HOME > 不妊治療 > 治療デビュー > 第1回テーマ:不妊治療の検査 ~セントマザー★田中温先生の不妊治療講座~
HOME > 不妊治療 > 治療デビュー > 第1回テーマ:不妊治療の検査 ~セントマザー★田中温先生の不妊治療講座~

第1回テーマ:不妊治療の検査 ~セントマザー★田中温先生の不妊治療講座~

コラム 不妊治療

第1回テーマ:不妊治療の検査 ~セントマザー★田中温先生の不妊治療講座~

これから不妊治療を始める方や、治療を開始したばかりの方に、不妊治療の流れや基礎知識をわかりやすく紹介する「田中先生の不妊治療講座」。連載第1回は、不妊治療の初診と検査について教えていただきます。

2016.2.18

あとで読む



 



第1回テーマ:不妊治療の検査




自分の体を知る意識が“妊活”の大きな第一歩



結婚を決めた時、思い描く将来像には必ず子どもがいて、まさか、自分たち夫婦に子どもができないとは考えもしないでしょう。しかし、現実には7、8組に1組の夫婦が不妊に悩んでいます。一番大きな要因は加齢で、年齢を重ねるほど妊娠しづらくなりますし、染色体異常による流産のリスクが高まります。
日本での不妊症の定義は結婚後2年経っても子どもができない場合でしたが、少産少子の対策として結婚後1年に短縮されました。
1年経過した夫婦は“妊活”を、ということで、具体的に個人レベルで行っていただきたいのは、女性は基礎体温をつけること。自分の卵巣機能を知ることができ、妊活に対する意識も高まるでしょう。男性は精液検査をすることです。特に幼少期に鼠径ヘルニアの手術をしている方は、鼠径管のすぐ横に並んでいる精管を一緒に縛っている可能性があります。高熱を長期間にわたって出したことがある方、外傷などで睾丸が腫れあがったことがある方、成人後におたふく風邪になったことがある方なども早めの検査をおすすめします。



不妊治療の初診年齢も下がる傾向に



当院にもメールなどで問い合わせがありますが、初診時における女性の年齢の限度は50歳未満が目安です。50歳を超えると原則的にはお断りをしますが、過去に当院を受診した患者さんの最高齢は48歳。高齢の患者さんが治療を進められる条件は、月経が規則正しく、基礎体温が二相性になっていて、必要な検査もクリアできている場合に限ります。最近は結婚して短期間で初診に訪れる人が増えている傾向に。初診の平均年齢も若干下がっていますし、世間一般的にも不妊に対する意識に変化が出ているようです。



初診時の基本的な検査で治療方針がほぼ決まる



基本的に、初診からご夫婦二人で来られるのが望ましいですね。まず、女性は月経や妊娠歴など、男性は前述の既往について問診票に記入していただきます。その問診票を元に医師が予診を行います。
次に女性は内診に進みます。経腟超音波
検査で卵巣や子宮の状態、胞状卵胞の数を診て、子宮卵管造影検査で子宮の内腔の形、両側の卵管が通っているかを診ます。子宮卵管造影はレントゲン検査が基本ですが、レントゲン室のない施設では、お腹に聴診器を当ててその音で判断する通気や通水などで卵管の状態を確認します。そのような施設も少なくありませんが、この方法では正確な情報が得にくいので注意されてください。病院を選ぶ際には具体的な検査の内容にも注意してください。
同時進行で男性は精液検査を行います。
ここまで半日から1日の間に、治療を組み立てるうえで必要な情報をほとんど取得することができます。受診のタイミングは月
経周期の前半期。子宮卵管造影では放射線を照射するため、もし妊娠していれば胎児への影響が危惧されます。確実に妊娠していないことが条件ですので、後半期は避けてください。



