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お腹の張りや卵胞径の変化。自然排卵したのでしょうか?

コラム 不妊治療

お腹の張りや卵胞径の変化。自然排卵したのでしょうか?

「この場合、どのようなことが起きていると考えられますか? 自然排卵したとすれば、妊娠の可能性はあるのでしょうか。」

2017.8.17

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お腹の張りや卵胞径の変化。自然排卵したのでしょうか?


堀川 隆 先生(高崎ARTクリニック)







相談者:にゃーさん(31歳)


HMG注射と自然排卵


PCOSで、3カ月ほどカウフマン療法でお休みして、久しぶりに排卵誘発を実施。生理3~5日目にクロミッド®、6~11日目にフォリスチム®、12・14日目にHMG注射をして、16日目のエコーで卵胞1個を確認。17㎜だったため、同じ日にもう一度HMGの注射をしました。ちなみに14~16日目までお腹の張りが強く、おりものも多かったのですが、17日目の朝くらいから治まりました。たまたまですが、この日の夜にタイミングをとっています。18日目に再度エコー検査をしたところ、卵胞は15㎜程度と小さくなり、かつ歪んだ形に。21日目に再診となりました。この場合、どのようなことが起きていると考えられますか? 自然排卵したとすれば、妊娠の可能性はあるのでしょうか。



 



排卵誘発から18日目のエコー検査までの過程を見て、何か気になる点はありますか? 排卵はしたのでしょうか。


14~16日目のお腹の張りとおりものの量が増えたのは、排卵の兆候だと思います。18日目には卵胞が小さくなって歪んで見えたということは、排卵したと考えていいでしょう。

排卵時、卵胞は風船がパンクするようになくなることもあれば、シューッとしぼんでいくように小さく見えることもあります。にゃーさんの場合、そこに卵子が入っているかどうかは、はっきりいえませんが、おそらく排卵によりしぼんできているのだと思います。

卵胞径が17㎜というのは少し小さめかもしれませんが、自然でも15㎜で排卵する人もいれば、20㎜を超えて排卵するケースもあります。PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)だからということではなく、周期によって育つスピードが異なる場合があるので、大きさに関してはあまり気にすることはないと思いますね。

3日後に再診する予定のようですが、基礎体温の計測や排卵検査薬は使用されていないのでしょうか。排卵後には体温が上がってくるので、そのような材料があればもう少し納得できたかと思います。


妊娠の可能性はありますか?


タイミングをとる場合、排卵日ぴったりではなく、排卵日より1~2日前が妊娠しやすいということがわかっています。体の変化でいえば、おりものが急に増えてくる時期です。にゃーさんは17日目の夜にタイミングをとったということ。ちょっと遅いくらいで、うまくタイミングをとれたのではないでしょうか。

「タイミングをとるのは1回ではダメ」ということはありませんが、チャンスはその時期しかないので、当院ではできるだけ毎日とっていただくようにしています。難しいようなら1日おきでもいいでしょう。


では、問題はないということですね。


なかなか自然排卵がないので、飲み薬に加え、注射でも排卵誘発をされています。刺激を強めにすると卵胞が3個も4個も育ってしまい、その状態でタイミングをとると多胎のリスクが高まってしまうことも。そのような場合は、卵胞が増えすぎないように注射の回数や量をコントロールしていきますが、それでも3個以上育ってしまった場合、当院ではキャンセルをおすすめして、次の周期に仕切り直しという形をとっています。
 にゃーさんは今回1個しか排卵を確認できなかったようですから、多胎のリスクも回避できた良い治療だったといえるのではないでしょうか。主治医の先生を信頼して、前向きに治療を続けていただきたいと思います。




堀川先生より まとめ


●お腹の張りやおりものの増加は兆候。排卵したと考えていいと思います。
●妊娠しやすいのは排卵日の1~2日前。その時期には複数回タイミングを。



 



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お話を伺った先生のご紹介





堀川 隆 先生(高崎ARTクリニック)


琉球大学医学部卒業。国立国際医療センター、国立成育医療センター不妊診療科勤務を経て、2009年12月より高崎ARTクリニック院長に就任。国際医療センター勤務時より内視鏡手術・生殖補助医療に従事。成育医療センターでは難治性不妊治療・加齢と不妊についての研究に取り組む。最近、ベランダでのガーデニングにはまっているという堀川先生。トマトにイチゴ、スイカに加え、レモンやメロンまで。育てるのが難しいとされるソメイヨシノも、今年の春、2輪の花をつけたとか。


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出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn
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