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今まで順調だったのに突然、排卵しなくなりました。諦めないとダメでしょうか……。【伊藤 哲 先生】

コラム 不妊治療

今まで順調だったのに突然、排卵しなくなりました。諦めないとダメでしょうか……。【伊藤 哲 先生】

「もう諦めないとダメなのかなと弱気になっています。気持ちの切り替え方などのアドバイスが欲しいです。」

2012.11.7

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相談者
ビートルさん(41歳)
■ 今まで順調だったのに突然、排卵しなくなりました。諦めないとダメでしょうか……。
これまで毎月ほぼ同じ周期で生理がきていて、基礎体温も低温期・高温期と分かれていました。ところが今年に入ってから突然、排卵しなくなりました。注射をして強制的に生理を起こし、クロミッドⓇを服用して人工授精に臨む予定でしたが、排卵の兆候がありません。閉経になる兆し?もう諦めないとダメなのかなと弱気になっています。気持ちの切り替え方などのアドバイスが欲しいです。



ジネコ:ビートルさんは昨年からクロミッドⓇを服用して人工授精に臨んでいるそうですが、今回の治療では薬で生理を起こしたにもかかわらず、低温期と高温期がきちんと分かれず、排卵の兆候もないそうです。これはやはり41歳という年齢によるものなのでしょうか。


伊藤先生:必ずしも年齢のせいだとは言い切れないと思います。今回排卵しなかったのは、年齢以外の要素が影響していた可能性も考えられます。1周期で決めてしまうのは早いと思います。


ジネコ:年齢以外の要素というのは、どんなことが考えられますか。


伊藤先生:たとえばストレスなども排卵の乱れに影響する場合があります。ビートルさんは「普段はストレスとはまったく関係のない生活を送っています」と書かれていますが、人間関係などとはまた別に、治療を続けていくうちに無意識に自分にストレスをかけてしまっていることも。それは特に年齢の高い方に多く見られるようです。
当院でも40歳前後の方だと、1回悪い結果が出ると「もうダメなのでしょうか」と落ち込まれるケースが多いです。ビートルさんも「もう年齢的に赤ちゃんを望むのは無理だと体が言っているのかな、閉経になる兆しなのかな、などマイナスのことしか考えられません」と投稿に書かれています。こういった見えないストレスで、コンディションが悪くなっていることもあると思うんですね。


ジネコ:ビートルさんのストレスの元となっている「もう閉経?」という不安、これについては心配しなくていいのでしょうか。


伊藤先生:ビートルさんの年齢で、このまま生理がピタッと止まってしまうということは考えにくいですね。確かに40歳前後になると排卵の周期に変化が起こってくることがあります。通常は、28日周期でだいたい13~14日目で排卵していたのが8~10日目くらいになるなど、早くなってしまう人が多い。なかには生理が終わってすぐに排卵してしまうという人もいます。いきなり生理がこなくなるというより、そのような形をとって更年期に向かっていくことが多いようです。


ジネコ:AMH(抗ミュラー管ホルモン)の検査結果では医師から「年齢相応だけど、たくさんの卵子は採れないと思う」と言われたそうです。閉経かどうか、妊娠が可能かどうかを診断する場合、どんな検査が参考になりますか?


伊藤先生:最も大きな目安となるのはFSH(卵胞刺激ホルモン)の値ではないでしょうか。FSH値は30以上になると閉経という診断基準があります。12~13くらいでもきちんと排卵している人もいますが、やはり10以上になると黄信号です。これは、そろそろ更年期の始まりというサインですから、妊娠が可能であっても治療を急いだほうがいい状態であるといえます。
また、ビートルさんが受けたAMH検査も参考になります。これは卵巣の予備能を調べるものですが、41歳だと1.0ng/mLくらいではないでしょうか。卵子はまだ採れる状態だと思いますが、担当の先生がおっしゃるように、たくさん採れる可能性は確かに少ないかもしれません。


ジネコ:閉経になるのでは、ということですが、治療はとにかく急いだほうがいいようですね。今後、ビートルさんはどのような治療をしていけばいいでしょうか。


伊藤先生:現在、クロミッドⓇを服用されているということですが、もう1周期、同じ量を服用して様子をみてみては。それで同じ結果であれば、薬の量を増やしてみる。もしくはFSHなどの注射で排卵誘発をしてみるという方法もあります。今は人工授精にトライしていらっしゃるということですが、体外受精へのステップアップも考えられたほうがいい時期でしょう。治療以外としては、当院では卵巣や子宮の血流をよくするためにDHEAなどのサプリメントを処方することもあります。それから冒頭でお話ししたように、不妊治療においてストレスは大敵です。年齢が高くなって焦る気持ちはわかりますが、あまり思い詰めないように。1回の結果ですべてが決まってしまうわけではないし、人間の体はそんなに単純なものではありません。「もうダメかも」とマイナスな気持ちでいっぱいのようなら、カウンセリングなどで誰かに話を聞いてもらう機会をつくってみたらいかがでしょうか。当院でも、メンタル面のケアをすることで気持ちの切り換えができ、結果的に治療にもよい影響をもたらしたケースがたくさんあります。ビートルさんの場合はまだ治療初期の段階。まだまだ方法は残されています。前向きな気持ちでトライしていけば、きっと妊娠のチャンスがめぐってくると思いますよ。



伊藤 哲 先生
順天堂大学医学部、同大学院修了。 順天堂大学医学部産婦人科学講師、 国際親善総合病院産婦人科医長を経 て、1999年あいウイメンズクリニック 開院。日本生殖医学会生殖医療専門 医。O型・おひつじ座。同クリニック にてタイミング療法で妊娠した人の最 高年齢は46歳。しかし、40歳以上 は妊娠率が大きく下がることは事実。 「半年でも1年でも早く来院してほしい」 というのが先生の願い。





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