小島薬局 本店 ジネコ取材済
静岡県沼津市西沢田335-1
不妊治療
小島薬局 本店
静岡県沼津市西沢田335-1
小島薬局漢方堂では、日本にいて日本人の体質に合わせながら、本場中国と同レベルの漢方治療を行うことを目指しています。ぜひ一度ご相談にいらしてください。漢方スタッフ一同、お待ちしております。
土曜も診療漢方・鍼灸駐車場完備漢方外来カウンセリング男性不妊
診療科
不妊治療
基本診療時間
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
8:30~19:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● |
●:土曜日 8:30~18:30
休診日
日曜・祝日
住所・連絡先
静岡県沼津市西沢田335-1
TEL: 055-926-8866
FAX: 055-926-8867
診療科
漢方専門の薬局です。生理周期に合わせて漢方薬を飲み分ける周期療法を得意としております。
長い歴史と堅実な発展
株式会社 小島薬局は、昭和初期に創業した「大手町の小島薬局」より続く「地域に密着した医療の担い手」の伝統を現在まで受け継いできました。
時代の変化と主に移り変わる医療行政、患者ニーズを常に考え、質の高い薬局業務を研究しております。サービスの質を落さずに店舗展開をしていく、伝統を受け継ぎながらも発展を続ける。 これが小島薬局グループの使命です。
小島晃 薬剤師プロフィール
小島晃 薬剤師略歴
東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。
1995年から3年間北京中医薬大学日本校で中医学をさらに研鑽し、1998年の卒業と同時に国際中医師試験に合格する。
1997年より日本中医薬研究会学術委員を務め、2002年~2006年まで日本中医薬研究会学術委員長を務める。
2003年7月発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。
2008年5月に自身が学んだイスクラ中医薬経営塾の講師に就任する。
2008年7月に湖北民族学院の客員教授に就任する。
2011年1月に日本中医薬研究会学術委員長に再び就任する。
2011年3月に湖北中医薬大学の客員教授に就任する。
著書に「女性の悩みは漢方で治す」(知道出版)、「不妊症周期療法のお話」(自費出版)がある。
現在、小島薬局本店で漢方相談を行い、後進の指導や中国医学の普及に努めている。
本場中国レベルの本格的漢方相談
小島薬局本店では、国際中医師の資格をもつ店主が、日本人の体質に合わせながら本場中国と同レベルの漢方相談を行っております。店主は十数回に及ぶ中国研修を現在も続けており、平成23年3月に湖北中医薬大学客員教授に就任しています。また、毎週定期的に中国人の中医師による相談会を行っており、あらゆる病気や悩みに対応できるように心がけています。
本格的な漢方相談と複数店舗の処方箋調剤を兼ね備えた、全国的にも貴重な薬局グループという自負を持っています。
このクリニックに関連する監修記事、取材内容、ユーザー様からの質問と回答など、ジネコが企画した様々なコンテンツの一覧です。
記事一覧
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多嚢胞性卵巣症候群には、瘀血と痰湿を改善する漢方薬をベースにした治療を
多嚢胞性卵巣症候群には、瘀血と痰湿を改善する漢方薬をベースにした治療を多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者さんは増えているのが現状です。原因として考えられているのは、食事が欧米化したことや日常生活で抱えるさまざまなストレスなどです。 病院で超音波検査を受けると、卵巣の表面に直径5~10ミリほどの小さな嚢胞が複数連なって見えます。これが真珠のネックレスのようにみえるので、ネックレスサインとも呼ばれています。 PCOSは多嚢胞性卵巣症候群といい、多嚢胞性卵巣(PCO)とは区別されます。症状としてはPCOSの方が重いのです。軽い人は月経周期が遅い程度ですが、重度になると無排卵、つまり、月経がこなくなります。状態が悪化すると、卵巣の中にある卵胞は成長するものの、卵巣の皮膜が固いため排卵しづらいという症状が生まれるからです。重度のPCOSは、排卵障害の中でも難治性の疾患と言えます。 軽度の場合と重度の場合では対応が異なりますが、瘀血や痰湿を改善する漢方薬を服用します。PCOSの方は排卵しにくいですが卵子の質が悪いわけではないので、一部の重度な方を除けば、漢方薬による体質改善は非常に有効です。 一方、重度の人には必要に応じて補腎を行い効果を高めますが、クロミッドなどの排卵誘発剤を併用する、つまり中医学と西洋医学の両方から治療をすすめたほうがより効果的なこともあります。 血液検査では、LHの高値、男性ホルモンの高値、インスリン抵抗性などが見られます。 中医学では、PCOSは卵巣の周りに瘀血(おけつ)や痰湿(たんしつ)がこびりつき、卵巣膜が硬くなった病態と考えます。 軽度の場合と重度の場合では対応が異なりますが、瘀血や痰湿を改善する漢方薬を服用します。重度の人には必要に応じて補腎を行いますが、クロミッドなどの排卵誘発剤を併用する、つまり中医学と西洋医学の両方から治療をすすめたほうが効果的なこともあります。 小島 晃 先生 (小島薬局本店)1967年北海道生まれ。東京薬科大学卒業。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師・国際中医師・湖北中医薬大学客員教授・横浜薬科大学客員教授。日本在住の名中医・寇 華勝先生に師事して経験を重ね、2003年発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。不妊症の経験も豊富で、これまで650組以上の妊娠を成立させている。現在、㈱小島薬局本店代表として、小島薬局本店で漢方相談を行いながら後進の指導や講演活動を行い、中国医学の普及に努めている。著書に「体にやさしい妊活漢方(現代書林)」などがある。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 小島薬局漢方堂 http://kanpodou.com
2018.4.1
コラム 不妊治療
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漢方の補腎薬と生活養生で 卵巣機能低下を改善
