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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは?

まとめ 不妊治療

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは?

卵巣の中に小さな卵胞がたくさんできて、ホルモン異常や排卵障害を引き起こすとされるPCOS。その原因や診断基準、治療法とは?

2018.1.23

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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)をドクターが解説


脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)のバランスが崩れ、慢性的に卵巣内の男性ホルモンが過剰となり、うまく排卵できない状態です。男性ホルモンが高いため、にきびや多毛といった男性化徴候がみられます。また月経周期が長い・不規則、無月経になるなどの月経異常があります。血液検査では男性ホルモンの高値を示し、FSHの基礎値が正常にもかかわらずLHが高くなります。超音波断層検査では、卵巣に数珠状につながった多数の小卵胞を認めます。原因はいまだ不明ですが、視床下部-下垂体、卵巣、副腎皮質の機能障害、インスリンの機能低下などがかかわるとされています。治療はクロミフェンなどの排卵誘発剤で排卵を促します。効果がない場合は腹腔鏡を用いてレーザーで厚くなった卵巣の表面に数箇所小さな穴を開ける方法(腹腔鏡下卵巣多孔術)が行われます。またインスリンの機能低下の場合には、糖尿病治療薬のメトホルミンを投与します。





"難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。"


ドクターが解説 !!生殖医療用語 一覧



PCOSの診断基準と症状について教えて


PCOSについては、2007年に新しい診断基準が作成されました。以下に示す、1~3のすべての条件を満たす場合、PCOSと判断します。


1.月経異常(無月経や稀発月経など)


2.卵巣の多嚢胞の変化


3.血中男性ホルモン高値、またはLH基礎値高値かつFSH基礎値正常


1は基礎体温、2は超音波による検査、3については採血による検査ですぐに診断 をつけることができます。生理がきていても10代の頃からPCOSの傾向があったかもしれません。毎月生理があっても1年を 通して1回も排卵していなかったというケースも。基礎体温をみれば月経に異常があるかどうかわかります。


PCOSの症状には、肥満や多毛、低音声など男性化する例もみられますみられます。あとは診断基準にあるようなホルモンの異常。その結果として排卵障害、不妊ということになります。


卵胞がたくさんできると、卵胞にある莢膜(きょうまく)細胞の男性ホルモン濃度が高まり、脳下垂体のLHなどのホルモンが上昇します。そうなると逆にFSHの分泌が抑制されてしまい、卵胞発育につながっていきません。卵胞の数が通常より多すぎると、排卵のリズムがうまく作られなくなってしまうのです。



"PCOSの原因や診断基準、治療法などについて、俵IVFクリニックの俵史子先生にお話を伺いました。"


PCOSとはどんな病気?



お話を伺った先生のご紹介

俵IVF クリニック 俵 史子先生


浜松医科大学医学部卒業。総合病院勤務医時代より不妊治療に携わり、 2004年愛知県の旧竹内病院トヨタ不妊センター所長に就任。2007年、静岡市に俵IVFクリニックを開業。静岡駅前に移転し、3月9日に最新の設備を備えた施設をリニューアルオープン。最近は運動不足を解消するために週2~3回スポーツジムへ。高温多湿の部屋で体を動かすプログラムはかなりハード。終わるとヘトヘトになるそうですが、汗をかいてすごく気持ちがいいそう。

≫ 俵IVFクリニック

PCOSの排卵誘発法、どんな方法がいいの?




相談者:ことことさん(33歳)からの投稿


「PCOSの排卵誘発法について」


不妊原因はPCOSと両卵管閉塞です。1人目は1回の採卵、移植で授かりました。2人目に挑戦して3年。採卵を8回していますが、良い受精卵がなかなか育たず、移植は3回です。排卵誘発法は薬と注射を組み合わせていろいろ試しました。PCOSということもあり、刺激は慎重に行ってもらっていました。ですが、なかなか結果が出ないので転院する予定です。転院先の有名な不妊専門クリニックで排卵誘発法を聞いてきました。生理2日目で左右各10個以上の卵胞がありましたが、5日目からFSH150単位を5日間、それからはアンタゴニストと必要であればHMGを追加すると言われました。OHSSを経験しているので、注射が強すぎるのでは? と確認しましたが、低刺激だと卵胞が育たないと言われました。どの排卵誘発法がいいかアドバイスをいただけますか?



"OHSSのリスクを回避しつつ前回より少し強めの刺激法もいいと思います。"


PCOSの排卵誘発法、どんな方法がいいの?



お話を伺った先生のご紹介

田村秀子婦人科医院 田中 紀子 先生


京都府立医科大学医学部大学院修了。医学博士。2年間のアメリカ留学、扇町ARTレディースクリニック勤務を経て、2008 年3月より「田村秀子婦人科医院」勤務。生殖医療の現場に長年携わった経験から、近年は女性の心と体の健康をサポートする女性医療への関心が高まり、学会、勉強会などに積極的に参加。「留学中にアメリカで食べたあの味を再現したい!」と突然思い立ち、ベーグル作りにハマっているという先生。持ち前の探究心を発揮し、一人の世界に没頭できる時間は、日々のストレス解消にもなっているそうです。

≫ 田村秀子婦人科医院

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