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卵子が多く採れた高刺激法、一度妊娠した低刺激法、次はどの方法で臨むべき?

コラム 不妊治療

卵子が多く採れた高刺激法、一度妊娠した低刺激法、次はどの方法で臨むべき?

2016夏 p52

2016.5.31

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卵子が多く採れた高刺激法、一度妊娠した低刺激法、次はどの方法で臨むべき?



相談者:hanako606さん(41歳)
今後の治療方針について
40歳からBクリニックにて体外受精を開始。ロング法で16個採卵し、5個受精。初期胚1個、胚盤胞4個で、年齢の割に数が採れて胚のグレードも良いとのこと。さまざまな方法で5回移植に臨みましたが、すべて陰性でした。その後、自然周期・低刺激で有名なクリニックに転院し、41歳の時、クロミフェン周期で3個採卵し、顕微授精で2個受精。初期胚移植で妊娠しましたが、稽留流産に。今後の採卵ですが、最初にトライして数が多く採れた高刺激法、それとも、妊娠が成立した低刺激法のどちらが私に合っているのでしょうか。



 これまでの経緯からみて、どのような原因で妊娠に至らなかったと思われますか?


俵先生:40歳の時に高めの刺激でたくさん卵子が採れていることから考えると、年齢からみた平均値よりも残っている卵子の数は多いのではないかと思われます。AMH(抗ミュラー管ホルモン)の値も2.76ng/mlということですから、卵巣機能はそれほど悪い状態ではないと考えられますね。
採卵数は多かったけれど、16個中5個と、受精率が低いのが少し気になります。これはその内容を詳しく見てみなければ何ともいえません。たとえば未成熟卵が多かったのか、もしくは受精できる卵子なのにしなかったのか、数が多いといっても見かけ上採れた卵子が多かっただけなのかなど、さまざまなケースがあると思います。
仮に16個がほぼ成熟卵だったのにもかかわらず、そのうちの5個しか受精しないようであれば、受精障害と考えたほうがいいかもしれません。なぜそうなってしまうのかは、女性側の年齢が卵子の質に影響を及ぼしているのかもしれませんし、精子側に要因があることも考えられます。原因の追究は難しいと思いますが、転院先のクリニックで実施したように、顕微授精で臨めばそれほど大きな問題はないと思います。


 卵巣刺激法について、転院した自然周期・低刺激を推奨するクリニックから「薬での刺激は体に悪い影響を及ぼす」といわれて、戸惑われているようです。このことについてどう思われますか?


俵先生:医師や施設の考え方にもよると思いますが、基本的には排卵誘発剤の種類で卵子の質が変わったり、薬の種類を変えて低下・向上するという説に確固たる証拠はありません。「卵巣刺激の方法を変えると卵子の質が良くなる」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、その根拠は明らかではありません。
方法や薬の種類というより、その使い方が重要だと思いますね。使い方によっては、育ってくる卵胞の成長スピードを弱めてしまうなど、逆に悪い影響を及ぼす可能性もあります。その方がもつ本来のホルモンの調和をなるべく崩さないように、いかに成熟した良い状態の卵子をベストなタイミングで採ることを判断するのが、最終的な目標になってくると思います。


 最初にトライして卵子の数が採れたロング法のような高刺激、それとも自然周期や低刺激、次にこの方が選択するとしたらどちらの方法が適しているのでしょうか。


俵先生:採れる卵子の状態は横並びではなく、正常なものもあれば染色体異常もあります。そうなると、ある程度数を採って、その中でセレクトしたほうが妊娠の確率を上げられる可能性があります。
自然周期や低刺激で1、2個採卵する場合、それがもし染色体異常の卵子だったら移植ができず、振り出しに戻ってしまいますよね。年齢的にそのような卵子が多くなってくる現状を考えると、この方のように採れる状態であれば、数を採っていく方法を選んだほうがいいのではないかと思います。
実際に国内のデータを見ても、刺激周期で卵子の数を採っていったほうが1回の採卵あたりの妊娠率が高く、逆に1回に採れる数が少ない自然に近い方法だと低いという報告があります。


 では、次回もまた強めの刺激法で臨んだほうがいいということですね。


俵先生:当院としては、前述したように刺激周期をご提案する可能性が高いと思います。ただし、もう一つの考え方として「妊娠したらその治療に戻ろう」というポリシーも。たくさん卵子が採れても妊娠に至らなかったという現実があり、施設を変えて、やり方を変えたら妊娠した。そうなると、今の施設や低刺激の方法がこの方に合っていたのかもしれません。
理論やデータももちろん重要ですが、やはり、その患者さんにとっての結果がすべてですから、転院したクリニックでしばらく同じ治療を続けてみてもいいのではないかと思います。
もし結果が出なければ、卵巣の予備能を再評価して、その時点で卵子を採る最適な方法を考えていかれればいいのでは。
また、子宮筋腫の既往があるということですが、妊娠には影響がなくても、合併症を起こしたり、赤ちゃんの体勢が変わる、正常分娩ができなくなるなど、妊娠後に悪影響を及ぼす可能性もゼロとはいえません。数年前の診断ならもう一度きちんと検査をして、問題が見つかれば、採卵はしておいて、移植までの間に治療をするなど、出産に向けても万全に準備を整えていただきたいと思います。





俵IVFクリニック 俵 史子先生

浜松医科大学医学部卒業。総合病院勤務医時代より不妊治療に携わり、2004年愛知県の竹内病院トヨタ不妊センター所長に就任。2007年、出身地の静岡に俵IVFクリニックを開業。昨年静岡駅前に移転し、リニューアルオープン。本来の不妊治療だけでなく、同クリニックで設けている漢方外来や体質改善外来も人気だとか。生活習慣の指導に素直に耳を傾け、見直していくことで気持ちが前向きになり、妊娠に至る方も多いそうです。

≫ 俵IVFクリニック




 




出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.30 2016 Summer
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