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コラム   >   不妊治療の広場   >   IVF   >   卵子があまり育ちません。卵子の質が悪いのでしょうか?

卵子があまり育ちません。卵子の質が悪いのでしょうか?

卵子があまり育ちません。卵子の質が悪いのでしょうか?

山下 能毅 先生(うめだファティリティークリニック)

相談者:みゅうさん(27歳)

卵子の質について

夫の乏精子症が発覚し、アンタゴニスト法で顕微授精を行いました。先生に「若いから、2人目もこの採卵でいけるかも」と言われ、私も期待していました。しかし、実際は採卵15個、そのうち成熟卵は7個。顕微授精では6個受精、残りの1個も受精しました。ほかは未成熟な卵子でした。そして、分割が遅く黒くなってしまい、胚盤胞になったのは5日目の4CC1つだけでした。先生にがっかりしたと言われ、私も落ち込んでいます。卵子の質が悪い体質なのでしょうか。先生も次の刺激法のアレンジは多少すると言ってくださっていますが悩んでおられました。卵子の質が悪い人は何度やっても結果同じなのでしょうか。まだ望みはありますか?

 

みゅうさんは卵子の質に問題があるのでしょうか。

採卵した15個のうち成熟卵は7個で、結果的に顕微授精できなかったのだと思います。確率としてはかなり低いですね。たとえば、この方が40歳ぐらいであればアンチエイジングのサプリメントなどを併用して、卵子のクオリティを上げることも検討するかもしれませんが、まだ27歳とお若いです。早発閉経でもないかぎり、卵子の質について語るのは早い気がします。実際のAMHの値がわからないのですが、卵巣刺激法が合っていない可能性も考えられます。まずは方法を変えてみてはいかがでしょうか。

どのような卵巣刺激法がいいのでしょうか。

方法としては3つあります。ひとつがロング法です。月経の約1週間前から点鼻薬+注射剤で自然排卵を抑制しながら卵子をゆっくり成熟させて採卵する方法です。比較的年齢が若い方が対象で、複数個の卵子が均一に育ちやすいというメリットがあります。  もうひとつはアンタゴニスト法のアレンジです。アンタゴニスト法は、月経3日目から注射剤+アンタゴニスト製剤で自然排卵を抑制しながら卵子を育てる方法です。従来よりも1〜2日長く刺激をして採卵を遅らせることで、前回よりも成熟した卵子を採取できる可能性があります。  さらに、レトロゾールやアロマターゼ阻害剤と注射剤を併用しながら、マイルドに刺激して成熟した卵子を確実に採卵する方法もあります。15個といった複数個の卵子を一度に採卵するのではなく、採卵数を減らす代わりに卵子の成熟度を上げることができます。  また、そのほかの方法もあります。アンタゴニストでの刺激周期中に血液検査をすると、まれにLH(黄体形成ホルモン)が基準値よりも極度に低い方がいます。このような方は卵子の成熟度も低い可能性があります。現在はLHを補う薬がないのですが、当院ではLHと同様の成分をもつHCG注射を希釈して投与し、卵子の成熟度を上げる高度な治療も行っています。この方の詳しいデータがわかりませんが、刺激周期中にLH、FSH、エストロゲンの値を調べて補充していくのもひとつの方法かもしれません。

最後にアドバイスをお願いします。

いきなり卵子の質を変えるのはむずかしいので、まずは先ほどお話しした刺激法を試されるといいと思います。この方は月経周期28日型で身長153㎝・体重41㎏でBMIは高くありませんから、卵子の質にも影響を及ぼすPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の可能性は低いでしょう。むしろ痩せすぎが気になりますので、甲状腺ホルモンの検査を受けられてもいいかもしれません。それで問題がなければ、当院ではロング法をおすすめします。  あとはご主人の乏精子症の度合いによりますが、場合によっては体外受精だけでなく、人工授精を受けることができます。毎月の体外受精は大変だと思いますので、体外受精にこだわりすぎず、合間に試してみるものひとつの選択です。

山下先生より まとめ

●刺激法が合っていない可能性もあるので、まずは方法を変えてみては。
●乏精子症の度合いによっては、合間に人工授精を試されるのもひとつ。

 


[無料]気軽にご相談ください

 

お話を伺った先生のご紹介

山下 能毅 先生(うめだファティリティークリニック)

大阪医科大学医学部を卒業後、北摂総合病院産婦人科部長・大阪医科大学産婦人科病棟医長、医局長、講師として、不妊治療や腹腔鏡手術に積極的に取り組む。2014年、宮崎レディースクリニックの副院長に就任し、2017年4月、同院の院長に。各患者様の背景に配慮した“オーダーメイド治療”をめざす。日本産科婦人科学会認定医、生殖医療専門医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、臨床遺伝専門医。趣味はゴルフ・映画鑑賞・ピアノ。女性、男性ともに利用しやすいクリニックをめざし、「うめだファティリティークリニック」としてスタートして、はや5カ月。毎週木曜と毎月第1土曜に男性不妊外来を開設し、MD-TESEに対応しています。「ご夫婦はもちろん、1人で来院される男性が増えました」と山下先生。

≫ うめだファティリティークリニック

出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn
≫ 掲載記事一覧はこちら

 

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