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黄体ホルモン不全

専門医Q&A 女性の健康

黄体ホルモン不全

「内膜はいつも7.9前後で薄かったので、先月からイソラコンプラスを飲み始めました。飲み始めてからおりものが増えたので内膜が少し厚くなったのでは喜んでいたのですが、高温期はあいかわらずM字型です。」

2013.1.29

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ナコさん(37歳)


二人目不妊です。
できちゃった婚で、二人目が欲しいと思ったのは2年後。
それから4年、不妊治療2年目ですが妊娠しません。
不妊治療で経済的、精神的にやられてしまい今治療をやめました。不妊治療では人工授精を4回しましたが駄目で、そこの婦人科ではあまり基礎体温は重視せずただ単に排卵日の指導だであまり黄体ホルモン不全についての指導や薬はでませんでした。基礎体温をつけているのですが、自分で見る限りガタガタです。
内膜はいつも7.9前後で薄かったので、先月からイソラコンプラスを飲み始めました。飲み始めてからおりものが増えたので内膜が少し厚くなったのでは喜んでいたのですが、高温期はあいかわらずM字型です。
高温期を保ついいサプリなどはありますか?
それとももう一度婦人科に通ったほうがいいんでしょうか?
基礎体温
生理
1日目36.60
2日目36.48
3日目36.72
4日目36.46
5日目36.44
6日目36.50
7日目36.26
8日目36.28
9日目36.25
10日目36.34
11日目36.26
12日目36.24
13日目36.60
14日目36.41
15日目36.27
16日目36.38
17日目36.52(高温期突入)
18日目36.75
19日目36.87
20日目36.97
21日目36.62(m字)
22日目36.78
23日目37.04
24日目36.72
25日目36.76
26日目36.99
27日目36.82
28日目36.64
29日目36.71





お話を伺った先生のご紹介

原利夫 先生 (はらメディカルクリニック)


赤ちゃんが出来にくいという状態は、医学的な側面と環境的な側面の両面、言い換えますと、心と体のバランスの解決が必要であると考えております。
最近では、体外受精などの先進的な医療の妊娠率にとらわれがちですが、私達医師は、妊娠しやすい安心できる環境と、それをサポートする医学的な力を提供すべき使命があると考えています。
三人四脚で新しい家族の誕生をお手伝いすることが出来れば幸いです。

院長 : 原 利夫 (はら としお)
医学博士。58年慶応義塾大学大学院医学研究科修了にて医学博士学位を取得する。同大産婦人科助手を経て、62年東京歯科大学市川病院講師、平成元年千葉衛生短大非常勤講師となる。この間、日本初の体外受精凍結受精卵ベビー誕生のスタッフとしても活躍する。


≫ はらメディカルクリニック




二人目不妊を考える場合にまず疑わしいのは第一子ご出産後何らかの原因による不妊になる場合です。第一子分娩時の出血量はいかがでしたでしょうか。出血量が多かった場合には出産後卵管癒着やシーハン症候群(出産、分娩に伴う大量出血によって引き起こされる下垂体機能低下症)となり二人目不妊の原因になる場合があります。また出産によるアッシャーマン症候群(流産や人工妊娠中絶の際に、子宮内膜が傷つき、それが原因となって子宮内壁が癒着する)のように子宮の形状に異常が生じている場合もありますのでまずは不妊治療専門施設で一通りの検査をしてください。
また、ナコ様が心配されていた基礎体温の件やホルモン状態についても検査をしてみましょう。基礎体温がガタガタになった場合まず排卵があるかどうかを診断します。排卵がない場合には卵巣機能が低下している場合や脳下垂体機能不全などがあげられます。この場合は高温期・低温期の差が無く月経周期が不安定で不正出血がおこりやすいです。また、月経が異常に長い・短い、量が異常に多い・少ない、すぐ終わってしまったりだらだらと続いたりします。
基礎体温上排卵が認められた場合でも黄体化未破裂卵胞や黄体機能不全などがあります。
ナコ様はご自身の基礎体温がガタガタではないかと心配されていらっしゃいますが、基礎体温表で重要となる低体温期と高体温期の差が0.3度あることから基礎体温表上の診断ではなく適切な時期にホルモン検査を行い原因を追究していきましょう。もし採血でのホルモン検査で異常がなく排卵期前後の超音波診断で卵胞が消滅せず高温期になった場合黄体化未破裂卵胞の可能性があります。この場合は実際には排卵していないにもかかわらず基礎体温は二相性となるため検査をきちんと行わなければわかりにくいです。
排卵があれば黄体機能不全の可能性が考えられます。黄体機能不全とは、黄体の機能が十分ではなく排卵後の黄体ホルモンの分泌が不足した状態です。診断基準として高温期が10日未満、子宮内膜が8mm以下、黄体期の黄体ホルモン値が10mg/ml未満、基礎体温の温度差が0.3度無いことや高温期の途中で低温期は落ち込むなどの基礎体温の異常が挙げられます。治療としては不足した黄体ホルモンを補充したり、排卵誘発剤できちんと卵を成長させて黄体形成を促ししっかりと黄体ホルモンを出させる、HCG注射で黄体自体を刺激して黄体ホルモンを出させるようにすることが挙げられます。
高温期がM字ということであればまず病院でその理由を診断し治療していかなければなりませんのでサプリメントは不要と考えられます。
最後にご主人様の精液検査も重要です。第一子がいらっしゃるということですが当時の精子状態が妊娠のボーダーラインであった可能性があり、それ以降精子状態が低下していることが原因になるケースも二人目不妊には多く見られます。不妊治療専門施設ではご夫婦の検査を必要としますのでこの機会にお調べください。





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