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「デリケートゾーン」の悩み ~においの原因と対策~

インタビュー くらし

「デリケートゾーン」の悩み ~においの原因と対策~

デリケートゾーンのにおいは何が原因なのでしょう? 蒸れやすい季節のにおいの原因、対策などを上田弥生先生に伺いました。

2018.8.22

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季節を問わず、デリケートゾーンのにおいを気にしている女性は多いようです。「生理の時期、生臭いにおいがする」「生理前にはにおいが強くなる」という方もいますが、デリケートゾーンのにおいはそもそも何が原因なのでしょう?暑くなり、蒸れやすい季節のにおいの原因、対策などを、天現寺SOLARIAクリニックの上田弥生先生に伺いました。




気になるデリケートゾーンのにおい。考えられる原因は?


デリケートゾーンのにおいには複数の種類があります。主なものとしては、汗が元となるにおい、月経血のにおい、腟炎のにおい、スソワキガ、きちんと洗えていないことで発生するにおいなどがあり、解消するには原因となっている要素を取り除く必要があります。


 


たとえば経血が原因の場合には、肌に合うナプキンを探し、こまめに取り替えるなどの対策でにおいは軽減します。汗が原因となるにおいについては、年齢やストレスによっても発生しやすくなります。若い人は代謝が盛んなので、その分、発汗にともなうにおいがきつくなりがちです。月経前、妊娠中で体温が高く汗をかきやすくなっている状態の方や、更年期で多汗状態の方などもにおいが増すことがあります。ストレスでも発汗しますので、そのためにおいが強くなることもあるでしょう。


 


ストレスは体にも負担がかかります。ストレスによって体の抵抗力が落ちるとカンジタなどにより腟炎が起きやすい環境になってしまいますので、においのエチケットだけでなく健康面からも注意が必要です。また、タンポンの取り忘れなどで不衛生な状態が続いても腟炎は起こるので、使用時間を意識するようにしてみてくださいね。


 


スソワキガは脇と同じく、においを出すアポクリン腺がデリケートゾーンにもあるために、そこから分泌されるタンパクや皮脂が皮膚の常在菌と混じり合ってにおいが発生します。


 


さらに、恐いのはにおいの原因が性感染症である場合です。一刻も早く治療することがにおいの解決にもつながります。おりものの変化やかゆみなどで体調の異変を感じたら、婦人科のクリニックを受診してみましょう。


 


 


これは病気? きついにおいの見きわめかた


まず大切なのは、自分の普段のにおいを知っておくことです。月経のある方は、バイオリズムによって変化するにおいや帯下の状態の変化を観察し、普段の状態を把握することをおすすめします。いつもと違うにおいなどがあるようなら、婦人科疾患の可能性もあるのですぐに受診してください。とはいえ、人と比較もしにくく、ご自分で正常か異常かの判断が難しいこともあります。婦人科検診もかねて、一度気軽に婦人科を受診して相談してみることをおすすめします。


 


お肌の曲がり角はデリケートゾーンにも訪れる


女性ホルモン分泌のピークは、おおよそ20代半ばぐらいです。診察していると、人によってはやはり30代くらいから外陰部のたるみ、くすみ、シワなどの変化がはっきりと出てくることもあるようです。それは腟内も同じことです。ご自分で気づくのは難しい場所ですが、その分、普段のケアをしているかしていないかで差が開きがちなところかもしれません。30代以降は、20代の頃と比べて月経量が減った、外陰部のかゆみなどのトラブルが増えてきた、月経周期が短くなってきた、子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮内膜症、ポリープなどがあると言われた、など、婦人科のトラブルが起きる方も確実に増えてきます。


 


これでにおいも解消 おススメのデリケートゾーンケア


デリケートゾーンは、毎日どんな風にあつかっているかでコンディションの差がでてきます。


 


毎日のことと言えば、まずトイレです。なるべくそっとふき取ることが大切で、きれいにしようとゴシゴシふきすぎるのは禁物です。シャワートイレも使いすぎないことをおすすめします。必要な潤いまでとれて、さらに常在菌も洗い流してしまい、感染トラブルを引き起こす可能性があります。どうしてもニオイが気になるようでしたら、トイレットペーパーで軽くふき取ってから、デリケートゾーン用のふき取りウェットシートがあるので、それでやさしくふきとるといいでしょう。また、ショーツは汚れたらこまめにとりかえることをおすすめします。ライナーをお使いの方は、ご自分の肌に合うものを探し、こまめに替えてください。


入浴の際は、刺激の少ない専用のソープでやさしくかつきちんと洗い、ソープ成分をきちんと洗い流すことが大事です。ひだの間、包皮、肛門回りなどを指の腹でそっと洗ってください。入浴後は、ぜひ保湿しておきましょう。


 


衣類も大事な要素です。ショーツの素材はできればコットンやシルクがおすすめです。ナプキンやライナー選びの際も通気性を意識してください。ぴったりした服を身につけると通気性が悪くなり、さらにデリケートゾーンの皮膚粘膜がすれてトラブルのもとになることがあります。


 


月経中は特に皮膚粘膜がデリケートになっているので気をつけましょう。ナプキンは蒸れてにおいがきつくなりがちなので、月経カップを使うという手もあります。また、月経が終わりかけの経血やにおいがどうしても気になったり、すでにナプキンかぶれなどでつらく、だらだら出血を早く終わらせたいようなら、ドラッグストアで販売している使い捨ての腟洗浄剤(ビデ)を使ってもいいでしょう。


 



においで悩む女性の根本的な対策は


デリケートゾーンというより全身のにおい対策につながってきますが、入浴時に湯船につかったり運動をするなどして普段から汗をかいている人や、肉食に偏らず食事のバランスがとれている人、ニンニクなどの香辛料をひかえている人、ストレスが適度な人、無理なダイエットなど体に負担のかかることをしていない人の方がにおいが少なくなる傾向があります。普段の生活で何かひっかかるものがあるようなら、できることからやってみてはいかがでしょうか。


 


また、アロマケアを取り入れてみるのもいいでしょう。座浴という方法があります。キャリアオイルあるいはバスオイルにティートリーやラベンダーなどの精油を少し入れてお湯に溶かし、そこにお尻をつける方法です。薄く希釈したオイルを直接塗布している方もいらっしゃいますが、皮膚粘膜の状態をみながら無理のない範囲で行ってください。


 


カンジダの予防としては、カモマイル・ジャーマンウォーターあるいはレモングラスウォーター(※)をデリケートゾーンに塗布するのもいいでしょう。


 ※アロマウォーターの一種。アロマウォーターはハーブを水蒸気蒸留して抽出する水溶性の液体であり、同時に発生する脂溶性のアロマオイルよりも刺激が少ない。精製水にアロマオイルを入れて作るアロマミストとは別なものなので要注意。


 



お話を伺った先生のご紹介

上田 弥生 先生


大阪市立医学科在学中に、漢方に触れつつ、アロマセラピー学会、代替補完医療に親しみ、日本の医療と社会について考える勉強会にも参加。関西の医療機関で研修後、産婦人科専門医資格を取得。このときから不妊治療にも携わる。その後、関東にて、産婦人科診療を行いながら、デリケートゾーンのアンチエイジング治療に携わる。セルフケアのアドバイスを始めたことをきっかけに、雑誌や動画サイトなどのメディアでも活躍する。現在は、女性のアンチエイジング、特にデリケートゾーンの治療を、主とし活躍している。

≫ 天現寺ソラリアクリニック

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