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4人目が欲しい45歳。基礎体温が不安定ですが漢方以外にできることは?

コラム 不妊治療

4人目が欲しい45歳。基礎体温が不安定ですが漢方以外にできることは?

これまで自然妊娠で3人を出産。4人目が欲しいけど、無排卵の可能性も。45歳でも妊娠・出産は可能? 田中先生に伺いました。

2018.5.23

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これまで自然妊娠で3人を出産。4人目が欲しいけど、基礎体温が不安定で無排卵の可能性も。45歳でも妊娠・出産は可能でしょうか? それとも高齢だからもう諦めるべき? 田村秀子婦人科医院の田中紀子先生に伺いました。




※2018年5月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.38 2018 summer」の記事です。


 


 





相談者:なぎのつきさん(45歳)からの相談


もう1人、妊娠・出産したいのですが、なかなかできません。1人目は、子宮内膜炎で精子が通りにくいとのことで、抗生物質で治療後、37歳で自然妊娠・出産。その後、38歳で再び子宮内膜炎の治療後、38歳で妊娠するも流産。39歳と42歳で自然妊娠・出産。3人目を出産後、2年間授乳して生理再開後からトライしています。当帰芍薬散を服薬し、基礎体温をつけていますが、高温、低温が上下して安定していません。排卵していないのでしょうか? 高齢なので自然妊娠は難しいと、漢方薬以外のことはしてくれそうにありません。病院を変えたら相談にのってくれるところはありますか? 高齢で3人もいるし、諦めたほうがいいのでしょうか? でも、もう1人諦められません。


●これまでの治療データ


【検査・治療歴】過去2回、子宮内膜炎のため抗生物質を服用
【不妊の原因となる病名】不明
【現在の治療方針】当帰芍薬散、葉酸を服用
【精子データ】不明(1人目の検査では問題なし)






Doctor’s advice


●年齢とともに卵子は老化しています。
●卵巣機能の低下や妊娠後のリスクも。
●どこまで治療したいのか先生と相談を。




お話を伺った先生のご紹介

田中 紀子 先生(田村秀子婦人科医院)


京都府立医科大学医学部大学院修了。医学博士。2年間のアメリカ留学、扇町ARTレディースクリニック勤務を経て、2008 年3月より「田村秀子婦人科医院」勤務。

≫ 田村秀子婦人科医院

過去2回、子宮内膜炎の治療をされています。どのようなことが考えられますか?再発の可能性はあるのでしょうか


子宮内膜炎は腟や子宮頸管内の細菌やクラミジアなどの感染症が頸管を通じて子宮内膜に炎症を起こした状態で、治療は抗生物質で行います。進行すると卵管まで炎症が広がり、卵管の閉塞や癒着などを起こす危険性もあり、より妊娠に悪影響を及ぼす可能性が出てきます。
外来では、腟内と子宮の入口(子宮頸管)あたりに炎症があることはよく経験しますよ。腟炎や子宮頸管炎が起きた場合、痛みや痒みの他、悪臭のあるオリモノなどの自覚症状がでてきます。通常排卵前から排卵までは子宮頸管から透明な分泌物(頸管粘液)が増え、精子が子宮の中に入りやすい状態になるのですが、もし炎症がある場合増量したオリモノの影響で頸管粘液に精子が入りにくくなってしまいます。抗生物質の腟錠や内服薬で治療し改善することで、排卵期の透明な分泌物もわかりやすくなります。ただ、治療しても再発はしやすいですね。
子宮内膜炎を予防する意味でも、まずは腟炎や子宮頸管炎の段階でしっかり治療することはとても大事ですね。


出産ジャーナリストの河合蘭さんによると「大正14年には、45歳以上の母親から生まれた子どもが約2万人い た」そうです。出産経験のある人は、45歳でも妊娠の可能性はあるのでしょうか?


医学的な根拠はわかりませんが、出産経験のある45歳の方と、出産未経験の45歳の方では少し実態が異なるような気はします。昔の人は今より初産年齢も早く、若い頃からお子さんを続けて産んでおられることもありました。出産経験のある状態なら、45歳になっても妊娠する可能性はあるかもしれませんね。一方、高齢で流産の割合が増えるのは現代と変わらないと思いますので、当時の流産数はわかりませんが、分娩に至らなかったものも相当数あったのではないでしょうか。


妊娠中のAMHはどう変化するのでしょうか? また、卵子は老化しないのでしょうか?


AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、卵巣内の前胞状卵胞から分泌される物質で、AMHが高いほどこれから発育する卵胞が多いことを示します。卵子は卵胞内に存在するので、AMHは排卵の可能性のある卵子がどれだけ残っているのかを表し、卵巣の予備能を反映すると考えられています。
ある研究論文によると、妊娠中はAMHが低下し出産後しばらくすると回復するとあります。妊娠中は卵胞の発育が抑制されるのでAMHが一時的に低下し、そして出産後に卵胞発育が回復するとまた妊娠前の状態に戻ることを表しています。
妊娠により卵胞数は変化しませんが、卵子の老化については別です。卵子は女性が生まれる前から卵巣内に存在するものなので、残念ながら年齢とともに老化すると考えられていますね。


病院によって患者さんの年齢制限はあるのでしょうか?先生はどのようにお考えでしょうか?


当院では年齢にかかわらず、妊娠を希望される方、一人一人の気持ちに寄り添いながら応援していきたいと思っています。長い間不妊治療をし、体外受精もしたけれど、それでも諦められないという方はいらっしゃいます。その方のお気持ちを大切にしたいですね。
なぎのつきさんについては、どこまで治療をして4人目のお子さんを望んでいらっしゃるのか、そこを相談しながらになると思います。もちろん45歳の妊娠率は高くないので、簡単なことではありません。卵巣の機能も低下し卵子の老化も起こり、妊娠しても染色体の異常や流産のリスクが高くなります。また妊娠継続する場合でも、超高齢出産により産科合併症のリスクが高くなります。
そのような現実をお話したうえで、卵巣機能に配慮し、少量のお薬を使った自然に近い方法で卵胞発育をアシストしていくことをまずは提案します。年齢を考えると、体外受精を提案する病院もあるかもしれません。体外受精も含め、治療方法を決めるのも、最終的に治療を終えるかどうかも、ご本人のお気持ち次第だと思います。十分に納得し受け入れる時まで、お気持ちに寄り添いながらお手伝いをしていきたいですね。


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