「このままでは鬱になる!」と転院を決意。辛い経験をした分だけ、今の幸せをかみしめています。

コラム 不妊治療
神様の導きがなければ、母になることの叶わなかった私の運命。村田先生に出会ったことで年子姉妹の母になり、孤独から大きく一転しました。
ゴールが見えない辛く苦しいチャレンジに、心身ともにボロボロに
29歳で治療を始めて4年間、人工授精を10回、採卵を7回、移植を4回経験しました。不妊の原因は、卵巣年齢の高さです。薬が効かず卵がたくさん育たないために、幾度も採卵し、奇跡的に数個採れても変性卵や空胞。希望が持てる卵も「受精せず」「多精子受精」…。受精が成功しても胚が育たない。その壁をようやく乗り越えても、着床に至らず生理がくる… そんな厳しい妊活でした。大切な人たちのために頑張らなければ、と考えるほどプレッシャーは大きくなり、「若いから大丈夫」という根拠のない慰めや医師からの屈辱的な言葉に次第に心が閉じてゆきました。子どもがほしくてできない苦しさや身体の不安をわかってほしいのに、不妊外来ですらわかってもらえない悲壮感。やがて妊娠した友人や親戚を避けるようになり、神頼みすらもバカらしく感じるように。今離婚すれば夫はまだやり直せるのでは、という考えまでが頭をかすめ… 治療の帰り道は、いつも運転が危ういほど号泣していました。
転院を決意したのは、「このままでは鬱になってしまう!」という切実な思いから。インターネットで探し、「ARTクリニックみらい」を、そして村田先生を見つけました。『温厚で優しい』、威圧感の対義語があるならば、それが村田先生のイメージです。今まで出会ってきた医師のイメージを覆す存在でした。

「赤ちゃんは自分で迎えに行くぞ!」、その気持ちで先生についてゆく

「赤ちゃんは親を選んで産まれてくる」。この言葉は私を苦しませましたが、この頃から「運命の赤ちゃんは自分から迎えに行くぞ!そこで待ってて!」という気持ち変わり、閉経で妊活が終わるまで、先生がさじを投げるまで「くじけてもいいけど絶対諦めない!自分の限界は自分では決めない!」をモットーに、ただ黙々と先生を信じて続けていました。そしてこころの安定、高い技術力のおかげで、卵巣年齢45歳以上、妊娠率2%の私にもとうとうその日が…。陽性反応が出たことを電話で報告したとき、母は声にならない声で嗚咽をもらして泣いていました。いつも冷静で興奮しない父は、会社で雄叫びをあげました。
待ちわびた分だけ、余計に愛せる、大切にできる

From Doctor 治療を振り返って
ARTクリニックみらい院長 村田泰隆先生
井上(仮)さんは、たくさんの悩みを抱えて辛いであろう時でも、明るく振る舞い、前向きでひたむきな方でした。卵巣予備能の数字が低く、採卵しても卵子が採れないときもありました。また子宮頸管が強く曲がっていて移植も難しいタイプでした。正直かなりの強敵で楽観できない対象でしたが、彼女の周りをも元気にしてくれる明るさに、「赤ちゃんは必ず来てくれる」と予感していました。卵巣機能が弱い方は時間との戦いになりますが、それを理解し、結果が出なくても休憩をはさまずチャレンジを続け、さらに複数の胚を保存するまで続けたことが、姉妹誕生につながりました。何とかお子様を、と治療にあたっていましたが、私自身、姉妹誕生までは予感していませんでした。最後は彼女の心の持ちようと執念が幸運を呼び込んだのだと思います。彼女の前向きな姿勢に、当院スタッフの対応が役立っていたと聞いて大変嬉しく思います。
治療の成否はご夫婦の未来に大きな影響を及ぼします。何としても結果を出そう、と全力を尽くしますが、最後は神様の導きでしょうか。辛くて苦しい不妊治療ですが、少しでも負担を軽減し、前向きに取り組んで頂けるよう、スタッフ一同、ご夫婦の話をしっかりと伺い、どんなときも寄り添えるように、と考えています。結果にかかわらず、当院での治療体験が、その後の人生のプラス材料となってほしいと願っています。井上(仮)さんが、クリニックでの体験を糧にして子育てを満喫している姿には、お手伝いをしたものとしてこの上ない喜びを感じます。
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