していきたい。 鍼灸が身体に良いということを、多くの方に知っていただきたい。 ≫ 田村はり灸整骨院こまちさんはやや痩せていて疲れやすい、もしくは仕事が忙しく疲れが抜けきらず、つねに疲れを感じているのではないでしょうか? 体の状態は漢方で言う、「血虚」「血瘀」「腎陽虚」ですね。 「血虚」とは、食事をしっかりと摂っていても消化吸収の働きが悪くて、必要な栄養分を体に送れなかったり、血液をめぐらせる働きの弱い状態です。 めまいや立ちくらみ、月経血の量が少ないなどはこのためでしょう。 また、血のめぐりが悪くてとどこおったりしている状態を「血瘀」といいます。 「月経がきそう」と思ってもなかなかこなかったり、月経血が赤黒い色で粘りがあるのはこのためだと考えます。 このような症状に効果的なツボは、「三陰交」「曲池」「血海」です。 「三陰交」は、うちくるぶしの上5~6㎝のところにあります。押すと気持ちよく響くところです。 「曲池」は肘を曲げた時にできるしわの外端にあります。 押すとこれも心地よいです。「血海」は膝の上の腿の筋肉の内側のふくらみの中央にあります。 これらのツボを押したり、市販のお灸で温めるのもいいかと思います。 また、腎の陽気を補うことで月経中の体の冷えや、性欲のなさ、高温期が短いなどの症状が改善されるでしょう。 腎の機能が低下すると体が冷えやすく、元気がなくなり、夜中に何度もトイレに起きたり、めまい、耳鳴、性欲が減退したりします。 腎を補うツボは「腎兪(じんゆ)」と「関元(かんげん)」です。 「腎兪」は腰骨に手を当てて、親指を背中に向けた時の親指の当たるところ、「関元」はおへそから下5~8㎝のところにあります。 ここを揉んだり、市販のお灸で温めるのもいいでしょう。カイロを当てて温めるのもいいですね。 最近の研究で「中髎」というツボへの鍼刺激で、骨盤内の血流改善することがわっています。 「中髎」は骨盤の後ろにあります。これは鍼灸師による治療が必要ですが、こまちさんにもこのツボは有効だと思います。 日常生活において疲れすぎには用心してください。 力みなぎる元気な体になって、子どもが授かることを願っています。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【あやせさん(45歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・体温が全体的に低い ・レバー状の塊や、粘膜のような塊がある ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい ・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがある ・月経前に足がむくんで靴がきつくなる 三ツ川 友一郎 先生 (三ツ川鍼灸院) 私が鍼灸師になろうと考えたのは高校生の頃でした。子供のころから野球をしていたので高校生のころから近所の鍼灸院で肘や肩などの治療でお世話になっていました。将来は私もスポーツをしている人たちに治療をして喜んでもらえたらと思ったのがきっかけでした。 その後、鍼灸術の底知れぬ力を知ったのは、妹夫婦が赤ちゃんに恵まれないことで彼女に鍼灸術を施したのが始まりです。鍼灸術を施すことで生命力があがり、妹夫婦が自然妊娠し無事出産しました。生命の神秘に触れ、古代中国より日本に及ぶ三千年の伝統ある鍼灸術というのはすごいと改めて感じました。 まだまだ未熟な私ですが、鍼灸師としての技術だけでなく人間としての研鑽も重ね、この身体に優しい鍼灸術を一人でも多くの方に知ってもらいたいと思います。 ≫ 三ツ川鍼灸院体温が全体に低い、いわゆる低体温の方は、当院にもたくさん来院されています。 一言で体温が低いといっても、東洋医学では大きく分けると、腎虚、肝虚、脾虚、瘀血の4タイプがあります。 タイプの見極めには四診法という診断法を使います。 見た目や声、匂いなど五感を使い、そして問診、脈、お腹、ツボの反応などを実際に触診し、どのタイプか見極めることが重要になります。 この診断から適切な治療を施すことで、低体温の状態も改善されてくるでしょう。 実際に診察していないので断言できませんが、あやせさんの気になる症状を拝読しますと、肝と脾のバランスが悪くなり、瘀血の状態になっている、東洋医学では「脾虚肝実瘀血証」という証になると考えられます。 体温が全体的に低いのはこの瘀血が原因でしょう。 瘀血とは体の中の血のめぐりが悪くなりとどこおっている状態です。 慢性的な瘀血の状態だと、血流が悪くなり体を温めることができません。 冷え症のほかに骨盤内の血流がとどこおれば月経時の状態が悪くなり、レバー状の塊がでたり、子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などの症状がでてきます。 また、良い子宮内膜ができないので着床しにくくなります。 月経前の気になる症状は肝と脾のバランスの悪さからきています。 鍼灸治療で肝と脾のバランスを整え瘀血の処置をしていくと、気になっている症状が改善され低体温も解消されるでしょう。 ご自宅では適度な運動(20~60分くらいのウォーキング)、食事をしっかり噛む(最低30回)、食べ過ぎないで腹八分にすることを実践してください。 また月経前の症状には腹式呼吸を行うといいでしょう。 眠る前に布団の中で行います。まず息を吸った時にお腹を膨らませます。 そして吸うより長くゆっくり息を吐きます。口をすぼめるとゆっくり吐くことができます。 毎日行うことで副交感神経が高まり、イライラなどの月経前の症状に効果があると思います。 体に優しい鍼灸治療の応援で、あやせさんにコウノトリが訪れることをお祈りしています。