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ピルを使い続けると不妊になる?

インタビュー 女性の病気

ピルを使い続けると不妊になる?

生理痛や生理不順改善に服用する人が増えたピルと妊よう性(妊娠する力)について船津クリニックの船津雅幸先生に伺いました。

2018.11.2

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避妊目的以外にも生理痛の軽減や生理不順解消のため、ピルを使用する人も増えつつあります。ただその一方で、「ピルを服用し続けることで不妊になる」と思っている人も少なくありません。本当なのか、ただの噂なのか、ピルと妊よう性(妊娠する力)について、船津クリニックの船津雅幸先生に詳しいお話を伺いました。


ピルを服用すると子宮はどうなる?




ピルは避妊薬なので、服用している間は当然、妊娠しません。偽妊娠状態になり、排卵が抑制されます。ピルに含まれる卵胞ホルモンと黄体ホルモンの絶妙なバランス(黄金比)により、子宮内膜の増殖が抑制されて薄い状態が保たれるため受精卵が着床しづらくなり、頸管粘液を変化させることで精子が子宮の中に進入しにくくなります。


 


妊よう性におけるピルを服用するメリットは?


今、女性も男性同様に社会に進出し、ライフスタイルも大きく変化しました。「仕事を優先したいから結婚は当分考えていない」「自分の人生を優先したいから子どもはいらない、もしくは1人でいい」という人も少なくないでしょう。晩婚化や妊娠年齢の高齢化、出産回数の減少、授乳期間の短縮により、平均50回→450回と現代女性は昔の女性に比べて生涯の月経回数が圧倒的に増えています。昔は16歳くらいで結婚し、すぐに出産、出産後も母乳育児が普通で、その間無月経が続いていました。また、すぐに次の妊娠に突入し、5~6人の出産は当たり前でした。

月経の回数が多ければ多いほど、月経血が卵管を通じて腹腔内に逆流する機会が増え、月経血内に含まれる子宮内膜組織が子宮内膜症を引き起こす原因となり得ます。実際に、月経回数が増えてきた近年、その増加回数に比例するように子宮内膜症に罹る人も増加傾向にあります。
子宮内膜症は進行性の病気です。症状が進んでくるとお腹の中で癒着を起こして、それが不妊の重大な要因になってきます。

たとえば5年後に子どもを産みたいと考えていたら、その間はピルを飲んでいれば子宮内膜症の進行を抑えられますし、症状が軽減することも大いに期待できます。子宮内膜症は初期の段階だと見つけにくい疾患ですから、まだ診断されていない場合は予防にもなります。不妊要因を作らない=妊娠しやすい体を維持できるといえます。


 


ピルを使い続けていると不妊になる?


ピルを使い続けていると不妊になるということはありません。前述したように、逆に不妊要因を取り除く利点があるお薬です。当然、服用している間は妊娠しませんが、服用を止めれば通常通り妊娠することは可能です。

月経が3カ月や2カ月に1回などの不順な方は、ピルを飲むと4週間ごとにピタッと周期が整うようになります。ホルモン状態が悪くて月経がない状況を放っておくと、いざ子作りしようとした時に体が薬にうまく反応しなくて、排卵しにくくなることもあるのです。ピルを服用していればホルモン的には補われている状態なので、放置した場合とはまったく異なると思います。妊娠しやすくなる可能性はあるけれど、妊娠しにくくなることはほとんどないといえますね。


 


生理痛の軽減など女性にとってメリットはたくさん!


ピル=経口避妊薬というイメージを持つ方も多いと思いますが、避妊目的だけでなく、今は月経関連症状の軽減や改善という副効用を期待する処方も増えてきました。

ピルは、確実な月経周期(月経発来日の調整)、月経痛の軽減、排卵痛の消失、経血量の減少(その結果として貧血の再発を防ぐ)、月経前症候群の緩和、子宮内膜症の治療・予防など、月経に関する煩わしさをすべて改善する薬、いわば”Life Design Drug”であり、服用することで生活の質を上げることができます。また生命に関わる病気である子宮体がんや卵巣がん、大腸がんのリスクを低減するという報告があります。その一方マイナス面として子宮頸がんや乳がんのリスクは上がると言われていますが、定期的な検診を受けていただくことにより早期発見に結び付けることができます。ピルは月経がある人なら基本的には誰でも使用できますが、40歳以上の方の場合はメリットとリスクを一考する必要があります。体質によっては合わなかったり使えなかったり、副作用やリスクもゼロではないので、医師の説明をよく聞いて、治療の選択肢の1つとしてうまく活用していただきたいですね。


 


お話を伺った先生のご紹介

船津雅幸 先生 (船津クリニック院長)


昭和大学医学部卒業後、昭和大学病院、亀田総合病院、共立蒲原総合病院など7つの地域の中核病院と2つの医院勤務を経て平成18年12月にクリニック開業。患者さんが言いづらいこと、本当に悩んでいることを理解できる存在になるべく、患者さんとの丁寧な対話を心がけ、いい意味で『おせっかいな町医者』を目指している。



≫ 船津クリニック

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