HOME > 女性の健康 > 女性のがん > 女性のがんをよく知っておきましょう
HOME > 女性の健康 > 女性のがん > 女性のがんをよく知っておきましょう

女性のがんをよく知っておきましょう

インタビュー 女性の健康

女性のがんをよく知っておきましょう

日本人の2人に1人はがんにかかる時代といわれ、妊活中の女性にとっても他人事ではありません。そこで女性特有のがんについて、がんの診断に大切な役割を果たす「細胞診」の検査資格をお持ちの婦人科医・石川てる代先生にお話を伺いました。

2018.3.16

あとで読む

女性特有のがん、知っている?




生殖器や乳房など女性特有の臓器がんがあるのをご存知ですか? 主なものには子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、乳がんがあります。がんという病気は、何かしらの原因によって臓器の細胞に異常が起きてがん細胞ができ、長い時間をかけて無限に増殖して大きなしこり(悪性腫瘍)をつくるものです。進行すると、周囲や遠くの臓器に転移してしまうことが多くあります。


 


子宮頸がん


子宮の入り口にあたる頸部にできるがんです。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって、細胞の異常が起こり、がん細胞が発生します。初期では自覚症状がないため、定期検診が重要です。セックス時に出血したり、月経以外で出血が続いたりする場合は保険診療で検査が受けられます。


 


子宮体がん


子宮の体部にできるがんで、子宮内膜がんともいわれます。エストロゲンホルモンの影響などによって、内膜が異常に増殖してがん細胞が発生します。月経以外の出血が度々ある、閉経したにもかかわらず性器出血が続く場合は検査が必要です。


 


卵巣がん


卵巣の表面や卵子のもとになる胚細胞などにできるがんです。排卵によって卵巣の表面の傷ついた部分や、卵巣チョコレート嚢胞などからがん細胞が発生しやすいといわれています。自覚症状はほとんどなく、腹痛や張りなどの自覚症状があるとすでに進行した状態で見つかることが多いのです。


 


乳がん


乳房の乳管や小葉という組織にできるがんです。エストロゲンホルモンの影響によってがん細胞が発生し発育するといわれています。自覚症状はしこりや痛み、乳首からの分泌物や出血などです。


 


がん細胞の発生には、子宮頸がん以外は女性ホルモンの一種、エストロゲンが少なからず関わっています。妊娠・出産経験がない、出産回数が少ない、肥満や閉経などの条件によってエストロゲンが長く出ている状態の女性はがんになる危険性が高いといわれています。ほかに遺伝や生活習慣、食事、喫煙、ホルモン治療なども関係していると考えられます。


細胞に異常がないかを調べる検査方法は?


がんがないか調べるためには、細胞診と組織診の2つの検査方法があり、病理検査ともいいます。専用の検査器具や手術(腹腔鏡や開腹)で採った細胞や組織、臓器を顕微鏡で調べます。


 


細胞診


自治体や職場のがん検診で行われる検査方法で、細胞の状態を「正常」か「疑わしい」かで大きく振り分けるもの。体への負担が少ない検査です。
婦人科医が内診を行い、ブラシなどを使って子宮頸部、子宮体部の細胞を採ります。
乳房はマンモグラフィや超音波の画像検査で異常を疑った場合、外科医が乳房に注射針を刺して細胞を採ります(穿(せん)刺(し)吸引細胞診)。
卵巣はお腹の中にあるため、残念ながら直接細胞は採れません。がんが進行すると腹水がたまることがあり、その場合は婦人科医がお腹や胸に注射針を刺して腹水を採ります(腹水細胞診)。


 


組織診


細胞診で疑わしい結果になった場合、さらに詳しく調べる精密検査です。
専用の検査器具で細胞のかたまりを削り採ったり、手術で臓器を採って、専門知識を持つ病理医師が顕微鏡で調べます。細胞診に比べて体への負担が大きい検査です。


 


細胞診ができない卵巣や、極めてがんの疑いが高い時には、組織診と治療を兼ねた手術を行うこともあります。執刀医が採った臓器を、病理医師が即時に調べ(術中診断)、がんだった場合は治療手術へと切り替え、患部を適切に切除します。
検査で採った細胞や組織には、悪性・良性のほかに境界悪性という中間のタイプもあります。最終的ながんの診断のためにはMRIやCT、超音波などの画像検査、血液検査も行われます。


自分でできる、がんの予防は?


自治体や職場などの検診を定期的に受けることや、がん細胞を排除する免疫力を高めることが自らできる予防でしょう。


子宮頸がん、子宮体がん、乳がんは検診によって、早期発見・早期治療が可能な病気です。自治体などの補助によって検診を受けられるので、対象年齢の女性は自ら行動して欲しいと思います。


 


免疫力は誰の体にも備わっていて、じつは日夜1~2個のがん細胞を排除しています。免疫力は睡眠時につくられるので、十分な睡眠は免疫力を高め、がん細胞を抑える効果も高いといえます。 逆に、睡眠が足りていない生活は、知らぬ間にがん細胞の発育を許すことにつながります。30~40代の働き盛り世代は睡眠が不足しがちですが、家事を工夫したり、メールやテレビを控えるなどして、少しでも多く眠ることをおすすめします。


 


また、免疫力は過度な精神的ストレスでも落ちます。ストレス発散と免疫力アップの効果がある「ちょっと苦しい」くらいの運動もおすすめ。
検診、睡眠、運動の習慣をとりいれて、がんの発生を予防しましょう。


 





検診のインフォメーション/まとめ


自治体などによって無料(少額の自己負担金があることもある)検診があるのは子宮頸がん、乳がんになりますが、40歳以上の女性で不正出血がある場合は、無料で子宮体がん検査を受けられるところもあります。自治体などに問い合わせてみると良いでしょう。
卵巣がんは早期発見が難しく、ひじょうに悩ましい病気です。自費になりますが子宮頸がん検診の時に、超音波検査と血液の検査を受け、卵巣の状態を知っておく方法があります。卵巣チョコレート嚢胞のある人は3か月に1回は超音波検査を受けてください。

 





お話を伺った先生のご紹介

石川 てる代 先生(石川てる代ウィメンズクリニック院長)


1978年、千葉大学医学部卒業。千葉市立病院、千葉大学病院、九段坂病院での勤務を経て、1993年より国分寺市に石川てる代ウィメンズクリニックを開院。医学博士。日本産婦人科学会産婦人科専門医。日本臨床細胞学会細胞診専門医。クリニックには10~90代まで幅広い年齢層の女性が受診。その年代の病気や不調に日々向き合う。プライベートは読書でリフレッシュする。小説が大好きで芥川賞、直木賞の受賞作品はほとんど読んでいる。

≫ 石川てる代ウィメンズクリニック

image


あとで読む

この記事に関連する記事

この記事に関連する投稿

女性のためのジネコ推薦商品

最新記事一覧

Page
top