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【コンさん(41歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・周期が不安定で早まったり遅れたりする ・低温期から高温期への移行に時間がかかる(階段式の上昇) ・月経血の量が少なく期間が短い ・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがある ・不眠で夢をよく見る ・子宮内膜が硬くて薄い ・月経がくるたびにがっかりする 原 徳子 先生 (女性専門治療院 さくら治療室) 私は十数年岡山在住の師匠に指示し、修行の時代に大勢の患者様と出会い、お話しを聞くうち、女性が本当に心から自分の身体の状態を相談できる、女性特有の症状に詳しい女性専門の治療院が少ない事が分かり、それが女性専科さくらを立ち上げるきっかけとなりました。 不妊治療やレディースケアなど、治療といいながら、その治療に対する精神的ストレスが多いのも事実で、その為に不妊治療を断念した、 というお話しをよく聞きます。不妊治療は、心穏やかな温もりに満ちた、幸せなひと時であってほしいと願っています。 「未病を治すとは」、病気になる前に病気を治す=病気になりにくい体にすることですが、実際には病気と病気でない身体との境目は とても分かりにくいもので、病気でない時期にいかにケアするかで、病気になるか健康をとり戻すかが決まってきます。 その、病気でない時期に少しでも多くの方を健康に導く事のできる鍼灸師やセラピストを育ていく事も私の使命の一つと考えています。 ≫ 女性専門治療院 さくら治療室腎の機能が低下すると、妊娠を含めた生殖機能が低下して「滑かつたい胎」となり、不育症・習慣性流産がおこりやすくなります。 卵胞を作る機能も低下して、良い卵ができにくくなったり、排卵困難にもなります。 コンさんの基礎体温の様子からも、プロラクチン高値や排卵困難が疑われます。 また、月経血が少ない、子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣膿腫などがあるのは瘀血(おけつ)の症状と考えます。 瘀血は血がとどこおり、スムーズに循環しないため子宮や卵巣を養えない状態を作ります。 体の冷えも瘀血状態を作り、子宮を冷やしたり血液循環を悪くします。 ですから体を冷やさないよう心がけ、ストレスの少ない環境で過ごしましょう。 体の中、つまり内臓を冷やさないことも大切です。 ヨーグルト・アイスクリーム・野菜サラダ・ビール・野菜ジュースなど陰性食品は過剰に摂取すると体の中を冷やします。 加熱できるものは温めて、飲み物は最低でも体温程度の温かさに。 自然界では、産んだ卵を温めずに放っておくと孵化しません。 ですからお母さん鳥は優しく一生懸命卵を温めます。 人間も冷えた身体は、よい卵子ができにくくなります。 また、病は気からといますが、ストレスは万病の元と言います。 月経が来るたびに落ち込んだり、心無い言葉に傷ついたりされていることとお察ししますが、かけがえのないすばらしい時間を過ごしているのですから、どうかこの時期を幸せな気持ちで過ごしていただけたらと思います。 笑顔は脳内環境を整えて、ホルモンバランスを整えると言いますから笑顔で過ごしましょう。 痛みの少ない鍼治療は腎を補い生殖機能を養い、子宮・卵巣と脳とのバランスをとることが可能です。 セルフ灸も子宮・卵巣を養生してくれます。いくつかツボを紹介します。 太谿(たいけい)内踵の後で、踵の一番とがった部分とアキレス腱との間の凹んだところ。 太衝(たいしょう)足の甲の1指と2指の間をなぞり、甲骨に突き当たる手前の凹んだところ。 熱くなる手前で取り、温まる程度に両足行います。 慣れくると下腹部や下肢が気持ちよく温まるのがわかるようになります。 ただ、低温やけどにはご注意を。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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当帰芍薬散と子宮内膜ポリープについて
しましまさん(36歳)不妊期間が1年半になったので、半年ほど当帰芍薬散を飲みました。冷え症が改善し、経血量が2~3割増したように感じました。 その後、体外受精の病院で子宮内膜ポリープが見つかり掻把手術を受けました。 これまでの治療で排卵までに期間に特に薬は使っていませんが、黄体機能不全気味ということで、排卵後は黄体ホルモンの補充をしていました。 ポリープはエストロゲンの感受性や過剰で出来ると耳にしたことがあります。漢方を飲んだことでポリープが出来た(亢進させた)可能性はあるのでしょうか? ネットの漢方医さんのサイトで、元々熱性・毒性を持つ人は漢方で悪化するとの記述を読み、私の既往歴の紫斑病は、熱性・毒性に当てはまるのでは?と不安になりました。 また、素人考えで申し訳ないのですが、これまでエストロゲンの検査で引っかかったことはなく、プロゲステロンの検査で低い、と結果が出ているので、漢方を飲む前からエストロゲンの方にバランスは偏っていたのでは?と感じています。 神薗克也 先生 (鍼灸治療室 翠明館) 当院に来院されている患者のうち9割以上は女性。しかも、その7割以上は不妊治療の方。一般に鍼灸治療は、腰痛や肩こりの治療と思われがちですが、実は、婦人科系や内科系の疾患にとても有効な治療方法なのですね。腰痛や肩こりで悩んでいる方と同じくらいに、婦人科系や内科系の症状で悩んでいる方は大勢います。内臓の不調からきている腰痛や肩こり、頭痛もありますので、そういう方には内臓の機能を整えないと、すっきりと治りません。特に、女性の場合は、ホルモンバランスによって多種多様な症状が現れます。 当院では、全身のアンバランスを整えていく治療をしていますので、体の様々な不調がすっきりとなくなっていきます。生理不順の延長線上に不妊症があり、さらにその延長線上に更年期障害があります。生理を整えることが、すなわち女性の健康を保つポイントなのですね。是非一度、体に優しい自然な治療方法の鍼灸治療をお試しください。 ≫ 鍼灸治療室 翠明館しましまさん、はじめまして。 翠明館治療室の神薗といいます。 当帰芍薬散の服用が、子宮ポリープの原因では?とのことですが、確かに当帰芍薬散を服用することで、血が補われて血液循環が良くなり、ホルモンの循環が良くなることは考えられますが、それが直接的にポリープの原因と言えるかどうかは何とも言えないでしょう。 