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着床できるかは卵で決まる?

コラム 不妊治療

着床できるかは卵で決まる?

せっかくできた受精卵を移植しても着床しないと悩んでいる方が大勢います。着床と卵子の質はやはり関係するのでしょうか。とくおかレディースクリニックの徳岡先生にお聞きしました。

2015.12.2

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特集:卵のこと、もっと知ろう



 


 着床できるかは卵で決まる?



とくおかレディースクリニック 徳岡 晋先生



とくおかレディースクリニック 徳岡 晋先生

防衛医科大学校卒業。同校産婦人科学講座入局。自衛隊中央病院産婦人科勤務後、防衛医科大学校医学研究科に入学し、学位(医学博士)取得。2005年、とくおかレディースクリニックを開設。クリニック内のジムで、コーチに指導を受けながらトレーニング中。これまで週2回のペースを週1回に減らしたところ、体重は維持しているものの体が緩んできたそう。「もう1回気合いを入れてトレーニングしなければ!」と先生。

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着床の基礎知識チェック!!!


 着床するかどうかは卵子の質で決まる
× 移植後なるべく動かないほうが着床しやすい
 年齢が若いほど着床する確率は高い
× 胚盤胞を戻せばほとんどの場合着床する


着床するってどういうこと?
卵子と精子が卵管で出合って受精卵となったのち、分割を繰り返しながら卵管を通って子宮に向かいます。そして厚くなった子宮内膜に潜りこんで根付くと着床となります。

着床の時、子宮内膜の状態は?
子宮内膜は受精卵のためのベッド。排卵後ホルモンの働きにより、受精卵が潜りこみやす
いようにフカフカに厚くなって準備を整え、子宮にやってくるのを待っています。



受精卵が着床しないのは卵子の質による場合がほとんど


まず受精卵が着床するしくみをおさらいしてみましょう。排卵は月に1回起こりますが、その2~3日前から、子宮頸管には精子が通りやすいよう粘液が増えてきます。排卵が終わるとまた粘液はなくなり、子宮の入り口はぴったりとくっついて、精子は入ることができなくなります。子づくりをしようという時、排卵の日に合わせて性交渉をもとうと考える人が多いですが、排卵がいつ起こるのかピンポイントではわかりません。ですので、排卵が起こりそうな日の数日前から1日おきに2~3回タイミングをとれれば、精子は頸管粘液が増えた時に子宮へと入っていくことができます。
子宮の中に入った精子は卵管へと向かい、卵管膨大部で線毛に頭を突っ込んで、卵子がくるのを待っています。腟内に射精された精子は1~2億個いますが、子宮を通り卵管に到達するのはその中のわずか1000個くらいだといわれています。そこに排卵された卵子が卵管采でピックアップされて取り込まれてくると、精子が一斉に取りついていき、生存競争に勝った1匹がスッと中に入り、受精となります。
受精卵はその日のうちに2細胞期胚になり、2日目に4細胞期胚、3日目に8細胞期胚と分割しながら卵管を子宮のほ
うにさかのぼっていきます。そして4日目には桑実胚、5日目に胚盤胞となり、子宮に入っていきます。そして厚くなった子宮内膜に潜りこみ、根をおろせば着床となります。うまく着床すれば、妊娠5週頃に赤ちゃんが入っている袋である胎嚢(たいのう)を確認することができ、臨床妊娠と判定されます。
これが妊娠までの流れですが、障害にぶつかると妊娠は成立しなくなります。卵子を卵管に取り込めないピックアップ障害や卵管閉塞・狭窄などが原因の場合もありますが、妊娠に至らないもっとも大きな原因は卵子の染色体異常です。
国立成育医療研究センター(東京都)の先生からの報告によると、体外受精で妊娠反応がプラスに出た人が実際に出産する確率は、20代の人で20%強ですが、40歳では8%、45歳では1%ということです。つまり妊娠反応がプラスに出ても、胎嚢が見えずに化学流産となるか、あるいは見えても途中で成長が止まり流産してしまうケースがあり、それらは年齢が高くなるほど多くなるということなのです。その原因のほとんどが卵子の染色体異常によるものです。同様に、胚盤胞まで育った受精卵が着床しないのも染色体異常、つまり卵子の質による場合がほとんどだと考えられています。


年齢が若いほど着床しやすく質の良い卵子が採れる


着床しなかった時に、「私が動いたからでしょうか」とか「薬を飲み忘れたせいでしょうか」といった質問をたくさん受けます。また子宮内膜に原因があるのではと考える方もいますが、ほとんどの場合はそうではありません。原因の多くは卵子の質にあります。もともと戻した卵子が流産すべく運命をもった卵子だったということなのです。
では着床できる質の良い受精卵をつくるには、どうしたらよいのでしょうか。それはできるだけ若いうちに受精卵をつくるということです。受精卵が染色体異常をもっているのかどうかは、子宮に戻してみないとわかりません。しかし、年齢が上がり40代に近くなればなるほど染色体異常をもつ可能性が高くなることは間違いないのです。そのため出生までいく卵子の必要数は多くなり、労力とお金がかかってしまいます。欧米のデータでは、20代なら20個の凍結胚を確保できれば1回は妊娠できるけど、単純計算で40歳では100個、45歳では800個必要だといわれています。それだけ高齢になると染色体異常を含む可能性が高くなっていくということなのです。1歳でも若い時に受精卵を確保することが着床、妊娠の可能性を上げることになります。
なかなか着床しないという時に、卵子の質を上げる方法、着床を促す良い方法は何かないのでしょうか。残念ながら卵子の質は排卵誘発の方法で多少は変わっても、劇的に良くなることはありません。低刺激で採卵したからといって質が上がることはないというのは最近よくいわれてきていることです。ただ年齢が高い場合は強い刺激をしても採れる卵子の数はあまり変わらないので、それなら低刺激で毎周期採卵したほうが良いという考え方もあります。また、着床率を上げるために糊のような役割をする、ヒアルロン酸入りの培養液が使われたりもしますが、実際はそれほど効果はないと思います。
何回か移植をしても着床しない場合、同じ方法を続けて年齢を重ねるとさらに卵子の質を下げることになってしまいます。その場合は、採卵の方法を変えるなり、思い切って転院するなりして最善の方法を探しましょう。そうしているうちに、どこかでポンと質の良い卵子が出てくる可能性はあります。
最後に、何が何でも妊娠するまで頑張るという考え方を変えて、どこまでやったら治療は終了するというゴールを決めておくのも一つの道ではないかと思います。



Doctor's Advice!



1歳でも若いうちに受精卵を

着床できるかどうかは、卵子の質によって決まるといっても過言ではありません。卵子は高齢になるほど染色体異常をもつ確率が上がるので、少しでも若いうちに受精卵を確保することが着床~妊娠・出産のために重要です。





出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.27 2015 Winter
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