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高齢出産のライフプラン─産前から知っておきたいこと

インタビュー 女性の健康

高齢出産のライフプラン─産前から知っておきたいこと

今や35歳以上の「高齢出産」は珍しくない時代へ突入。そんな高齢出産について「産んだあとのライフプランもぜひイメージしてほしい」という広尾レディースの宗田聡先生。
具体的にはどういうイメージが必要なのかについて伺いました。

2018.5.8

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社会学的には変化しても、医学的には変わらない女性の体




     約30年前、日本では35歳以上で出産することを「高齢出産」と呼ぶようになりました。


そのころの高齢出産比率は約5%で、とても珍しいことでした。


それが今では出産する女性の約25%、つまり4人に1人は高齢出産という時代に変化。


都心部のある病院では約半数が高齢出産と言われるほどです。


 


このように、社会的には仕事のキャリアを積み、落ち着いてから出産することが普通になってきていますが、35歳を過ぎてから産めると言っても、医学的な観点で見れば昔と同様、妊娠に適しているのはやはり20代です。


 


     40代後半から更年期が始まり、50歳前後で閉経していくという生殖年齢は昔からなんら変わっていません。


更年期は、今まで感じなかった身体的トラブルが発生する時期です。


20代で出産していれば、更年期のころに子どもは成人しますが、高齢出産の場合、子育てで一番忙しい時期と更年期が重なってくるため、身体的な負担が若い人より大きくなることを知っておきましょう。


20代の出産、高齢出産、何が違う?


    20代で出産した場合、おそらく親は50代でたいていの人は大いに実家のサポートを受けられます。


また母親自身も若く、社会的なストレスなどがあまりない時期に産めると、メンタルも元気なことが多いものです。


 


     一方、40代で出産した場合、親はだいたい70代であるため、介護問題なども含めて実家のサポートを受けにくい状況になっていることもあります。


また、母親自身が長い社会人生活のなかで何らかのストレスにさらされ、妊娠前から「うつ」などメンタルの問題を抱えている人も少なくありません。


 


    この「うつ」は産後に発生することも珍しくなく、10人に1人がかかると言われています。


 


全国で出産時の母親の死亡が1年間で約30人と昔に比べて激減しているにもかかわらず、産後に自殺する人が東京都だけでもこの10年間で約60人いるという事実は、大変ショッキングな数字で、「産後うつ」にかかる人がどれだけ多いかが想像できます。


 


高齢で出産する母親は社会的なプライドがあって、なかなか人の言うことを素直に受け入れられない、産前から仕事などで忙しく近所との付き合いも希薄、社会復帰への焦りが強まりがち……など様々な理由から「産後うつ」になるリスクが上がってくると言われています。


また、もともと「うつ」を抱えていた人が、産後に再発するというケースもあります。


 


    このような背景から、自治体によっては産後1か月健診だけでなく、産後2週間健診を始めたり、市町村で子育て相談の窓口を作ったり、電話相談を受けたりする取り組みもスタートしましたが、まだまだ発展途上の段階です。


妊活の時から、ご主人や周囲のサポートをお願いして


   「産後うつ」というのは、産婦人科でも精神科でも、まして小児科でもなかなか診察してくれることが少なく、一体どこに相談したらよいのかわからないのが現状です。


 


そこで、まずは地域の保健師さんや保健所に相談してみましょう。


ただ、自分で気づくことはなかなかできないものです。


でも、人から見ると表情が硬い、ぼーっとしている、赤ちゃんが泣いていても無関心、など必ず何らかのサインがあります。


 


大事なのは、このサインに周りが気づいてあげることです。


 


そのためには、妊娠中からご主人にもこのようなことが起こりうることを知っておいてもらい、協力を得ること、また、ご近所や地域のコミュニティに積極的に参加して、自分とかかわってくれる人を多く見つけておくのも大事なことです。


 


   高齢出産の年代に入っている方は、ぜひ身体的、精神的な負担も考えながら産後のプランも賢く立ててください。


 


まとめ




   高齢出産はまず、妊娠すること、出産することがゴールだと思いがちですが、その先のライフプランを考えることも大事です。子どもに一番手やお金がかかる時期に、健康面、金銭面、精神面で、夫婦でどれだけ協力できるかイメージしておくことがとても大切です。


お話を伺った先生のご紹介

宗田 聡 先生(広尾レディース 院長)


筑波大学卒業後、同大産婦人科にて研修。平成9年より筑波大学講師として臨床・研究・教育に従事。Tufts大学(ボストン)遺伝医学特別研究員として留学後、水戸済生会総合病院産婦人科部長・茨城県周産期センター長(筑波大学産婦人科臨床准教授兼任)、 パークサイド広尾レディスクリニック院長を経て、平成24年 広尾レディース院長に就任。現在、筑波大学大学院人間総合科学研究科非常勤講師。不妊、うつに関する著書も多数。著書に『これからはじめる周産期メンタルヘルス』等。


≫ 広尾レディース

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