もともと筋腫や内膜症、嚢腫などが既往歴としてあるようですので、体質的に腫瘍などの組織が出来やすいので、その延長線上で、当帰芍薬散を服用することによって、ホルモンの循環が良くなり、子宮内膜が刺激されてきた結果と考える方が自然かもしれません。 熱性・毒性を持つ人には、それに合った漢方がありますので、決してそういう体質の人が漢方によって悪化することはありません。体質に合った漢方を服用している限り、強い副作用が出ることはないので、安心して服用してください。 ホルモンの循環や血液循環が良くなっているはずなので、決して当帰芍薬散が体に合わないということはないと思います。ただ、もともと血の循環が良くないお血体質なので、もっと積極的にお血を改善するような漢方の方が良いかもしれません。例えば、お血を改善する代表的な漢方として、桂枝茯苓丸がありますので、漢方を処方してもらっているドクターあるいは薬局に相談してみると良いでしょう。 一日も早く妊娠されることを、お祈りしています。
2014.5.1
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【コスモスさん(42歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・いつ排卵したかわかりにくい ・高プロラクチン血症である ・のどが渇きやすい ・肌が乾燥しやすい 関村順一 先生 (sekimura鍼灸院) ≫ sekimura鍼灸院コスモスちゃんさんは、いつ排卵したかわかりにくいとのことですので、卵胞の育ちがゆっくり、もしくは卵胞ホルモンの出方が良くないのかもしれません。 基礎体温は体調に左右されることが多く、また外気温、口を開けて寝ている(つまり鼻づまり)などでも正確ではなくなります。 のどが乾きやすいことや肌が乾燥しやすいことから、肺の病を鍼灸では疑います。肺の証であるかどうかは、お体を診ればはっきりわかります。 まず肺に熱がこもっていないか手の経絡を触診し、浅く鍼をして脈が変化するかをみます。 敏感な方ならそれだけで熱のこもりがとれ、のどがスーっとしたり鼻のとおりが良くなることがあります。 鍼の効果には個人差があることは否めませんが、なんらかの変化がその日、もしくは次の日ぐらいに感じられることが多いようです。 感じ方も人それぞれで、体が悲鳴を上げるまで気付かない人もいれば、ずいぶん手前で体や心に違和感を感じ、体を気遣う方もおられます。 体がピュアになればなるほど感受性は高くなります。 体に入るケミカル物質や食品添加物を少なくして排毒に努めれば、遠からず体は変化していくでしょう。ピュアな方ほど鍼の効きも良いのです。 次にコスモスちゃんさんが肺の証でなければ、卵巣に関係がある肝の証であるかも知れません。 卵胞ホルモンは卵巣の働きが良くなくてはしっかりでません。また、卵巣の血流が悪くても卵胞の育ちが悪くなります。 肝の証があると、脳の働きも悪くなることから、高プロラクチン血症をおこしていることも考えられます。 その場合は、足首の周りに多くあるツボを治療すると良くなると思います。 東洋医学では体の経絡や表裏に陰陽を配分しそのバランスをとることを考えます。 陰陽どちらかに体が傾くのではなく、中庸という真ん中でバランスがとれれば、自然治癒力が高まるのです。 体調はシーソーのように陰と陽とが、つねに多くなったり少なくなったりしています。 自然との調和を考え、早寝早起きといった、規則正しい生活を心がけるのが基本となります。
2014.4.7
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【あるさん(33歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・高温期の上昇が遅い ・排卵期の体温の上昇が緩やか ・低温期から高温期への移行に時間がかかる(階段式の上昇) ・月経が始まっても体温がなかなか下がらない ・レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じり、塊がでると月経痛が軽減する ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい ・今までに排卵誘発剤などホルモン療法を行っていた ・稽留流産したことがある 岩井明 先生 (いわい薬局) 当店での子宝相談の方は、2週間~1ヶ月の周期で来店いただき、体調をお聞きしながら、その方に合った漢方薬やサプリメントをご紹介します。また、必要であれば食事や生活習慣のご指導、体操のご紹介などもいたします。その方その方に合わせて、必要だと思われることはその都度ご紹介しているのです。そのために、当店には様々な資格を持った専門家が居ます。薬剤師、国際中医師(国際中医専門員)、不妊カウンセラー(日本不妊カウセリング学会認定)、子宝カウンセラー、食養士、心理カウンセラー等々…。特に、漢方薬については中国本土に研修にも行っています。南京中医薬大学の夏 桂成先生(子宝漢方の第一人者)の下で学び、また、日本における日進月歩の不妊治療の現状もしっかりと学ぶことで、皆様のお役に立てるよう、日々努力しています。 身体の不調の原因は人それぞれ。いくつかの原因が影響し合って不調が出ていることも多々あります。それを少しずつ、ひとつずつ解消していくことによって、赤ちゃんを迎えるための心と身体の準備をする。いわい薬局は、そう考えて皆様を応援しています。 ≫ いわい薬局あるさんには、漢方的に3つの症状があるようです。 まずは瘀血と呼ばれる、血流が悪い状態。瘀血のある方は、排卵期の体温上昇や月経開始後の体温下降が緩やかで、なかなか理想の基礎体温のグラフに近づかない場合があります。 また、月経時にレバー状の塊があることから、瘀血による冷えが子宮にあることもうかがえます。 過去に誘発剤などのホルモン療法を行ったことのある方は瘀血の症状が出やすいので、冠元顆粒や桂枝茯苓丸などの漢方薬で血のめぐりを良くすることが大切です。 血のめぐりを良くすると、着床に大切な内膜が新鮮な血液で満たされ、赤ちゃんにとってとても居心地が良くなります。 