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マタニティライフ、何を食べるべき? 何を食べちゃダメ?

インタビュー 妊娠・出産

マタニティライフ、何を食べるべき? 何を食べちゃダメ?

妊娠中は食事にどう気を付ける? NGフードからおすすめのものまで、くさなぎマタニティクリニックの齋藤緑先生に伺いました。

2018.10.6

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妊娠中の食事は、何にどこまで気を付ければいいのでしょうか? NGフードから積極的に食べたいものまで、くさなぎマタニティクリニックの齋藤緑先生にお聞きしました。


 



目次



  1. 初期は「食べられるものを食べられるだけ」

  2. 生もの、生魚などには注意が必要

  3. 妊娠期間中を通じて取りたい葉酸

  4. 妊娠中~後期は栄養バランスに気を付けて

  5. カフェインや嗜好品との付き合い方

  6. 旬の食材を活かして、おいしいマタニティライフを




初期は「食べられるものを食べられるだけ」


個人差もありますが、もっともつわりがひどいのは妊娠10週ぐらいで、その後はやわらいでくる人が多いです。食べられないと不安になりますが、この時期は食べ物が摂取できなくても水分がとれていれば基本的には大丈夫です。
というのも、食べられなくても、お母さんの体内では、母体の筋肉や脂肪組織の中から栄養素を取り出し、優先的に赤ちゃんに送るという現象が起きます。ですから、妊娠初期は「食べられるものを、食べられる時期に、食べられるだけ」で赤ちゃんはちゃんと育ちます。よく「2人分食べないと」と言われますが、1人分とれれば十分と考えてOKです。

比較的食べやすいのは、匂いがきつくないものや冷たいものという人が多いようです。グレープフルーツやイチゴ、ミカンなどのフルーツや、プチトマト、キュウリなどの野菜なら食べられるのでは。私自身は、ほうれん草のおひたしなども食べやすかったです。ほかには、そうめんや冷たいうどんなどがすっきりと食べられます。冷奴は、豆腐に植物性たんぱく質なども含んでいるのでおすすめです。
ただ、赤ちゃんに栄養を送るために水分は不可欠なので、水分すらとれず脱水症状になるようなら、点滴などの処置が必要です。早めの段階で、かかりつけ医に相談するようにしましょう。


 


生もの、生魚などには注意が必要


赤ちゃんの器官が形成される12週ぐらいまでは、妊娠期間のなかでも食べ物に対する注意が必要です。特に気を付けたいのは、ユッケ、レバ刺し、生ハムなどの生肉や生卵、刺身です。火が通っていない生肉はトキソプラズマという病原菌が繁殖しやすく、妊娠20週ぐらいまでは赤ちゃんの成長に影響を受けやすいので、極力食べない方がいいでしょう。
次に、金目鯛、メカジキなど、水銀を蓄積している可能性が高い魚類です。水銀は水俣病で有名ですが、神経系の異常をきたすリスクが高いと言われます。こちらは加熱してあってもなるべく避けて下さい。
また、最近言われ始めたのがナチュラルチーズの危険性です。加熱してあるプロセスチーズは問題ありませんが、加熱処理していないナチュラルチーズはリステリア菌が増える可能性があり、感染すると、重篤な場合には胎児の髄膜炎や敗血症などを引き起こすといわれています。生肉と同じく、妊娠初期は注意したほうがいいですね。


妊娠期間中を通じて取りたい葉酸


妊活中の人にはおなじみの葉酸ですが、これは妊娠前から出産まで積極的にとりたい栄養素です。葉酸は赤ちゃんの細胞分裂に必要な成分で、妊活の時期からとっておくことで、特に無脳児や二分脊椎など中枢神経系の奇形を防ぐといわれています。1日の推奨摂取量は400㎍。水溶性ビタミンなので過剰分は尿に排泄されるため、とりすぎることはありません。サプリメントなどを利用して積極的にとりましょう。また、葉酸には貧血を防ぐ効果もあります。妊娠期間を通じて、葉酸を摂取してほしいですね。


妊娠中~後期は栄養バランスに気を付けて


妊娠16~27週、そして27週以降と、お腹の中の赤ちゃんが大きくなるにしたがって、栄養摂取の推奨量が増えていきます。初期(~16週)は+50㎉、中期(16週~28週)は+250㎉、後期(28週~)になると+500㎉と、妊娠前の食事量から軽く一食分増えるぐらいで考えてください。もちろん栄養バランスをしっかり考えることが大事です。
積極的に取りたいのは鉄分やたんぱく質、青魚の中に入っているドコサヘキサエンサン(DHA)、食物繊維、カルシウムなどです。

妊娠期間中には、8~9割の妊婦さんが貧血になると言われています。赤ちゃんが育つと胎盤も大きくなり、そこに貯蓄される血液も増えるため、お母さん自身が使える鉄分が減ってしまうからです。
鉄分を食べ物からとるなら、肉類や魚の血合がおすすめです。鉄分はビタミン類と一緒にとると吸収が良くなるので、野菜や果物と一緒に食べることを心がけてみてください。


 


カフェインや嗜好品との付き合い方


よく、カフェインはダメですか?と聞かれますが、そこまで厳格でなくてもいいと思います。煎り豆のドリップコーヒーでカップ1杯ぐらいなら、毎日摂取しても問題ないですし、紅茶や烏龍茶も毎食コップ1杯程度であればいいですよとお返事しています。それによってリラックスできる方が大事ですね。気になるようなら、麦茶などのノンカフェインの飲み物に切り替えましょう。
逆に、避けてほしいのはファストフードやスナック菓子などといった塩分が多い食べ物です。特に妊娠高血圧症の場合やもともと体重が多い人は、こうした嗜好品はもちろん、味付けの濃い外食や、市販のドレッシングやソース(塩分多)、マヨネーズ(油分多)といった調味料にも気を付けた方がいいですね。


 


旬の食材を活かして、おいしいマタニティライフを


秋の食材でおすすめのレシピを考えてみました。彩り豊かな和風のレシピです。
ドコサヘキサエンサンを含む青魚(焼き魚)。栗おこわ。ほうれん草のおひたしには葉酸が豊富です。鉄分たっぷりのひじき煮。野菜の味噌汁は食物繊維、釜揚げシラスといんげんの小鉢でビタミンやカルシウムを補えます。食べ応えがあって1食のカロリーは約700㎉。基本、和食中心のメニューで薄めの味付けを心がけてみて下さい。


 





齋藤先生より まとめ



工夫しながら、ストレスのない食生活を
ダメなもの、気を付けるものを挙げればきりがありませんが、妊娠期間中、何よりも大敵なのはストレスです。食べられないものを無理に食べようとしたり、食べたいものをひかえたりしてストレスがたまるようでは逆効果。節制が辛いと感じたら、間食にフルーツやヨーグルト、寒天などをうまく使ったり、ほかの食品で代用するなどして、ストレスのない毎日をお過ごしくださいね。





お話を伺った先生のご紹介

齋藤 緑 先生(くさなぎマタニティクリニック 副院長)


広島大学医学部卒業後、聖隷浜松病院、静岡市立病院、静岡県立こども病院などを経て、平成25年よりくさなぎマタニティクリニック勤務。平成28年、副院長に就任。自身の妊娠出産体験も活かしつつ、妊婦さんたちの悩みに寄りそう診療を実践中。趣味はピアノと自然風景の写真を撮ること。リフレッシュ&健康法は水泳。日常診療の中で、胎児超音波のクオリティを向上させ、妊婦さんに役立ちたいと考えている。

≫ くさなぎマタニティクリニック

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