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40代の不妊治療~胚盤胞になっても高齢だと妊娠率は低いのですか?~

コラム 不妊治療

40代の不妊治療~胚盤胞になっても高齢だと妊娠率は低いのですか?~

胚盤胞で移植すると妊娠率が高いといわれていますが、40代になってもその確率は変わらないのでしょうか?ファティリティクリニック東京の小田原靖先生にお話を伺いました。

2016.8.25

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胚盤胞になっても高齢だと妊娠率は低いのですか?



胚盤胞にはこだわらず、初期胚の移植も考慮に


高齢だから胚盤胞にならないというわけではありません。若干確率が低下する程度なのですが、そこまで到達する分割の状況で、発育不良胚など健全でない可能性がある胚が増えてきてしまうのは事実です。
当院では基本として胚盤胞での移植を目指していますが、個人によっては胚盤胞まで到達しない方も時々いらっしゃいます。また、採卵数が2、3個くらいだと、良好な胚盤胞が得られないケースもあります。
そのような場合は移植をキャンセルするのではなく、2日目、3日目の初期胚を戻すこともあります。実際、グレードのいい胚盤胞にならなかった方が、3日目の胚を移植して妊娠・出産したケースも。まずは移植の機会が得られなかったら、そこから先へ進めません。卵子の獲得率が少なくなる高齢の方は胚盤胞で移植することにこだわらず、場合によっては初期胚で移植するという考え方もあるかと思います。


42歳くらいになると胚盤胞の8割に異常が出現


可能なら胚盤胞まで到達するのを目指すわけですが、40代の方だと、グレードのいい胚盤胞になってそれを移植したとしても、妊娠率は明らかに下がっていきます。
現在、日本で行われているのは形態的な評価で、中身の詳細な評価はできません。アメリカなどで行われているPGS(着床前遺伝子スクリーニング)のデータを見ると、胚盤胞で凍結された胚でも、40歳を超すと正常な染色体をもっているものは非常に少ないという報告があります。35歳くらいまでは40%以内を保っていますが、40歳を超すと65%、42歳になると約8割の胚盤胞に染色体異常が見られる、となって
います。
日本ではまだPGSが一般的に行われていないので、中身の評価をするのが難しいのですが、そのようなデータから考えると、いい胚盤胞ができたとしても本当にいいのは4個に1個程度の割合。ですから、胚が少ないよりはできるだけ多いほうがいい。高齢の方の場合、形態的に良好な胚盤胞が5、6個できてから移植をすることが増えてくると思います。
では、国内でもPGSが誰でも受けられるようになれば妊娠率は上がるのか、ということですが、これは何ともいえません。年齢が上がると胚盤胞到達率が下がるので、PGSができる胚も限られてきます。海外でPGSを行った方のケースでは、7個の胚のうち、1個しかできなかったということも。40代でPGSが有効な方法になるかどうかは、明らかな結果が出ていないというのが現状です。


年齢ではなく個人に合った子宮内膜調整法の選択が大切


妊娠に関わるファクターでもっとも重要なのは胚の質だと思いますが、年齢が上がってくると胚を戻す場所である子宮内膜の状態が良くないというケースも増えてくるので、移植法というのも大事な要素になってくると思います。
移植法にはホルモン補充周期と自然周期の2つがあり、今まではホルモン補充周期を良しとする傾向があったんですね。しかし、治療成績を見ると自然周期も決して悪くない。子宮内膜が薄い方はホルモンを補充したほうが確かに厚みは出てきますが、補充を増やしていくと採卵の周期と同じようにエストロゲンの数値が上がるなど、自然周期に比べるとホルモンバランスが大きく変わってきてしまうことも。
当院では、子宮内膜に大きな問題がない場合は、高齢の方でも自然周期で移植するという選択が増えてきており、半数近くの割合になっています。
胚移植の子宮内膜調整法という
のは単純ではなく、「40代だからこの方法がベスト」というものはありません。自然周期がいいか、ホルモン補充周期がいいか、あるいは自然周期でHCGも打って、その後、しっかりホルモン補充をするほうが適したケースも。さまざまなバリエーションの中から、その方に一番合ったものを選んでいくことが大切になってくると思います。


骨盤内の血流を良くして少しでも条件の向上を


子宮内膜の環境を改善するためのサプリメントなどもあるようですが、確実に有効性が認められているものはない気がします。では、環境を良くするためにどうしたらいいか。基本的な考え方として、子宮内膜は血流量に左右されるので、骨盤内の血流を良くすることが大切です。解剖学的に子宮動脈や卵巣動脈はとても長く、血流が滞りやすいんですね。
全体の条件を少しでも向上させるために、運動や鍼、漢方、冷えやストレスの解消など、ご自身で
できることもあると思います。「年齢が高いから」と諦めるのではなく、つねに前向きな意識で治療に臨んでいただきたいですね。





ファティリティクリニック東京 小田原 靖先生

東京慈恵会医科大学卒業、同大学院修了。1987年、オーストラリア・ロイヤルウイメンズホスピタルに留学し、チーム医療などを学ぶ。東京慈恵会医科大学産婦人科助手、スズキ病院科長を経て、1996年恵比寿に開院。

≫ ファティリティクリニック東京




 




出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.31 2016 Autumn
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