赤ちゃんをより良い状態でお腹に迎えるためにも、瘀血の改善が必要だと思われます。 前に触れましたが、瘀血があると冷えが生じ、冷えが生じると瘀血が悪化します。 あるさんの場合、とくに子宮周りの冷えが気になりますので、涼しくなってきたら腹巻をしたり、下腹に湯たんぽを当てるなどして温めるのもいいですね。 2つ目は肝鬱の症状。月経前などにイライラしやすく、気分の浮き沈みが激しくなる、いわゆるPMSの症状です。 気分が安定すると体調も安定しやすいですし、何より、いつもハッピーな気分でいたいですよね。 今までの経験上、ハッピーな日が多い人ほど妊娠力が上がる傾向にあるように思います。 イライラを感じたら休憩をし、ジャスミン茶やハーブティなど芳香のあるお茶でイライラを発散しましょう。 逍遙丸(しょうようがん)などの漢方薬を併用するのもおすすめです。 3つ目は、高プロラクチンの疑いです。医師から言われない平均範囲内でも、高い数値かもしれません。 というのも、低温期から高温期への移行が階段式に緩やかだったり、稽留流産の経験がある方は、プロラクチンの数値が高いことが多いのです。 また、プロラクチンが高めの方はイライラしやすいようなので、肝鬱の症状にもプロラクチンが関係していると考えられます。 炒麦芽(いりばくが)などの漢方薬で、プロラクチンの値を安定化させるといいと思います。
2014.4.7
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ポリンさん(42歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・体温が全体的に低い ・基礎体温が安定しない ・月経血の量が少なく、期間が短い ・月経周期が遅れがち ・月経前は普段の便秘がさらに強くなる ・のぼせやほてりがある ・足腰のだるさや冷えを感じる 真鍋立夫 先生 (シマヤ真鍋漢方薬局) 「薬剤師・鍼灸師」真鍋 立夫 (社)日本漢方交流会前理事長 (社)香川県鍼灸師会前会長 古典鍼灸「経絡治療学会」理事・香川県支部長 日本伝統鍼灸学会評議員 日本バイ・デジタルO-Ring学会認定鍼灸師 不妊症の治療においては、現代医学的に考えて問題の見つかるタイプの物で、例えば卵巣機能不全や、卵管の閉塞、卵巣のう腫であったり、子宮筋腫があったり、等の方がいらっしゃいますが、それらの原因と思われるものに対処しても、不妊症が改善しなかったり、あるいは現代医学的にはこれといった原因の見当たらない方が実は大変大勢いらっしゃいます。 漢方医学的には、月経の状態は無論のことですが、現代医学ではあまり不妊の原因として問題視されない、冷え症、軟便または便秘、夜間の排尿、慢性的な起床時の腰痛や食事の好みの偏りなどをむしろ重視いたします。 ≫ シマヤ真鍋漢方薬局まず、体温が全体的に低いということが気になります。 加えて、月経血が少なく周期は遅れがちで期間も短い。 さらに月経中は体が冷えるなどから、漢方的には「脾と腎」の陽気が非常に虚している。 そして全身の血も少ないために「肝の血虚」も生じていると考えます。 「肝の血虚」や「脾や腎の陽虚」があって、お腹が冷えている人は下痢をしやすく、普段は便秘でも月経が始まると、軟便や下痢になりやすいのです。 ポリンさんは月経の前に便秘がひどくなっても、月経がはじまると便秘は治るのではないでしょうか? また、気血が少ないので、のぼせやほてりが現れ、足や腰は冷えてだるくなる、いわゆる、冷えのぼせの状態になっています。 これを治すには「脾」を丈夫にして、腎の陽気を立て直します。 そうなれば必然的に「肝」の血も増えるので月経血も増え、月経の周期をつかさどる「肝」の気も正常になって月経不順は解消されます。 「脾と腎」をしっかり立て直すことができれば、現代医学的にいう卵巣機能不全も治りますから、排卵も基礎体温も正常になることができます。 体温が低く免疫力が低下した状態である「脾腎の陽虚」になっている方は、冷たい物、たとえば生野菜や果物、アイスクリームや砂糖が入っているヨーグルトなど甘い物を過食しているケースが多いのです。 まずはそれをやめなければ、どのような漢方薬を飲んでも効果が弱められ、思ったような効き目はありません。 体を冷やさないよう注意しましょう。治療は胃腸を温めて丈夫にすることが第一歩です。 人参湯(にんじんとう)、六君子湯(りっくんしとう)、人参当芍散(にんじんとうしゃくさん)、当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)など、その時の体に合ったものを飲むといいでしょう。 また「痰飲」という、体に余分な水分が多い状態になっている時はむやみに水分を摂らず、尿をしっかりだすために、にがりの残っている自然塩を適量食べてください。 体の冷えている人にはしばしば、控えなくてよい塩分まで摂らないようにして、一方で控えるべき甘い物、冷たい物、生野菜や果物を過食している方がいるようです。 今一度、ご自分の食生活を再点検してみましょう。
2014.4.7
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【まめさん(39歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・高温期は37 度以上の日が多い ・周期が短い ・月経血の量が少なく期間が短い ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい。 ・のぼせたり、ほてりやすい ・赤黒い色で粘りがある ・のどが渇きやすい マルワ薬局担当 先生 (マルワ薬局) 草津駅東口から徒歩2分。 とにかく便利な所にある「マルワ薬局」 「不妊症」「アトピー性皮膚炎」を中心に、その他の症状も含め、じっくりとお話をお伺いした上で、皆様に適したご提案をさせていただきます。 一人で悩まずに、改善への道へ一歩踏み出してみましょう。 ≫ マルワ薬局基礎体温が高く、のどの渇き、のぼせ、ほてりがあるのは、中医学的には陰虚タイプと考えられます。 陰虚とは体内に必要な潤いが不足していくことで、内熱が生じ、手足のほてり、口やのどの乾燥、怒りっぽいなどの症状が現れます。 