漢方の補腎薬と生活養生で 卵巣機能低下を改善中医学では女性の卵巣機能は「腎」にコトントロールされていると考えます。ですからこの「腎」の働きが悪いと不妊傾向になりやすいのです。 そもそも「腎」とは何でしょうか。西洋医学で腎臓といえば、体液から不要な物質を膀胱へ運んで、尿として排泄する臓器ですが、中医学の「腎」はそれだけではなく、生殖をつかさどるとされています。 ですから、妊娠に関しては「腎」の働きが大きく関わると言えます。不妊症の方は「腎虚」という「腎」の働きが思わしくない状態になっています。もちろん、卵巣機能低下も「腎虚」と言えます。 それに加えて、卵巣機能低下の方は、胃腸の状態が悪い方が少なくありません。胃腸が弱いと月経血が充分作られないため、月経不順や不妊の原因となります。このような症状には漢方の「健脾(けんぴ)薬」を服用します。 腎の働きを充実させるには植物性の漢方薬だけでは足りないこともあるので、動物性の漢方薬も使います。中医学には「補腎薬」が数多くありますので、年齢やFSH(性腺刺激ホルモン)の数値などによって、服用する漢方薬がかわります。 もちろん高齢の方でも、「腎」を補うことによって、卵巣年齢(腎年齢)を実年齢よりも若く維持することができるので、より良い卵子の排卵が期待できます。 食事と睡眠も卵巣機能低下の方は気をつけましょう。食事は甘いもの、冷たいもの、油っぽいものは控えます。卵巣に影響する女性ホルモンは夜作られるので、睡眠もたっぷりとりましょう。 小島 晃 先生 (小島薬局本店)1967年北海道生まれ。東京薬科大学卒業。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師・国際中医師・湖北中医薬大学客員教授・横浜薬科大学客員教授。日本在住の名中医・寇 華勝先生に師事して経験を重ね、2003年発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。不妊症の経験も豊富で、これまで650組以上の妊娠を成立させている。現在、㈱小島薬局本店代表として、小島薬局本店で漢方相談を行いながら後進の指導や講演活動を行い、中国医学の普及に努めている。著書に「体にやさしい妊活漢方(現代書林)」などがある。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 小島薬局漢方堂 http://kanpodou.com
2018.2.1
コラム 不妊治療
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2017.10.22 ジネコ妊活セミナー in 静岡 第1部
2017年10月22日に行われたジネコ 妊活セミナーより 体にやさしい妊活漢方 2017年10月22日(日)、静岡市内で「ジネコ妊活セミナー」を開催しました。第1部では、小島薬局漢方堂の小島晃先生「体にやさしい妊活漢方」、第2部では「妊娠へ近づくために」として、俵IVFクリニック院長俵史子先生にお話いただきました。その一部をお知らせします。 漢方医学から見た妊活とは 漢方医学が考える、不妊症になる原因として、冷え(気血不足)、骨盤内のうっ血(瘀血)、疲れたり腎が弱って卵巣機能が低下している(腎虚)、肥満と痩せすぎ(脾虚)、この4つが考えられます。その際、直接的な作用ではなく、体作りの観点からアプローチするのが漢方の特長。例えば、冷え性の方には、体を温め血流をよくする「婦宝当帰膠」や温灸をすすめます。この「体の芯から温める」といった作用は、漢方の得意分野なのです。 また婦人科系の病気が考えられる人には、生理不順、生理痛を改善する漢方薬をよく使います。ただ、人によって程度が違いますから、軽い人には柔らかい作用のもの、重い人なら強めの漢方を、というように、体質を見極めて使うことが重要になってきます。 例えば、生殖をつかさどる「腎」を改善するためのやや強い漢方薬として、動物生薬を使うことがあります。 こちらは流産予防などに効果があります。強めの漢方薬は、副作用を心配される方もいらっしゃいますが、柔らかい作用の漢方薬と併用して、副作用を和らげながら効果を高めることもできます。 基礎体温で体調の見立て 妊活において、漢方では基礎体温を重視しています。全体の形やその人の漢方的な見立てに関わるため、相談を受けてから3カ月ぐらいつけていただきます。一般的な基礎体温の場合、28日前後の月経周期の間に、高温期が12~14日続きます。高温期と低温期の差が3~0.5度。低温から高温期とへ1~2日以内に移行するのが正常です。これらの違いに、それぞれの体質が現れます。よく見られるのが高温期が短く低温期が長い人。冷えが原因になっていることが多く、妊娠しやすさに影響が出てくるため、体を温めて排卵を促したり、漢方薬を使います。 また、体温の変化がギザギザしていて幅が広い場合。これはストレスが原因のことが多く、体温や自律神経の調整が難しくなっています。年齢が高い人にも、この乱れが多く見られます。体温が高くて排卵が早く、周期が短めの場合、20代で健康に問題がない人ならいいのですが、30~40代で周期が乱れている人、人工授精を繰り返している人は、卵子の質が落ちていたり、まだ未熟なうちに排卵してしまうことが考えられますので、卵巣機能を戻す漢方を選びます。このように、基礎体温は排卵の時期を把握するためだけでなく、その人の総合的な状態を見ることによって漢方的な体質を見立て、それに合わせて必要な漢方を選ぶためには欠かせないものなのです。 小島 晃 先生 (小島薬局本店)1967年北海道生まれ。東京薬科大学卒業。北京中医薬大学日本校卒業。1998年に中国政府認定の国際中医師となる。2003年発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。2008年より中国・湖北中医薬大学客員教授に就任。現在、㈱小島薬局本店代表として、小島薬局本店で漢方相談を行いながら、後進の指導や中国医学の普及に努めている。著書に「体にやさしい妊活漢方(現代書林)」がある ジネコ妊活セミナー 2017年10月22日に行われたジネコ 妊活セミナーより 体にやさしい妊活漢方 2017年10月22日(日)、静岡市内で「ジネコ妊活セミナー」を開催しました。第1部では、小島薬局漢方堂の小島晃先生「体にやさしい妊活漢方」、第2部では「妊娠へ近づくために」として、俵IVFクリニック院長俵史子先生にお話いただきました。その一部をお知らせします。 漢方医学から見た妊活とは 漢方医学が考える、不妊症になる原因として、冷え(気血不足)、骨盤内のうっ血(瘀血)、疲れたり腎が弱って卵巣機能が低下している(腎虚)、肥満と痩せすぎ(脾虚)、この4つが考えられます。その際、直接的な作用ではなく、体作りの観点からアプローチするのが漢方の特長。例えば、冷え性の方には、体を温め血流をよくする「婦宝当帰膠」や温灸をすすめます。この「体の芯から温める」といった作用は、漢方の得意分野なのです。 また婦人科系の病気が考えられる人には、生理不順、生理痛を改善する漢方薬をよく使います。ただ、人によって程度が違いますから、軽い人には柔らかい作用のもの、重い人なら強めの漢方を、というように、体質を見極めて使うことが重要になってきます。 例えば、生殖をつかさどる「腎」を改善するためのやや強い漢方薬として、動物生薬を使うことがあります。 こちらは流産予防などに効果があります。強めの漢方薬は、副作用を心配される方もいらっしゃいますが、柔らかい作用の漢方薬と併用して、副作用を和らげながら効果を高めることもできます。 基礎体温で体調の見立て 妊活において、漢方では基礎体温を重視しています。全体の形やその人の漢方的な見立てに関わるため、相談を受けてから3カ月ぐらいつけていただきます。一般的な基礎体温の場合、28日前後の月経周期の間に、高温期が12~14日続きます。高温期と低温期の差が3~0.5度。低温から高温期とへ1~2日以内に移行するのが正常です。これらの違いに、それぞれの体質が現れます。よく見られるのが高温期が短く低温期が長い人。冷えが原因になっていることが多く、妊娠しやすさに影響が出てくるため、体を温めて排卵を促したり、漢方薬を使います。 また、体温の変化がギザギザしていて幅が広い場合。