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2017.8.27 ジネコ妊活セミナー in 福岡

レポート 不妊治療

2017.8.27 ジネコ妊活セミナー in 福岡

2017Webセミナー

2017.10.2

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2017年8月27日に行われたジネコ 妊活セミナーより


不妊治療を経験したドクターが教える間違いだらけの不妊治療



 


2017年8月27日(日)、福岡でに妊活セミナーを開催。「不妊治療を経験したドクターが教える間違いだらけの不妊治療」と題して、井上善仁先生にお話いただきました。その様子を一部ご紹介いたします。


 なぜ不妊になるのか


人間は妊孕性がとても低い動物であることをご存知ですか。人間に近いマントヒヒは80%、うさぎは90%、ネズミは一晩オスとメスをケージに入れておけば100%妊娠します。しかし人間の妊娠率はわずか20%にしか過ぎません。妊娠までにはある程度時間がかかるのが普通と考えておくことも大切です。
不妊とは「1年間通常通り性交渉を持っても妊娠しないこと」と定義づけられています。いまは7~8組のカップルに1組が不妊と言われており、日本で約120万組の不妊カップルがいる計算になります。私が婦人科医になった当時は10組にひとり、訪れる人もほとんどが20代でしたが、現在は30代後半から40代が多くを占めます。そのうち1/4が不妊治療を受け、成功するのはその中のおよそ3割程度です。そして現在、不妊治療を受けて誕生した子どもの25人に1人が体外受精児と言われています。

女性は生まれる前から「卵胞」が作られます。卵巣に含まれる原始卵胞の数は減るばかりで、胎児のときには700万個ある卵胞も、生まれたときにはすでに200万個に減り、初経をむかえる平均年齢12歳頃には数十万個になっています。20代の妊娠適齢期で10万個、不妊治療を開始する事が多い35歳くらいになると2.5万個にまで減少。そして47歳くらいで1000個になります。原始卵胞の数が1000個を切ると排卵が起こらなくなり、無月経や不正出血が続きます。加齢に伴い、妊娠率が低下し、流産率が上昇するのはこのせいです。すべての卵子は生まれた時にすでにあり、新しく作られることはありません。つまり40歳に排卵した卵子は、20歳のときに排卵した卵子より20年老化した卵子であるという認識が必要です。そのため、遺伝子異常や染色体異常などの確率も上がってしまうのです。
また、女性の社会進出が進み、キャリア形成記と妊娠しやすい年齢が重なってしまい、キャリアを先に選ぶと出産年齢があがることで妊娠適齢期を逃してしまう人が増えているのも不妊原因の一つです。

妊娠の能力を持った方で20%、不妊症の方は0~5%くらいしか妊娠できません。体外受精の場合34歳未満の方で40%、30代後半になると30%、40代前半で19%、40代後半で5%となってきます。不妊治療は、ある程度早くから長く続けることで妊娠の可能性を増やすことはできます。


 男性不妊の経験を語る


子宮筋腫や内膜ポリープ、抗精子抗体など不妊には様々な原因がありますが、女性原因40%、男女ともに原因20%、男性原因24%、その他不明となっており、男性因子の不妊は4割以上を占めています。だからこそカップルでの検査、診療が不可欠なのです。
私事ではありますが、結婚11年目まで子どもができませんでした。妻が34歳になった時、このままではいけないと知り合いの医師に相談し、夫婦で検査を受けたところ私に大きな問題があることがわかりました。男性不妊ですね。体外受精が必要となり、顕微鏡受精にステップアップしました。結果は品胎妊娠、3つ子です。今は高校二年生になりました、スマホばかりいじって他の同級生たちと何ら変わりはありません。
自分自身でこのような経験をして学んだことは、不妊治療は女性だけでは無理。男性の協力が不可欠ということです。我が家の場合男性不妊でしたが、ある意味「妻に何かあるより自分が原因で良かった」ということです。もちろん嬉しくはありませんが、妻が辛い思いをするより気は楽でした。

不妊治療はとてもストレスフルですよね。だからストレスを発散するなにかを持っておくことが重要です。男性は発散の場が仕事の場合もあるでしょう、不妊治療だけに心を奪われないようにすることが大切です。
また、みなさんインターネットをよく見られていますがネットの情報は珠玉混合。すべてを鵜呑みにせず、疑問はすべて担当医に聞いてみることです。身内からの心無い言葉があっても「自分は自分」と流してしまいましょう。短期間で結果を出そうと思わず「人間は妊娠しにくい動物だ」と開き直り、長めのスパンで取り組んでほしいと思います。


 





井上 善仁 先生(井上善レディースクリニック 院長)

昭和59年 3月 九州大学医学部卒業
同年 4月 九州大学医学部婦人科学産科学教室入局
昭和59年 6月〜 昭和60年9月 宮崎県立宮崎病院産婦人科研修医
昭和60年 10月〜昭和61年3月 九州大学医学部附属病院産婦人科研修医
昭和61年 4月 九州大学大学院医学系研究科博士課程入学
平成2年 1月 同上修了(医学博士)
平成2年 2月〜 平成4年3月 米国シンシナティー大学医学部生理学教室留学(visiting scientist: 訪問研究員)
平成4年 4月〜 平成5年3月 福岡市立福岡市民病院産婦人科医長
平成5年 4月〜 平成5年9月 九州大学医学部附属病院産婦人科医員
平成5年 10月 同上助手
平成8年 7月 同上併任講師
平成10年 4月 福岡大学医学部産婦人科併任講師
平成11年 10月 福岡大学医学部産婦人科講師
平成20年 4月 福岡大学病院准教授
平成21年 10月〜 平成28年6月 国家公務員共済組合連合会浜の町病院産婦人科部長
平成28年 7月 井上善レディースクリニック開院




 







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