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OHSS後の妊娠の可能性(外妊経験有り)

専門医Q&A 女性の健康

OHSS後の妊娠の可能性(外妊経験有り)

「今回のOHSSは排卵1週間後がピークと言われましたが、症状が無くなったら妊娠継続は難しいと考えたほうがいいのでしょうか?」

2012.1.31

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ぶっちちさん(30歳)


現在1月28日に6回目のAIHをして、30日に排卵したかのチェックに内診しました。
そのとき右卵巣が5cmに腫れている(OHSS)、左卵巣に2個卵胞が残っていると言われました。
左2個の卵胞は排卵後に成長したものではないか、左右から排卵した可能性は十分にあるとも言われました。
排卵前は22cmの卵胞が右卵巣に1個、左卵巣には20cmのものが2個あったそうで、それ以外にも左には小さい卵胞がたくさんあったそうです。
今回HCG注射4回とクロミッドを服用していますし、AIH前の27日にHMG注射をしています。
30日に内診後、プロベラ錠を始めて処方され(いつもはプラノバール錠)、今週末にもう一度内診して卵巣の腫れを診るそうです。
実は昨年8月に子宮外妊娠をしており、右卵管を切除しています。
そのため左卵巣からの排卵を促すために、術後初めてHCG-HMGをしました。不運なことに卵管のない右からの排卵の方が多く、薬の反応も良いため、3回連続排卵を逃してしまいました…(右からの排卵で妊娠する場合もあるとは思いますが)
外妊した周期もHCG-HMGをしており、そのときもOHSSになりました。それというのも術前は多嚢胞性卵巣で、7月にAIHしたときは左右卵巣合わせて10個以上卵胞があったそうです。結局外妊にはなってしまいましたが、いくつ排卵したかわからない、またいくつ受精したかもわからないと排卵後の診察で言われました。
外妊手術時には腹腔鏡で卵管摘出と左右卵巣の卵胞に焼失手術を同時に行いました。
術後はネックレスサインも無くなり、術前よりは排卵しやすくなったとは思いますが、多嚢胞性卵巣ではなくなった今でも複数卵胞が出来るということはよくあることなんでしょうか?
また左卵巣から排卵させるために毎回HCG-HMGを行い、その度に今後もOHSSになるのでしょうか?
また今回のOHSSは排卵1週間後がピークと言われましたが、症状が無くなったら妊娠継続は難しいと考えたほうがいいのでしょうか?
長文になりましたが、ご返答いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。






お話を伺った先生のご紹介

宇津宮隆史 先生 (セント・ルカ産婦人科)


【経歴】
1949年 大分県豊後大野市大野町生まれ
1973年 熊本大学医学部卒業
1973年 九州大学温泉治療学研究所産婦人科入局
1981年 医学博士(九州大学)「排卵障害婦人に関する臨床内分泌学的研究」
1988年 九州大学生体防御医学研究所講師
1989年 大分県立病院がんセンター産婦人科部長
1992年 セント・ルカ産婦人科開設
1998年 セント・ルカ生殖医療研究所開設
2010年 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業
「生殖補助医療により生まれた児の長期予後の検証と
生殖補助医療技術の標準化に関する研究」共同研究開始
2013年 第31回日本受精着床学会総会・学術講演会会長
【現在】
・ 日本受精着床学会常務理事
・ 日本生殖心理学会常務理事
・ 日本生殖再生医学会理事
・ NPO法人日本不妊予防協会理事
・ JISART(日本生殖補助医療標準化機関)監事
・ 大分市医師会監事
・ 遺伝性疾患に関する出生前診断研究会幹事
・ 日本産科婦人科学会倫理委員会内PGSに関する小委員会委員
・ Infertility Study Group世話人
・ 社会福祉法人 別府平和園理事長
【資格】
・ 日本産科婦人科学会産婦人科専門医
・ 日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医
・ 日本生殖医学会生殖医療専門医
・ 日本内視鏡外科学会技術認定医
【趣味】
登山
写真
スキューバダイビング
茶道裏千家
ルアーフィッシング


≫ セント・ルカ産婦人科




精子は正常ですので、AIHは必要ありません。
ぶっちちさんはhMGとhCGを反対に書いておられますが、hMGは卵巣を刺激して卵胞を成熟させる目的、hCGは、成熟した卵胞を排卵させる目的がありますので、hMG → hCG の順に使用します。
また、卵胞の大きさですが、22cm・20 cmではなく、22mm・20 mmと思われます。
PCO(多嚢胞性卵巣)は基礎にインスリン抵抗性があるため、半年もすると再発します。
PCOの方にhMGを使えば、ほとんどの場合OHSS(卵巣過剰刺激症候群)になります。
そのため、PCOの患者さんにはOHSSを考えて慎重に排卵誘発剤を使わなくてはなりません。
OHSS(卵巣過剰刺激症候群)とは、卵胞を発育させる注射(hMG等)を使用したのち、排卵させるための注射(hCG等)を使用したあと、数日~1週間くらいからおこる卵巣の過剰反応のことで、卵巣からのホルモン産生が過剰になることにより、血液中の水分が組織に移行し浮腫がおこります。そして、重症の場合は血液の濃縮がすすみ、血液の流れが悪くなったり、固まりやすくなり、血栓症を起こす可能性もあるため、OHSSになりやすい患者さんは慎重に経過を観察する必要があります。
OHSSのピークは妊娠しなければ1週間くらいですが、その周期に妊娠が成立すれば、ホルモンが出続けていますから、安全に妊娠を継続させるために、長いときには3~4ヵ月入院になることもあります。
ぶっちちさんが通院されているクリニックはPCOの特徴がわからずhMGを用いていると考えられますので、転院をお考えになった方が良いかと思います。
子宮外妊娠で卵管を片方取っておられるとのことですので、IVFに進まれることをお勧めします。





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