これはストレスが原因のことが多く、体温や自律神経の調整が難しくなっています。年齢が高い人にも、この乱れが多く見られます。体温が高くて排卵が早く、周期が短めの場合、20代で健康に問題がない人ならいいのですが、30~40代で周期が乱れている人、人工授精を繰り返している人は、卵子の質が落ちていたり、まだ未熟なうちに排卵してしまうことが考えられますので、卵巣機能を戻す漢方を選びます。このように、基礎体温は排卵の時期を把握するためだけでなく、その人の総合的な状態を見ることによって漢方的な体質を見立て、それに合わせて必要な漢方を選ぶためには欠かせないものなのです。 小島 晃 先生 (小島薬局本店)1967年北海道生まれ。東京薬科大学卒業。北京中医薬大学日本校卒業。1998年に中国政府認定の国際中医師となる。2003年発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。2008年より中国・湖北中医薬大学客員教授に就任。現在、㈱小島薬局本店代表として、小島薬局本店で漢方相談を行いながら、後進の指導や中国医学の普及に努めている。著書に「体にやさしい妊活漢方(現代書林)」がある ジネコ妊活セミナー
2018.1.18
コラム 不妊治療
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基礎体温は体からの重要なメッセージを発信している
基礎体温は体からの重要なメッセージを発信している 最近、病院ではエコーなどの発達から、不妊治療に基礎体温を重視しなくなっているようですが、私が妊活の相談を受けたとき、まずおすすめするのが基礎体温表をつけることです。東洋医学での不妊の診断は、「生理、おりものの状態」「基礎体温」「問診」の3つをみるのです。 そのなかの基礎体温を今回はクローズアップしてみましょう。 なぜ、基礎体温が重要かというと、基礎体温から2つのことを知ることができるからです。まずひとつは、高温期の長さから排卵の状態をみることができる。次に基礎体温の波形からその人の体質をみることができて、漢方薬を選ぶときの参考になるのです。 基礎体温をつければ、妊娠するために必要なホルモンの分泌や卵胞の成熟、排卵日などに気づくことができ、妊娠できる身体づくりの取り組みポイントもわかりやすくなります。どのような漢方薬を服用すればいいのか、日常生活で気をつけることなど、具体的な対策が考えられます。赤ちゃんが授かりにくい理由もわかるようになります。つまり、基礎体温をつけることで、体からの重要なメッセージが解読できるのです。 基礎体温をつけることがストレスになるという方もいますが、最低でも3周期はつけてもらうと診断の参考になることを理解してもらい、協力してもらうようにしています。 通常、生理周期は28日とされ、それよりも短いか長いかで排卵が遅いか早いかも決まります。排卵が早い方は、代謝が高く、熱がこもり、水分が不足している状態です。逆に遅い方は、代謝が悪い、血流が悪い状態です。 このように生理周期の長短によって、服用する漢方薬は違ってきます。より正しい漢方薬を選ぶために基礎体温は欠かせないのです。 また、基礎体温の波形は、年齢、不妊治療(卵巣の刺激)によって変わるので、元々の状態を加味しておくことも大切です。そのためには、目が覚めたらすぐにベッドの中で基礎体温を計ることです。 さらに高温期、低温期がガタガタな方は自律神経が弱っている、ストレスをためている、胸が張るといった症状があることが少なくありません。このような方にはカウンセリングや肝の気の巡りをよくする〝疎肝薬〟などを服用すると、症状が和らぎます。 ※基礎体温のタイプなどさらに詳しいことは当店のホームページをごらんくださいhttp://kanpodou.com/modules/cure/?content_id=20 小島薬局漢方堂 小島 晃先生1990年東京薬科大学。3年間大手製薬会社で東京の大学病院を担当し、西洋医学の医療現場を学ぶ。高度に細分化された西洋医学の治療に疑問を感じ始めているとき、人間全体を見る中医学を知る。 東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 小島薬局漢方堂 http://kanpodou.com 基礎体温は体からの重要なメッセージを発信している 最近、病院ではエコーなどの発達から、不妊治療に基礎体温を重視しなくなっているようですが、私が妊活の相談を受けたとき、まずおすすめするのが基礎体温表をつけることです。東洋医学での不妊の診断は、「生理、おりものの状態」「基礎体温」「問診」の3つをみるのです。 そのなかの基礎体温を今回はクローズアップしてみましょう。 なぜ、基礎体温が重要かというと、基礎体温から2つのことを知ることができるからです。まずひとつは、高温期の長さから排卵の状態をみることができる。次に基礎体温の波形からその人の体質をみることができて、漢方薬を選ぶときの参考になるのです。 基礎体温をつければ、妊娠するために必要なホルモンの分泌や卵胞の成熟、排卵日などに気づくことができ、妊娠できる身体づくりの取り組みポイントもわかりやすくなります。どのような漢方薬を服用すればいいのか、日常生活で気をつけることなど、具体的な対策が考えられます。赤ちゃんが授かりにくい理由もわかるようになります。つまり、基礎体温をつけることで、体からの重要なメッセージが解読できるのです。 基礎体温をつけることがストレスになるという方もいますが、最低でも3周期はつけてもらうと診断の参考になることを理解してもらい、協力してもらうようにしています。 通常、生理周期は28日とされ、それよりも短いか長いかで排卵が遅いか早いかも決まります。排卵が早い方は、代謝が高く、熱がこもり、水分が不足している状態です。逆に遅い方は、代謝が悪い、血流が悪い状態です。 このように生理周期の長短によって、服用する漢方薬は違ってきます。より正しい漢方薬を選ぶために基礎体温は欠かせないのです。 また、基礎体温の波形は、年齢、不妊治療(卵巣の刺激)によって変わるので、元々の状態を加味しておくことも大切です。そのためには、目が覚めたらすぐにベッドの中で基礎体温を計ることです。 さらに高温期、低温期がガタガタな方は自律神経が弱っている、ストレスをためている、胸が張るといった症状があることが少なくありません。このような方にはカウンセリングや肝の気の巡りをよくする〝疎肝薬〟などを服用すると、症状が和らぎます。 ※基礎体温のタイプなどさらに詳しいことは当店のホームページをごらんくださいhttp://kanpodou.com/modules/cure/?content_id=20 小島薬局漢方堂 小島 晃先生1990年東京薬科大学。3年間大手製薬会社で東京の大学病院を担当し、西洋医学の医療現場を学ぶ。高度に細分化された西洋医学の治療に疑問を感じ始めているとき、人間全体を見る中医学を知る。 東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 小島薬局漢方堂 http://kanpodou.com
2016.12.12
コラム 不妊治療
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二人目は自然妊娠で産みたいが、産後5か月で乳腺が詰まりやすく、母乳量が少ない。出産で子宮内膜症は改善するの?
