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出産後の過ごし方(2)

コラム 妊娠・出産

出産後の過ごし方(2)

出産後の過ごし方(2)

2015.4.3

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赤ちゃんもママも元気に!出産後の過ごし方(2)


もうすぐ生まれる赤ちゃん!お腹が大きくなってきて、そろそろ出産後の準備も整えたい時期ですね。出産後のママの体はとってもデリケート。ママも赤ちゃんも大切な時期を元気に過ごすポイントを押さえましょう。


心も不安定な状態になりやすい時期。周りにサポートしてもらいながら赤ちゃんとの時間を楽しんで



キャリアウーマンの方は「産後うつ」に気をつけて


産後の1カ月間は体だけではなく、心も不安定になりやすい時期です。退院して自宅に戻ると、授乳、沐浴、おむつ替え……と、いろいろなことが一気に押し寄せてきて、頭も体もいっぱいいっぱいになってしまいます。育児は自分の思うようにならないし、自分の自由な時間も奪われてしまいます。特に初産の方だと、気持ちが追いつかなくて、育児ノイローゼや産後うつといわれる状態を引き起こしてしまう方もいます。

もともとうつ傾向の方は、妊娠中はホルモンの関係などで一時的にうつの症状がなくなるのですが、出産するとまた元に戻ってしまう、もしくは以前よりも症状が悪化してしまうことがあります。 また、出産前はうつの症状はなかったのに、出産後にうつ病になってしまうケースは、バリバリ働いていたキャリアウーマンの方に多く見られる傾向が。不安定な精神状態を引き起こす原因は、働いていた時と出産後の生活のギャップの大きさ、自分がいない間に職場のポストや仕事を奪われる不安などから来ているようです。


行政や産院でもサポート体制を整えています


このようなことを起こさず、安定した気持ちで産後を乗り切るために、当院では、事情が許せば「1カ月間は実家で過ごしてください」とお伝えしています。ご両親と一緒なら、いろいろなことに煩わされず、リラックスした気持ちで育児のペースをつかんでいけます。

しかし、事情が許さず、ご夫婦で過ごさなければならないご家庭もあります。そのような場合は、ご主人のサポートが大切。お母さんは昼間1人で赤ちゃんの世話をして、不安だったり、不満やストレスもためています。ですから、ご主人になるべく早く帰ってきてもらい、話を聞いてもらったり、赤ちゃんのお世話を手伝ってもらうのがよいでしょう。それによって父性意識が芽ばえ、お母さんの心はだいぶ軽くなります。

また、行政にも育児の相談窓口が設けられています。自分ではどうしようもなくなったら、市役所や区役所、保健所などに駆け込んでご相談を。近所になければ、出産した病院に連絡をすれば助産師さんなどが対応してくれるはずです。心の状態が悪化する前に食い止めることが必要です。


初めての赤ちゃんのお世話をマイペースで楽しんで


初めて出産した人にとって、赤ちゃんはこれまで触れたことのない未知の存在。授乳や沐浴、どうしたらいいのか、赤ちゃんをどう扱えばいいのか、不安や疑問だらけだと思います。

初めてだからといって、本やインターネットなどで知識を詰め込む必要はありません。赤ちゃんの体は機械ではありませんから、本に書いてある通りにはいかないことも。頭でっかちになりすぎると、かえってストレスになってしまうことも。経験していくうちに「これくらいなら大丈夫だろう」と徐々につかめていきますから、マイペースで育児を楽しんでいただきたいですね。

産後1カ月は、このようにして育児のペースをつかむ期間。この時期は母性が芽生える時でもあります。新生児は抱きグセを気にしなくてもいいので、うんと赤ちゃんを抱きしめて、話しかけてあげてください。毎日毎日赤ちゃんの変化を楽しんで、母親の喜びを噛みしめながら過ごしていただきたいですね。