また、月経期間が短くなるのも陰虚タイプの特徴のひとつです。 漢方薬としては、補腎陰(腎臓だけでなく生殖機能の働きを改善)となる、知柏地黄丸(ちばくじおうがん)や杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)、生脈散(しょうみゃくさん)、健康食品の二至丹(にしたん)などで、ホルモンのバランスを整えるのがおすすめです。 月経前に感じている症状についてですが、これはすべて「月経前症候群(PMS)」ですね。 月経前症候群の原因は解明されていませんが、ホルモンが関係しているとされ、下腹部痛やむくみ、肌荒れなどの身体的症状やイライラする、疲れやすい、気力がなくなるなどの精神 的症状など、さまざまな変化が月経1~2週間前に始まり、月経開始とともに消失します。 PMSは中医学的には「瘀血」が原因とされています。子宮下腹部の症状が悪くなって瘀血が現れ、瘀血によって子宮の中の血液の流れが悪くなり、経血の排泄が悪くなる兆候があるとされています。瘀血が生じると正常な血液の潤養作用を失うだけでなく、体の隅々まで循環する血液の運行に影響し、月経血が減少するなどの状態となっていきます。また、月経色が赤黒く粘りがあるのも瘀血の症状のひとつです。 症状全般からみて、瘀血の改善を優先的に行うといいのではないでしょうか。全身の血液の循環を良くする、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)、冠元顆粒(かんげんかりゅう)などの活血剤を全周期に服用することで不安定な症状が改善されます。 不妊治療は精神的にもつらいかと思います。適度な運動、旬の食材を取り入れた食生活、規則正しい生活リズム(夜は遅くとも11時頃には布団に入ってください)を保ちながら、多少のことは気にせず気分転換をしながら、楽しく日々を暮らしてくださいね。 当店のお客様のほとんどが、病院と漢方治療をバランス良く併用なさってます。 不妊カウンセラーがいる漢方薬局もありますので、気軽にご利用ください。 薬剤師 成田香津子
2014.4.7
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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IVF治療で悪くなった体調を漢方で回復したけど・・・
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【おれんじぴんくさん(36歳)】 1年近く続けた漢方治療で月経周期の乱れはありますが 体調は良くなりました。ただ、IVF 治療でまた体調が悪くなることが不安です。年齢的にも先延ばしはできないと主治医にも言われてます。漢方医の先生は鍼と漢方で自然妊娠をと言われますが、体調は目を見張るほど良くなったけど妊娠にはいたりません。西洋医学と東洋医学、どちらの治療法がいいのでしょうか? 日本に住んでいないので情報も少ないため、不安のほうが先立ちます。 主な症状 ・周期は28~31日と、ばらつきがある。 ・経血量は以前に比べればかなり減っている。 ・6年前に6週で流産。 ・人工授精5回 IVF3 回(妊娠にいたらず) 米山章子 先生 (ビッグママ治療室) 神奈川衛生学園専門学校卒 はり師灸師按摩マッサージ指圧師 日本鍼灸師会会員 不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 一元流鍼灸術講師 東海大学大磯病院東洋医学科にて3年にわたり研修 平成9年10月 神奈川県小田原市にて、『鍼灸リラクゼーションビッグママ治療室』を開業 平成17年 師である伴先生と共に『一元流鍼灸術』を立ち上げる。 平成20年3月 「不妊!大作戦」(たにぐち書店)を発刊 平成21年 7月 山下湘南夢クリニックにて『不妊と鍼灸』一般講演 10月 徳島県鍼灸師会主催、『不妊と鍼灸治療』一般講演、専門家向け講演 平成23年 不妊カウンセリング学会にて、『鍼灸来院時の主訴から考察する不妊カウンセリングの役割』を発表、奨励賞を受賞 平成26年8月 日本中医学会雑誌 論文掲載 『東洋医学的生命観に基づく鍼灸:難治性不妊治療への取り組み』 平成27年5月 全日本鍼灸学会 松山 『女子胞の力を増やすことによって、妊娠出産に至った症例よりの考察』 平成27年12月3日 山下湘南夢クリニック主催『第2回不妊治療を考える集い』にて ~「女子胞力を磨く、鍼灸にできること」を講演 平成28年6月 不妊カウンセリング学会『東洋医学的手法による、体表観察から行う不妊カウンセリング』を発表 そのほか、一般向け、専門家向け不妊治療関連講演にて、不妊鍼灸治療についての啓蒙活動行う。 ≫ ビッグママ治療室妊娠経験があるということで、少し長めのタイミングや人工授精の治療となり、すでに体外受精も3回。そしてその体外受精で薬剤が合わず、副作用でだいぶ苦労なさり大変でしたね。 東洋医学では体を「大地に根ざし天空に枝葉を広げる一本の木」と考えることがあります。そして五臓(肝、心、脾、肺、腎)からこの木をよくみていきます。 大地は生命力の土台です。豊かな泉と肥沃な土によって充分に滋養された大地(脾腎)は、妊娠にもとても大切です。 その大地に根っこを張り、風がそよぎ光りあふれる天空(心肺)に枝葉を広げる一本の木(肝)が健やかな人間のありようです。 とくに妊娠には充実した腎の力とストレスのない伸びやかな肝の状態がとても大切です。 おれんじぴんくさんは、薬剤によって脾腎に大きく影響を受けてしまうようですね。 腎の力が弱まれば妊娠経験がある方でも受精卵を受け止められないし、脾腎への負担が大きければ、体調が悪化するのもうなずけます。 妊娠には生命力の土台の力をつけるのが得意な東洋医学と物理的な問題(体外受精など)の解決が得意な西洋医学の両方を必要とする場合があります。 妊娠経験があるのですから、漢方治療で体をのびやかでストレスのない状態にし、肝へのアプローチが得意な鍼灸を上手に組み合わせることで、自然な妊娠の可能性も広がるのではないかと思います。 年齢要因から体外受精もなるべく早目に考えたい気持ちはよくわかるのですが、妊娠が成立しない方の中には、生命の土台である腎がもともと弱かったり、おれんじぴんくさんのように薬剤によって腎が弱ってしまっている方もいます。 受精卵を受け止める腎の力が弱ったままではいくら胚移植を行っても結果はでず、同じことの繰り返しになってしまう可能性もあります。 体外受精によって腎の力が大きく損なわれてしまうタイプの方は、一度西洋医学の治療をお休みして、東洋医学でしっかり腎に力をつけてから、再度、胚移植にのぞまれるのもよいのではないかと思います。 よい結果につながりますよう、願っております。
