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2人目不妊。最優先すべきは採卵? それとも検査?

コラム 不妊治療

2人目不妊。最優先すべきは採卵? それとも検査?

1人目は自然妊娠した、あるいは体外受精でも回数を重ねず妊娠できたのに、なぜか2人目をスムーズに妊娠できない…そんな声は数多く聞かれます。40代の2人目不妊治療では何を選択していくべきか、ノア・ウィメンズクリニック 波多野久昭先生に伺いました。

2017.11.22

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2人目不妊。最優先すべきは採卵? それとも検査?


波多野 久昭 先生(ノア・ウィメンズクリニック)




 





かりんさん(会社員/40歳)からの相談


●2人目不妊


37歳で初めて不妊治療病院へ行き、卵管癒着のため、体外受精をすすめられ、37歳で採卵したところ、受精卵が5個でき凍結。1回生理を見送り38歳で移植。ありがたいことに1回で成功し、38歳で無事男の子を出産しました。年齢も年齢なので息子が1歳になり不妊治療を再開。凍結胚盤胞が4つ残っていたため移植するも陰性続き。1人は出産まで行けたので、先生も卵子の染色体異常しか考えられないと言います。出産経験があるので着床障害ではないと言われました。また、子宮鏡検査をしたわけではないですが、子宮も問題なさそうとのことでした。そうこうしている間に40歳になってしまいましたが、治療は諦めずに続けるつもりです。子宮鏡検査やERAはするべきですか? 何からしたらいいのでしょうか? 年齢的にも少しでも早いうちに採卵したいという気持ちもあり焦っています。どれをするにしても年齢的に着床前診断を受けたほうがいいのか迷っています。アドバイスをお願いします。



 



40歳という年齢では、何を優先すべきでしょうか?


2人目不妊で悩まれて来院する方はとてもよくいらっしゃいます。なかには、着床はしていて妊娠検査薬で陽性反応は出たのに、エコーで確認できる前に流産してしまう「化学流産」を重ねる、というケースも珍しくはありません。「着床障害では?」と悩まれる方もいますが、お1人目を妊娠されている場合、着床障害の可能性は限りなく低く、あくまでも受精卵の染色体異常により流産されてしまったのだと考えます。
 また、「ほかにできる検査はありますか?」というご質問も受けますが、40代に入った方の場合、治療をゆっくりとはしていられないので、最優先すべきはとにかく採卵。少しでも早く、そして多く採卵しておくことを優先すべきだと思います。


子宮鏡検査をしていませんが、検査はするべきですか?


最初の妊娠で体外受精をしている場合、ひと通りの検査を受けているはずなのでほかに検査を受けるとしたら、万全を期するために子宮内に筋腫やポリープ、または癒着などがないかを検査する子宮鏡検査を受けてもいいと思います。
 あるいは子宮内膜が着床の準備のために適切な状況になっているかどうかを調べる「子宮内膜日付診」という検査もあります。高温期の中間日くらいに子宮内膜の一部を採って病理検査に出す、古くからある検査ですが、正確に移植時期を決定できるものではありません。その代わりとして最近注目されているのがERA(子宮内膜受容体)検査。これも子宮内膜の一部を採って、次世代シーケンサーを用いて子宮内膜の着床能に関する236個の遺伝子の発現レベルの解析を行うというものです。この検査によって、「着床の窓」(着床するにあたり子宮内膜が最適の時期)を知ることができます。正確性の高い検査ではありますが、今のところ検査をする機関が限られており、約10万円の負担がかかります。


治療は諦めずに続けるつもりですが、そのほかにやれることはありますか?


それでもどうしても妊娠に至らない、流産を繰り返す、ということであれば「不育症検査」を受けることをおすすめします。「せっかく妊娠しているのに、また流産をしてしまうのではないか…」という精神的な不安やストレスから解放されたいという方もいるので流産のリスクがあるのか、ないのかを検査してみるのも方法の一つです。
 あとできることとしては、ご主人の精液検査。女性の妊娠率が年齢に伴い下がっていくほどではないにせよ、男性の精子の運動率も変化していくので並行して検査してみてもよいでしょう。最後には着床前診断という方法もありますが、こちらもすべての機関で行われているものではありません。
 2人目不妊において用意されている検査はいくつかありますが、時間制限のある40代の治療においては、最優先事項を主治医と話しながら進めてください。




Doctor’s Advice


●まずは採卵することを第一に。
●そのほかの検査はタイミングをみながら主治医と相談して進めましょう。



 



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お話を伺った先生のご紹介





波多野 久昭 先生(ノア・ウィメンズクリニック)


日本医科大学卒業。ハンブルク大学産婦人科学教室留学後、日本医科大学婦人科学教室講師、飯田市立病院産婦人科科長を経て、2005年ノア・ウィメンズクリニックを開院。開院して10年、2015年10月からは電子カルテを導入。クリニックでは先生念願のドクター2人体制に。「これで患者さんの待ち時間がかなり減りました。来年以降2人体制をさらに本格化していきます」。


≫ ノア・ウィメンズクリニック


 


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.36 2017 Winter
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