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排卵の後のタイミング指導に意味がある?

コラム 不妊治療

排卵の後のタイミング指導に意味がある?

2016秋 p46

2016.8.9

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排卵の後のタイミング指導に意味がある?



相談者:ディジーディジーさん(36歳)
人工授精後のタイミング指導
先日、13日に3度目の人工授精をしました。今回はフェマーラⓇを使用しての誘発でしたが、18㎜まで育っていた大きな卵胞はすでになく、排卵しているかもとのことで、すぐさま人工授精になりました。その後のタイミング指導として、14日、16日、18日or15日、17日、19日に仲良くしてくださいねと言われました。前回、前々回も、人工授精の次の日から1日おきで3回タイミングをとるよう指導されました。排卵確認の血液検査をしたわけではないので、本当に排卵しているかは確かに不明ですが、排卵日を特定しながら人工授精をしてもらっているのに、1日おきでタイミングをとることに意味があるのでしょうか?本格的に治療を始めて、先生も優しく、相性も良いと思って通っているのですが。



 人工授精後のタイミング指導について、先生からご覧になっていかがですか?


奥先生:まず人工授精の妊娠率についてですが、一般的に排卵前に行うほうが人工授精の妊娠率は少し高くなります。もちろん、排卵後の人工授精でも妊娠できますが、卵子が腹腔内で生きていられる時間は12〜24時間くらい。排卵後、24時間以上たてば、腹腔内の卵子が死んでしまっている可能性がありますから、その分、妊娠率は下がるというわけです。
ですから、いつ排卵したかによるとは思いますが、排卵して24時間以降の人工授精やタイミング指導は、意味がないと思います。排卵後、24時間以上経過後にタイミングをとったからといって妊娠率が下がることはないけれど、逆に妊娠率を上げることにも貢献しないでしょう。


 タイミング指導と併用して人工授精の妊娠率を上げるには、どのようにすればよいのでしょうか?


奥先生:現在、ホルモン値を測定せずに人工授精を行っておられるようですが、できれば卵胞チェックだけでなく、専門医のもと、血液検査できちんとホルモン値を測定しながら治療を行うことが望ましいでしょう。通常起こる自然の排卵の際には、LHというホルモンが脳から大量に分泌され、LHサージという状況が引き起こされます。一般的な人工授精では、前日にHCGの注射によって排卵を促しますが、たとえば前日にホルモン値を測定して、まだ排卵が近づいていない状態、つまりLHの値が上がっていない状態でHCGの注射を打ったとします。注射を打てば、40時間後くらいに排卵しますので、翌日に人工授精をして、その翌々日にタイミングをとっていただいたら、妊娠率がアップする可能性があります。
正しい時期にタイミング療法、人工授精を実施することが大切です。


 月経が25〜27日周期と短くなっていますが、月経周期や現在の年齢が人工授精の妊娠率に影響しますか?


奥先生:もともと30日くらいの月経周期の方が、ここ数年で25日くらいになってしまったというのなら、卵巣機能が落ちている可能性があります。ただ、もともと25日くらいなのであれば、大丈夫でしょう。
当院では人工授精は5~6回くらいまでを目処に、体外受精へとステップアップしていただくことが多いのですが、もしきちんとAMHの値を測定して卵巣年齢が高いようでしたら、3~4回くらいでステップアップを考慮されたほうがよいでしょう。





レディースクリニック北浜 奥 裕嗣 先生

1992年愛知医科大学大学院修了。蒲郡市民病院勤務の後、アメリカに留学。Diamond Institute for Infertility and Menopauseにて体外受精、顕微授精等、最先端の生殖医療技術を学ぶ。帰国後、IVF大阪クリニック勤務、IVFなんばクリニック副院長を経て、2010年レディースクリニック北浜を開院。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。

≫ レディースクリニック北浜




 




出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.31 2016 Autumn
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