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【医師監修】不妊治療にはビタミンD?その関係性って?

コラム 不妊治療

【医師監修】不妊治療にはビタミンD?その関係性って?

ビタミンにも多くの種類があり、どのくらいとればいいか迷ってしまいますよね。なかむらレディースクリニックさんに詳細を伺いました!

2020.1.1

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身体を日々健康に保つには必要な栄養素がたくさんあり、身体の中では十分な量を合成できないものもあります。そういった栄養素は基本的に食事から取り入れなくてはなりません。


 


それぞれの大きな役割としては、身体をつくる・身体を動かすエネルギー源・身体の調子を整える効果などがあります。



食事に含まれている栄養素は身体の主要な構成成分となるタンパク質


 


身体を動かすエネルギー源となる脂質・炭水化物


 


タンパク質・脂質・炭水化物の分解や合成を助ける働きをもつビタミンミネラルに分類されます。


 


ビタミンの中でも特にビタミンCは、美容を含め様々な場面で注目されています。疲れやだるさの回復にも効果があり、健康には不可欠のため、多くの方に馴染みがあるのではないでしょうか。


 


しかし実際には、多くの日本人が慢性的なビタミン不足に陥っているのです。


ビタミンDの妊娠・出産に対する作用って?


さて、今日はいくつかあるビタミンの中でも「ビタミンD」に注目してみましょう。

一般的にビタミンDは骨の形成に必要なカルシウムの吸収を小腸や腎臓で促す働きが知られていますが、近年では、妊娠や不妊治療の結果にも関係があることが分かってきました。


 


【Vitamin D and assisted reproductive treatment outcome: a systematic review and meta-analysis. Hum Reprod. 2018 Jan 1;33(1):65-80.】という論文はビタミンDの血中濃度が不妊治療を受けている女性に及ぼす影響について発表したものです。

この論文では、ビタミンDと体外受精に関連する論文を集め、そのデータを総括して再評価をしており、以下のような結果を示していました。



■ビタミンDの血中濃度が十分に保たれている場合、臨床的妊娠(超音波検査で子宮内に胎嚢が確認できた状態)率・出産率が有意に高い

■ビタミンDの血中濃度が不足している場合、生化学的妊娠(尿を用いる妊娠判定で反応は出たものの、超音波で胎嚢という赤ちゃんが入った袋が見られず、流産した状態)率が有意に高い

■ビタミンDの血中濃度の過不足がない場合、流産率に有意な差はない


 


つまりビタミンDを積極的に摂取することは妊娠、出産によい影響を及ぼす可能性が高いと言えます。


 


健康的な食事を摂っていれば大丈夫とはいうものの、便利で手近なコンビニでは、ついついお菓子を買ってしまったりしますよね。

不足しがちな要素を補うためのサプリメントもたくさん出回っていていますが具体的にどれくらい必要で、自分の食生活には何を取り入れればいいのでしょうか。


ビタミンDを摂取するには?


ビタミンDは食物なら魚類(サケ、ウナギの蒲焼き、サンマ、ヒラメ、カレイetc.)、キノコ類(干し椎茸、キクラゲ)によく含まれます。


魚類やキノコ類と比べて少し含有量は減りますが、卵黄にも含まれます。



成人の摂取目安は5.5μg/日です



ビタミンDに関してはもう一つ、有効な方法があります。それは、日光です。
日光に当たることで、体のビタミンDの貯蔵量が増えるのです。

日照時間が長く、日光の明るさが増す夏と秋には高い妊娠率が得られるという報告もあります。


 


太陽の光を意識した生活を心がけ、ビタミンDを多く含む魚や、きのこなどを積極的に食事に取り入れてもよいかもしれません。


 


ただし熱中症には留意して、くれぐれも健康を損ねない程度に留めましょう。


お話を伺った先生のご紹介

中村 嘉宏 先生(なかむらレディースクリニック)


大阪市立大学医学部卒業。同大学院で山中伸弥教授(現CiRA所長)の指導で学位取得。大阪市立大学附属病院、住友病院、北摂総合病院産婦人科部長を経て、2013 年より藤野婦人科クリニック勤務。2015年4月なかむらレディースクリニック開院。

≫ なかむらレディースクリニック



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