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育ちすぎた卵胞。ひょっとしてLUF?

専門医Q&A 不妊治療

育ちすぎた卵胞。ひょっとしてLUF?

不妊治療中でクロミッドを服用中。D30で45mmの卵胞が見えたことでLUFの可能性と、次回の生理への影響、今後の治療法について赤坂レディースクリニックの下川 理世先生にお話を伺いました。

2018.7.30

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相談者:らすくさん(34歳)



現在、クロミッド+タイミング指導で3人目の不妊治療をしているものです。1人目と2人目は、クロミッド+タイミング指導1周期目で妊娠することができました。
しかし今回は、1周期目は卵胞が育たず(D26でも8㎜程度から動かず)にリセット、2周期目(今期)はD21で卵胞は20mmに育ち、D23とD24に排卵検査薬が陽性に。タイミングもとりましたが、D26で卵胞が25mmになっていたので、HCG5000をうってもらいました。そしてD30の本日再度見てもらいましたら、45mmにまでなっていました。

医師から「こういう破裂しない卵胞がたまにあるんですよね。」と、未破裂卵胞のようにいわれ、「生理が来たら来院してください」とわれましたが、自分ではLUF(黄体化未破裂症候群)なのではないかと心配しています。こんなに大きければ、生理が来ても消滅はせずに残ってしまい、3周期目は見送らなければならなくなるのではないかと不安です。基礎体温はもともと二層性ではなく、よくわからないのですが、36.7くらいです。

また、今回は注射によるリセットではなく、自然に生理が来るのを待ちましょうと言われたのですが、ただでさえ自力で生理が来ることはほぼないのに、まして卵胞が残ったままで自然に生理が来るのか、いつまで自然な生理を待てばよいのか不安で仕方ありません。
ただの未破裂卵胞だとしても、45mmまで育ってしまった卵胞が、次回の生理で自然に消滅するのか?
1周期目も2周期目も排卵までたどり着けなかったことで、クロミッドが効かないからだになってしまったということは考えられるのか?このような状態で自然に生理はくるのか?とっても不安です。





この場合、LUFの可能性はありますか?


LUFとは、「黄体化未破裂症候群」といって本来排卵されるべき卵子が何らかの理由で、破裂、排卵されずに卵胞が卵巣に残ってしまう状態をいいます。LUFになる原因は、卵巣壁が固くなりすぎて破裂、排卵できない、卵管閉塞などさまざまなことが言われていますが、明らかな原因はまだわかっていないのが現状です。


 


排卵誘発剤接種後のD30で45mmの卵胞が見えたということ、医師の「こういう破裂しない卵胞がたまにあるんですよね」という言葉からLUFではないかと心配されていますが、超音波検査だけでは核のある卵胞なのか、排卵済みの卵胞の残像なのかは判断がつかないこともあります。この文面からわからないのですが、卵胞か残像かは血液検査をするとはっきりするので、まだ血液検査をやっていないのであれば、検査をするのが望ましいでしょう。


 


らすくさんの場合、排卵を誘発するクロミッドを服用しているのと、卵胞が25mmになったD26に排卵誘発剤HCG5000を注射してます。通常、HCG5000を注射した場合、16mm以上の大きさになっている卵胞は36時間後に排卵されるので、恐らく排卵済みの卵胞の残像が見えているのではないかと考えられます。


 


「生理が来たら来院を」と言われたが、きちんと生理が来るのか心配です……


上記でも述べたように通常、D26にHCG5000を接種していると16mm以上の卵胞は36時間後に排卵されます。排卵されると黄体ホルモンは分泌され、子宮は受精卵を受け入れるために内膜を厚くしていきますが、妊娠が成立しないと、子宮内膜などがはがれ落ちるため接種してから2週間後に自然と生理が来ます。


 


もしLUFであったとしても多くの未破裂卵胞は自然と消滅するので、次の生理は来ると考えていいでしょう。2週間しても生理が来ない場合は、一度そのタイミングで受診をしてみてください。妊娠が成立している可能性も充分に考えられます。


 


クロミッドを長く服用すると効きづらくなることはありますか?


クロミッドに限らず、薬は年齢やその時の体の状況によって反応が異なるケースがあります。例えば同じ人が同じ薬を25歳の時に服用するのと、30歳の時に服用するのでは、体内環境も違っている可能性が高いので、必ずしも同じ反応や効果が得られるとは限りません。そのためうまく効果が得られないと感じた時は薬を変えてみるのも方法の1つです。


 


今回のらすくさんの場合は、1周期目は卵胞が育っていなかったようですが、今周期は25mmまで育っているところを見ると、もう1回クロミッドを使ってみてもいいのではないかと思います。また、薬を変える前にきちんと排卵されているかを確認するために、血液検査をすることをおすすめします。


 





下川先生より ひとこと


「妊娠の可能性も充分にあります」
らすくさんはLUFの可能性を心配していますが、排卵検査薬陽性後の良いタイミングでHCG5000を接種しているので、妊娠されている可能性も充分にあります。診察されている医師が「こういう破裂しない卵胞がたまにある」という発言の前に血液検査をしているかが気になりますが、お1人目、お2人目もクロミッド+タイミング指導1周期目で妊娠、出産されている実績を信じて、悪い方に考えないように過ごすようにしてください。生理が来たらその時ですが、来ない場合は接種後2週間を目安に受診をしましょう。





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お話を伺った先生のご紹介

下川 理世 先生(赤坂レディースクリニック 院長)


福岡県出身。山口大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部産婦人科、静岡赤十字病院産婦人科、市川総合病院産婦人科リプロダクションセンター、湘南IVFクリニック(現 メディカルパーク湘南)を経て赤坂レディースクリニックへ。不妊治療に関しては一般不妊治療から体外受精、顕微授精など高度生殖補助技術まで行う。親切丁寧でわかりやすい説明を心がけながら、医学的根拠に基づいた的確な診療を行っている。清潔感があり、リラックスできる雰囲気のクリニックは患者さんからも好評。

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