相談者 ひよこえみ さん(33歳) 【不妊の原因:子宮内膜症】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○冷え性である ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○ゲップやおならが出やすい ○イライラをため込みやすい ○気分によって食欲にムラがある ○肌や髪にツヤがない ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊がでる ○のどが乾きやすい ○寝不足の日が多い ○とくにおなかや下半身が冷える ○冷たい飲みもの・料理は苦手 ○肌は脂性で吹き出物が出やすい ○体が重く、いつもだるい ○むくみやすい ○痰が出やすい ○いつも眠い 漢方医学では子宮内膜症をお血と考えており、お血体質を改善することで根本治療ができる まずは、第一子のご出産おめでとうございます。子宮内膜症は不妊症の原因になることもありますので、体外受精1回目で妊娠できたことは良かったですね。子宮内膜症とは、もともと子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜が、それ以外の場所に発生し、そこで増殖する疾患です。 通常の子宮内膜は月経のときに子宮から経血とともに排泄されますが、卵巣や腹腔内などに子宮内膜の細胞があると月経のたびに出血し、その場にとどこおり、痛みや不快な症状を引きおこします。 妊娠すると子宮内膜症が一時的に改善しても月経が再開すると再発することもあり注意が必要 妊娠すると月経が止まり、子宮内膜は剥がれないため子宮内膜症の症状もおきません。場合によっては一時的に改善することもあります。けれども、根本から治ったわけではないので、月経が再開すると再発することもあります。 漢方医学では子宮内膜症を「お血」と考えており、「お血」体質を改善することで根本治療となり、重度のケースを除けばたいへん有効です。 現在は産後5か月で月経はまだきていないようですね。時期からみて月経がきていないのは心配ありません。ただ、母乳が出にくいのは少し心配ですね。乳腺が細く詰まりやすいという症状は、漢方医学では「肝経」のとどこおりと考えられ、「お血」とも関係があります。 気になる症状から、月経前の張りやイライラ、ゲップやおならが出やすいなどの「肝気鬱結(肝経のとどこおり)」、胃腸が弱い、疲れやすい、いつも眠いなどの「脾胃気虚」、そして子宮内膜症による月経痛や肩こり、頭痛、冷え性などの「お血」の症状がみられます。 漢方薬で肝気のめぐりを良くして胃腸を整えお血体質の改善を行うことで自然妊娠できる このような症状から考えると、肝気のめぐりを良くして胃腸を整え「お血」を改善することにより、第二子を自然妊娠で授かるための体質改善ができると思います。同時に母乳の分泌も良くなるでしょう。 具体的な漢方薬としては、肝気のめぐりを良くして胃腸を整える「逍遥散(しょうようさん)」や「加味逍遥散(かみしょうようさん)」、冷え性や「お血」を改善する「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」や「血府逐お丸(けっぷちくおがん)」、「折衝飲(せっしょういん)」などを2~3種類選択し、状況に合わせて組み合わせると良いと思います。漢方薬で体質改善を行い、第二子を自然妊娠で授かりますよう、心より願っています。 小島 晃先生 1990年東京薬科大学卒業。1993年からイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。1995年から3年間北京中医薬大学日本校でさらに中医学を研鑽し、1998年の卒業と同時に国際中医師試験に合格。2008年にイスクラ中医薬経営塾の講師に就任。2008年に湖北民族学院客員教授に就任。2011年に湖北中医薬大学客員教授に就任。 相談者 ひよこえみ さん(33歳) 【不妊の原因:子宮内膜症】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○冷え性である ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○ゲップやおならが出やすい ○イライラをため込みやすい ○気分によって食欲にムラがある ○肌や髪にツヤがない ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊がでる ○のどが乾きやすい ○寝不足の日が多い ○とくにおなかや下半身が冷える ○冷たい飲みもの・料理は苦手 ○肌は脂性で吹き出物が出やすい ○体が重く、いつもだるい ○むくみやすい ○痰が出やすい ○いつも眠い 漢方医学では子宮内膜症をお血と考えており、お血体質を改善することで根本治療ができる まずは、第一子のご出産おめでとうございます。子宮内膜症は不妊症の原因になることもありますので、体外受精1回目で妊娠できたことは良かったですね。子宮内膜症とは、もともと子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜が、それ以外の場所に発生し、そこで増殖する疾患です。 通常の子宮内膜は月経のときに子宮から経血とともに排泄されますが、卵巣や腹腔内などに子宮内膜の細胞があると月経のたびに出血し、その場にとどこおり、痛みや不快な症状を引きおこします。 妊娠すると子宮内膜症が一時的に改善しても月経が再開すると再発することもあり注意が必要 妊娠すると月経が止まり、子宮内膜は剥がれないため子宮内膜症の症状もおきません。場合によっては一時的に改善することもあります。けれども、根本から治ったわけではないので、月経が再開すると再発することもあります。 漢方医学では子宮内膜症を「お血」と考えており、「お血」体質を改善することで根本治療となり、重度のケースを除けばたいへん有効です。 現在は産後5か月で月経はまだきていないようですね。時期からみて月経がきていないのは心配ありません。ただ、母乳が出にくいのは少し心配ですね。乳腺が細く詰まりやすいという症状は、漢方医学では「肝経」のとどこおりと考えられ、「お血」とも関係があります。 気になる症状から、月経前の張りやイライラ、ゲップやおならが出やすいなどの「肝気鬱結(肝経のとどこおり)」、胃腸が弱い、疲れやすい、いつも眠いなどの「脾胃気虚」、そして子宮内膜症による月経痛や肩こり、頭痛、冷え性などの「お血」の症状がみられます。 漢方薬で肝気のめぐりを良くして胃腸を整えお血体質の改善を行うことで自然妊娠できる このような症状から考えると、肝気のめぐりを良くして胃腸を整え「お血」を改善することにより、第二子を自然妊娠で授かるための体質改善ができると思います。同時に母乳の分泌も良くなるでしょう。 具体的な漢方薬としては、肝気のめぐりを良くして胃腸を整える「逍遥散(しょうようさん)」や「加味逍遥散(かみしょうようさん)」、冷え性や「お血」を改善する「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」や「血府逐お丸(けっぷちくおがん)」、「折衝飲(せっしょういん)」などを2~3種類選択し、状況に合わせて組み合わせると良いと思います。漢方薬で体質改善を行い、第二子を自然妊娠で授かりますよう、心より願っています。 小島 晃先生 1990年東京薬科大学卒業。1993年からイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。1995年から3年間北京中医薬大学日本校でさらに中医学を研鑽し、1998年の卒業と同時に国際中医師試験に合格。2008年にイスクラ中医薬経営塾の講師に就任。2008年に湖北民族学院客員教授に就任。2011年に湖北中医薬大学客員教授に就任。
