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胎内記憶が親子にもたらす影響とは

インタビュー 子育て・教育

胎内記憶が親子にもたらす影響とは

子の「胎内記憶」は親の心のありかたまでも変えるといわれます。研究者である池川クリニックの池川明先生にお話を伺いました。

2018.9.14

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「胎内記憶」という言葉を知っていますか? 育児中の親の心のありかたまでをも変えるという子どもの「胎内記憶」について、その研究者である池川明先生にお話を伺いました。




おなかの中にいたときの記憶=胎内記憶


胎内記憶とは、赤ちゃんがもっている、お母さんのおなかの中にいたときの記憶を指します。
記憶とは、大きく分けて医学的に証明できる「脳の記憶」と、医学の力では証明しきれない「たましいの記憶」の2種類があります。胎内記憶はこの「たましいの記憶」にあてはまります。

普通、「たましいの記憶」は生まれてくるときにリセットされますが、たまにリセットされず、生まれてきてからも覚えているケースがあります。そのためにお母さんのおなかの中にいた時のことを語る子どもがいるのです。
ただ、覚えている子でも年齢が大きくなるにつれて、たましいの記憶は薄れていく傾向にあります。


 


未就学児の約30%が胎内でのことを覚えている


私は1999年からこの胎内記憶にについて子どもたちへの調査と研究を行っていますが、その調査によると胎内記憶について話し始めるのが多い年齢は2~3歳です。未就学児の約30%に胎内記憶があり、細かく分けると年少が40%、年中が30%、年長が20%となっています。
小学生は未調査ですが、中学生でも2.5%、高校生以上でも約1%の人が胎内でのことを記憶しています。
未就学の時に胎内記憶があった子どもが何歳までそれを覚えていたかについては、まだ調査しきれていません。


 


おなかの中の色や状態、受精時のことを覚えている子も


「胎内記憶」について子どもが語ってくれる内容の多くは、飾り気がなく短めです。
例えばお母さんのおなかの中の記憶については
「オレンジであたたかい……」
「おふろみたいで気持ちいい」
「膝をかかえて座っていた」
という感じです。
医学の世界では、味覚は妊娠12週頃、嗅覚は妊娠15~6週、聴覚は妊娠20週、暖かい、寒いなどの皮膚感覚は妊娠33週、視覚は生後8週になってようやく形や色がわかり始めるといわれています。医学上は見えてないはずなのに、それを「オレンジで……」と覚えているところは、まさに「たましいの記憶」といえます。

なかには詳細に情景を覚えている子もいます。
「雲の上に神様や天使と一緒にいたの。自分がいいなと思うお母さんとお父さんが決まったら、それを神様に言うの。神様に『いいよ』って言われたら、天使に羽をつけてもらって、ママとパパのところに降りてきたの」という記憶を、絵と言葉で教えてくれる子、「神様との約束だから教えられない」という子もいました。

ユニークなところで、細胞だったところからしっぽが生えて精子になり、子宮に入っていく様子を胎内記憶として絵で表現してくれた子どももいました。


 


胎内記憶は「覚えていて当たり前」という風に聞きだすのがポイント


胎内記憶を上手に聞き出すコツは、いくつかあります。1つめは質問の仕方です。「覚えていないかもしれないが……」という風に聞くよりも「当然、覚えていると思うけれど……」という感じで聞くと、話してくれる率が高くなるようです。

子どもによっては「神様との約束で言えない」という子どももいるので、そういう場合にはこちらの情報を先に話すのもコツの1つです。たとえば「あなたがおなかにいる時、電車を見たり、乗ったりすると必ず5回キックしてきたけれど、どんな気持ちだった? 」などと聞いてみるといいでしょう。

また、粘土遊びをはじめ、子どもが好きな遊びに熱中している時にさりげなく聞いてみるとポロっとしゃべってくれるケースも高いようです。


 


子育てのイライラを減らす、親が自信を持つなどのメリットも


胎内記憶は、子どもを育てるうえでも良い影響をもたらしてくれます。
かつて「うちの子、グズることが多くて、育児が大変」と、語っていたお母さんがいました。その子どもが「ママのことをいいなと思って生まれてきたんだよ」と話したことがきっかけで、そのお母さんは、グズった時もおおらかな気持ちで育児ができるようになったそうです。
また、自分の子どもの胎内記憶を聞いたことで、長年実母との関係がぎくしゃくしていた人も「私も生まれてくるときはこんな風にお母さんのことを思っていたのかも」と考えられるようになり、関係修復につながったという人もいました。

さらに、子どもの「このママとパパが好きだからやってきた」という胎内記憶から自分の存在意義を確認でき、それが自己肯定感につながって、「自分に自信がもてるようになり、生きやすくなった」というお父さんもいました。

このように、胎内記憶は日々の子育てについての気持ちの持ち様や、家族との関係、自分自身のことについて、さまざまなプラスの効果をもたらしてくれる役割もあるのです。


 


胎内記憶は、子育てにもメリットをもたらしてくれる


胎内記憶とは、子どもや赤ちゃんが覚えている誕生前の記憶のことです。通常、生まれてくる時にリセットされることが多いのですが、なかには生まれた後も覚えている子もいます。
調査によると、未就学児では全体の約30%が胎内での記憶をもち、年齢が大きくなるにしたがって記憶が薄れていく傾向にあります。
胎内記憶を子どもから聞くと、楽しくて興味深いというだけでなく、子どもに優しく接するきっかけになった、ご両親も自分の存在意義を確認できて自信をもって生きられるようになった、などのたくさんのメリットをもたらしてくれます。

ぜひご自身のお子さんにさりげなく聞いてみてください。


 


お話を伺った先生のご紹介

池川明 先生


1954年東京都生まれ。帝京大学医学部卒。大学院修了。医学博士。
1989年横浜市に産婦人科の池川クリニックを開設。平成元年から平成28年までの28年間で約2700件の出産をあつかい現在に至る。現在は出産の取りあつかいは行っていない。
2001年9月、全国の保険医で構成する保団連医療研究集会で『胎内記憶』について発表し、それが新聞や雑誌で紹介され話題に。現在、胎内記憶を世界に広める活動を行っている。


≫ 池川クリニック

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