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切迫早産について知ってもらいたいポイント。ママのリスクと赤ちゃんのリスク。

コラム 妊娠・出産

切迫早産について知ってもらいたいポイント。ママのリスクと赤ちゃんのリスク。

マタニティコラム

2016.7.25

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切迫早産について知ってもらいたいポイント。ママのリスクと赤ちゃんのリスク。



Q:34週での出産
切迫早産で入院し、やっと32週0日になりました。産院は個人病院で、34週までに産まれてしまいそうなら別の病院に搬送されることになっています。先生には「34週になれば出産しても赤ちゃんは大丈夫だから、あと2週間は絶対に安静にしましょうね」と言われましたが、やっぱり不安です。



A:34週〜35週には赤ちゃんの身体が一通り完成するので、出産しても大丈夫。定期的な妊婦健診でしっかり医師と連携を。(おおのレディースクリニック院長・大野 元先生)

出産予定日よりも出産が早まったり遅れたりはよくあることですが、妊娠22週から正期産(妊娠37週0日~妊娠41週6日ま)よりも前までに産まれる場合は早産となり、通常の場合より母子へのリスクが高くなります。切迫早産とは、早産になりかかっている状態のことです。
切迫早産になりやすいケースはいくつかありますが、子宮と膣をつなぐ子宮頸管が短いと、赤ちゃんの重さに耐えられずに頸管が開いてしまい、破水→早産となることがあります。子宮頸がんの手術では子宮頸部を円錐形に切除するので、手術歴のある人は必然的に子宮頸管が短くなっています。手術をした人すべてに切迫早産の危険があるとはいえませんが、医師に相談し、注意をした方がよいでしょう。逆に妊娠中にお腹が張っても、子宮頸管長が維持されているようであればそんなに心配する必要はありません。
早産の危険が高いもうひとつのケースに、感染症があります。感染症が進行すると破水したり、雑菌が羊膜や絨毛膜まで達しているようなときは赤ちゃんへの影響が心配されるため、早めに娩出して治療した方がいい場合もあります。感染症は自覚症状がほとんどないこともあるため、リスクを早めに発見するためにも、妊婦健診は定期的に受けるようにしましょう。

子宮収縮の程度が軽く、子宮口があまり開いていないときは内服薬で様子をみますが、子宮口の開きが大きくなり出産状況が進んでいる場合は、入院して子宮収縮抑制剤による点滴治療を行います。切迫早産で入院するとそのまま出産になることもありますが、37週を過ぎても産まれない場合もあり、経過は一概にはいえません。34週を過ぎて赤ちゃんの体重が2500〜3000g以上になっていれば、正常の分娩時期に近く各器官はほぼ完成しています。その場合、母体の外に出ても耐えられる状態と考えてよいでしょう。しかし、赤ちゃんの呼吸器が十分に発達していないと呼吸障害が起こる可能性があります。そのため、切迫早産ではNICU(新生児集中治療室)を持つ医療機関との連携が必要となるのです。「別の病院に搬送」というのは、そのためでしょう。とはいえ34週〜35週に達していれば、早く出産しても赤ちゃんは元気に育つケースがほとんどです。





おおのレディースクリニック 大野 元先生

医学博士。岐阜大学医学部卒業。岐阜大学医学部大学院、ブリティッシュ、コロンビア大学研究員(2年間)、岐阜大学助手、IVF大阪クリニックを経て、平成11年8月開業。専門は、周産期と不妊。特に体外受精はエキスパート。




 






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