2015.1.23
コラム 妊活
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月経の周期が不安定で、排卵誘発剤を使用しても卵がたくさんできず、無排卵となることもあります
相談者 ショコラさん(41歳)■ 去年の夏に18週で流産し、翌年の4月に再度体外受精したのですが、採卵のタイミングは前回より早まり分割も遅くて、結果着床しませんでした。その後2か月間、低刺激で排卵誘発を行いましたが、卵が育たなくて無排卵で終わりました。それ以降、たまに鍼灸へ通っていますが、月経後2週間で月経になることが、連続ではないけど2回ほどありました。 病院だけでなく漢方薬で体質改善を行い、卵巣機能を高めることをおすすめします 漢方医学から診ると、腎虚、瘀血、肝気鬱結の症状が見られます。無排卵性月経や無月経、排卵誘発剤を使用してもたくさん卵ができない、稽留流産したことがある、初経が同世代のなかで遅かった、足腰のだるさや冷えを感じる、40歳以上であることから「腎虚」症状が考えられます。 複雑な腎虚の症状が、体外受精などで卵巣に負担をかけ、さらに進んでしまった 月経終了から後に腰やお腹が重くて痛い、子宮筋腫、内膜症、卵巣嚢腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがあるのは「瘀血」の症状です。「肝気鬱結」は、月経前にイライラしやすく、怒りっぽい落ち込みやすい、体温の上下変動が激しい、月経周期が不安定、低温期から高温期の移行に時間がかかるなどから考えられます。腎虚にはいろいろなタイプがあります。ショコラさんは、初潮が遅かったなどから卵巣機能低下が見られるので、基本的には腎精不足です。しかし、冷え症などから腎陽虚、エストロゲンの不足から腎陰虚の症状もあるなど複雑です。低刺激で排卵誘発しても卵が育たなかったことから、腎虚の症状は軽くないようです。そこへ体外受精をくり返したことで卵巣に負担がかかり、さらに腎虚の症状が進んだと思われます。 難しいケースだが、体質に合った漢方薬で卵巣機能を改善していくことは可能 通常の植物性の補腎薬ではあまり効果が期待できないので、鹿茸・紫荷車(胎盤エキス)・亀板などの〝血肉有情の品〟といわれる動物性生薬を配合した補腎薬をぶといいと思います。次に瘀血も少し重いようなので、水蛭・三陵・我朮などの作用が強く嚢腫や癒着を改善する効果が優れた駆く瘀血薬を選びましょう。最後に肝気鬱結ですが、肝気をめぐらせてストレスをやわらげる柴胡香附子をふくむ漢方薬がおすすめです。状況から見て簡単に改善するケースではないと思われますが、流産前までは排卵していたのなら、体質に合った漢方製剤を服用することで、卵巣機能が改善する可能性はあると思います。むしろ、漢方薬でしか現在の状況の改善は難しいと思います。 小島 晃 先生 東京薬科大学を卒業後、北京中医薬大学日本校で中医学を研鑽。現在、湖北中医薬大学客員教授。小島薬局漢方堂で漢方相談を行いながら、後進の指導や中医学の普及に努めている。著書に『女性の悩みは漢方で治すー赤ちゃんができる周期療法』(知道出版)がある。 相談者 ショコラさん(41歳)■ 去年の夏に18週で流産し、翌年の4月に再度体外受精したのですが、採卵のタイミングは前回より早まり分割も遅くて、結果着床しませんでした。その後2か月間、低刺激で排卵誘発を行いましたが、卵が育たなくて無排卵で終わりました。それ以降、たまに鍼灸へ通っていますが、月経後2週間で月経になることが、連続ではないけど2回ほどありました。 病院だけでなく漢方薬で体質改善を行い、卵巣機能を高めることをおすすめします 漢方医学から診ると、腎虚、瘀血、肝気鬱結の症状が見られます。無排卵性月経や無月経、排卵誘発剤を使用してもたくさん卵ができない、稽留流産したことがある、初経が同世代のなかで遅かった、足腰のだるさや冷えを感じる、40歳以上であることから「腎虚」症状が考えられます。 複雑な腎虚の症状が、体外受精などで卵巣に負担をかけ、さらに進んでしまった 月経終了から後に腰やお腹が重くて痛い、子宮筋腫、内膜症、卵巣嚢腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがあるのは「瘀血」の症状です。「肝気鬱結」は、月経前にイライラしやすく、怒りっぽい落ち込みやすい、体温の上下変動が激しい、月経周期が不安定、低温期から高温期の移行に時間がかかるなどから考えられます。腎虚にはいろいろなタイプがあります。ショコラさんは、初潮が遅かったなどから卵巣機能低下が見られるので、基本的には腎精不足です。しかし、冷え症などから腎陽虚、エストロゲンの不足から腎陰虚の症状もあるなど複雑です。低刺激で排卵誘発しても卵が育たなかったことから、腎虚の症状は軽くないようです。そこへ体外受精をくり返したことで卵巣に負担がかかり、さらに腎虚の症状が進んだと思われます。 難しいケースだが、体質に合った漢方薬で卵巣機能を改善していくことは可能 通常の植物性の補腎薬ではあまり効果が期待できないので、鹿茸・紫荷車(胎盤エキス)・亀板などの〝血肉有情の品〟といわれる動物性生薬を配合した補腎薬をぶといいと思います。次に瘀血も少し重いようなので、水蛭・三陵・我朮などの作用が強く嚢腫や癒着を改善する効果が優れた駆く瘀血薬を選びましょう。最後に肝気鬱結ですが、肝気をめぐらせてストレスをやわらげる柴胡香附子をふくむ漢方薬がおすすめです。状況から見て簡単に改善するケースではないと思われますが、流産前までは排卵していたのなら、体質に合った漢方製剤を服用することで、卵巣機能が改善する可能性はあると思います。むしろ、漢方薬でしか現在の状況の改善は難しいと思います。 小島 晃 先生 東京薬科大学を卒業後、北京中医薬大学日本校で中医学を研鑽。現在、湖北中医薬大学客員教授。小島薬局漢方堂で漢方相談を行いながら、後進の指導や中医学の普及に努めている。著書に『女性の悩みは漢方で治すー赤ちゃんができる周期療法』(知道出版)がある。
2013.6.25
コラム 不妊治療
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不妊は腎臓の疾患と考えるのでしょうか?
