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妊娠しやすい“体づくり”、していますか? 朝はナシ、ランチは菓子パン…栄養不足の女性が増えています

コラム 不妊治療

妊娠しやすい“体づくり”、していますか? 朝はナシ、ランチは菓子パン…栄養不足の女性が増えています

2018.2.21

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食事は体づくりの基本!


ギリギリまで寝ていて朝食はナシ
昼食はコンビニの菓子パン、


夕食はスーパーの総菜や冷凍食品とビール!


……という食生活では、
カロリーは十分でも、栄養不足の危険が!


低カロリー&低栄養、現代女性は栄養失調!?


食の欧米化が進み肥満が問題視される一方で、若い女性では逆に低栄養が問題となっています。厚生労働省の調査によると、20代の5人に1人以上がBMI18・5を下回る「痩せ」の状態であると報告されています(BMIとはヒトの肥満度を示す指数。体重kg÷身長m÷身長mで換算。18・49以下が痩せ、25以上が前肥満とされる)。
「スレンダーな体型を保ちたい!」という女心はあっても、「妊娠したい」となると、“食生活”を見直す必要があります。栄養失調のプレママには、コウノトリは来づらいのです。だって、元気な赤ちゃんを育むためには、多くの栄養素が必要とされるのだから──。
そこで、妊娠を望む女性にどのような栄養素が必要か、栄養学にも詳しい佐藤病院の佐藤雄一先生に伺いました。



 



美白ブームで異常が!?「くる病」の子どもが増加


「ジネコ読者さんなら、葉酸の必要性はもう十分にご存じかと思います。当院に通われる妊婦さんも、不足はほとんどないですね。ところが最近気がかりなのが、小児科からの“くる病”が増えつつあるという報告です。赤ちゃんの骨に成長障害が起こり、背骨や脚などが変形する病気で、戦後の食糧事情が悪い時代に多く発症した病。母体のビタミンD不足によって起こります」。それがなぜ現代に?
「美白ブームで太陽光を浴びなくなったことが原因と考えられます」と佐藤先生。ビタミンDは食品からも摂取できますが、紫外線を浴びることでも体内で産生される栄養素なので、万全のUVケアで紫外線をシャットアウトすると不足しがちに。
「手のひらだけでもUVケアをせずに日光に当てる、といったことも有効。昔からある肝油ドロップの摂取なども役立つかもしれません」(佐藤先生)


朝食は1日のウォーミングアップ。しっかり食べて冷え性を改善!


働きながら妊活をする女性は多く、時間に追われる毎日では、ついつい朝食をおろそかにしがち。実は、「それが大問題なのです!」と佐藤先生。
「一食抜くだけでも単純に摂取カロリーは減ります。でも、痩せない。なぜなら、朝食は1日をスタートさせるための重要なエネルギー源で、それをおろそかにすると基礎代謝が落ち、低体温になってしまうからです。実際、低体温や生理不順の患者さんは朝食抜きという人が多い」とのこと。では、佐藤先生のオススメの朝食は?
「豚汁などの具だくさんの味噌汁とご飯ですね。スムージーなどの生野菜は体を冷やすので注意して」ともアドバイス。


たんぱく質もっとたくさん、卵は、実はスーパーフード?!


美容や健康のためにモデルさんなどが愛用する、チアシードやゴジベリーといったスーパーフードも話題です。妊活中の女性へのオススメはありますか?
「まず基礎的な栄養素をきちんと摂取している、というベースがないとダメ。また、海外で流行っているスーパーフードは要注意で、欧米人の腸とは長さや働きなどが異なるため、日本人には向かないものも多いのです。ありきたりな結論ですが、栄養が偏らないように1日3食まんべんなく食べることに勝るものはありません。しいて言うなら、卵をもっと食べてほしいですね。手近なたんぱく源ですし、ホルモンを生成する働きがあるコレステロールも、妊活中ならちょっと高めのほうが良いので」
鉄分や亜鉛などのミネラルなども不足しがちですが、「神経質になりすぎるのもよくないし、苦手なもの、おいしいと思えないものを食べるのはストレスに。栄養不足かも? と思う日は、サプリメントなどに頼ってもいいんじゃないかな」と佐藤先生。
ただし、お菓子やジャンクフードばかり食べて、サプリメントで帳消しに! という食生活は、言うまでもなくNGですよ!





妊活中の食生活ここがポイント!


●1日3食が基本。朝食は温かいものを
●昔ながらの和食で発酵食品を多く摂ろう
●加工食品やマーガリンなどは控えて






妊活中に積極的に摂りたい栄養や食品


●たんぱく質


肉、魚、豆類などに多く含まれるたんぱく質は、体づくりの基本。「肉の脂肪はカロリーは高めですが、体にとって悪い脂ではないので敬遠しなくてもOK」(佐藤先生)。卵は優秀なたんぱく源で、含まれるコレステロールにはホルモン生成作用が。1日1~3個を目安に。


●ビタミンD


カルシウムやリンの吸収に必要ですが、最近の女性にとくに不足が目立つ栄養素。日光に当たるだけで体内で産生されますが、美容のために紫外線を嫌う傾向にあるのが不足の原因。食品では、天日干ししたキノコ類、レバー、魚、卵黄などに多く含まれています。


●発酵食品


味噌、糠漬け、納豆、ヨーグルトといった発酵食品で、腸の調子を整えましょう。「また、発酵食品ではありませんが、キャベツの千切りや大根おろしもおススメ。含まれる酵素には消化を助ける働きがあるので、食事の最初に食べると胃がもたれません」。(佐藤先生)





お話を伺った先生のご紹介

佐藤 雄一 先生(産科婦人科舘出張   佐藤病院)


医学博士・産婦人科専門医・日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医・日本生殖医学会生殖医療専門医。佐藤病院院長・高崎ARTクリニック理事長を務める。専門分野だけでなく、栄養学や抗加齢医学などの知識も深く、患者さんにも積極的に生活習慣の改善を指導。今年の秋には東京・日本橋に、妊娠のための体づくりをサポートする専門クリニックが誕生の予定。著書に「今日から始めるプレコンセプションケア」がある。

≫ 産科婦人科舘出張   佐藤病院

出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.37 2018 Spring
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