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凍結胚移植の予定ですが、卵巣刺激が過剰に思え妊娠できるか心配です。

コラム 不妊治療

凍結胚移植の予定ですが、卵巣刺激が過剰に思え妊娠できるか心配です。

2016冬 p50

2016.11.1

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凍結胚移植の予定ですが、卵巣刺激が過剰に思え妊娠できるか心配です。



相談者:もち団子さん(37歳)
凍結胚盤胞移植のための卵巣刺激について
今周期、凍結胚盤胞2個を同時移植する予定ですが、採卵周期なみに卵巣刺激をされています。生理3 〜7日目にクロミッドⓇ1日2錠、8 〜12日目にHMG注射を毎日、排卵させるためHCG注射もする予定だそうです。せっかく採卵しない周期に胚移植するのに、こんなに卵巣刺激してはクロミッドⓇで子宮内膜が薄くなるし卵巣が疲弊するのではないかと思います。生理2日目の診察で、超音波も血液検査もなしで当然のようにクロミッドⓇ1日2錠を処方されたので、「基礎体温は二相になっているし、周期は28 〜30日、AMH4.8ng/ml、生理2日目のFSH8mIU/mlくらいなので自然排卵で移植したい」と先生に伝えると、「私のやり方でやらないなら移植しません」と。今日で生理11日目、15 〜17㎜の卵胞が5〜6個育ってきています。移植だけなのにこんなに卵を育てる必要があるのか、こんなに刺激してちゃんと着床できるか心配です。



 もち団子さんのケースをご覧になって、どのように思われますか?


操先生:まず胚盤胞までいっていることはすごく有利なので、自然周期で戻すかホルモン補充周期で戻すか、ということですよね。ホルモン補充だとある程度子宮内膜の環境を整えて移植できるのでブレが少ない。そういうメリットがあるのでホルモン補充から入るのが一般的で、当院でもそうしています。それでなかなか子宮内膜が厚くならないとか結果が出てこなければ自然周期で戻すケースもあります。ただ自然周期の場合は厳重な管理が必要で、排卵に合わせてジャストのタイミングで合わせないといけません。当院では尿中のLHを測ってだいたいの排卵日を予測して、超音波の所見も合わせて日程を決めていくようにしています。


 操先生はホルモン補充周期で移植する場合、治療はどう進められますか?


操先生:ファーストチョイスは貼り薬のエストラーナテープⓇを使います。それで内膜の厚みが出なければ、もうちょっと厚みが出るまで使ったり、あとはペントキシフィリンⓇやビタミンEとかビタミンC、そのあたりを重ねて、それでも移植できる状況にならなければ、一回自然周期で戻してみます。あと、黄体補充はそれぞれのプログラムの組み合わせによって3種類を使い分けています。厚みがなかなか出ない場合は、セキソビットⓇを使ってもいいかもしれませんね。ただクロミッドⓇの場合、排卵はうまくいくかもしれないけど、子宮内膜に関してはネガティブに働く可能性があります。全員が全員ではないですけどね。もち団子さんは月経不順もないし、きちんと基礎体温も二相になっているということなので自然周期でもいいと思いますよ。


 やはり刺激しすぎなのでしょうか?


操先生:卵胞が5〜6個育ってきているっていうことは、E2のレベルがやたら高くなる可能性はありますね。採卵しないとなると、そのまま膨れていきますよね。そうすると黄体補充をよほど考えないと、黄体ホルモンと卵胞ホルモンのバランスの問題が出てくるし、結構難しいですね。そういうことを考えないということであれば、自然周期で移植するのが一番。それで黄体ホルモンだけを補充する。


 先生の方針がはっきり決まっていて、希望を受け入れてもらえないようですが。


操先生:セカンドオピニオンでもいいので、一度、ほかの病院に行かれてもいいかなと思います。今は患者さんもある程度の知識をもっていますよね。ネットの情報がすべて正しいわけではないけど自分なりに知識がついて、「やっぱり自分はこうしたい」という患者さんもいます。自費診療ですし、かなり高額な医療になるわけなので、まったく的外れでなければ納得する治療をしてもらったほうがいいと思いますね。選択肢として、こういうふうでどうですかとメリットとデメリットを伝えて、その中で選んでもらうというのが一番あるべき姿ですよね。





操レディスホスピタル 操 良先生

岐阜大学医学部卒業。岐阜大学附属病院で8年間、不妊専門外来を担当し、1992年には岐阜県下初の体外受精に成功。女性ホルモンに関する研究成果が認められ、平成9年度に岐阜県医学研究奨励賞を、平成11年に日本内分泌学会で研究奨励賞を受賞。現在、操レディスホスピタル院長。不妊治療だけでなく妊娠後の検診や出産までトータルで診る先生。休日には、緊急の事態にも即戻れるよう新幹線沿線の旅行をするのだとか。「東京や神戸などのホテルに1泊し、翌朝の朝食が何よりのリフレッシュです」。

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出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.32 2016 Winter
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