プリンさん(30歳)子宮筋腫が原因の不妊で不妊専門の漢方医に相談したところ、 「不妊は腎臓が悪いからであり、子宮筋腫も結果的に腎臓が悪いからだ」言われました。 そして腎臓をよくすれば不妊にもいいと。詳しく教えて頂けますか? 小島晃 先生 (小島薬局 本店) 1990年東京薬科大学。3年間大手製薬会社で東京の大学病院を担当し、西洋医学の医療現場を学ぶ。高度に細分化された西洋医学の治療に疑問を感じ始めているとき、人間全体を見る中医学を知る。 東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。 1995年から3年間北京中医薬大学日本校で中医学をさらに研鑽し、1998年の卒業と同時に国際中医師試験に合格する。 1997年より日本中医薬研究会学術委員を務め、2002年~2006年まで日本中医薬研究会学術委員長を務める。 2003年7月発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。 2008年5月に自身が学んだイスクラ中医薬経営塾の講師に就任する。 2008年7月に湖北民族学院の客員教授に就任する。 2011年1月に日本中医薬研究会学術委員長に再び就任する。 2011年3月に湖北中医薬大学の客員教授に就任する。 著書に「女性の悩みは漢方で治す」(知道出版)、「不妊症周期療法のお話」(自費出版)がある。 現在、小島薬局本店で漢方相談を行い、後進の指導や中国医学の普及に努めている。 ≫ 小島薬局 本店漢方医学では不妊症は腎の働きの低下(腎虚)と関係があると考えています。 漢方医学でいう腎は、西洋医学でいう腎臓とは概念が異なります。西洋医学では腎臓は排尿などの泌尿器系の働きを中心に考えますが、漢方医学では成長、発育、生殖、老化に関連したより幅広く重要な臓腑と考えています。この中でも「腎は生殖を主る」という言葉があるように、生殖やホルモンと深い関係がありますので、腎の働きが低下すると不妊症と関係があると考えるのです。ご質問のように「腎臓が悪い」というと、西洋医学の腎機能障害と誤解を受けやすい表現なので、プリン様も少し戸惑われたのだと思います。 漢方医学では腎の働きが低下した「腎虚」を改善するために、「補腎薬」があります。補腎薬は様々な種類があり、体質をきちんと見立てて、体質に合った補腎薬を選ぶことが大切です。 不妊症の方はホルモンの働きを高める補腎薬が望ましいと思います。一般的に植物性の補腎薬よりも動物性の補腎薬(鹿の角、亀の甲羅、胎盤エキスなど)を含む製剤の方が効果的です。 女性の場合は生理周期よって補腎薬を使い分ける「周期療法」を行うと、より効果的です。 さて、子宮筋腫と腎の関係ですが、確かに関連性はありますが、子宮筋腫が全て腎が悪いというような表現は少し不適切だと思います。子宮筋腫は遺伝や食生活、ストレス、ホルモンバランスの乱れなどが関係しています。ホルモンバランスの乱れは「腎虚」と関係がありますが、補腎を行っただけでは子宮筋腫の改善は不十分です。漢方医学では子宮筋腫は「癥瘕(ちょうか)」といわれており、子宮に瘀血や痰湿という病理産物が滞って出来ていると考えています。ですから、瘀血や痰湿を改善する漢方薬が必要になります。 子宮筋腫があって、同時に不妊症も改善したい場合は、腎虚を改善する「補腎薬」と瘀血を改善する「活血薬」を併用するとよいと思います。具体的な漢方薬は詳しく全身症状をお聞きしないと選ぶことができませんが、生理周期が安定していましたら、上記の様に周期療法をお勧めします。 以上、ご参考になれば幸いです。
2013.2.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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月経の周期が不安定です。
ショコラさん(41歳)月経の周期が不安定で、排卵誘発剤を使用しても 卵がたくさんできず、無排卵となることもあります。 去年の夏に18週で流産。 その翌年の4月に再度体外受精するも、採卵のタイミングも前回より早まり、分割も遅く、結果着床せず。 その後、2か月低刺激で排卵誘発するも、卵が育たず、無排卵に。以後、鍼灸にたまに通うが、生理後2週間で生理になることが、2回ほど(連続ではない)。 アドバイスをお願いします。 小島晃 先生 (小島薬局 本店) 1990年東京薬科大学。3年間大手製薬会社で東京の大学病院を担当し、西洋医学の医療現場を学ぶ。高度に細分化された西洋医学の治療に疑問を感じ始めているとき、人間全体を見る中医学を知る。 東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。 1995年から3年間北京中医薬大学日本校で中医学をさらに研鑽し、1998年の卒業と同時に国際中医師試験に合格する。 1997年より日本中医薬研究会学術委員を務め、2002年~2006年まで日本中医薬研究会学術委員長を務める。 2003年7月発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。 2008年5月に自身が学んだイスクラ中医薬経営塾の講師に就任する。 2008年7月に湖北民族学院の客員教授に就任する。 2011年1月に日本中医薬研究会学術委員長に再び就任する。 2011年3月に湖北中医薬大学の客員教授に就任する。 著書に「女性の悩みは漢方で治す」(知道出版)、「不妊症周期療法のお話」(自費出版)がある。 現在、小島薬局本店で漢方相談を行い、後進の指導や中国医学の普及に努めている。 ≫ 小島薬局 本店漢方医学から診ると、腎虚、瘀血、肝気鬱結の症状が見られます。 無排卵性月経や無月経、排卵誘発剤を使用してもたくさん卵ができない、稽留流産したことがある、初経が同世代のなかで遅かった、足腰のだるさや冷えを感じる、40歳以上であることから「腎虚」症状が考えられます。 月経終了から後に腰やお腹が重くて痛い、子宮筋腫、内膜症、卵巣嚢腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがあるのは「瘀血」の症状です。 最後の「肝気鬱結」は、月経前にイライラしやすく、怒りっぽい、落ち込みやすい、体温の上下変動が激しい、月経周期が不安定、低温期から高温期の移行に時間がかかるなどから考えられます。 腎虚にはいろいろなタイプがあります。 ショコラさんは、初潮が遅かったなどから卵巣機能低下が見られるので、基本的には腎精不足です。 しかし、冷え症などから腎陽虚、エストロゲンの不足から腎陰虚の症状もあるなど複雑です。 低刺激で排卵誘発しても卵が育たなかったことから、腎虚の症状は軽くないようです。 そこへ体外受精を繰り返したことで卵巣に負担がかかり、さらに腎虚の症状が進んだと思われます。 通常の植物性の補腎薬ではあまり効果が期待できないので、鹿茸・紫荷車(胎盤エキス)・亀板などの〝血肉有情の品〞といわれる動物性生薬を配合した補腎薬を選ぶと良いと思います。 次に瘀血も少し重いようなので、水蛭・三陵・我朮などの作用が強く嚢腫や癒着を改善する効果が優れた駆瘀血薬を選びましょう。 最後に肝気鬱結ですが、肝気を巡らせてストレスを和らげる柴胡や香附子を含む漢方薬がおすすめです。 状況から見て簡単に改善するケースではないと思われますが、流産前までは排卵していたのなら、体質に合った漢方製剤を服用することで、卵巣機能が改善する可能性はあると思います。 むしろ、漢方薬でしか現在の状況の改善は難しいと思います。
2012.11.9
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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中国漢方
