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卵子の真実 妊活セミナーレポート②

コラム 不妊治療

卵子の真実 妊活セミナーレポート②

セミナーレポート150829

2015.12.12

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2015年8月29日に行われたジネコ 妊活セミナーより


不妊症や不妊治療における、いくつかの勘違い



体外受精や顕微授精は変な子が産まれる確率が高い?


いいえ。現在、体外受精で産まれた子供は世界中で5~600万人いると言われていますが、特有な障害があるという統計はありません。不妊治療で遺伝子操作は一切行われません。体外受精や自然妊娠に関わらず、遺伝子は勝手に組みかえられ、その中で染色体異常が起きたり、障害を持った子供が産まれたりするのです。


生活習慣は不妊に影響する?


いいえ。逆に、妊娠に悪いと言われることを行うことで避妊できますか?


 ストレスは不妊を招く?


自律神経の中枢と排卵の一番上位の視床下部の中枢というのは非常に近いところにあるため、自然排卵には影響します。しかし、不妊治療においては、視床下部ではなく下垂体以下のホルモンをコントロールするため、ストレスは成績に影響しません。


不妊原因の半分は男性因子?


いいえ、それはすでに古い考えです。もともと不妊治療とは多くは男性不妊を治療をしているものです。顕微授精も本来は男性不妊の治療法です。女性に対する負担が大きいということや男女平等という観点から、男性不妊という言葉が盛んに言われるようになっていますが、精子の数や運動率を改善するエビデンスのある治療法は、今のところ全くありません。
現在の高度生殖医療では受精卵を作るところまでは可能です。しかし、受精卵が育つかどうかは、カップルの遺伝子の組み合わせ、遺伝子の偶然の組み換え、遺伝子発現などの問題になります。
従って、男性不妊、女性不妊と分けて説明すること自体が、極めて不自然です。これまで私が妊娠率、出生率に関わる因子を調べてきた上でも、男性の年齢、精子の濃度、運動率、射出精子か精巣精子かなど極めて関与が薄く、ほとんど影響がないといえます。


不妊症と不育症は違う?


卵の大きな異常があれば妊娠反応が出る前にダメになります。その異常が少なければ、妊娠反応が出た後にダメになります。もっと異常が少なければ死産になったり障害を持って産まれてくることがあります。そういう意味で、不妊症と不育症はダメになる時期が違うだけで同じことだといえます。
不育症だけに有効な検査や治療はほとんどありません。つまり、重要なのは卵が育つかどうかであって、不育症に対するエビデンスのある治療法はありません。主役はあくまでも卵なのです。


いい卵を移植したのに妊娠できないの着床障害?


そうではありません。多くの受精卵は、胚盤胞まで育った次の日くらいにはすでに着床しているものです。着床してから育つかどうかが重要です。そして受精卵それ自体の見た目からは無事に育つかどうかが分からないから移植するのです。見た目が悪い卵というのは、染色体異常の率も高いですから、いい卵を戻すのは当然です。


子宮環境は内膜を厚くすることが一番重要?


受精卵には、子宮内膜の厚みではなく、子宮内の低酸素環境が一番重要です。当院の培養器では1人の受精卵ごとに完全個別培養を行っています。その培養器の中は酸素5%、CO2 6%、窒素89%で保たれています。また、子宮内膜が厚くならない人には、抗酸化剤を投与して移植することもあります。






 ジネコ妊活セミナー




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