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コラム   >   不妊治療の広場   >   IVF   >   移植後のホルモン数値が低めでも妊娠を継続できますか?

移植後のホルモン数値が低めでも妊娠を継続できますか?

移植後のホルモン数値が低めでも妊娠を継続できますか?

北村 誠司 先生(荻窪病院 虹クリニック)

相談者:とよさん(28歳)

凍結胚盤胞移植後の血液データに関して

生理開始4日目よりホルモン補充をしながら、D16に6日目凍結胚盤胞を1個移植しました。移植後10日目の判定で、ホルモン数値はHCG:99.8mIU/ml、E2:132.9pg/ml、P4:5.6ng/mlでした。診察時は勉強不足で医師に質問できませんでしたが、帰宅後、調べてみると、全体的に数値が低い気がします。特にP4やE2が低い気がするのですが、移植後10日目にこの数値で妊娠を継続できる可能性はあるのでしょうか。エコー検査はしていないので、子宮内膜の厚さなどはわかりません。薬は移植前からジュリナ®、プレマリン®、ルトラール®、ウトロゲスタン®腟錠を使用しています。

 

移植後10日目のホルモン数値が低いのではないかと気にされていますが。

特にP4(黄体ホルモン)とE2(卵胞ホルモン)について心配されているようですが、それほど気にする必要はないのでは。当院では、妊娠判定時にこの2つのホルモン値の計測はしていません。もちろん計測をする施設もあると思います。結果を見て、「平均からみると低めなので対策しましょう」と、ホルモン補充を考える場合もあるかもしれません。

この点については施設ごとに見解が異なってくるかと思います。当院ではこの時期に特に補充は考えず、このまま様子をみていくという形になると思いますね。不安でしたら、担当医の先生に相談されてみてはいかがでしょうか。

HCGの値についてはどう思われますか。

HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は、胚が着床すると絨毛という組織から分泌されるホルモンです。普段は女性の体内に存在しないので、このホルモンが増加しているかどうかで妊娠を判定することができるんですね。

とよさんは99・8 mIU/mlとのこと。当院では100 mIU/mlを妊娠の継続可能なボーダーラインとしているので、それからみると「やや低めかな」という感はありますが、ほぼ問題はないと思います。妊娠継続の可能性については、75%くらいが継続し、残りが流産になるという、体外受精の一般的な割合を目安にしていただければいいのではないでしょうか。

妊娠継続は厳しいというHCG値のボーダーラインは?

施設によって基準としている数値は異なると思いますが、当院では25 mIU/ml以下だと妊娠の継続は厳しく、出産までいく可能性はかなり少ないのではないかと考えています。

ただし、最初は分泌が遅く、その後増加し、10日くらいかけて通常の数値になってくるという方も。ホルモン分泌の上昇のしかたには個人差があると思うので、妊娠判定の基準値も絶対とはいえません。当院ではHCG値が9.1 mIU/ml、学会の報告では5.1 mIU/mlで出産までいった方もいましたから。

結論としては、何もせず、このまま様子をみていって問題はないということですか。

当院の見解ではそう思います。特に流産する確率が高くなっているとか、危機が非常に大きいという印象はありません。

担当の先生から何も提案がなかったので、患者さんからすると「これで大丈夫かな」という感じがしたのかもしれませんね。ただ、体外受精まで行っている専門施設のようですから、問題があればすぐに対応しているはずです。ホルモンも厳しい数値なら、補充を提案しているでしょう。

この時点ではあまり心配せず、先生を信じて、このまま様子をみていっていいと思いますね。

北村先生より まとめ

●P4とE2値は計測しない施設も。補充は必要ないと思います。
●HCG値はほぼ基準のライン。特に大きな問題はありません。

 


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お話を伺った先生のご紹介

北村 誠司 先生(荻窪病院 虹クリニック)

慶應義塾大学医学部卒業。1989年からIVFおよび内視鏡手術に従事。子宮鏡下手術による胚移植の改善や、腹腔鏡下手術による子宮筋腫、内膜症の解消・改善を積極的に図ると同時に、妊娠困難症例に対しても新しい治療を取り入れて対応。普段多忙なので、夏と冬、年に最低2回は家族と旅行することを決めているという北村先生。お子さんたちも楽しみにされているそうです。

≫ 荻窪病院 虹クリニック

出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn
≫ 掲載記事一覧はこちら

 

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