ろーりーさん(44歳)北米在住で中国人の鍼灸を受けながら漢方も処方されています。 鍼灸師は良い感じの方で普通に会話も出来るのですが、漢方について具体的には英語では説明が出来ないようで、生産会社に電話するように言われます。 その漢方とは北米で生産されている、更年期障害向けと謳われており、 日本語のウェブもあるのですが、日本語がある程度できる中国人の方が訳されたといった感じで”サフラン、当帰、ニンジン等のいろいろな天然植物から抽出した純粋物の複合体です。”と書かれています。 会社のフリーダイアルに電話しても、不妊にも良いと言う程度の回答です。 ジネコで色々勉強させていただいてますが、不妊漢方と言っても人それぞれ処方されるものが違う、具体的なものを処方されているようなので、具体的に自分に意味のあるものなのか不安になってしまいます。 サフラン、当帰、ニンジンの意味だけでも知りたいです。因みに英語ではsaffron, angelica root, and ginseng サフランはどのように良いのでしょうか? 当帰は当帰芍薬散のことでしょうか? 高麗ニンジンは摂って悪くないですよね? 日本人の身体をよく御存知の日本での鍼灸・漢方の先生に御意見お聞きしたく、こちらに投稿させていただきます、よろしくお願いします。 小島晃 先生 (小島薬局 本店) 1990年東京薬科大学。3年間大手製薬会社で東京の大学病院を担当し、西洋医学の医療現場を学ぶ。高度に細分化された西洋医学の治療に疑問を感じ始めているとき、人間全体を見る中医学を知る。 東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。 1995年から3年間北京中医薬大学日本校で中医学をさらに研鑽し、1998年の卒業と同時に国際中医師試験に合格する。 1997年より日本中医薬研究会学術委員を務め、2002年~2006年まで日本中医薬研究会学術委員長を務める。 2003年7月発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。 2008年5月に自身が学んだイスクラ中医薬経営塾の講師に就任する。 2008年7月に湖北民族学院の客員教授に就任する。 2011年1月に日本中医薬研究会学術委員長に再び就任する。 2011年3月に湖北中医薬大学の客員教授に就任する。 著書に「女性の悩みは漢方で治す」(知道出版)、「不妊症周期療法のお話」(自費出版)がある。 現在、小島薬局本店で漢方相談を行い、後進の指導や中国医学の普及に努めている。 ≫ 小島薬局 本店ろーりー様 現在は中国人の鍼灸師に治療を受けながら漢方薬も勧められているのですね。 お勧めされた漢方薬は成分が全て公開されていないようですので正確なことは言えませんが、サフラン、当帰、ニンジンなどの成分は下記の効果があります。 サフランは中国では番紅花と言われていて、血流を良くして淤血を改善します。 当帰は当帰芍薬散の当帰で、血を補う養血効果に優れています。 ニンジンは高麗人参のことで、気を補う補気効果に優れています。 以上の3種類の上にいろいろな生薬を配合していると思いますが、更年期障害をいわゆる”血の道症”と考えて、補気養血活血という方法で改善する漢方薬だと想像できます。おそらく、日本の実母散に似たような漢方薬だと思われます。 ろーりー様が冷え性で血行が悪い体質で、生理周期も遅れがちでしたら服用しても問題はないと思います。 逆に暑がりののぼせ症で、生理周期が早いようでしたら、体質に合っていない可能性があります。 さて、ろーりー様は現在44歳で人工授精を5回行っても妊娠していないということですね。 病院の検査に異常が無く、ご主人にも問題が無いということでしたら、卵巣機能が低下していることが考えられます。 この場合は、中国漢方では、腎が弱った”腎虚”と考えて、補腎作用がある漢方薬を使うことが多いです。 具体的には、熟地黄、山茱萸、山薬、枸杞子、莵絲子、肉従蓉、鹿茸、亀板、紫荷車(胎盤)などの生薬が配合された漢方薬です。 補腎薬もいろいろな種類があり、体質によって使い分けます。 具体的な症状や基礎体温の状況が分からないので、どの補腎薬が良いかはお答えできないのですが、補腎薬を飲まないと十分な効果が得られない可能性はあると思います。 中国人の鍼灸師の先生は、鍼灸は専門だと思いますので、鍼灸についてはお任せしても良いと思います。 漢方薬にどの程度の理解があるか分かりませんが、補腎薬の服用について質問してみるとよいと思います。 現在は日本でも中国でも不妊症に周期療法が注目されています。 鍼灸師の先生が周期療法をご存知でしたら、補腎薬を使った周期療法ができるとより望ましいと思います。 以上、ご参考になれば幸いです。
2012.4.19
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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排卵の周期に乱れが......。漢方の影響でしょうか?
ゴーヤさん(32歳)先周期から漢方を服用しています。黄体機能不全と高プロラクチン血症があり、来月、体外受精を予定しているため、卵の質が少しでもよくなればと思って始めました。 漢方を飲み始めた周期から排卵まで、日数がかかるようになり、漢方を飲む前は14~15日目で自然排卵していたのですが、先周期は18日目、今周期は21日目での排卵でした。それも遅いため、点鼻薬での排卵です。生理の量は多くなりましたが、先周期は生理期間が9日ほどあり、今周期は排卵前に3日ほど、おりものに混じって出血がありました(こんなことも初めてです)。 高温期の体温も以前にくらべると低くなり......(他にホルモン剤を服用しても、です)。これは、漢方が私に合っていないということでしょうか?病院の医師に聞くと「漢方のせいとは言えないが、気になるのならやめてみては?」と。 漢方は即効性がないというので、もう少し飲んだほうがよいのか、漢方を飲まずに食事などで体調を整えていこうか、迷っています。 小島晃 先生 (小島薬局 本店) 1990年東京薬科大学。3年間大手製薬会社で東京の大学病院を担当し、西洋医学の医療現場を学ぶ。高度に細分化された西洋医学の治療に疑問を感じ始めているとき、人間全体を見る中医学を知る。 東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。 1995年から3年間北京中医薬大学日本校で中医学をさらに研鑽し、1998年の卒業と同時に国際中医師試験に合格する。 1997年より日本中医薬研究会学術委員を務め、2002年~2006年まで日本中医薬研究会学術委員長を務める。 2003年7月発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。 2008年5月に自身が学んだイスクラ中医薬経営塾の講師に就任する。 2008年7月に湖北民族学院の客員教授に就任する。 2011年1月に日本中医薬研究会学術委員長に再び就任する。 2011年3月に湖北中医薬大学の客員教授に就任する。 著書に「女性の悩みは漢方で治す」(知道出版)、「不妊症周期療法のお話」(自費出版)がある。 現在、小島薬局本店で漢方相談を行い、後進の指導や中国医学の普及に努めている。 ≫ 小島薬局 本店漢方薬を服用してから、排卵日が遅れるようになったということですね。一つだけ確認したいのは、漢方薬を服用する前の数ヵ月間に、排卵誘発剤や黄体ホルモン剤、プロラクチンを下げる薬などの西洋薬の服用があるかどうかです。 もし、前記のような西洋薬を服用していて、漢方薬を飲んでから西洋薬を中止した場合は、漢方薬の効果が出る前に西洋薬を中止した影響のほうが出た可能性があります。 しかし、西洋薬を全く服用せずに生理周期が安定していたところに、漢方薬を飲んで排卵が遅れたということであれば、漢方薬が体質に合っていない可能性もあります。 ゴーヤさんの症状や基礎体温、現在服用している漢方薬などを拝見していないので、具体的にお答えすることは難しいのですが、私の経験では、漢方薬の服用で卵巣機能が改善され、黄体ホルモンの分泌がよくなったというケースは多くあります。 また、生理周期が比較的安定している方は、周期療法を行うことで基礎体温の形がきれいになることもよくあります。 再度、漢方薬局の先生に現在の状況をお話して、より体質にあった漢方薬を処方してもらうのがいいと思います。また、相談してみて納得できる回答が得られなかった場合は、セカンドオピニオンとして他の漢方薬局の先生に相談することも一つの方法だと思います。
2010.9.16
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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漢方を使ってみたい......漢方について教えてください!
