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「女性ホルモン」ってそもそも何のこと?

インタビュー 女性の病気

「女性ホルモン」ってそもそも何のこと?

ふだんなんとなく口にしている「女性ホルモン」の働きについて、広尾レディースの宗田聡先生に詳しくお話を伺いました。

2018.11.30

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「女性ホルモンが減っているから情緒不安定で……」「女性ホルモンのせいで体調が……」こんな会話、ときどきしていませんか? でも、そもそも女性ホルモンの働きってどんなものなのでしょう? 女性ホルモンがあるのとないのとでは何が違うのでしょうか? ふだんなんとなく口にしている女性ホルモンについて、広尾レディースの宗田聡先生に伺いました。




女性ホルモンは体のバランスを整える大切なもの


よく私たちが耳にする女性ホルモンとは、いわゆるエストロゲンのことを指します。エストロゲンには記憶力、認知力、自律神経、感覚神経のバランス、皮膚のうるおい、骨量を保つ……などの、じつにさまざまな働きがあります。
ですから、女性ホルモンがバランス良くでている時期は、心身ともに非常に体調が良いのですが、更年期から閉経にかけて女性ホルモンが急激に減少すると、さまざまな症状が出現して体調もあまり良くなくなります。同様に、更年期や閉経期でなくても、20代や30代に強いストレスがかかったり、ハードな運動などをしていると、女性ホルモンのバランスが崩れて更年期と同様の症状がでてくることもあるのです。


エストロゲン不足による不調は、年代によって仕組みが違う


閉経前後(更年期)にエストロゲンが減少すると、頭痛、めまい、動悸、のぼせ……などさまざまな症状を起こります。これがいわゆる更年期症状といわれるものです。
ところで、エストロゲンなどの女性ホルモンの分泌をつかさどっているのは子宮ではなく、脳の視床下部—下垂体系であることはご存知ですか?

わかりやすく説明すると、脳の視床下部—下垂体系が会社の本社だとすれば、実際にエストロゲンを作り出す卵巣が会社の工場にあたります。更年期になると、工場である卵巣からのホルモン分泌が少なくなるため、本社である脳から「もっとホルモンを出しなさい!

」という命令がたくさんでるようになってきます。そして、閉経になってしまうと、いくら本社である脳がエストロゲンを作れと指令を出しても、工場ではまったくエストロゲンを作り出せない状態になっています。
一方、20~30代の女性の不調については仕組みが違います。ダイエット、睡眠不足、強いストレスなどの負荷がかかると脳の視床下部—下垂体系は、まずは生き抜くための寝ること、食べることを第一優先し、女性ホルモンを出す指令を一時ストップしてしまいます。つまり、本社の機能が一時的に止まってしまうため、工場が稼働せず、エストロゲンが作られなくなって、生理が止まったり、更年期様のさまざまな不調を起こすことになります。さらに、もともと卵巣が未熟だったり機能不全などがあったりすると、いわゆる本社が指令を出しても工場が壊れてしまっているためエストロゲンを作れないことになり、この時もやはり更年期のような不調を起こすため、“若年性更年期障害”と呼ばれます。


それぞれの年代、原因にあった治療が必要


エストロゲン不足により、実際に体に出る症状が同じだとしても、年代や原因によって不足する仕組みが違うため、治療法も異なります。いわゆる更年期にみられる更年期障害の場合は、たとえばホルモンを補充する治療によってエストロゲンを加えれば不調は徐々に改善していきます。今はさまざまな形態の治療薬があり、たとえば経皮薬のように小さな貼り薬を体に貼ると少しずつ皮膚から吸収されるタイプの薬剤だと肝臓に負担がかからないなど副作用も少なく、最近ではよく使われています。
20~30代のエストロゲン不足による不調は、そもそも卵巣自体にはホルモンを分泌する力がまだあるので、指令を出すほうを治さなければなりません。つまりは、ストレスを減らす、しっかり寝る、などといった対策です。当たり前のようですが、心身ともに健康的な生活をすることがとても大事なのです。
女性ホルモンがしっかりとでていても、メンタルな問題から更年期様の症状がでるようなケースも最近は増えてきています。体調不良などがあり、自分の症状がネットなどであたかも更年期障害のように思えても、必ずしも本当にそれが原因とは限りません。心配な時は必ず専門の婦人科を受診して、検査などで原因をしっかりと調べてもらって、治療方針を決めてもらいましょう。


お話を伺った先生のご紹介

宗田 聡 先生(広尾レディース 院長)


筑波大学卒業後、同大産婦人科にて研修。平成9年より筑波大学講師として臨床・研究・教育に従事。Tufts大学(ボストン)遺伝医学特別研究員として留学後、水戸済生会総合病院産婦人科部長・茨城県周産期センター長(筑波大学産婦人科臨床准教授兼任)、

パークサイド広尾レディスクリニック院長を経て、平成24年 広尾レディース院長に就任。現在、筑波大学大学院人間総合科学研究科非常勤講師。不妊、うつに関する著書も多数。著書に『これからはじめる周産期メンタルヘルス』等。



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