授乳


赤ちゃんを見ていればタイミングがわかります


「家では飲んだお乳の量を計量できないので、ちゃんと飲んでいるのか不安」という方が多いようです。心配だったら、赤ちゃんの表情をよく見ましょう。乳首を離したら泣き出すなど、足りなさそうだったらもっとあげて、満足しているようなら授乳を終えても大丈夫です。また、赤ちゃんは乳首を吸っていると満足するので、3時間授乳、2時間授乳など時間にとらわれず、あげられる時にあげてください。あまり神経質にならなくても、赤ちゃんを見ていれば自然と授乳のタイミングがわかってきます。


おむつ替え


思っているほど赤ちゃんは不快を感じていません


初めて子育てをするお母さんだと、何回も何回もおむつをチェックする方も。今市販されている紙おむつは吸水性がよく、おしっこをした後もサラサラしているので、赤ちゃんはそれほど不快に感じていません。ある程度の間隔を決めてチェックすれば十分だと思います。うんちの後はお尻をちゃんと洗ってあげることが望ましいのですが、排便の度にお風呂に連れて行って洗うのは大変。紙おむつなら水分を吸収してくれるので、おしり拭きをぬるま湯でしめらせて拭けばすっきり。便利な機能を活用して、ストレスのないおむつ替えを。


沐浴


ちょっとお湯がかかっても大丈夫!頭はまめに洗いましょう


怖いとか難しいと考えず、沐浴は「上から下まで洗えればいい」という程度に考えて。赤ちゃんはお腹の中でお水の中にいたので、少しくらいお湯がかかっても平気。まめに拭き取らなくても大丈夫です。体の部位の中でも「頭と顔を洗うのが怖い」という人が多いようですが、赤ちゃんの体は思っている以上に丈夫にできています。頭は新陳代謝が活発な部位で、脂っぽくなるとブツブツができてしまうので、石鹸をよく泡立ててしっかり洗いましょう。


部屋の環境


室温をこまめに変えるよりタオルの掛け物で調整を


お部屋の環境は、赤ちゃんにあわせて、ということは特に必要なく、室温や湿度はお父さんやお母さんが不快にならない状態で構いません。冷房も「赤ちゃんが寒がるからかけない」などと思わず、暑くならない程度に調整してあげてください。気になる時は赤ちゃんの手や足を触って、冷たくなっていたら掛け物で調整を。タオルが1枚あれば、掛けたり、外すことで調節ができます。


衣服


季節に合わせた服+肌着で十分です


冬場に風邪を引かないように赤ちゃんをいろいろな物でくるんでいる人を見かけますが、衣服も神経を使い過ぎなくてOK。夏なら肌着+夏服、冬なら肌着+冬服と、季節に合わせた衣服で大丈夫です。ただ、赤ちゃんは汗っかきなので、あせもや冷えを防ぐための、着替えを準備しておきましょう。気候の変化がある時は、この場合も掛け物で調整を。頭でいろいろ考えるのではなく、赤ちゃん自体を情報源に。表情を観察したり、肌に触れれば、快適か不快かを教えてくれるはずです。


Q. 赤ちゃんを迎えるために産前に購入したものは?


赤ちゃんを迎えるために必要なものは出産前に準備したいもの。退院する赤ちゃんを車に乗せるためのチャイルドシート、赤ちゃんを寝かせるねんねスペースをつくるベビー布団とベッド、沐浴にはベビーバスも必要です。成長にあわせて使いましょう。





柏崎 祐士先生
日本産科婦人科学会認定医。日本生殖医学会生殖医療専門医。埼玉県さいたま市大宮区で開院して40年余り、これまで1万人近くの分娩を取り扱ってきた「かしわざき産婦人科」同院では、母と子の安全を最優先と考え、できるだけ自然なお産を心がけている。出産後は母子別室というのも同院の特徴。回復期間でもある入院中は母体をしっかり休め、退院後、元気に子育てができるようにサポートしている。




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