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カウフマン療法でFSH値が急上昇。薬を強くすれば下がる?

コラム 不妊治療

カウフマン療法でFSH値が急上昇。薬を強くすれば下がる?

「薬が強力になっているようで副作用も心配ですが、このような治療で大丈夫なのでしょうか。」

2010.9.7

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妊娠の可能性を高める方法の一つに卵巣を刺激して排卵を促す、排卵誘発という方法があります。
おもな方法は、患者さんの状態や治療方針に合わせて排卵誘発剤を使用するショート法、ロング法、アンタゴニスト法などがあります。
また逆に、排卵誘発を行わずに、自然排卵での治療を選ぶという選択もあります。どの方法が適しているかは患者さんによって異なりますが、医師はどのような考えをもって選択しているのでしょうか。全国の先生方にお話を伺ってきました。


体外受精に向けてカウフマン療法で卵巣を休ませたところ、逆にFSH値が上昇してしまった……どうしたらいいの?あいウイメンズクリニックの伊藤先生に伺いました。



ヨーコさん(会社員・38歳)からの投稿
初めて体外受精に挑戦しようと決めましたが、前周期3日目に卵巣が腫れ、すでに大きく育っている卵があるのでカウフマン療法をすることに。ところが、なぜかFSH値が6→17に急上昇してしまい、またカウフマン療法をすることになりました。ドクターは「薬が合っていないのかも」と判断し、プレマリン®倍量、プラノバール®をソフィアC®へと変更。薬が強力になっているようで副作用も心配ですが、このような治療で大丈夫なのでしょうか。



ジネコ:ヨーコさんがされたカウフマンとは、どのような治療なのですか?
伊藤先生:カウフマン療法とは、ホルモン剤を投与してホルモン不足を補いながら、規則的な生理周期を人為的につくり出していく療法です。
当院では年齢の高い方や、年齢が若くてもFSHの数値が高かったり、卵子のできがあまりよくない方などに適用しています。体外受精をする前に、年齢によっては前の周期にカウフマン療法をしたり、ピルを使ったほうが次の周期に質のよい卵子が採れるということで、必ず行っている施設もあるようです。
ジネコ:FSHを下げる療法でもあるのに、ヨーコさんの場合、なぜ値が上がってしまったのでしょうか。
伊藤先生:ヨーコさんはカウフマン療法をされる前、FSHは6だったとのこと。当院の場合、正常値は3~10くらいとしていますから、6だとまったく問題のない正常値です。また、38歳という年齢から考えても17という値は少し高すぎるので、これは一時的な上昇だと思いますね。
カウフマンをやっても、1周期くらいはリバウンドでFSHが上がることもあります。1回では反応が出ない方もいますから、1周期だけでなく、2周期はしたほうがよいと思います。
ジネコ:ヨーコさんも2回目をすることになったのですが、1回目より強い薬を使うということに抵抗を感じられているようです。
伊藤先生:確かに、もう1周期やって様子をみるというのはいいことだと思います。まだ40歳以下ですから、次はFSHも正常値に下がってくるのではないでしょうか。
ただ私は、急に薬の量を増やしたり、より強いものに変える必要はないと思います。
ジネコ:またヨーコさんは、前回、プラノバール®を服用した際に、嘔吐や口内炎、鼻炎の悪化など、副作用が出たそうなのですが……。
伊藤先生:プラノバール®は黄体ホルモンと卵胞ホルモンの混合剤で、いわゆる中用量ピルの一つなのですが、ヨーコさんのように副作用が出る場合があります。ソフィアC®は、プラノバール®より含まれるエストロゲン®卵胞ホルモン®の用量が多くなるので、さらに副作用も出やすくなってしまうと思います。
当院の場合でしたら、2回目も初回と同じ薬を使うか、もしくは副作用を考慮してもう少し刺激の少ない方法で行っていく。実はカウフマン療法というのは、はっきりと決まったかたちはなく、ドクターや施設によって多少内容が異なってくることがあるんですね。
ジネコ:副作用を抑えられる刺激の少ない方法とは?
伊藤先生:副作用が出やすい方で、副作用をなるべく抑えるには、プラノバール®よりエストロゲンの用量が少ない低用量ピルを使います。当院では、マーベロン®という薬をよく使っています。これは、カウフマン療法のように高温期・低温期で薬の飲み方を変えるのではなく、1相でずっとピルを服用していくという方法です。
FSH値が本当に高い方で、それを下げる目的であれば、中用量ピルを使ったほうが確かに効果は出やすいと思います。しかし、ヨーコさんのように卵巣が腫れているとか、よい卵子を採るために1周期卵巣を休めるということであれば、低用量のピルで行ってもよいのではないかと思います。そのほうが副作用のリスクも少なくてすみますよね。
薬は、やはり実際に使ってみないとわからない部分があるので、一度試してみて調子が悪いようなら、このようなかたちに切り替えてもよいのではないでしょうか。
ジネコ:こちらのクリニックの場合、カウフマン療法後の治療スケジュールはどのようになりますか。
伊藤先生:体外受精に向けた排卵誘発は、ピルを使うなど前周期に妊娠の可能性がない場合はロング法をご提案することができます。
もちろん、前の周期には卵巣をみて腫れがないかどうか確認したり、FSHなどホルモンの値もチェックしておきます。
FSHが高い方はカウフマン療法をして値を下げてから排卵誘発を行うのが基本的な考え方ですが、カウフマン療法をせずにロング法で、点鼻薬を少し長めに使って、FSHも安定させていく方法もありますね。
ジネコ:体外受精での排卵誘発はロング法を基本にされているのですか?
伊藤先生:当院ではロング法のほかにもショート法やアンタゴニスト法、患者さんのご希望によってはクロミフェン周期法で行うこともありますが、ロング法がファーストチョイスになることが多いですね。経験上、妊娠率が一番高いと思います
ジネコ:ロング法は年齢の高い方には向かないと聞くことも……
伊藤先生:同じロング法でも、40歳以上の方には最初は注射を多めに打つなど、その方に合わせてアレンジします。
もちろん、妊娠率が高いからとロング法だけにこだわるのではなく、1周期行って反応をみて、いい結果が出なければ、その次は別の方法にするなど、患者さんにとってベストな方法を見極めることが大切だと思っています。




あいウイメンズクリニック 伊藤 哲先生

順天堂大学医学部、同大学院修了。順天堂大学医学部産婦人科学講師、国際親善総合病院産婦人科医長を経て、1999年あいウイメンズクリニック開院。日本生殖医学会生殖医療専門医。

≫ あいウイメンズクリニック




 





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