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左側の卵管が閉塞していて卵管水腫の疑いもあり。今後の治療はどうすればいい?【田中雄大先生】

左側の卵管が閉塞していて卵管水腫の疑いもあり。今後の治療はどうすればいい?【田中雄大先生】

2011夏

2011.6.3

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■送信者:みぃみぃさん(36歳)からの投稿
■件 名:子宮卵管造影検査の結果について
昨年1月に妊娠したものの流産してしまい、その後なかなか妊娠しないので、不妊治療を始めました。先日、子宮卵管造影検査をしたところ、左卵管閉塞とのことでした。右の卵管は問題ないので右の排卵でタイミングをとり、難しければ体外受精と言われています。今周期は閉塞している左からの排卵で、妊娠は難しいので、「生理5日までに来てください」と言われました。今後はどのような治療になるのでしょうか?また「左に水がたまっている」と言われ、インターネットで調べたところ、卵管水腫という病気を知りました。もし卵管水腫ならば、手術をせずにこのままタイミングをみても大丈夫なのでしょうか?

ジネコ:次の診察が生理5日目というのは、どのような治療が考えられますか?
田中先生:5日目ということは、医師は排卵誘発剤を使おうと考えているのではないでしょうか。左の卵管が詰まっていると、左から排卵した場合は何もしようがありません。自然のままですと、左右どちらから排卵するかわからないので、両方から排卵させるために誘発剤を使い、右からも最低1個は排卵する状態をつくりたいのだと思います。

しかし、排卵誘発剤を使っても必ずしも右側から排卵するとは限りません。薬の量にもよるのですが、詰まっている左側から3個排卵して、右からは1個も排卵しないということもありうると思います。
ジネコ:他に何か効果的な治療がありますか?
田中先生:当院では、FT法(卵管鏡下卵管形成術)をおすすめします。

これは、細い内視鏡を腟から子宮へ挿入して卵管に近づけ、バルーン(風船)を内蔵したカテーテルを腟から卵管に挿入して、狭くなった箇所でバルーンを膨らませ、卵管を広げる方法です。診断が卵管閉塞だけであれば、FT法で自然妊娠の確率は確実に上がります。卵管閉塞で体外受精しか方法がないといわれていた方でも、FT法で自然妊娠されることが多々あります。日帰りで15~20分で手術でき、合併症もほとんどありません。
ジネコ:左に水がたまっているとのことですが、卵管水腫なのでしょうか?
田中先生:これは、水がたまっているのが、卵管か卵巣かでまったく違ってきます。卵管に水がたまるのが卵管水腫、卵巣に水がたまるのが卵巣ハV腫です。超音波では100%確認するのが難しいこともあり、MRIといった補助診断を活用する場合もあります。この相談内容だけでどちらなのかを判断するのは難しいですが、卵管だとすると卵管水腫の可能性があると思います。

卵管水腫は確実に妊娠を妨げる原因になりますので、治療が必要です。卵管水腫があると体外受精の妊娠率を下げることも明確で、着床率が10分の1になるというデータもあります。この理由は、たまった水が子宮に逆流し、せっかく移植をした胚を流してしまうからです。また、常に炎症があるので、炎症が波及していってしまい、移植をしても着床しないということです。
ジネコ:どのような治療が必要ですか?
田中先生:卵管水腫で炎症があると機能回復することが少ないので、切除する場合が多いです。手術は腹腔鏡で30~40分でできます。ただし、卵巣であれ卵管であれ、生理の周期によって水がたまったりなくなったりをくり返していますので、何度か経過をみることが必要だと思います。

田中 雄大 先生



慶應義塾大学医学部卒業。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。大和市立病院産婦人科勤務、内視鏡手術の専門病院を目指した矢崎病院婦人科での勤務などを経て、2009年、矢崎病院に不妊治療専門の湘南IVF クリニックを開設。聖マリアンナ医科大学非常勤講師。B型・かに座。内視鏡手術と体外受精を、車の両輪のような相補的な関係であると考え、この2つがうまく噛み合った理想の不妊治療の実現を目指している。




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