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排卵誘発剤で失敗した場合は最低3か月のお休みを

コラム 不妊治療

排卵誘発剤で失敗した場合は最低3か月のお休みを

2017

2017.2.20

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排卵誘発剤で失敗した場合は最低3か月のお休みを



「妊娠」はいくつもの要因が重なり合って成立するものです。近年は晩婚化の影響もあって、不妊に悩むカップルは7〜10組に1組以上と、増加の一途をたどっています。
妊活にはさまざまな方法がありますが、中医学ではどのような対応をしているのかお話しさせていただきます。
まず西洋医学の不妊治療でIVF(体外受精)をする人が現在増え、スタンダードとなっているクロミッドなどの内服の排卵誘発剤についてですが、中医学ではあまりメリットがあるとは思っていません。確かに排卵誘発剤は、排卵が遅れるためにタイミングが合わず、妊娠しにくい方には一定の効果があります。しかし、子宮内膜が薄くなる、排卵前後の経管粘液(おりもの)が少なくなるという副作用があります。AIH(人工授精)やIVFを4回以上行っても妊娠率は上昇せず、むしろ低下する可能性があります。
採卵は基本的に排卵誘発剤で日程を決めて卵を採る、そのために排卵誘発剤を使い、卵が1個だけでなく複数個大きくする。こうなると黄体期の子宮環境が悪くなり、これを繰り返していると、黄体機能不全になりかねません。そして卵巣機能にも一つの害となり、不良卵が生じてきます。
もちろん西洋医学が効率的な面もありますから、排卵誘発剤を一切使うなとは言いません。大切なのはTPOに合わせて使いこなすことです

 例えば、16歳〜18歳くらいまで初潮がこない人は、脳下垂体が機能していないことが考えられます。このようなケースは漢方薬ではなく、西洋医学の薬(ピルなど)で刺激を与え生理を起こすことが必要になります。
このようにクロミッドを服用することは必ずしも悪いことではないのです。ただし、うまくいかなかった時は、最低でも3か月は治療をお休みして欲しいのです。原子卵胞から成熟卵胞になるまで3か月かかりますから、続けて服用するといい卵ができないのです。
服用をお休みしている間はART(生殖補助医療)の準備周期として、中医学の周期療法を3か月間試してみてください。周期療法とは月経期、低温期、排卵期、高温期という4期の月経周期に合わせて、その時期に必要な漢方薬を服用して、体質改善を行い、月経リズムを正常にして、自然な妊娠、出産につなげる治療法です。
加えて生活養生も妊活には欠かせません。ダイエットなどで乱れた食生活を続けていたり、月経が止まった経験がある、極端に体重が少ないという方は、毎日の食事の見直しをして適正体重に戻しましょう。身長160センチで体重が45キロ(BMI=17.58 日本肥満学会の判断基準では18.5未満は低体重)だと、自然妊娠は難しくなってきます。人間は雑食ですから、穀類、野菜、肉・魚をバランスよく摂らなければなりません。
日本人は高温多湿な気候が影響しているためか、胃腸の弱い人が多い傾向にあります。そういう人は直接的な不妊治療を行う前に、胃腸の治療をすることが必要です。でなければ妊活用の薬が服用できないし、服用しても胃腸で吸収できないため効果が出づらくなるからです。まずは2か月ほど胃腸の漢方薬を服用しましょう。これだけで自然妊娠した20代の女性もいたくらいですから。
 妊活は光の見えないトンネルのようで不安にもなるし、タイムリミットも決まっているため、即効性を求めてしまうのは無理もないことです。しかし、そのために体へ負担をかけ続けては本末転倒です。
 例えば、高跳びで1mの高さを越えられない人が2mの高さからスタートしても無理な話です。最初は少なくとも1mからの練習が必要となるように、漢方で体の土台づくりをするのです。中医学で妊娠できる体質になることは遠い道のりのようで実は近道かもしれないのです。







大通漢方 店長 佐々木弘隆 先生

カウンセリング専門の漢方薬局です。婦人科の疾患・不妊症・生活習慣病など、治りにくい病気や悩みを「体質改善」を通じて根本から改善していきましょう。
自然に妊娠しやすい健康な体をつくっていくことを第一に、一緒に考えていきましょう。
不妊カウンセラー、国際中医師がお手伝いします。




 





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