人工、顕微授精の結果が出ない。転院または治療を諦めるべき?
蔵本 武志 先生(蔵本ウイメンズクリニック)
相談者:えりさん(39歳)からの相談
着床しません

胚盤胞移植に向けて待機中、これからの治療に悩んでおられるようです。

AMH(抗ミュラー管ホルモン:卵巣予備能を示す)の数値を見ると、確かに採卵数は多くないことが予想されますが、数字にガッカリしないでほしいですね。えりさんは数カ月前に自然妊娠を経験したという事実があります。39歳の卵子の4割以上は染色体異常があると言われていますが、だからといって年齢で諦める必要もありません。
不妊治療にあたり、心理的にダメージを受けていらっしゃるように見えます。

ご主人の精子についてですが、実は採取ごとに違うクオリティの精子が採取されることが多々あります。また、良い質の精子は、禁欲期間が2日以内と言われています。不妊治療は妻だけの問題ではなく、夫婦で取り組むものですから、ご主人との話し合いや意思の疎通をしっかりとって、ひとりで抱え込まないことが大切です。
これからどのような治療法を考えればいいでしょう。

失敗を重ねてからの待機中でいろいろ考え込んでしまうことも多いでしょうが、リラックスして次のステップに進んでください。
蔵本先生より まとめ
●凍結した胚盤胞の融解胚移植が最も妊娠率が高い。
●子宮鏡を使い、子宮内膜環境を確認。その状態を見て必要な処置を行ってみては。
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.36 2017 Winter
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