2014.4.7
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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移植前後の鍼治療は着床率が上がると聞きました
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ルンバさん(36歳)】 以前、不妊治療専門の鍼灸院に1,2週に一度の割合で2 か月通いましたが、まったく変化がありませんでした。冷えが良くなるといった体質が改善されることもなかったのです。受けていた鍼治療は鍼をツボに少し刺してすぐ抜いて刺激をあたえるような感じでした。どのような施術をすると効果があるのでしょうか? 移植前、移植後に鍼治療をすると着床率が上がると聞いたので試してみたいのです。直前だけ鍼治療を行っても効果はあるのでしょうか? 鎌田洋典 先生 (レディ-ス鍼灸治療院コウノトリ(福岡天神大名院)) 院長 鎌田洋典(かまだ ひろのり) 2000年 熊本県初の不妊治療専門の鎌田鍼灸治療院開院。(熊本市南区城南町) 2013年 福岡県初の不妊治療専門のレディース鍼灸治療院コウノトリ開院。(福岡市中央区大名) 鍼灸師(国家資格) 明治鍼灸大学(現:明治国際医療大学)・鍼灸学科卒。 医薬品登録販売者 日本不妊カウンセリング学会会員。 レーザーリプロダクション学会準会員。 全日本鍼灸学会・京都大会、埼玉大会と2年連続論文発表。 ◆鍼灸師を志したわけ・・・ もともとアトピー性皮膚炎で長年苦しみ、東洋医学で治癒したのが東洋医学・鍼灸師を志したきっかけです。 開業後、難病といわれる関節リウマチや、アトピー・喘息などアレルギー、免疫の病気で以前の私の様に苦しんでいる方を救いたい気持ちで開業し治療、研究をしました。 その成果を全日本鍼灸学会、京都大会、埼玉大会で論文発表(2年連続)させて頂きました。 60年の歴史ある学会で初めてリウマチ寛解例を発表させて頂きました。 論文発表会場に入りきれない程人が集まり、発表後質問攻めにあいました。以後、治療法を教えてくれという全国の治療家の問合せが多く、数名に教授しました。(現在多忙のため受け付けておりません。) それだけでなく、ここ数年は、不妊症、不育症、産後の不調、更年期障害など婦人科疾患で苦しむ方が多く来院され、元々不妊治療の針灸院に在籍していたので技術はありましたので治療するようになりました。 そこで「難病が寛解した治療方法を不妊治療に応用したらもっと妊娠率が上がるのではないか?」と考えました。 難病・リウマチ治療で培った治療技術を婦人科治療に応用したオリジナルのコウノトリ式子宝鍼灸治療を開発し治療しています。「体が瞬間に変わった!」、「体質改善した来たのが分かる!」、「おかげで妊娠しました!」という声が多数出ています。 当院のリピート率は94%です。 本気で治療したい方に来院して頂きたいと思います。一緒に体を改善し健康になり妊娠・出産しましょう! 妊娠・出産し赤ちゃんを胸に抱くお手伝いをさせて下さい! ≫ レディ-ス鍼灸治療院コウノトリ(福岡天神大名院)鍼灸の効果や改善度がわからないとのことですが、昨年のジネコ漢方・鍼灸でも掲載されたように、鍼灸治療で妊娠の確率が65%上昇したと学会発表されたり、複数の報告があります。 私も治療院でもルンバさんのような質問を時々受けます。 こうした質問を受けて、不妊体質改善の〝見える化〟といいますか、わかりやすい基準を提供する必要があると実感し、4年前から、妊娠体質判定表(7項目…脈、舌、お腹、腰、子宮のツボ、食事、運動)を制作しました。 83名のデータですが、初診時、多くの方は1項目のみのクリアでした。妊娠された85%の方は6項目以上、妊娠されなかった71%の方は4項目以下のクリアでした。 そこで妊娠体質に改善するには、5項目以上のクリアを必須とし、これを基準に現在も施術しています。 もちろん例外はありますが、この基準を設けることで体質改善度がわかりやすくなります。 不妊治療が上手くいかなかった場合、何の項目がクリアしていなかったのか、次回は何をクリアすればいいのかという、共通意識、目標が患者さんと治療者の間に生まれます。 このような基準を持っている鍼灸院であれば、ルンバさんのような不安は少なかったのではないかと思います。 これから新規で鍼灸院を探すのであれば、このような基準があるかどうかを、メールや電話でまずは聞いてみるのもいいでしょう。 鍼灸治療法に関しては、その先生の考え方などが反映されますから、良し悪しはわかりません。 問題なのは、その治療法に関して、患者さんがフランクに質問できない関係性です。 おすすめなのはカウンセリングなどの勉強をされている先生です。ホームページ上のプロフィールなどを参考にしましょう。 移植前後の鍼灸は妊娠率が上昇するのは学会発表だけでなく、当院でも同じ結果がでています。 しかし、移植前後だけの鍼灸治療をしても結果がでなかった方は、やはり3~6か月ほど体質改善の鍼灸治療が必要だと思います。 ルンバさんは、まだ36才。しっかり取り組めば、希望は叶います。応援しています。
2014.4.7
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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手術を受けた後はどのようなことに気をつければいいの?
