HOME > 不妊治療 > IVF > 腹部を温め過ぎると受精卵が死んでしまう?
HOME > 不妊治療 > IVF > 腹部を温め過ぎると受精卵が死んでしまう?

腹部を温め過ぎると受精卵が死んでしまう?

コラム 不妊治療

腹部を温め過ぎると受精卵が死んでしまう?

2009春

2016.7.20

あとで読む




なおっちさん(35歳)
胚移植から3日経過しましたが、冷やしてはいけないと、毎日外出時には腹部に服の上からカイロを貼って温めていました。ところが、ネットに腹部を高温にすると受精卵が死滅したり、着床を障害するという書き込みが……。悪影響があったらどうしよう、と心配しています。



この他にも「胚移植後の長風呂はやめてください、と医師に注意された」という投稿もあったのですが、腹部を温め過ぎると悪影響が出るというのは本当なのでしょうか?


三室先生:なかなか難しい質問ですね。温めた人と温めなかった人の子宮の中を比べて、受精卵がどうなったのかをずっと観察することはできないので、真偽を科学的に証明するのは不可能なことだと思います。
我々医師が言えるのは、エビデンス(証拠)から得られた科学的な根拠のあること。つまり、卵の質でしか証明できないと思っています。分割のスピードやグレード、内膜の厚さなどといったことからの判断ですね。


やはり、「温め過ぎる=妊娠しない」と考えるのは極端すぎる考え方なのでしょうか。


三室先生:そうですね。うまく着床しないというのは、年齢をはじめ、あらゆる原因があるので、それを一点に集中させて不安を膨らませてしまうのは危険なことです。


ジネラーの中には「〜してはいけない」という禁止事項のほかに、「着床時にはグレープフルーツを食べるとよい」など、民間療法的なことを信じている方も多いようです。


三室先生:何か一つの食品をとって妊娠しやすくなるなんてないですよ(笑)。それよりもバランスよく栄養をとったほうがいい。「長風呂が悪い」というのも、それは4時間も5時間も入っていたら、普通の人だって体によくないでしょう。神経質になりすぎて、それに縛られすぎるほうが体調を害してしまいます。


では、この時期はどんな気持ちで過ごしたらいいんでしょうか?


三室先生:ただ心安らかに過ごしてほしいですね。普段の生活も何をしたらいけないと縛るのではなく、「妊娠しているかも」と思いながら行動したらいいのでは。そう考えたら無茶なことも自然としなくなるはずです。「やることはやって、ここまで頑張ったんだ」と自分を認めて納得すること。認めてないから、小
さなことが気になって不安になるんだと思いますよ。お腹より、まず心を温めてあげましょう。





みむろウィメンズクリニック 三室 卓久先生

聖マリアンナ医科大学卒業。東京女子医科大学産婦人科にて臨床研修、医学博士号取得後、オーストラリアのシドニー大学教育病院・ウエストミードホスピタル不妊センター留学。聖マリアンナ医科大学産婦人科講師を経て、みむろウィメンズクリニックを開業。




 







あとで読む

この記事に関連する記事

この記事に関連する投稿

女性のためのジネコ推薦商品

最新記事一覧

Page
top