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子宮内膜症の症状が改善しないのはなぜ? 原因と治療方法について

インタビュー 女性の健康

子宮内膜症の症状が改善しないのはなぜ? 原因と治療方法について

女性の10人に1人は罹患するといわれている「子宮内膜症」。治療を始めてもなかなか症状が改善しないという人も少なくないようです。どのような病気なのか、またどんな治療法が有効なのか、戸塚共立レディースクリニックの清河康先生に教えていただきます。

2018.7.6

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子宮内膜症とはどんな病気? その原因は?




妊娠に備えて毎月子宮の内側に形成され、月経時に剥がれて排出される組織を子宮内膜と呼ぶのですが、子宮内膜症はその子宮内膜が本来あるべき場所以外にも発生してしまう病気です。子宮の筋肉や卵巣の中、腸の表面や骨盤、腹膜にできるケースもあります。また、1カ所にとどまらず、あちこちに発生するという特徴ももっています。良性疾患ですが、悪性疾患のようにたちの悪い疾患ともいえます。


 


子宮内膜症の原因はまだ明確には解明されておらず、諸説あります。一般的によくいわれているのは「月経血の逆流説」です。その内容は、通常、月経血は腟のほうから下りて外に出て行くのですが、何かしらの原因で卵管を通ってお腹の中に逆流し、その内膜が骨盤の中にへばりついて、そこから病変がどんどん広がってしまい、子宮内膜症になってしまうというものです。


 


現在、子宮内膜症の罹患率は10人に1人といわれています。近年とくに増加傾向にあり、その原因は欧米型の食生活やストレス、アレルギーなどにあるとされていますが、一番の原因は晩婚化や少子化など、女性のライフスタイルの変化ではないでしょうか。


 


女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには子宮内膜を作る働きがあり、卵巣で卵胞が成熟する際に分泌されます。そのため、妊娠をするとその間新たな卵胞が成熟することはないため、分泌量は低下して病気が進行することはありません。戦前・戦後など昔は多産傾向で女性の妊娠期間は長かったのですが、今は一生に1人子どもを産むかどうかという状況です。それゆえ、子宮内膜症も増えているのではないかと考えられています。


 


子宮内膜症を早期に発見するためには、定期的な婦人科検診や子宮がん検診が有効です。生理周期が不順だったり、生理痛がひどい人は検診の際に超音波検査も受けることで、卵巣チョコレート嚢胞(卵巣にできる子宮内膜症)などの有無もチェックできます。


 


 


子宮内膜症の症状と治療法


子宮内膜症はさまざまな場所で起こる病気であり、症状も多彩です。そのなかでも下腹部の痛みを訴える人が多いのですが、初期の場合は症状がまったく出ないケースもあり、それが発見を遅らせる要因になっています。


すでにチョコレート嚢胞が形成されていると生理の度に強い痛みを感じるほか、骨盤の中にあちこちに広がった内膜が臓器同士の癒着を起こすと、排便痛や性交痛が出ることもあります。
痛みがなくても「なかなか妊娠しづらい」という場合には、その背後に子宮内膜症が隠れているケースもあります。通常の夫婦生活を送っていて2年間妊娠しなければ、この病気が原因であることも考えられます。


 


子宮内膜症の検査方法は超音波検査がおすすめですが、初期ではすぐに見つからない場合もあります。ただし、継続的にみていけば子宮の形や卵巣内の変化など、ちょっとした所見が注意喚起につながるので、やはり定期的な検診が有効でしょう。


治療法に関しては、子宮内膜症の場合、痛みが患者さんの大きな負担になりますから、痛み止めを使うことから始まります。通常の痛み止めだけで効かない時には漢方薬を併用したり、場合によってはホルモン療法を行うこともあります。
ホルモン療法はピルなどを使って女性ホルモンを押さえ込み、症状の緩和につなげる治療法ですが、ピルにはまれながら血栓などの副作用があるため、十分な問診のもとで慎重に投与します。高血圧、喫煙(15本/日)、肥満、高齢(40歳以上)などの方は心筋梗塞や深部静脈血栓症のリスクが高くなるため、投与禁忌の対象です。また、妊娠を望んでいる方には、ピルは排卵を抑制するため投与しません。


 


子宮内膜症は治る病気?


あまり痛みがないからといって、検査や治療を行わず放置しておくのはよくありません。一番恐いのは不妊や子宮外妊娠です。20代で婦人科検診や子宮がん検診を受けないでいると、十数年間子宮内膜症を育ててしまうということになりかねません。子宮内膜症が重症化すると不妊につながることも増えるため、30代で結婚して、いざ子どもが欲しいと思ってもなかなかできないというケースもあります。


 


子宮内膜症は、エストロゲン分泌が低下する40~50代になればもう大丈夫! とは言いきれません。進行してしまった子宮内膜症を抱え込んだままでいると、不定愁訴ともとられがちな、癒着などによる下腹部の違和感に悩まされることもあります。また、チョコレート嚢胞の悪性化のリスクが20~30代とくらべ6~7倍にまではね上がりますので、卵巣がんの合併に注意する必要があります。


 


卵巣チョコレート嚢胞の治療には、嚢胞を摘出する手術療法もありますが、手術後の再発率は高く、30~40%といわれています。つまり、子宮内膜症は完治や自然治癒が難しく、罹患したらずっとつき合っていく病気となりますが、年代ごとにその人が望むライフスタイルに合わせて何を優先していくかを見きわめ、それに適した治療法でうまくコントロールしていけば乗り切ることは可能だと思います。そのためには婦人科を受診して早期に相談・検査を行い、早め早めに対処をしていっていただきたいですね。


 





清河先生より まとめ



婦人科に行きづらいという人は、20歳以降に受ける2年に1回の子宮頸がん検診時に医師に相談してみるのもひとつのきっかけになると思います。





お話を伺った先生のご紹介

清河 康 先生(戸塚共立レディースクリニック 院長)


千葉大学卒業。慶應義塾大学病院産婦人科、佐々総合病院を経て、平成29年より現職。日本産科婦人科学会専門医。日本周産期・新生児学会会員。母体保護法指定医。戸塚共立レディースクリニックは分娩や手術にも対応する女性のトータルヘルスケアを提供する施設として、平成29年4月に新規開院。


≫ 戸塚共立レディースクリニック

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