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【tokoさん(42歳)】 最近(今月)、子宮筋腫が着床する場所にできているということで、子宮筋腫核出手術を受けました。これからどのようなことに気をつけていけばいいのでしょうか? 主な症状 ・月経周期が短く、高温期が短い ・体温が全体的に低い ・月経血が遅れがちor 無月経 ・排卵誘発剤を使用してもたくさん卵ができない ・不妊治療にストレスを感じている ・月経がくるたびにがっかりする ・足腰のだるさや冷えを感じ、疲れやすい 阪田純宏 先生 (阪田接骨院) 院長 阪田純宏 関西鍼灸柔整専門学校卒。 昭和62年に開院。 東洋医学的な視点から、根本からの改善を目的とし、不妊鍼灸整体治療、マタニティ整体など、産前から産後にかけてそれぞれのステージで女性のケアを行っています。 ≫ 阪田接骨院子宮筋腫核出手術を受けた後の妊娠率は約50%と言われていますが、今後の体のためにも体質改善は大切です。 tokoさんの気になる症状から総合的に判断しますと、「腎陽虚証」だと考えられます。 東洋医学で「腎」は生殖機能と深く関係し、「陽」は体を温めたり体の機能を動かすために必要なもの。 よって「腎」の「陽」が「虚」している、つまり不足していることは、骨盤内を温める力が弱く、子宮や卵巣の働きが充分ではないということです。 骨盤内を温められないと血流が悪くなり、体にとって不要な物がたまりやすくなります。 老廃物がたまるとさらに血流が阻害され、老廃物もたまるといった悪循環に。 そうなると足腰のだるさや冷え、ひどくなると子宮筋腫などがでてきます。 このような悪循環を断つために骨盤内を温め、血流を良くしていく必要があります。 日常で積極的に行ってほしいのは、ぬるめのお風呂に20~30分ほどつかって体の芯まで温まることです。 飲み物は夏場でも体温と同じかそれ以上の温度の物を、体が必要とするだけ飲みましょう。温かい飲み物でも余分に飲めば時間が経つと冷えますから。 エアコンや冷蔵庫によって、現代は冬よりも夏の方が体は冷えると言っても過言ではありません。そんな時は、体を温める食べ物を摂るのも一案です。 くるみ、にら、シナモン、山椒などは体を温めて活動を活発にしてくれます。 ストレスも感じているようなので、深呼吸で副交感神経を優位な状態にし、体をリラックスさせましょう。 おへその下を意識してゆっくり時間をかけて肺の中を新鮮な空気に入れ換えてください。 ストレッチをしながら行うと筋肉の緊張もほぐれてより効果的です。 鍼灸治療では腎陽を補い、体の内外のバランスを整えていきます。 腎陽が補充されると、疲れやすさや足腰のだるさがしだいに解消され、基礎体温も上がり、生殖機能が向上してきます。 最後にどんな治療も健康法もストレスを感じては良い効果は得られません。リラックスした日々が送れ、toko さんのこれからが幸せであるようお祈りしています。
2014.4.7
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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子宮内環境を良くするために効果的なもの
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【春薫さん(40歳)】 高プロ&抗核抗体値高&筋腫持ちです。薬を服用して治療に臨んでますが、良い結果につながりません。卵子の老化なども気になります。子宮内環境を良くするために効果的なものはありますか? 主な症状 ・基礎体温が高め ・月経血の量が少ないく期間が短い ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい ・赤黒い色で粘りがある ・高プロラクチン血症である ・子宮筋腫がある ・足腰のだるさや冷えを感じる 西いずみ 先生 (いずみ鍼灸院) ≫ いずみ鍼灸院春薫さんの体の状態を東洋医学的に説明すると、基礎体温が高めなこと、経血の量が少なく赤黒いことなどから「腎陰虚」の状態だと思われます。 東洋医学では「腎」は体の土台として生殖や発育と深い関わりがあり、また体内の水分をコントロールする大切なところでもあるので、女性の子宮や卵巣、月経にもとても深く関係しています。 腎気が落ちると疲労感が強くなり、結果として卵子の発育や内膜の厚さに影響がでてくると経験上感じます。 日常生活で腎気を養うためには、充分に睡眠をとって疲れを取り除く、黒ゴマや黒大豆などの黒色の食品を食べるといいと言われていますので、積極的に摂って体の力を取り戻しましょう。 次に月経前のイライラや内膜症、子宮筋腫などがありますので「気滞血瘀」の状態でもあると思われます。 心配事やストレス、働き過ぎや飲食の乱れなどが体を緊張させ、気のめぐりが悪くなることで血液の流れも悪くなり、全身にさまざまな症状がおこるのです。 高プロラクチン血症もその一つの症状ではないかと考えられます。数値が下がってこないなら、一度近くの甲状腺や内分泌の専門医を受診するのもいいと思います。 「赤ちゃんがほしい」という思いで体を整えようとすると、多くの方がつい頑張り過ぎてしまいます。肩の力を抜いて、季節の移り変わりを感じながら、ゆっくり散歩をするのはいかがですか?気持ちがすっきりしますよ。 気分転換や気晴らしはとても大切なのです。 鍼灸治療を受けて腎をしっかり養い、子宮や卵巣への血流を増やすことで、妊娠しやすい環境を手に入れることができます。 できれば月経の周期に合わせて週に1~2回の鍼灸治療をおすすめします。 遠方や仕事の都合でなかなか通えない方は、自宅でお灸するのでもいいと思います。 一人ひとりの月経周期や体質によって、対応する穴が変わりますので、ぜひ近くの鍼灸院(できれば不妊を得意とする治療院)に聞いてみてください。 病院での治療は心身に大きな負担がかかるものです。 鍼灸で体も心もホッと温めましょう。
2014.4.7
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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どのように体質改善 したらいいの?