腹腔鏡検査で原因を探り、あくまでも自然妊娠を目指す



基礎体温、精液検査、子宮卵管造影、月経5日目の卵巣の中の胞状卵胞の数のチェック。ここまでの検査で、卵管が通っていて、子宮の形もいい、基礎体温も二相性、月経も順調、精子もいい。夫婦生活も問題ない。それなのに1年経っても妊娠できない場合は、腹腔鏡検査に進んでください。よくあるのは、腹腔鏡検査をせずに人工授精に進み、さらに体外受精へというステップですが、これは早計です。腹腔鏡で約半数の方に卵管の癒着が見つかります。卵管がふさがっていると卵子を取り込めないため、タイミングよく精子が入ってきても出会うことができません。
腹腔鏡は手術というイメージが強いようで
すが、覗く(=ルック)ための検査です。入院は1泊、費用は保険適用で約2~3万円。癒着をその場で剥がすことも可能です。すぐに人工授精や体外受精に進むのではなく、自然妊娠を目指すスタンスを取る意味でも、腹腔鏡検査を強くおすすめします。
また、毎月、他院から当院へ転院されてくる患者さんは多数いますが、その方々も1~2年治療して結果が出なければ検査などされないまま人工授精に進むケースが珍しくありません。精液検査を受けたことがない男性もいますし、子宮卵管造影検査も行わないまま排卵誘発剤を飲んで、基礎体温で大体このへんだろうという日に人工授精をする。実際は卵管が詰まっていたり精子がいない状態なのに、それを確認しないまま人工授精して、結果が出ない。それは当然のことですよね。こ
れでは時間も費用ももったいない。
特に時間の経過は年齢に関わり、不妊治療にはとても大事な条件になります。治療
内容は主治医によって大きな差が出るので、ぜひとも最初から不妊症専門の病院を受診してください。また、その判断基準として日本生殖医学会認定の生殖医療専門医という資格があります。その資格を保有していれば問題はありません。インターネットで検索することも可能ですし、情報が得られない場合は「学会が認定した生殖医療専門医ですか?」と直接聞いても、決して失礼ではありません。



夫婦二人で取り組むことが不妊治療の方向性を左右する



これから不妊治療を始めようと考えている方は、漠然とした目に見えない不安を抱えていることでしょう。だからこそ、夫婦で正確な情報を共有し、理解することが大切です。子どもは一人でできるものではありません。夫婦で足並みを揃え、夫婦二人で“ つくる”という意識をもたなければ、思うような結果には結びつきません。夫婦で一緒に不妊について勉強する時間をもつことも良いでしょう。
結婚後、しばらくは二人だけの生活を満喫したいというカップルも増えていますが、少しでも若いうちに行動に移っていただきたい。最初にも申した通り、人間は意外と妊娠しづらい動物であるということ、そして不妊のカップルは7、8組に1組いるという現実があります。治療への向き合い方を、積極的に夫婦二人で考える。それが、これから始まる治療にも、ひいてはその後の人生にも、より良い方向に導いてくれる秘訣になるのではないでしょうか。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.29 2016 spring
≫ 掲載記事一覧はこちら





セントマザー産婦人科医院 田中 温先生

順天堂大学医学部卒業。越谷市立病院産科医長時代、診療後ならという条件付きで不妊治療の研究を許される。度重なる研究と実験は毎日深夜にまで及び、1985年、ついに日本初のギフト法による男児が誕生。1990年、セントマザー産婦人科医院開院。日本受精着床学会副理事長。糖質制限と筋トレでシェイプアップを目指している田中先生。お会いするたびに体全体のラインが引き締まっていき、若々しい印象に。「腹筋を鍛え、シックスパックを作ることが目標。次に会う時には達成できているかな?」。

≫ セントマザー産婦人科医院




 





セントマザー★田中温先生の不妊治療講座


第2回テーマ:一般不妊治療


第3回テーマ:高度生殖医療





あとで読む

この記事に関連する記事

この記事に関連する投稿

女性のためのジネコ推薦商品

最新記事一覧

Page
top