かあやさん(0歳)私は、卵巣嚢腫があり、まだ手術するほどではないので、半年に1回のペースで検診に通っています。生理不順もあるし、数年後には赤ちゃんが欲しいと思っているので漢方を使ってみたいな......と最近考えております。 生理不順によい漢方や、オススメのもの、お値段などを教えて戴けないでしょうか?また、卵巣嚢腫がある場合、漢方は使用してはいけないのでしょうか?無知すぎて大変申し訳ないのですが、アドバイスをお願いいたします。 小島晃 先生 (小島薬局 本店) 1990年東京薬科大学。3年間大手製薬会社で東京の大学病院を担当し、西洋医学の医療現場を学ぶ。高度に細分化された西洋医学の治療に疑問を感じ始めているとき、人間全体を見る中医学を知る。 東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。 1995年から3年間北京中医薬大学日本校で中医学をさらに研鑽し、1998年の卒業と同時に国際中医師試験に合格する。 1997年より日本中医薬研究会学術委員を務め、2002年~2006年まで日本中医薬研究会学術委員長を務める。 2003年7月発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。 2008年5月に自身が学んだイスクラ中医薬経営塾の講師に就任する。 2008年7月に湖北民族学院の客員教授に就任する。 2011年1月に日本中医薬研究会学術委員長に再び就任する。 2011年3月に湖北中医薬大学の客員教授に就任する。 著書に「女性の悩みは漢方で治す」(知道出版)、「不妊症周期療法のお話」(自費出版)がある。 現在、小島薬局本店で漢方相談を行い、後進の指導や中国医学の普及に努めている。 ≫ 小島薬局 本店卵巣嚢腫の病変により漢方薬や使い方が異なります 卵巣嚢腫を簡単に説明すると、「卵巣に液状成分が溜まって腫れている状態のこと」といえます。ただ、卵巣嚢腫にはいろいろなタイプがあり、大きく分けると腫瘍性病変と非腫瘍性病変に分かれます。 非腫瘍性病変はホルモンの影響などが原因で、卵巣内に液状成分が貯留するものであり、腫瘍性病変は、外壁を構成する腫瘍細胞から分泌された液状成分が貯留するものであるという点が異なります。 漢方薬は多くの卵巣嚢腫に効果的ですが、腫瘍性病変の皮様嚢腫(成熟卵巣奇形嚢腫)には効果が薄いです。なぜなら、皮様嚢腫は、卵巣の中に髪の毛や歯、骨などが形成される病変なので、手術以外の方法で取り除くことが難しいからです。 それ以外は液体や血液が溜まっている病変なので、漢方薬が効果的だと思われます。 漢方医学では卵巣嚢腫は癥瘕(チョウカ)といって、局所の瘀(オ)血や痰湿(タンシツ)(水毒)と考えます。塊のようなものですので、通常の活血薬では効果が期待できません。 その場合は、瘀血を改善する力が強い破血薬という漢方薬を選択します。破血薬でも作用の強弱があり、比較的よく使われているものでは、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、通導散(つうどうさん)、爽月宝(そうげつほう)、水快宝(すいかいほう)などがあります。 卵巣嚢腫の治療の際、破血薬はよく使われますが、体質の強弱を考慮する必要があります。 もし、胃腸虚弱や貧血などの虚証の体質でしたら、破血薬だけですと気血を消耗する可能性があるため、最初は比較的マイルドな破血薬から始め、胃腸や気血を補う漢方薬を併用する必要があります。 一方、実証の強い体質でしたら、比較的強い破血薬を使って、卵巣嚢腫を小さくすることを優先します。私たち漢方薬局は、さまざまなメーカーの漢方薬を扱っています。数多くの漢方薬から体質(証)にあったものを選ぶことができ、破血薬も多くの種類を扱っています。 価格は症状や体質によって異なりますが、1ヶ月で1万円~2万円の範囲でよい漢方薬をおすすめできると思います。 漢方医学の専門家と相談して、漢方薬を服用してみてはいかがでしょうか。
2010.9.16
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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基礎体温について教えてください
ひまわりさん(31歳)私はベビ待ちで基礎体温をつけています。体温は2層になっていますが、いまいち低温期から高温期に変わる時に、くっきり綺麗に体温が下がっていないような感じなんです。皆さんは綺麗に一度ガクンと体温が下がってから高温期に入りますか? 排卵チェッカーも試したことがありますが、高温期に入った日あたりに一応陽性にはなりました。 ちゃんと排卵しているのでしょうか・・ 小島晃 先生 (小島薬局 本店) 1990年東京薬科大学。3年間大手製薬会社で東京の大学病院を担当し、西洋医学の医療現場を学ぶ。高度に細分化された西洋医学の治療に疑問を感じ始めているとき、人間全体を見る中医学を知る。 東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。 1995年から3年間北京中医薬大学日本校で中医学をさらに研鑽し、1998年の卒業と同時に国際中医師試験に合格する。 1997年より日本中医薬研究会学術委員を務め、2002年~2006年まで日本中医薬研究会学術委員長を務める。 2003年7月発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。 2008年5月に自身が学んだイスクラ中医薬経営塾の講師に就任する。 2008年7月に湖北民族学院の客員教授に就任する。 2011年1月に日本中医薬研究会学術委員長に再び就任する。 2011年3月に湖北中医薬大学の客員教授に就任する。 著書に「女性の悩みは漢方で治す」(知道出版)、「不妊症周期療法のお話」(自費出版)がある。 現在、小島薬局本店で漢方相談を行い、後進の指導や中国医学の普及に努めている。 ≫ 小島薬局 本店基礎体温が2相性になっていて、排卵チェッカーでも陽性が出ていますので、排卵はあったと考えてよいと思います。 高温期に入った日あたりに陽性になったということですが、基礎体温だけで排卵日を特定することは意外と難しいところがあります。 一般に体温が一度ガクンと下がってからきれいに高温期に移行すると理想的といわれていますが、そのようにきれいな基礎体温の方はそう多くはありません。 ダラダラと移行したり、階段状に移行する方も多く見られます。また、排卵についても排卵してから2~4日経って高温に上昇する方もいますし、体温が高温になってから排卵する方も稀にいます。 このようなケースでも、排卵があり、ご主人の精子が元気であれば自然妊娠は可能です。 2相性になっていても排卵チェッカーが陽性にならない方もいます。 排卵チェッカーは尿中のLHを測定していますので、何らかの理由で排卵時のLHサージが弱いと思われます。2相性になっていれば、排卵チェッカーが陽性にならなくても、排卵しているケースが多いと見られています。 上記のように2相性になっていれば基本的には排卵していると考えますが、稀にLUF(未破裂卵胞症候群)で排卵していないことがあります。LUFは通常はきちんと排卵している健康な方でも、稀に起こることがあるといわれています。LUFはエコーを見るとわかるのですが、基礎体温だけではわからないこともあります。 漢方医学では基礎体温表である程度体質がわかります。 きちんと判断するためには最近の3周期~6周期の基礎体温表を見る必要があります。ひまわりさんの情報は少なすぎるので判断するのが難しいのですが、下記を参照してください。 ・基礎体温による周期療法の実際 ・基礎体温表について1〜3 ・基礎体温表について4〜8 以上、ご参考になれば幸いです。
2010.9.16
専門医Q&A 漢方・鍼灸