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【たまこさん(40歳)】 ます。ストレスを受けやすく、冷え性で、食事量も少ないです。逆流性食道炎を長く患っており、体重が38㎏(身長158cm)まで落ちてしまいました。摂食障害の治療で現在は44㎏です。自律神経も良くなっていると医師には言われますが、5 月ころから左腰辺りが痛く、冷えにも敏感になり風が当たっただけでも痛くなります。今年の3 月より鍼灸院に通っていますが結果はでていません。どのように体質改善していけばいいのでしょうか? 小松範明 先生 (キュアーズ長町) 筑波技術短期大学鍼灸学科卒業。学士(鍼灸学)。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師。(一社)日本生殖鍼灸標準化機関(JISRAM)会員、(公社)全日本鍼灸学会会員、日本受精着床学会会員、(公社)日本鍼灸師会会員、(公社)全日本鍼灸マッサージ師会会員。 ≫ キュアーズ長町摂食障害と稽留流産・化学流産経験があるとのこと、身体的にも精神的にもつらかったものとお察しします。 まず摂食障害ですが、最も体重が減少していた時期からみると、ずいぶん回復しているように見受けられます。 摂食障害はさまざまなストレスが原因でおこるとされていますが、体重減少に伴い無排卵や無月経といった、婦人科領域や冷えや疲れやすいという、自律神経失調症状が見られるようになります。 低体重が続きますと血糖値が下がり、脳の活動も低下してしまいます。 脳には自律神経系をつかさどる視床下部と、そのすぐ近くに生殖機能に関するホルモンを分泌する脳下垂体があります。 自律神経系には交感神経系と副交感神経系があり、この2つのバランスが崩れることで血圧や脈拍、消化管の機能、食欲や睡眠に変調をきたします。 鍼灸治療を継続して行うことで、自律神経系のバランスが整い、冷えや食欲不振、消化吸収機能が改善され、体重も増えてくることで、脳下垂体から分泌されるLH(黄体形成ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌もうながされるようになります。 次に腰の痛みと冷え感についてですが、低体重になった際に腰部を含めた体幹部の筋肉が痩せてしまい、体重が回復した現在でも体を支える筋肉が衰えていることによる腰痛ではないかと思われます。 冷え感も、筋肉が痩せてしまい血行が悪い状態と体脂肪が減ってしまった状態が、冷えを強く感じやすくしている原因なのではないかと思われます。 これも鍼灸で腰痛を治療していけば、症状が改善していくと思います。 鍼灸治療を継続していただくことで、自律神経系のバランスが整い、食欲不振や冷えの症状が改善し、体が温まり体重が増加します。 そうなれば生殖に関わるホルモンが分泌されるようになって、子宝を授かることにつながっていくものと思われます。 鍼灸治療による体質改善は一朝一夕にはいかないかもしれませんが、たまこさんに一日も早く子宝が授かりますよう心より願っております。
2014.4.7
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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冷えと不妊体質を改善したいのですが長続きしません
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ミヨンさん(39歳)】 冷えと不妊体質を改善したくて、漢方や鍼灸治療を受けて いた経験がありますが、どれだけ体に効いているのかわかりづら くて長つづきしません。継続が大事だと思うのですが、今まで はダメでした。即効性がある、漢方や鍼灸はないのでしょうか? 主な症状 ・月経前は普段の便秘がさらに強くなる ・月経血は、赤黒い色で粘りがある ・月経の量が少なくネバネバしている ・稽留流産したことがある ・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒 着などがある ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい 阿部千代人 先生 (潮見治療院) 院長 阿部千代人(あべ ちよと) 公益法人 日本鍼灸師会会員 不妊鍼灸ネットワーク会員 日本バイ・ディジタルO‐Ring Test協会会員 遠絡療法医学会会員 鍼灸治療は鍼や灸の道具、材料は同じでも治療院によって結果に違いが現れます。 それは、大工さん、料理人等どのお仕事も同じかと思われます。 鍼を刺し、灸をすえれば病気が治るのではなく、正しい知識と訓練で得た技術によって効果を最大限に発揮します。 当院は気仙沼市に於いて開業二十五年の指圧・鍼灸(はり・きゅう)の治療院です。 実績と経験、そして更なるレベルアップのためにこれからも研究会、学会等積極的に参加し研鑽を積んでまいります。 指圧・鍼灸は免疫力を上げ、あなたの健康を維持・向上させていくのにお役に立ちます。 皆様の快適な生活をサポートする治療院であり続けるよう努力して行きたいと考えております。 是非一度お越し下さい。 ≫ 潮見治療院ミヨンさんは漢方薬も鍼灸治療も経験され、どれだけ体に効いているのかがわからないため、継続が大事と思いながら中断してしまったのですね。 鎮痛剤が効くように、湿布薬を貼るとスーッとするように漢方薬にも鍼灸にも即効性を期待しますよね。 では漢方薬や鍼灸が本当にどれくらい効果があるか客観的に見てみましょう。 WHO(世界保健機構)で「鍼灸の適応症」と認められた病気の中のひとつに「婦人科系疾患」も含まれ、その中には「更年期症、乳腺炎、白帯下、月経痛、月経不順、冷え症、血の道症、不妊症」が挙げられています。 さらに身近なところでは「ジネコユーザー563人にアンケートした2013年の調査レポート」で「漢方は4割、鍼灸は6割の方が満足。不満はともに1割」というデータもあります。 世界が認め、ミヨンさんの身近なところでも鍼灸の効果は期待に値するデータがでているのです。 鍼灸治療は大きく分けて2つの目的があります。それは「本治法(ほんちほう)」と「標治法(ひょうちほう)」です。 本治法とは「気・血」のとどこおりを改善し、病気の根本までさかのぼり原因を取り除く、いわゆる体質改善です。一方標治法とは、局所の苦痛を取り除く対症療法。 病院での鎮痛剤、解熱剤、湿布などに相当するものです。 鍼灸治療はその時の苦痛を取り除きながら悪い体質を快方に導く、つまり本・標治法を同時に行う治療法です。 ミヨンさんの現在の体調は東洋医学で言う「気・血」の循環不良に関連する症状が多く見受けられますね。 「気・血」は体内をとどこおりなく流れていればこそ健康に過ごすことができるのです。 本来体は、さまざまなストレスの中にいても、体調をニュートラルに自動的に調整してくれます。しかし、日々の暮らしの中で無理が続くと耐え切れず、内臓は冷える、あるいは発熱して「気・血」の流れを妨げ体調が崩れます。そして冷え症やいわゆる不妊体質にいたります。 鍼灸はミヨンさんの悩みに最適な治療法だと思います。良い鍼灸院と出会えて、体の悩みが一日も早く解消し、元気なお子さまが授かれることをお祈りいたします。
2014.4.7
専門医Q&A 漢方・鍼灸